ダイヤモンドと立方晶窒化ホウ素の 界面構造を解明 ∼ハチの巣状格子

古閑 哲人
大友 亮介
会員異動(2015 年 7 月)
新 入 会
個人会員 8 名,学生会員 44 名
[東北北海道支部]
(個人会員) 盛岡 実
(学生会員) NGUYEN HIEN HUU
鈴木 沙耶
船岡 共生
[関東支部]
(個人会員) 石田 祐一
佐藤 文章
徳植 桂治
(学生会員) 西久保 匠
西本 忠幹
渡辺研太朗
田中 英里
菊原 哲
宮本 祥平
松浦 英彦
廣瀬紳太郎
木下由季子
関口健太郎
国谷 龍登
三谷 侑馬
野村 悠樹
佐々木祐輔
赤池 薫
朽名 和俊
西村 健太
小林 徳子
向山 紘史
岡部 史岳
清水 智広
SU YU
小市 竜之
茂木 優太
ダイヤモンドと立方晶窒化ホウ素の
界面構造を解明
∼ハチの巣状格子欠陥の形成∼
[北陸支部]
(個人会員) 沼 幸子
(学生会員) 加藤 彩
[東海支部]
(学生会員) 高村 研司
藤田 雄紀
[関西支部]
(個人会員) 畠 宏太郎
岡野 哲之
(学生会員) 外薗 洋樹
渡辺 静晴
[中国四国支部]
(学生会員) 神田 康孝
國本 太歩
[九州支部]
(学生会員) 深江 祐補
会員復帰
学生会員 1 名
退 会
個人会員 8 名
竹田 壮敏
齋藤 典生
−会員訃報−
次の方の訃報に接しました.
本会は謹んでご冥福をお祈りいたします.
水谷 隼大
松崎 郁弥
東條 孝俊
山本 徳治 氏 2015 年 8 月 11 日逝去
勤務先:元・京都大学
受賞歴:1991 年 10 月永年継続会員賞,2001 年 5
月特別永年継続会員賞
名誉会員
熊 鵬
柳川 翔平
後藤 健太
果,ダイヤモンドの炭素原子と c-BN のホウ素
な構造は,共有結合性物質同士のヘテロ界面に
原子が直接結合している様子が観察された.こ
特有であり,転位のエネルギー,積層欠陥エネ
の構造はエネルギー的にも安定であることが,
ルギー,界面結合力のバランスによって形成さ
密度汎関数法に基づく第一原理計算により確認
れるものと考えられている.また,本界面にお
されている.
ける電子状態を第一原理計算で系統的に計算し
金属や半導体のヘテロエピタキシーな界面に
た結果,c-BN やダイヤモンド単体では持ちえ
おいては網目状のミスフィット転位が形成され
ない 1 次元電気伝導性が発現しうることが予測
ることが知られているが,多くの場合は完全転
されている.
東北大学原子分子材料科学高等研究機構
位で構成される.一方,今回の c-BN/ ダイヤ
(AIMR),東京大学工学系総合研究機構,物質・
モンド界面においては,一本の転位が六角網目
材料研究機構(NIMS)およびファインセラミッ
状を形成しているのではなく,六角形状の転位
ニ ケ ー シ ョ ン ズ ) DOI: 10.1038/ncomms7327
クスセンター(JFCC)の研究グループは,最
ループがハチの巣状に界面を埋め尽くしている
(2015)で発表された.また,本研究は文部科
先端の収差補正機を搭載した超高分解能走査透
構造をとることがわかった(図).本結果は,
学省による構造材料元素戦略研究拠点
過型電子顕微鏡と第一原理計算手法を駆使し,
完全転位が分解し,二つの部分転位が形成され
(ESISM)事業および科学研究費補助金・新学
最も硬い物質として知られるダイヤモンドと,
ることで,孤立した六角形状の転位ループが形
術領域研究”ナノ構造情報のフロンティア開拓
ダイヤモンドの次に硬い立方晶窒化ホウ素同士
成されたことを示唆している.このような特殊
の接合界面の原子構造,結合メカニズムを,原
本成果は,英国科学誌
「Nature Communications(ネイチャー・コミュ
- 材料科学の新展開”の一環として実施された.
(東京大学大学院工学系研究科総合研究機構
子レベルで決定することに初めて成功した.
ナ ノ 工 学 研 究 セ ン タ ー 長 教 授 幾 原 雄 一
本研究では,c-BN/ ダイヤモンド界面を直接観
連絡先:〒 113-8656 東京都文京区弥生 2-11-16
察するために,ダイヤモンド種結晶上に,高温
E-mail:[email protected])
高圧下で c-BN の単結晶を成長させる(温度勾
URL:http://interface.t.u-tokyo.ac.jp/japanese/
配法によるヘテロエピタキシャル成長)という
index.html
NIMS 独自の方法で c-BN/ ダイヤモンド接合
体を作製した.この接合体の界面を超高分解能
15nm
[2015 年 8 月 15 日]
走査透過型電子顕微鏡法により観察を行った結
840
セラミックス 50(2015)No.
セラミックス 50(2015)No. 10