設計要領 第七集 電気施設編 第1編 受配電設備 東日本高速道路株式

旧
設計要領
新
第七集
電気施設編
第1編
受配電設備
設計要領
備
考
第七集
電気施設編
第1編
受配電設備
東日本高速道路株式会社
東日本高速道路株式会社
中日本高速道路株式会社
中日本高速道路株式会社
西日本高速道路株式会社
西日本高速道路株式会社
1
旧
序
新
文
序
この要領は東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社(以下
「会社」という。)が施工する道路及びこれらに関連する工事の設計に適用する。
備
文
この要領は東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社(以下
「会社」という。)が施工する道路及びこれらに関連する工事の設計に適用する。
なお、この要領は設計のために必要な諸基準及び設計上の考え方を述べたものであり、共通的かつ
なお、この要領は設計のために必要な諸基準及び設計上の考え方を述べたものであり、共通的かつ
一般的なものであるから、具体的設計にあたっては、本来の意図するところを適確に把握し、現地の
一般的なものであるから、具体的設計にあたっては、本来の意図するところを適確に把握し、現地の
状況等を斟酌の上、合理的な設計となるよう努めなければならない。
状況等を斟酌の上、合理的な設計となるよう努めなければならない。
また、事業の効率化を図るためにも意を用いた弾力的な適用に努めなければならない。
また、事業の効率化を図るためにも意を用いた弾力的な適用に努めなければならない。
設計業務の実施に際しては、設備及び構造物の点検や補修が容易となるよう配慮した設計に努めな
設計業務の実施に際しては、設備及び構造物の点検や補修が容易となるよう配慮した設計に努めな
ければならない。また、長期的な安全性確保に向け、落下による高速道路利用者、高速道路外の交差
ければならない。また、長期的な安全性確保に向け、落下による高速道路利用者、高速道路外の交差
(並行)道路利用者、交差(並行)鉄道利用者、高速道路沿道居住者、その他高速道路の存在による
(並行)道路利用者、交差(並行)鉄道利用者、高速道路沿道居住者、その他高速道路の存在による
影響を受ける全ての関係者(以下「高速道路利用者等」という。)への被害を防止するための対策に
影響を受ける全ての関係者(以下「高速道路利用者等」という。)への被害を防止するための対策に
ついてもあわせて勘案のうえ、合理的な設計となるよう努めなければならない。
ついてもあわせて勘案のうえ、合理的な設計となるよう努めなければならない。
本要領の適用は以下のとおりである。
考
本要領の適用は以下のとおりである。
東日本高速道路株式会社
平成 26 年 7 月
東日本高速道路株式会社
平成 27 年 7 月
中日本高速道路株式会社
平成 26 年 7 月
中日本高速道路株式会社
平成 27 年 7 月
西日本高速道路株式会社
平成 26 年 7 月
西日本高速道路株式会社
平成 27 年 7 月
2
旧
1−3 適用基準及び法令
新
備
考
1−3 適用基準及び法令
受配電設備の設計にあたっては、次の基準及び法令等を適用するものとする。
受配電設備の設計にあたっては、次の基準及び法令等を適用するものとする。
(1) 電技基準及び電技解釈
(1) 電技基準及び電技解釈
(2) 電気用品取締法
(2) 電気用品安全法
(3) 消防関係法令
(3) 消防関係法令
(4) 電気供給約款及び内線規程、配電規程
(4) 電気供給約款及び内線規程、配電規程
(5) 日本工業規格(JIS)
(5) 日本工業規格(JIS)
(6) 電気学会電気規格調査会標準規格(JEC)
(6) 電気学会電気規格調査会標準規格(JEC)
(7) 日本電機工業会規格(JEM)
(7) 日本電機工業会規格(JEM)
(8) 東/中/西日本高速道路株式会社設計要領
(8) 東/中/西日本高速道路株式会社設計要領
(9) 東/中/西日本高速道路株式会社施設機材仕様書集
(9) 東/中/西日本高速道路株式会社施設機材仕様書集
(10) 東/中/西日本高速道路株式会社機械電気通信設備標準設計図集
(10) 東/中/西日本高速道路株式会社機械電気通信設備標準設計図集
(11) 東/中/西日本高速道路株式会社電気通信工事共通仕様書
(11) 東/中/西日本高速道路株式会社電気通信工事共通仕様書
(12) その他関係基準
(12) その他関係基準
受配電設備の計画及び設計にあたっては、
