管理者・事務職員用

研究活動及び公的研究費の運営・管理
に関するコンプライアンス研修会
ー 社会から信頼と尊敬を得る学術研究をめざして ー
管理者・事務職員対象
2015年7月31日
同志社女子大学研究倫理委員会
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配付資料の確認
• 本プレゼン資料
• 同志社女子大学研究倫理規準
• 同志社女子大学「人を対象とする研究」
倫理規準
• 同志社女子大学公的研究費の運営・管理
及び研究不正行為の防止に関する規程
• 同志社女子大学における研究費及び研究
活動の不正行為等への対応に関する内規
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目次
1.はじめに
これまでの取組と経緯
基本的考え方
2.研究不正の概要
研究費の不正使用
3.事例紹介
不正使用の事例
4.不正防止のための取組
ガイドラインに沿った取組
~管理者・事務職員の観点から~
5.不正発覚後の対応・
不正への措置
不正の告発
不正への措置・影響
6.おわりに
不正防止へのお願い
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1.はじめに
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1-1.これまでの取組と経緯
2005年5月 動物実験指針、動物実験委員会規程、遺伝子組換え実験安全管理規程
2005年12月 「人を対象とする研究」倫理規準、同倫理審査委員会規程
2007年1月 研究倫理規準、研究倫理委員会規程
2007年2月 文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」
2007年10月 予算管理・会計等職務の責任体系の明確化
物品等の調達手続き・経費執行に関する諸規程の整備・運用
検収体制の整備・運用
研究活動
研究活動
研究活動
研究費
研究費
研究費
研究費
2014年2月 文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」改正 研究費
研究活動
2014年8月 文部科学省「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」
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1-2.2015年3月 公的研究費の不正防止に関する基本方針
1.機関内の責任体制の明確化
4.公的研究費の適正な運営・管理活動
・ 公的研究費の運営・管理及び研究不正行為
の防止に関する規程
・ 公的研究費の運営・管理体制(イメージ図)
・ 科学研究費助成事業執行マニュアル
・ 研究費及び研究活動の不正行為等への対応に
関する内規
・ 取引業者への対応に関する取扱要領
2.適正な運営・管理の基盤となる環境の整備
・ 科学研究費助成事業に関する説明会
・ 研究倫理規準
・ 科学研究費助成事業執行マニュアル
・ 会計等職務の権限に関する規程
5.情報発信・共有化の推進
・ 公的研究費の使用ルール等についての相談や不正
使用等に関する告発を受け付ける「窓口」を設置
6.モニタリングの実施
3.不正を発生させる要因の把握と不正防止
計画の策定・実施
・ 公的研究費の運営・管理及び研究不正行為
の防止に関する規程
・ 公的研究費不正防止計画
・ 法人監査室と連携の上、実効性のあるモニタ
リング体制を整備
(参考)
・ 研究倫理委員会規程
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1-3.不正行為に対する基本的な考え方
同志社女子大学研究倫理規準
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2.研究不正の概要
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2-1.ガイドラインの対象となる研究費制度
ガイドライン対象外の研究費にも、大学・配分機関の関連規程は適用される!
文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインについて(管理者向け)」平成26年6月
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/08/05/1350202_1.pdfを加工して作成
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2-2.研究費の不正使用
⑴ 物品購入費に係わる不正: ex. 架空取引
⑵ 旅費に係わる不正: ex.水増し出張、カラ請求
⑶ 人件費に係わる不正: ex. 出勤簿の改ざん、給与のカラ請求
⑷ 役務に係わる不正: ex.架空請求(カラ謝金)
<預け金>架空取引等で得た支払金の取引業者による管理
<プール金>架空取引等で得た支払金の研究室等による管理
・その他研究費使用ルールに反する行為
独立行政法人科学技術振興機構 「研究費の不正使用等について」 (参照日 2015年5月3日)
http://www.jst.go.jp/researchintegrity/shiryo/pamph_iniquity.pdf を加工して作成
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3.事例紹介
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3-1.研究費の不正使用 事例①架空発注と預け金による不正
文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインについて(管理者向け)」平成26年6月
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/08/05/1350202_1.pdfを加工して作成
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3-2.研究費の不正使用 事例②架空人件費(謝金)による不正
文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインについて(管理者向け)」平成26年6月
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/08/05/1350202_1.pdfを加工して作成
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3-3.研究費の不正使用 事例③架空旅費交通費による不正
文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインについて(管理者向け)」平成26年6月
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/08/05/1350202_1.pdfを加工して作成
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4.不正防止のための取組
~管理者・事務職員の観点から~
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4-1.責任体系の明確化
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4-2.ルールの明確化・統一化(本学のルール)
法人
女子大学
• 同志社女子大学における公的研究費の運営・管理体制
全般
• 同志社女子大学公的研究費の運営・管理及び研究不正
行為の防止に関する規程
