洋紙事業 - 三菱製紙

三菱製紙グループの事業展開
洋紙事業
三菱製紙グループの洋紙事業のフィールドは、カタログ、パンフレット、
書籍などに使用される印刷用紙や、コピー用紙、伝票用途のノーカーボン紙、
レシート用感熱紙といった情報特殊紙など多岐にわたります。2014 年4月、
関連子会社の再編によって基幹工場である八戸工場が新しく生まれ変わり、
業務の集約はもちろん、生産効率の改善や原燃料のコストダウン推進などに
取り組み、世界市場をターゲットに収益基盤を確保すべく挑戦を続けていま
す。
三菱製紙グループの事業展開
取締役 常務執行役員
洋紙事業部長
半田 常彰
将来へのビジョン
洋紙事業の主要販売先である国内市場は、少子化やデジタル化などの影響で、印刷用紙を主体に紙の需要は年々減
少しており、また輸入紙や国内他メーカーとの競争激化等により洋紙事業を取り巻く環境は年々厳しいものになって
います。このような状況下、将来に亘って事業を継続し更に発展するには、抜本的な事業構造の転換を図っていく必
要があります。
海外市場に向けては、印刷用紙に加えて、欧米にて普及が進んでいる産業用インクジェット印刷機に適応した用紙
の販売に注力しております。コスト競争力があり、近隣に輸出航路の港がある八戸工場から世界市場に供給できる体
制を整備しており、ハイエンドの産業用インクジェット用紙におけるトップシェアを目指してまいります。
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一方、国内市場においては、低迷する需要構造に対して情報用紙を主体とした他社とのアライアンスを強化すると
ともに、中長期的には、新たなビジネスモデルによる需要の掘り起こしが必要です。昨今デジタル化が急速に進み、
電子媒体が普及していますが、紙媒体と様々なデジタル技術とを組み合わせて、紙媒体の持つ機能や利便性が活かさ
れる分野において新たな需要を見出したいと考えています。非常に難しい課題ですが、現状を打破すべく、関連する
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業界関係者の皆様と一緒になって取り組んでまいります。
また、これら洋紙事業のベースとなるのは、事業活動を通じた持続可能な社会へ貢献、生物多様性保全への貢献です。
引き続き FSC 森林認証紙や森の町内会用紙の拡充に注力し、循環型社会へ貢献、環境対応紙市場における確固たる地
位を構築してまいります。そして、こうした既存事業での収益基盤を確立したうえで、FIT 事業などの新しい施策を実
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現して事業構造の転換を図っていく所存です。
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セグメントの売上高推移
4
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2,000
東日本大震災により八戸工場が操業停止と
なった影響から、2012 年 3 月期は大幅に
ベルの回復に努め、海外で導入が進んでいる
デジタル印刷機向けに産業用インクジェット
用紙を主体とした輸出の増加に加え、アライ
アンス品を含めた情報用紙の拡販、欧州品で
の為替効果などにより、売上高は 1,562 億
円から 1,654 億円まで回復いたしました。
1,800
売 上 高︵ 億 円 ︶
売上高が減少しましたが、その後は震災前レ
1,600
1,562
1,574
1,617
1,654
間伐材有効利用の取り組み
森
林
組
合
森の町内会
による間伐推
進と間伐材の有効利用に取り組んでいます。間伐費用の不足分を「間
伐促進費」として「間伐に寄与する紙」を使用するユーザーに負担し
1,200
三菱製紙コーポレートレポート 2015 三菱製紙グループの事業展開
トピックス
2006 年よりオフィス町内会と協働で
1,400
1,000
13
1,741
間
伐
促
進
費
間
伐
材
間伐報告
間伐材
受入報告
「間伐に寄与する紙」
の生産報告
間伐促進費
ていただき、経済的な理由で進まない間伐を促進する仕組みです。
本年で10 年目を迎えており、引き続きオフィス町内会とともに取り
2012.3 月期
2013.3 月期 2014.3 月期
2015.3 月期 2016.3 月期
(見通し)
組んでまいります。
間伐に寄与する紙
「森の町内会」事務局
(環境NPOオフィス町内会)
へ間
の伐
貢と
献間
証伐
明材
利
用
間
伐
促
進
費
紙
流
通
会
社
間伐に寄与する紙
間伐促進費
印
刷
会
社
間伐に寄与する紙
間伐促進費
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