「電技基準」をはじめとする電気施設の保安に関する技術
受配電設備の計画及び設計にあたっては、
「電技基準」をはじめとする電気施設の保安に関する技術
基準や法令の規制をうける他、JIS、JEC及びJEM等各種製品に関する諸規格も充分遵守しな
基準や法令の規制をうける他、JIS、JEC及びJEM等各種製品に関する諸規格も充分遵守しな
ければならない。
ければならない。
また、電気室等関連建物に関しては、防災上から消防法の適用もうけることから、それら関係法令、
基準及び諸規格を総合的に検討の上、受配電設備の計画及び設計を行なう必要がある。
また、電気室等関連建物に関しては、防災上から消防法の適用もうけることから、それら関係法令、
基準及び諸規格を総合的に検討の上、受配電設備の計画及び設計を行なう必要がある。
p6
3
旧
備
考
2−3 受 電 容 量
2−3 受 電 容 量
受電設備容量は次式により求めるものとする。
Pr = Σ [
ここで
新
P
1
Pf×(η× )
100
Df
1
×
] ×
100
F
Pr = Σ [
ここで
Pr :受電容量〔KVA〕
P
受電設備容量は次式により求めるものとする。
:負荷種別毎取付容量〔KW〕
P
1
Pf×(η× )
100
Df
1
×
] ×
100
F
Pr :受電容量〔KVA〕
P
:負荷種別毎取付容量〔KW〕
Pf :負荷種別毎力率
Pf :負荷種別毎力率
η
η
:負荷種別毎効率〔%〕
:負荷種別毎効率〔%〕
Df :負荷種別毎需要率〔%〕
Df :負荷種別毎需要率〔%〕
F
F
:不等率
:不等率
(1) 負荷種別毎効率ηは、負荷種別毎出力を負荷種別毎入力で除した率(%)である。
(1) 負荷力率は特に問題がない限りPf=0.9 とし 0.9 以下のものについては進相コンデンサにより機
器単体ごとに力率改善するものとする。
(2) 負荷力率は特に問題がない限りPf=0.9 とし 0.9 以下のものについては進相コンデンサにより機
器単体ごとに力率改善するものとする。
(2) 負荷効率は個々の設計に際して負荷の使用機器決定後調査決定しなければならない。
(3) 負荷効率は個々の設計に際して負荷の使用機器決定後調査決定しなければならない。
ただし、あらかじめ推定しなければならない場合は表 2−3 を標準とする。
ただし、あらかじめ推定しなければならない場合は表 2−3 を標準とする。
変圧器容量の決定に際しては、特に当該変圧器に大容量動力が付加されるような場合は、電圧
変圧器容量の決定に際しては、特に当該変圧器に大容量動力が付加されるような場合は、電圧変
変動を充分勘案して設計する必要がある。
動を充分勘案して設計する必要がある。
p15
4
旧
新
備
考
3−3 受 電 地 点
3−3 受 電 地 点
受電地点は、原則として電気を使用する区域内(構内)におくものとし、供給電力会社の配電線よ
受電地点は、原則として電気を使用する区域内(構内)におくものとし、供給電力会社の配電線よ
りの引込みが容易でかつ負荷重心に極力近い場所を選定するものとする。
りの引込みが容易でかつ負荷重心に極力近い場所を選定するものとする。
受電地点は、負荷重心に極力近い場所を選定するものとするが、引き込みに係る費用および維持管
受電地点は、負荷重心に極力近い場所を選定するものとするが、引き込みに係る費用および維持管
理上の利便さ、ならびに設備の落下による高速道路利用者等への被害発生の防止について総合的に判
理上の利便さ、ならびに設備の落下による高速道路利用者等への被害発生の防止について総合的に判
断し合理的な地点を選定すべく電力会社と充分な協議が必要である。※1
断し合理的な地点を選定すべく電力会社と充分な協議が必要である。※1
受電地点は、負荷重心に極力近い場所を選定するものとするが、引き込みに係る費用および維持管
受電地点は、負荷重心に極力近い場所を選定するものとするが、引き込みに係る費用および維持管
理上の利便さについて総合的に判断し合理的な地点を選定すべく電力会社と充分な協議が必要である。
理上の利便さについて総合的に判断し合理的な地点を選定すべく電力会社と充分な協議が必要である。
※2
※2
なお、受電地点における開閉器の位置及び仕様、取引用計器変成器(MOF)の取付位置、地絡及び
なお、受電地点における開閉器の位置及び仕様、取引用計器変成器(MOF)の取付位置、地絡及び
短絡保護方式の調整、さらには避雷保護の範囲等についても関係電力会社と充分打合せをしなければ
短絡保護方式の調整、さらには避雷保護の範囲等についても関係電力会社と充分打合せをしなければ
