数学 類 題 にチャレンジ 〔問 題 編 〕 【類 題 1 】 下の図のように,1 辺の長さが 8cm の正方形 ABCD を,頂点 A, B がそれぞれ頂点 D,C に重なるように 折り,EF を折り目とします。さらに,頂点 A が線分 EF 上に重なるように PB を折り目として折り曲げ,頂点 A と線分 EF が重なった点を Q とします。 このとき,次の各問に答えなさい。 (1) AP の長さを求めなさい。 A P E D Q (2) △QPB の面積を求めなさい。 B F C 【類 題 2 】 縦と横の辺の長さの比が 2 :1 である長方形 ABCD を,頂点 A が辺 CD 上にくるように,点 B を通る折り 目で折ります。このとき,折り目の直線と辺 AD との交点を E とし,点 A が移った点を F とします。 このとき,次の各問に答えなさい。 (1) △BCF と△FDE が相似であることを証明しなさい。 A E D F (2) BC=6cm のとき,線分 AE の長さを求めなさい。 B C 【類 題 3】 下の図のように,AD=10cm で,縦と横の辺の長さの比が 1: 2 の長方形 ABCD があります。辺 CD の中 点 E をとり,線分 AE を折り目として長方形 ABCD を折ったとき,点 D が移った点を F とし,AF の延長と辺 BC との交点を G とします。折った紙を元に戻し折り目の線分 AE と線分 AG,EG を書きます。 このとき,次の各問に答えなさい。 (1) △ECG≡△EFG であることを証明しなさい。 D E C G F A (2) △AEG の面積を求めなさい。 B 【類 題 4 】 下の図1のような,AB=20cm で,縦と横の長さの比が 1: 2 の長方形 ABCD の紙があります。辺 AD を 3 等分する点を A に近い方から P,Q とし,辺 BC を 3 等分する点を B に近い方から R,S とします。図2のよ うに,線分 PR,QS を折り目として,線分 AB,DC がぴったり重なるように折って,立体をつくります。 このとき,次の各問に答えなさい。 図2 図1 A D A B B Q P S R D C C (1) 図2でつくられた立体の体積を求めなさい。 (2) 図2において,重なった線分 AB,DC を離し,右の図3 のように改めて対角線 AC を折り目として折り重ねたとき の点 B の移った点を B’,線分 AD,B’C の交点を E とし, 図3 A B’ P Q E D 線分 AC,QS の交点を F とします。 このとき,四角形 CEQF の面積を求めなさい。 F B R S C 数学 類 題 にチャレンジ 〔解 法 ・解 答 編 〕 【類 題 1 】 ポイント 1 図形を折り返すと,等しい長さの線分や等しい大きさの角が移る。 ポイント 2 直角三角形の 3 辺 の長さを数や文字で表し,三平方の定理を用いて方程式をつくる。 ポイント 3 3 辺の比が,1:2: である直角三角形の 3 つの内角は,30°,60°,90°である。 ポイント 4 相似な三角形の 3 辺の比は等しい。 A P E 〔解 法 〕 (1 ) ポイント 1 より,線分 AP,AB が移った線分が QP, D Q QB なので,AP=QP,AB=QB=8cm になる。 ポイント 2 より,△QBF で三平方の定理を用いて, QF2+BF2=QB2 QF2+ 42 = 82 QF= 4 3 よって,△QBF の 3 辺の比は 1:2: 3 となり,ポイント 3 より,30°,60°,90°の直角三角形になる。 B △PQE と△QBF において A P F C E D ∠QEP=∠BFQ=90°…① Q ∠PQE=180°-90°-∠BQF=90°-30°=60° また,∠QBF=60°より ∠PQE=∠QBF=60°…② ①,②より,2 組の角がそれぞれ等しいので △PQE∽△QBF(はさみ込み型) ポイント 4 より,△PQE の 3 辺の比は 1:2: 3 となる。 B C F △PQE で,QE=8-QF=(8- 4 3 ) cm QP:QE=2:1 より QP=2(8- 4 3 )=(16- 8 3 ) cm 答え (16- 8 3 ) cm A P E D Q 1 (2 ) △QPB の面積は, ×QP×QB で求められるので, 2 1 ×(16- 8 3 )×8=(64- 32 3 ) cm2 2 答え (64- 32 3 ) cm2 B F C 【類 題 2】 ポイント 1 図形を折り返すと,等しい長さの線分や等しい大きさの角が移る。 ポイント 2 直角三角形に着目し,三平方の定理を用いて辺の長さを求める。 ポイント 3 直角二等辺三角形の 3 辺の比は 1:1: 2 である。 〔解 法 〕 (1 ) ポイント 1 より∠BAE が移った角が∠BFE なので, 大きさはいずれも 90゜。また,∠BCF,∠FDE も 90゜な ので,∠EFD(図中の● )を用いて,角の大きさを図の 180゜-90゜-● E A D ように表すことができる。 ● 〔解答例〕 F △BCF と△FDE において, 仮定より,∠BCF=∠FDE=90゜ ・・・① 長方形を折っているので,∠BFE=90゜ 180゜-90゜-● ここで,点 F に集まる角の和より ∠BFC=180゜-90゜-∠EFD ・・・② また,△FDE の内角の和より, ∠FED=180゜-90゜-∠EFD ②,③より,∠BFC=∠FED ・・・③ ・・・④ ①,④より,2 組の角がそれぞれ等しいので △BCF∽△FDE B C 〔終〕 (2 ) 長方形の辺の長さの比は 2 :1 なので,辺 AB の E A D 長さは 6× 2 =6 2 cm。ポイント 1 より辺 AB が移っ 6 2 -6(cm) たのが辺 FB なので,FB=6 2 cm。