下水汚泥焼却灰と石炭灰からの軽量セラミックスの作製

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竹内 信行
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准教授
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材料化学系
■研究の概要
下水道普及率の増加に伴って、下水処理場から排出される汚泥焼却灰の排出量は年々増加し、その処分が各自
治体で大きな問題になっています。汚泥焼却灰は、主としてセメント、
レンガなどの建築資材の原料として再利用
されていますが、単なる建築資材として再利用するのではなく、機能材料への転換や付加価値の付与が要求され
ています。
また、東日本大震災以降、石炭火力発電の割合が増加し、それに伴って廃棄物である石炭灰の排出量が増加し、
石炭灰の新規用途の開発が切望されています。
■研究・技術のプロセス/研究事例
実験方法
下水汚泥焼却灰(ISSA)
下水汚泥焼却灰(ISSA) 及び石炭灰(FA)の科学組成
Component SiO2 Al2O3 MgO
ISSA
CaO
P2O5
K2 O
Fe2O3
12.2
27.6
2.7
9.2
石炭灰(FA)
ISSA:FA
混合
FA-00(100:00)
FA-10(90:10)
Content
/ wt%
30.4
15.9
2.1
Component
SiO2
Al2O3 MgO CaO Na2O K2O
Content
/ wt%
50.2
30.6
FA
乾燥
FA-20(80:20)
直径(4cm)
成形
Fe2O3
C
5.9
1.8
保持温度: 1000~1100 ℃
焼成
0.5
3.2
0.8
1.2
保持時間 : 1 時間
雰囲気: Air, N2
各種測定
Air 中焼成した FA 添加試料の写真
1000℃
1050℃
1075℃
N2 中焼成した FA-10 の写真
1100℃
1000℃
1050℃
1075℃
N2 中焼成した FA-20 の写真
1100℃
1000℃
1050℃
1075℃
1100℃
10
断面図
断面図
20
FA-20 試料の見かけ密度と焼成温度との関係
FA-20 試料のかさ密度と焼成温度との関係
2.5
見かけ密度
/ g /cm
Appearent
density
g cm-3
空気中焼成
Fired in air
2
-3
-3
2.5
かさ密度
cm-3
Bulk
density // gg cm
リサイクルセラミックスの高機能化
下水汚泥焼却灰と石炭灰からの軽量セラミックスの作製
■キーワード
下水汚泥焼却灰 石炭灰 軽量セラミックス 還元雰囲気
1.5
空気中焼成
Fired
in N2
1
窒素中焼成
空気中焼成
Fired
in air
2
1.5
Fired in N2
窒素中焼成
1
0.5
0.5
1000
1000
1050
1100
1050
1100
焼成温度 / ℃
Firing temperature / ºC
焼成温度 / ℃
窒素中、1075℃で焼成することにより、見かけ密度が
0.82 g cm-3 となり、水に浮く 超軽量セラミックスが作製できた。
■セールスポイント 下水汚泥焼却灰に石炭灰を添加して窒素雰囲気中で焼成して発泡
させ、軽量セラミックスを作製しました。断熱効率が高く、耐水・耐候性の高い建築用屋
根材および外断熱材への利用が期待されます。
また、植物の生育に不可欠なリンを多く
含むので、屋上緑化材料としての利用も可能です。