ならない。
ならない。
また、受電所の配置計画に際しては次の(1)から(3)を考慮しなければならない。
また、受電所の配置計画に際しては次の(1)から(3)を考慮しなければならない。
(1) 湿気、塵埃等が少なくかつ不時の浸水の恐れのない場所であること。
(1) 湿気、塵埃等が少なくかつ不時の浸水の恐れのない場所であること。
(2) 機器搬入、搬出に支障のない場所であること。
(2) 機器搬入、搬出に支障のない場所であること。
(3) 将来増設が予想される場合はそのスペースおよび搬入通路についても予め充分考慮すること。
(3) 将来増設が予想される場合はそのスペースおよび搬入通路についても予め充分考慮すること。
(4) 保守管理に支障のない場所であること。
※1:東日本高速道路株式会社及び中日本高速道路株式会社に適用する。
※1:東日本高速道路株式会社及び中日本高速道路株式会社に適用する。
※2:西日本高速道路株式会社に適用する。
※2:西日本高速道路株式会社に適用する。
3−4 責任分界点及び財産分界点
3−4 責任分界点及び財産分界点
受配電設備の設計にあたっては、あらかじめ供給電力会社と協議して管理上の責任分界点と財産
区分を明確にするための財産分界点を取り決めなければならない。
高圧受電における引込みは、原則として自家用構内第1支柱による架空引込みとする。
受配電設備の設計にあたっては、あらかじめ供給電力会社と協議して管理上の責任分界点と財産
区分を明確にするための財産分界点を取り決めなければならない。
高圧受電における引込みは、原則として自家用構内第1支柱による架空引込みとする。
責任分界点及び財産分界点は供給電力会社との協議によって決定されなければならないが、原則とし
責任分界点及び財産分界点は供給電力会社との協議によって決定されなければならないが、原則とし
て会社が設置する構内第1支持柱に開閉器を装柱する場合は、この開閉器の一次側接続点を責任分界点
て会社が設置する構内第1支持柱に開閉器を装柱する場合は、この開閉器の一次側接続点を責任分界点
及び財産分界点とする。また特に地中引込みの必要がある場合は、供給電力会社との充分な協議によっ
及び財産分界点とする。また特に地中引込みの必要がある場合は、供給電力会社との充分な協議によっ
て決定するものとする。
て決定するものとする。
p20
5
旧
新
3−5 受 電 方 式
備
考
3−5 受 電 方 式
受電方式は、負荷の重要度と電力供給側の配電線の信頼度を総合判断して停電対策の度合いを決
め、次のA、B、Cのうちから選定するものとする。
受電方式は、負荷の重要度と電力供給側の配電線の信頼度を総合判断して停電対策の度合いを決
め、次のA、B、Cのうちから選定するものとする。
方式記号
内容
受電箇所
方式記号
内容
受電箇所
A
異系統受電 + 自家発電
2
A
異系統受電 + 自家発電
2
B
1回線受電 + 自家発電
1
B
1回線受電 + 自家発電
1
C
1回線受電
1
C
1回線受電
1
(1) 異系統受電は、特に長大トンネル等において、その両端で異系統電力を常用受電し、片側が停電
(1) 異系統受電は、特に長大トンネル等において、その両端で異系統電力を常用受電し、片側が停電
時、他方が残置することにより全体としての停電確率を半減される方式で、トンネル照明等の重要
時、他方が残置することにより全体としての停電確率を半減される方式で、トンネル照明等の重要
負荷にとっては非常に有意義である。
負荷にとっては非常に有意義である。
ただし、この方式の採用は所轄経済産業局及び電力会社との協議において認められた場合に限
られる。
ただし、この方式の採用は所轄経済産業局及び電力会社との協議において認められた場合に限
られる。
(2) 自家発電電力を併用する方式において自家発電電力に付加すべき負荷種別の選定や、設備の設置
(2) 自家発電電力を併用する方式において自家発電電力に付加すべき負荷種別の選定や、設備の設置
台数、設置箇所等に関する諸検討は「設計要領 七集 電気施設 第 2 編 自家発電設備」によるもの
台数、設置箇所等に関する諸検討は「設計要領 七集 電気施設 第 2 編 自家発電設備」によるもの
とする。
とする。
(3)受電方式は特に支障のない場合、本編で規定する受電方式の適用標準は表 3−1 とする。
(3)受電方式は特に支障のない場合、本編で規定する受電方式の適用標準は表 3−1 とする。
表3−1 受電方式の適用標準※1
表3−1 受電方式の適用標準
対
象
設