行動規範
• 同志社女子大学研究倫理規準
• 同志社女子大学研究倫理委員会規程
違反行為等への対応
・懲戒規程
• 同志社女子大学における研究費及び研究活動の不正
行為等への対応に関する内規
・経理規程
会計等職務権限と経理基準 ・経理規程取扱
細則
• 同志社女子大学会計等職務の権限に関する規程
旅費
• 旅費交通費取扱要領
・旅費規程
• 科学研究費助成事業執行マニュアル
科学研究費助成事業
【マニュアル】
• 科学研究費助成事業の経費使用について
• 科研費Q&A
取引業者
• 同志社女子大学取引業者への対応に関する取扱要領
不正防止
• 同志社女子大学における公的研究費の不正防止に関す
る基本方針
• 公的研究費不正防止計画
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4-3.ルールの明確化・統一化
管理者・事務職員に求められる事項
■規程・マニュアル等の内容の理解と遵守
■事務処理手続きルールの明確・統一的運用
■事務処理に関する構成員の権限・責任の理解
と共有
公的研究費の予算管理・事務取扱に関する
ご相談は、教育・研究推進センターまで
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4-4.関係者の意識向上
■ガイドラインの要請
研究機関における
公的研究費の管理・
監査のガイドライン
■誓約書の概要
• 行動規範(各種手続き・ルール)の再確認
• コンプライアンス教育の受講
• 誓約書の徴取
• 本学及び配分機関の規則・関連法令等を遵守する。
• 不正を行わない。
• 規則等に反して不正を行った場合は、本学や配分機関
の処分及び法的な責任を負担する。
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4-5.研究費の適正な運営・管理活動(本学の制度)
 発注
 1件あたり5万円以上の物品等※は施設課から発注
(業者への直接発注や立替払い不可)
 1件あたり5万円未満の物品等※は原則、直接発注
【注】個研については
物品調達のルールに
従って原則、すべて
大学から発注
 検収
 すべて、各学部・学科事務室が実施
※
科学研究費助成事業執行マニュアルP.11参照
➡ 詳細は教育・研究推進センターまで
文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインについて(管理者向け)」平成26年6月
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/08/05/1350202_1.pdfを加工して作成
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4-6.研究費の適正な運営・管理活動(本学のモニタリング活動)
 通常の監査
 リスクアプローチ監査
不正が発生するリスクに対して
重点的かつ機動的に行う監査
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4-7.研究費の適正な運営・管理活動
発注・検収業務におけるリスクと対策
■研究者と取引が集中する業者とが共謀して不正を実行する可能性が高い
⇒発注機能と検収機能を別部署に担当させることで不正リスクを低減
ガイドラインの要請事項
■予算執行状況(執行時期や取引業者の偏りなど)を確認
■取引業者から誓約書の提出を求める
■発注・検収業務、非常勤雇用者の雇用管理業務(勤務状況確認等)
⇒原則:事務部門が実施(当事者以外によるチェック)
■研究者による発注を一定金額以下に制限
■特殊役務(データベース・プログラム・デジタルコンテンツ開発・作成
機器保守・点検)に関する検収 ⇒ 実効性ある明確なルール運用
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4-8.不正防止対策におけるPDCAサイクルの徹底
文部科学省「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインについて(管理者向け)」平成26年6月
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/08/05/1350202_1.pdf を加工して作成
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5.不正発覚後の対応・
不正への措置
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5-1.告発等の取扱に関する規程の整備運用の透明化
「研究費及び研究活動の不正行為等への対応に関する内規」(抜粋)
(告発等)
第2条 教育・研究推進センターは、・・・告発及び情報提供・・・の窓口となる。
2 本学教職員の研究費及び研究活動の不正行為等が存在すると疑う者は、・・・告発等をす
ることができる。
(不利益扱いの禁止)
第7条 本学の関係者は、告発人等及び調査に協力した者に対して、そのことを理由とした不利益
な扱いをしてはならない。
(秘密保持)
第13条 この内規に定める、告発、情報提供、調査等に関わった者は、関係者の名誉及びプライバ
シーその他人権を尊重し、知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
重要
疑わしい行為を見聞きした場合には、以下にご連絡ください。
【お問い合わせ窓口】 同志社女子大学 教育・研究推進センター
電話
(0774)65-8679
FAX
(0774)65-8680
メールアドレス
[email protected]
事務取扱時間
9:00~18:30(水曜日および休暇期間中・休講日は9:00~17:00)
11:30~12:30は閉室。【土曜日・日曜日・祝日】閉室。
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5-2. 不正に対する措置・影響
不正は組織全体の信用失墜に繋がり、あらゆる面で重大な影響を与えます。
■ 民事・刑事告訴
■ 法人・本学による措置
懲戒解雇・停職・減給等の懲戒処分
訓告厳重注意等の指導監督措置
個人の氏名を含んだ調査結果の公表・・・公的研究費の不正使用
■ 配分機関による措置
・交付決定の取り消し及び研究費の一部
又は全部の返還
・競争的資金への申請及び参加資格の制限
不正に関与せずとも、
管理者としての注意義務
を怠った者も措置の対象
となりうる点に注意
(参照:平成24年10月改正「競争的資金の適正な執行に関する指針」)
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6.おわりに
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6-1. 研究不正等の発表・報道件数と推定発生件数との関係(106件)
松澤孝明「わが国における研究不正公開情報に基づくマクロ分析(1)」,『情報管理』,Vol.56,No.3,2013,pp.156-165
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6-2. おわりに
 個人の不正であっても組織全体の信用失墜へと繋がり、その影響は重大で
あり、回復困難。
 発覚が遅れれば遅れるほど大学そのものの存在を揺るがしかねない大きな
リスクとなって顕在化する。
 適切な研究資金確保の為、研究者・管理者・事務職員を含めた組織として
不正を抑止する風土とガバナンスを構築するとともに、内外への情報発信
とコミュニケーションを図る事が重要。
不正防止の取組に、ご協力をお願いします。
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