また,辺 AE が移 ったのが辺 FE なので,辺 FE の長さを求めればよい。 F ここで,ポイント 2 より△BCF に注目する。辺 CF の 長さを x(cm)とおくと,三平方の定理を用いて x2+62=(6 2 )2 6 2 cm これを解いて,x=6cm。よって BC=CF=6cm なので, x=6cm △BCF は直角二等辺三角形。また,△BCF∽△FDE 6 2 cm なので,△FDE も直角二等辺三角形。 次に,ポイント 3 より△FDE の 3 辺の比を利用する。 CD=6 2 cm,CF=6cm なので,FD=6 2 -6(cm)。 FD:FE=1: 2 なので, FE=(6 2 -6)× 2 =12-6 2 (cm) 答え 12-6 2 (cm) B 6cm C 【類 題 3】 ポイント 1 図形を折り返すと,等しい長さの線分や等しい大きさの角が移る。 ポイント 2 合同の証明の後の問題では,対応する辺の長さや角の大きさが等しいことを利用する。 ポイント 3 直角三角形に着目し,三平方の定理を用いて辺の長さを求める。 〔解 法 〕 (1 ) △ECG ≡△EFG を証 明 するためにはポイント 1 より折 り返 した図 形 の辺 や角 は等 しい ことと,さらに長 方 形 の角 の大 きさがすべて 90°であることを利 用 する。 証明例 △ECG と△EFG において,折っているので DE=FE・・・① 点 E は辺 CD の中点なので,DE=CE・・・② ①,②より CE=FE・・・③ 長方形の角はすべて 90°なので∠ADE=∠ECG=90°・・・④ 折っているので∠ADE=∠AFE=90°・・・⑤ ⑤より,∠EFG=180°-∠AFE=180°-90°=90°・・・⑥ ④,⑥より,∠ECG=∠EFG=90°・・・⑦ 共通なので EG=EG・・・⑧ ③,⑦,⑧より,直角三角形の斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しいので,△ECG≡△EFG (2) 縦と横の長さの比が 1: 2 で縦の長さが 10cm であるから, 横の長さは 10 2 cm である。また,辺 CD の中点が E なので DE=CE= 10 2 × 1 = 5 2 cm である。 2 D 5 2 cm E C ポイント 1 より,AF=AD=10cm,EF=ED= 5 2 cm, ∠AFE=∠ADE=90°である。 xcm 10cm また,FG=xcm とおくと,ポイント 2 より, 10cm FG=CG だから,CG=xcm。 よって,GB=(10-x)cm と表すことができる。 ここで,ポイント 3 より,直角三角形 ABG に 三平方の定理を用いて, ( 10 2 )2+(10-x)2=(10+x)2 これを解いて,x=5。よって,AG=10+5=15cm。 △AEG の面積は,AG×EF× 15× 5 2 × 5 2 cm 1 で求められるので, 2 75 2 1 = cm2 である。 2 2 答え 75 2 cm2 2 xcm F A G (10-x)cm B 10 2 cm 【類 題 4 】 ポイント 1 90゜,60゜,30゜の直角三角形の 3 辺の比は,1:2: である。 ポイント 2 直角三角形の 3 辺の長さを,数や文字で表し,三平方の定理を用いて方程式をつくる。 ポイント 3 相似な三角形(砂時計型)を発見し,その相似比から辺の長さを求める。 〔解 法 〕 (1 ) できた立体は三角柱で,底面は BR=RS=SC より正三角形。 B(C) AB=20cm で,AB:BC=1: 2 より,BC= 20 2 cm。また,BC を 20 2 cm。 3 ここで,正三角形 BRS の頂点 B から辺 RS に垂線 BH を引くと, 30° 3 等分しているので,正三角形 BRS の 1 辺の長さは △BRH は 90゜,60゜,30゜の直角三角形。ポイント 1 より,その 3 辺 の比は,1:2: 3。したがって, 60° 1 10 2 20 2 10 6 10 2 RH= × = cm ,BH= × 3= cm, 3 3 3 3 2 △BRS= R S H 1 20 2 10 6 200 3 × × = cm2。 3 3 9 2 よって,求める立体の体積は, 200 3 4000 3 ×20= cm3。 9 9 4000 3 cm3 9 答え (2) 折り返しにより,∠ACB=∠ACB’。また,平行線の錯角より, B’ ∠ACB=∠CAD。よって,∠ACB’=∠CAD だから,△EAC は EA=EC の二等辺三角形である。ここで,EA=EC=xcm とおくと, A P Q E D DE=(20 2 -x)cm と表せる。 ※△ECD≡△EAB’(はみ出し型)より EC=EA=xcm F よって,DE=(20 2 -x)cm としてもよい。 また,DC=20cm であることから,ポイント 2 より,△CDE で三平 B R S 方の定理を用いて, (20 2 -x)2+202=x2 1 = 150 2 cm2 と分かる。 2 次に,ポイント 3 より,△AQF∽△CSF で,その相似比は,AQ:CS=2:1 だから,QF:SF=2:1。 これを解いて,x=15 2 cm。 よって,△AEC の面積は 15 2 ×20× よって,QF=20× 2 2 40 2 40 = cm。 また,AQ= 20 2 × = cm。 3 3 3 3 ゆえに, △AQF= 150 2 - 40 2 800 2 40 1 × × = cm2。したがって,求める四角形 CEQF の面積は, 3 9 3 2 800 2 550 2 = cm2。 9 9 答え 550 2 cm2 9 C
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