方 式 記 号
電気室が2ヶ所以上の場合
A又はB
電気室が1ヶ所の場合
B
換気設備のない
延長が 500m以上の場合
B
ト ン ネ ル
延長が 500m未満の場合
C
ト ン ネ ル
摘
要
対
ト ン ネ ル
ト ン ネ ル
換気設備を有する
施
象
換気設備を有する
施
設
方 式 記 号
電気室が2ヶ所以上の場合
A又はB
電気室が1ヶ所の場合
B
換気設備のない
延長が 500m以上の場合
B
ト ン ネ ル
延長が 500m未満の場合
C
ト ン ネ ル
インターチェンジ、ジャンクション及び本線料金所
B
インターチェンジ、ジャンクション及び本線料金所
B
サービスエリア
C
サービスエリア
C又はB
本
明
C
本
パーキングエリア
C
パーキングエリア
線
照
(注) ただし、表中のAの取り扱いは前記(2)による。
線
照
明
摘
要
C
C又はB
(注) ただし、表中のAの取り扱いは前記(2)による。
p13(1/2)
6
旧
新
備
考
表3−1 受電方式の適用標準※2
対
象
ト ン ネ ル
換気設備を有する
施
設
方 式 記 号
電気室が2ヶ所以上の場合
A又はB
電気室が1ヶ所の場合
B
換気設備のない
延長が 500m以上の場合
B
ト ン ネ ル
延長が 500m未満の場合
C
ト ン ネ ル
インターチェンジ、ジャンクション及び本線料金所
B
サービスエリア
B
本
明
C
パーキングエリア
B
線
照
摘
要
(注) ただし、表中のAの取り扱いは前記(2)による。
※1:東日本高速道路株式会社及び西日本高速道路株式会社に適用する。
※2:中日本高速道路株式会社に適用する。
p13(2/2)
7
旧
新
(4) トンネルの受電方式は図 3-1 に示す(a)から(e)のいずれかとする。
図3-1 トンネルの受電方式
(5) 休憩施設の受電方式は、図 3-2 に示す(a)から(d)のいずれかとする。
エリア
受電所
受電所
エリア
エリア
(b)
エリア
配電所
(c) 1 地点受電−3
1 地点受電−
エリア
受電所
エリア
エリア
エリア
配電所
(a) 地点受電−1
(5) 休憩施設の受電方式は、図 3-2 に示す(a)から(d)のいずれかとする。
エリア
エリア
考
(4) トンネルの受電方式は図 3-1 に示す(a)から(e)のいずれかとする。
図3-1 トンネルの受電方式
受電所
備
エリア
配電所
配電所
(a)地点受電−1
(b)1 地点受電−2
(c)1 地点受電−3
エリア
エリア
(d) 2 地点受電
エリア
(d) 2 地点受電
図3-2 休憩施設の受電方式
図3-2 休憩施設の受電方式
p14
8
旧
(b) 保守点検に必要な通路は、幅0.8m以上、高さ1.8m以上を確保するものとする。(労働安全規
則第542・543条)
新
備
考
(b) 保守点検に必要な通路は、幅0.8m以上、高さ1.8m以上を確保するものとする。(労働安全衛
生規則第542・543条)
(c) キュービクル式及び金属箱に収めた受配電設備を室内に設置する場合、金属箱の周囲との保有
(c) キュービクル式及び金属箱に収めた受配電設備を室内に設置する場合、金属箱の周囲との保有
距離、他造営物又は物品との離隔距離は、図3-3のように保持するものとし、屋外に設置する場
距離、他造営物又は物品との離隔距離は、図3-3のように保持するものとし、屋外に設置する場
合は、周囲1.2m以上の保有距離を確保するものとする。
合は、周囲1.2m以上の保有距離を確保するものとする。
図3-3 キュービクル式等の保有距離
図3-3 キュービクル式等の保有距離
p16
9
旧
新
4−7 電 圧 降 下
備
考
4−7 電 圧 降 下
受配電設備における電圧降下は、受電電圧の変動を含み構内の電線路及び変圧器における電圧降
下を算出し電気機器の許容電圧範囲内でなければならない。
受配電設備における電圧降下は、受電電圧の変動を含み構内の電線路及び変圧器における電圧降
下を算出し電気機器の許容電圧範囲内でなければならない。
ただし、電動機において起動時の電圧降下は電動機が起動可能な値でなければならない。
ただし、電動機において起動時の電圧降下は電動機が起動可能な値でなければならない。
電気機器の許容電圧変動範囲は一般的に定格電圧の±10%以内である。従って、電圧降下により
電気機器の許容電圧変動範囲は一般的に定格電圧の±10%以内である。従って、電圧降下により
電気機器への供給電圧が最低許容電圧を下回る場合は、電圧降下の低減対策を施さなければならない。
電気機器への供給電圧が最低許容電圧を下回る場合は、電圧降下の低減対策を施さなければならない。
また、起動容量の大きい電動機を設置する場合は、電力会社系統への影響にも考慮しなければなら
また、起動容量の大きい電動機を設置する場合は、電力会社系統への影響にも考慮しなければなら
ない。
ない。
(1) 電圧降下は、一般的に次式により算出される。(概算式)
PR+QX
10000
(1) 電圧降下は、一般的に次式により算出される。(概算式)
R:(%)インピーダンスの抵抗分
(10MVA 基準)
X:(%)インピーダンスのリアクタンス分
(10MVA 基準)
PR+QX
10000
R:(%)インピーダンスの抵抗分
(10MVA 基準)
X:(%)インピーダンスのリアクタンス分
(10MVA 基準)
P:有効電力(KW)
P:有効電力(KW)
Q:無効電力(Kvar)
Q:無効電力(Kvar)
最大電圧降下は、最高使用電力をベース負荷とし、最大容量の電動機起動容量を加算したP及
びQにより算出される。
びQにより算出される。
(2) 各負荷には、樹枝状に配電されるため、配電装置ごとに電圧降下を計算し各計算値の算術和を電
圧降下値とするので、検討に際しては注意が必要である。
△ES
ZS
電力会
最大電圧降下は、最高使用電力をベース負荷とし、最大容量の電動機起動容量を加算したP及
△ER
△ETL
△ETM
圧降下値とするので、検討に際しては注意が必要である。
△ELL
ZR
需 要 ZTL
ZLL
△ES
照明設備
その他設
△ER
△ETL
△ELL
ZR
ZS
需 要 ZTL
電力会
△ELM
△ETM
I
ZTM
(2) 各負荷には、樹枝状に配電されるため、配電装置ごとに電圧降下を計算し各計算値の算術和を電
ZLL
照明設備
その他設
△ELM
電動
I
ZLM
ZTM
図4-1 配線路の電圧降下(照明その他設備)
ZLM
図4-1 配線路の電圧降下(照明その他設備)
照明設備電圧降下 εL
:=ΔES+ΔER+ΔETL+ΔELL
照明設備電圧降下率 εL
:=ΔES+ΔER+ΔETL+ΔELL
電動機電圧降下
:=ΔES+ΔER+ΔETM+ΔELM
電動機電圧降下率 εM
:=ΔES+ΔER+ΔETM+ΔELM
εM
p55
電動
ΔEs・ZS
ΔER・ZR
ΔETL・ZTL
ΔZLL・ZLL
ΔZTM・ZTM
ΔZLM・ZLM
:
:
:
:
:
:
電力配電ケーブル電圧降下率・インピーダンス
引込ケーブル電圧降下率・インピーダンス
照明変圧器電圧降下率・インピーダンス
照明設備ケーブル(主幹・配電)電圧降下率・インピーダンス
動力変圧器電圧降下率・インピーダンス
電動機ケーブル(主幹・配電)電圧降下率・インピーダンス
10
旧
新
従って、実負荷時における最大電圧変動率は
εm=
最大負荷容量(KVA)
×%Z
変圧器の定格容量(KVA)
備
考
従って、実負荷時における最大電圧変動率εmは
εm=
〔%〕
により概算され、電圧変動率を10%以内におさえるための変圧器容量は、次式により算定さ
れる。
最大負荷容量(KVA)
×%Z
変圧器の定格容量(KVA)
〔%〕
により概算され、電圧変動率を10%以内におさえるための変圧器容量は、次式により算定さ
れる。
(概算式)
(概算式)
変圧器の定格容量(KVA) ≧
最大負荷容量(KVA)
× %Z
εm(=10)
変圧器の定格容量(KVA) ≧
εm:実負荷時における最大電圧変動率(10%以内)
最大負荷容量(KVA)
× %Z
εm(=10)
εm:実負荷時における最大電圧変動率(10%以内)
概算方式による電圧変動率の算定に用いる変圧器のパーセントインピーダンス(%Z)の値は厳
概算方式による電圧変動率の算定に用いる変圧器のパーセントインピーダンス(%Z)の値は厳
密には使用変圧器個々により異なるが、設計段階でそれを求めることが困難な場合が多いので、
密には使用変圧器個々により異なるが、設計段階でそれを求めることが困難な場合が多いので、
特別な場合を除いて表4−3を標準とする。
特別な場合を除いて表4−3を標準とする。
表4−3 変圧器のパーセントインピーダンス
一 次 公 称 電 圧
3,000V 又は 6,000V
変 圧 器 の 容 量
表4−3 変圧器のパーセントインピーダンス
%Z
50KVA 未満
4.0
50KVA 以上200KVA 未
満
4.5
200KVA 以上
5.0
一 次 公 称 電 圧
3,000V 又は 6,000V
変 圧 器 の 容 量
%Z
50KVA 未満
4.0
50KVA 以上200KVA 未
満
4.5
200KVA 以上
5.0
(5) 電動機負荷による電圧変動率は電動機の起動方式や同時起動台数の容量によって異なるが、最大
(5) 電動機負荷による電圧変動率は電動機の起動方式や同時起動台数の容量によって異なるが、最大
電圧変動率を算出するにあたっては、他の負荷がすべて定常運転状態にて付加されている状態に最
電圧変動率を算出するにあたっては、他の負荷がすべて定常運転状態にて付加されている状態に最
大容量機同時起動台数分の起動入力を加算した値を最大負荷容量としてεmを求めるものとする。
大容量機同時起動台数分の起動入力を加算した値を最大負荷容量としてεmを求めるものとする。
電動機の起動入力はその種別、形式、容量等により異なるため個々のケースにおいて調査しなけれ
電動機の起動入力はその種別、形式、容量等により異なるため個々のケースにおいて調査しなけれ
ばならない。
ばならない。
p57
11
旧
4−9 力率改善の算定
新
備
考
4−9 力率改善の算定
(1) 一 般 事 項
(1) 一 般 事 項
受配電系統の電力損失の軽減、系統容量の増加及び電圧降下の低減を図るために、必要に応じ
てしかるべき力率改善を行なうものとする。
受配電系統の電力損失の軽減、系統容量の増加及び電圧降下の低減を図るために、必要に応じ
てしかるべき力率改善を行なうものとする。
(a) 配電系統に接続される誘導負荷(誘導電動機等)や整流器、電子機器などは、系統から遅相電流
(a) 配電系統に接続される誘導負荷(誘導電動機等)や整流器、電子機器などは、系統から遅相電流
をとることにより、無効分が増大し力率の低下や系統電圧の低下を起し、変圧器、電線及びケ
をとることにより、無効分が増大し力率の低下や系統電圧の低下を起し、変圧器、電線及びケ
ーブルの銅損を大きくし、送電効率の低下や電力料金を増加させる要因となるため、この力率
ーブルの損失を大きくし、送電効率の低下や電力料金を増加させる要因となるため、この力率
改善により、電力損失の軽減、系統容量の増加、電圧の改善及び電力料金の軽減を図らなけれ
改善により、電力損失の軽減、系統容量の増加、電圧の改善及び電力料金の軽減を図らなけれ
ばならない。力率改善にあたっては、対象施設の各種負荷設備の力率を調査のうえ設計しなけ
ばならない。力率改善にあたっては、対象施設の各種負荷設備の力率を調査のうえ設計しなけ
ればならない。
ればならない。
(b) 力率改善にあたっては、対象設備の各種負荷設備側にて行なうことが望ましい。
ただし、整流器負荷等が多くなると予想される場合には、系統側で力率改善を施すことも検
討する必要がある。
(b) 力率改善にあたっては、対象設備の各種負荷設備側にて行なうことが望ましい。
ただし、整流器負荷等が多くなると予想される場合には、系統側で力率改善を施すことも検
討する必要がある。
p59
12
旧
新
4−10 屋内換気扇の風量算出
備
考
4−10 屋内換気扇の風量算出
受配電室には、収納された機器及び配電盤からの発熱を換気し、室内温度を機器使用状態の最高
温度(40℃)以下とするための換気扇設備を設ける。
受配電室には、収納された機器及び配電盤からの発熱を換気し、室内温度を機器使用状態の最高
温度(40℃)以下とするための換気扇設備を設ける。
受配電室の室内換気扇の容量算出にあたっては、その受配電室に設置される機器の発熱量の総和で
受配電室の室内換気扇の容量算出にあたっては、その受配電室に設置される機器の発熱量の総和で
決定する必要がある。対象となるべき機器としては、変圧器、高・低圧配電盤、直流電源・無停電電
決定する必要がある。対象となるべき機器としては、変圧器、高・低圧配電盤、直流電源・無停電電
源設備があり、それぞれについて次の(1)、(2)及び(3)により発熱量を算出する。
源設備があり、それぞれについて次の(1)、(2)及び(3)により発熱量を算出する。
(1) 変 圧 器
(1) 変 圧 器
容量別発熱量の概算値(KW)を表 4−6 に示す。
容量別発熱量の概算値(KW)を表 4−6 に示す。
表4−6
表4−6 変圧器の容量別発熱量(kW)の概算値
容量(KVA)
50
75
100
150
200
300
500
750
1000
1500
2000
容量(KVA)
50
75
100
150
200
300
500
750
1000
1500
2000
油
入
-
-
-
-
-
-
-
-
14
18
23
油
入
-
-
-
-
-
-
-
-
14
18
23
モールド
2
2.5
3
3.5
4.5
6
9
11
-
-
-
モールド
2
2.5
3
3.5
4.5
6
9
11
-
-
-
(2) 高低圧配電盤
(2) 高低圧配電盤
配電盤の発熱は収納された機器からの発熱の総和となる。原則として、配電盤1面あたりの発
配電盤の発熱は収納された機器からの発熱の総和となる。原則として、配電盤1面あたりの発
熱量は 500W とし、変圧器を収納する配電盤の場合は変圧器容量に応じて表 4−6 に示す発熱量を
熱量は 500W とし、変圧器を収納する配電盤の場合は変圧器容量に応じて表 4−6 に示す発熱量を
加算して計画する。
加算して計画する。
(3) 直流電源・無停電電源設備
(3) 直流電源・無停電電源設備
直流電源装置及び無停電電源装置の発熱量については、蓄電池の発熱量は微量であることから
無視し、充電器の発生熱量で算出する。
直流電源装置及び無停電電源装置の発熱量については、蓄電池の発熱量は微量であることから
無視し、充電器の発生熱量で算出する。
ただし、休止待機方式であるトンネル用インバータの充電器については、充電器の発熱量も無
視してよい。
ただし、休止待機方式であるトンネル用インバータの充電器については、充電器の発熱量も無
視してよい。
なお、充電器の発熱量の概略値を表 4−7 に示す。
なお、充電器の発熱量の概略値を表 4−7 に示す。
表4−7
表4−7 充電器の出力電流別発熱量(KW)の概略値
直流出力電流(A)
10
20
30
50
75
100
150
直流出力電流(A)
10
20
30
50
75
100
150
発 熱 量 (KW)
0.7
1.3
1.5
1.9
2.1
2.9
4.4
発 熱 量 (KW)
0.7
1.3
1.5
1.9
2.1
2.9
4.4
p63
13
旧
5−3 地絡保護協調
新
備
考
5−3 地絡保護協調
(1) 高圧の地絡保護協調は、電力会社との協議により、地絡継電器のタップの整定等を行ない、配電
用供給変電所との協調をとらなければならない。
なお、高圧需要家構内の高圧ケーブルが 100mを超過するような場合は方向性をもった地絡保護
システムとする。
(1) 高圧の地絡保護協調は、電力会社との協議により、地絡継電器のタップの整定等を行ない、配電
用供給変電所との協調をとらなければならない。
なお、高圧需要家構内の地絡事故を防止するため方向性をもった地絡保護システムとする。
(2) 低圧の地絡保護協調は地絡継電器方式とし、零相変流器を用いて地絡電流を検出する電流動作形
(2) 低圧の地絡保護協調は地絡継電器方式とし、零相変流器を用いて地絡電流を検出する電流動作形
によるものとする。道路照明、トンネル照明及び換気機等は、地絡継電器により検出し、電磁接触
器(MC)又は配線用しゃ断器(MCB)でしゃ断する選択しゃ断方式とする。
なお、200V、100V 系については、特に必要性があるものについてのみ保護を考慮するものとす
によるものとする。道路照明、トンネル照明及び換気機等は、地絡継電器により検出し、電磁接触
器(MC)又は配線用しゃ断器(MCB)でしゃ断する選択しゃ断方式とする。
なお、200V、100V 系については、特に必要性があるものについてのみ保護を考慮するものとす
る。
る。
(1) 地絡事故と短絡事故を比べると、事故発生時の電圧電流の変化は、地絡時の方が微妙で零相分の
(1) 地絡事故と短絡事故を比べると、事故発生時の電圧電流の変化は、地絡時の方が微妙で零相分の
電圧電流の発生量は検出しにくい。従って、零相電圧及び零相電流の検出に必要な計器用変圧器及
電圧電流の発生量は検出しにくい。従って、零相電圧及び零相電流の検出に必要な零相電圧変成器
び変流器と、継電器の組合せ特性を充分に検討する必要がある。
及び零相変流器の組合せ特性を充分に検討する必要がある。
(2) 高圧需要家構内の高圧ケーブルの亘長が 100mを超える場合は、地絡継電器の不要動作対策の他
に、一線地絡事故時の異常電圧対策及びB種接地抵抗値対策の検討が必要である。
(2) 高圧需要家構内の高圧ケーブルの亘長が 100mを超える場合は、一線地絡事故時の異常電圧対策
及びB種接地抵抗値対策の検討が必要である。
(3) 地絡保護継電装置の保守点検や継電器電源の確保などにも充分留意することが肝要である。特に
(3) 地絡保護継電装置の保守点検や継電器電源の確保などにも充分留意することが肝要である。特に
時限整定等の協調及びB種接地抵抗値対策は個々に検討の上、電力会社との協議により、最終決定
時限整定等の協調及びB種接地抵抗値対策は個々に検討の上、電力会社との協議により、最終決定
しなければならない。
しなければならない。
(4) 受電用零相変流器の取付位置は、極力電源側に取り付け保護範囲を広くする。高圧架空受電の場
合は、責任分界点近くの区分開閉器に内蔵設置するように考慮する。
(4) 受電用零相変流器の取付位置は、極力電源側に取り付け保護範囲を広くする。高圧受電の場合は、
責任分界点近くの区分開閉器に内蔵設置するように考慮する。
(5) 400V系の地絡保護は、零相変流器を用いて地絡電流を検出する電流動作型の地絡継電器式による
(5) 400V系の地絡保護は、零相変流器を用いて地絡電流を検出する電流動作型の地絡継電器式による
ものとし、電磁接触器(MC)又は配線用しゃ断器(MCB)によってしゃ断する選択しゃ断方式を採
ものとし、電磁接触器(MC)又は配線用しゃ断器(MCB)によってしゃ断する選択しゃ断方式を採
用する。また継電器の整定は充分調査及び検討の上行なうものとする。
用する。また継電器の整定は充分調査及び検討の上行なうものとする。
(6) 200V 及び 100V 系は、一般動力用や電灯用に使用するものであり屋内施設になるものが多い関係
(6) 200V 及び 100V 系は、一般動力用や電灯用に使用するものであり屋内施設になるものが多い関係
上、特に使用場所における湿気等による漏電(地絡)が発生しやすいと認められる配電線路、並びに
上、特に使用場所における湿気等による漏電(地絡)が発生しやすいと認められる配電線路、並びに
「電技基準」
、
「電技解釈」及び「内線規程」等に規定されている個所にのみ地絡保護を考慮するも
「電技基準」
、
「電技解釈」及び「内線規程」等に規定されている個所にのみ地絡保護を考慮するも
のとする。
のとする。
なお、この地絡保護が分電盤等負荷末端の場合は漏電しゃ断器の適用を検討する。
なお、この地絡保護が分電盤等負荷末端の場合は漏電しゃ断器の適用を検討する。
p70
14
旧
新
7.接 地
備 考
7.接 地
接地は、雷サージや系統に発生する異常電圧に対し、感電の防止と電気機器の絶縁保護を目的と
して施設するものであり、接地基準は「電技基準」及び「電技解釈」による。
(1) 接地工事
接地は、雷サージや系統に発生する異常電圧に対し、感電の防止と電気機器の絶縁保護を目的と
して施設するものであり、接地基準は「電技基準」及び「電技解釈」による。
(1) 接地工事
山岳地帯での接地工事は岩盤により接地抵抗値が得られないことがあり、接地抵抗を得るため
山岳地帯での接地工事は岩盤により接地抵抗値が得られないことがあり、接地抵抗を得るため
多大な労力を費やさなければならないことがある。従って、接地工事は充分に事前調査の上設計
多大な労力を費やさなければならないことがある。従って、接地工事は充分に事前調査の上設計
しなければならない。
しなければならない。
また、接地工事は、トンネル土木工事や建築工事との関連があり、工事着手前に対処しなけれ
ばならないこともあるので、関連する工事の工程に注意しなければならない。
(2) 接地工事の適用区分
また、接地工事は、トンネル土木工事や建築工事との関連があり、工事着手前に対処しなけれ
ばならないこともあるので、関連する工事の工程に注意しなければならない。
(2) 接地工事の適用区分
接地工事は、原則として表7−1に示す区分とする。
接地工事は、原則として表7−1に示す区分とする。
ただし、通信機器等弱電機器のD種接地は、他設備と分離して専用接地を行なうものとする。
ただし、通信機器等弱電機器のD種接地は、他設備と分離して専用接地を行なうものとする。
表7−1
接地工事の種類
対
表7−1 接地工事の種類と対象機器
象
機
器
接地工事の種類
避雷器、
A種接地工事
象
機
器
避雷器、
特高、高圧機器、計器用変圧器 2 次(特高)
A種接地工事
変圧器 2 次がY結線はN相、
B種接地工事
対
その他の結線は三相のうちのいずれか1相
特高、高圧機器、計器用変圧器 2 次(特高)
変圧器 2 次がY結線はN相、
B種接地工事
その他の結線は三相のうちのいずれか1相
C種接地工事
低圧機器(300Vをこえるもの)
C種接地工事
低圧機器(300Vをこえるもの)
D種接地工事
低圧機器(300V以下) 計器用変圧器 2 次(高圧)
D種接地工事
低圧機器(300V以下) 計器用変圧器 2 次(高圧)
p73
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