患者向医薬品ガイド2015年9月更新(pdf:556KB)

患者向医薬品ガイド
フ ァ イバ 静注 用 500
フ ァ イバ 静注 用 1000
2015 年 9 月更新
【この薬は?】
販売名
一般名
ファイバ静注用 500
ファイバ静注用 1000
FEIBA NF
乾燥人血液凝固因子抗体迂回(うかい)活性複合体
Anti-Inhibitor Coagulant Complex
含有量
(1バイアル中)
500 単位
1000 単位
患者向医薬品ガイドについて
患者向医薬品ガイドは、患者の皆様や家族の方などに、医療用医薬品の正しい理解
と、重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです。
したがって、この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを、医療関
係者向けに作成されている添付文書を基に、わかりやすく記載しています。
医薬品の使用による重大な副作用と考えられる場合には、ただちに医師または薬剤
師に相談してください。
ご不明な点などありましたら、末尾に記載の「お問い合わせ先」にお尋ねください。
さらに詳しい情報として、「医薬品医療機器情報提供ホームページ」
http://www.pmda.go.jp/ に添付文書情報が掲載されています。
【この薬の効果は?】
・この薬は、血漿(けっしょう)分画製剤のうち、インヒビター治療剤と呼ばれる
注射薬です。
・この薬は、体内に血液凝固第 VIII 因子または第 IX 因子に対するインヒビター
ができている患者さんに、血液中に存在する血液を固める役割のあるタンパク
質(複数の血液凝固因子)を補うことにより、血がとまりにくくなっている状
態を改善します。
・次の目的で処方されます。
血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子インヒビターを保有する患者に対し、血漿中の
血液凝固活性を補いその出血傾向を抑制
・ この薬は、医療機関において、適切な在宅自己注射教育を受けた患者さんま
たは家族の方は、自己注射できます。自己判断で使用を中止したり、量を加
減したりせず、医師の指示に従ってください。
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【この薬を使う前に、確認すべきことは?】
○次の人は、この薬を使用することはできません。
・血液凝固第Ⅷ因子インヒビターあるいは第Ⅸ因子インヒビターのない人
・播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)
(DIC)
を生じている人
○次の人は、原則として、この薬を使用することはできません。
・心筋梗塞、急性血栓症・塞栓症の人
○次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師または薬剤師に告げ
てください。
・血小板数が少ない人
・DICをおこしやすいことが知られている大きな手術後の人、重い肝胆疾患や
溶血性貧血などがある人
・IgA欠損症の人
・溶血性貧血あるいは失血性貧血の人
・免疫不全の人、免疫抑制状態の人
・高齢の人
○この薬には併用を注意すべき薬があります。他の薬を併用している場合や、新た
に使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
○この薬の使用前に血漿中のインヒビターの測定や血液凝固検査が行われます。
【この薬の使い方は?】
この薬は、注射薬です。
●使用量および回数
使用量と回数は、あなたの症状や体重などにあわせて、医師が決めます。
出血時に投与する場合、通常、1 回の注射で体重 1kg あたり 50~100 単位を 8
~12 時間間隔で使用します。
1 日の最大使用量は、体重 1kg あたり 200 単位までです。
定期的に投与する場合、通常 1 回の注射で体重 1kg あたり 70~100 単位を 1 日
おきに使用します。
●どのように使用するか?
この薬を下図の要領で溶かし、ゆっくりと静脈内に注射するか、または、点滴注
入します。
ファイバ静注用の調整法及び
バックスジェクト II ハイフロー(ファイバ専用溶解器)の取り扱い方法
① 薬剤バイアル及び注射用水(溶剤)バイアルを
冷蔵庫から出し、室温に戻す。
② 両バイアルのプラスチックキャップをはずし、
ゴム栓をアルコール綿などで消毒する。
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バックスジェクト II ハイフローのシールをはずし、
ケースに入れたまま注射用水(溶剤)バイアルのゴ
ム栓中央に垂直に刺す。
・必ず先に注射用水(溶剤)バイアルに刺して下
さい。
・斜めに刺すとゴム栓の小片が注射用水(溶剤)
中に落下することがありますのでまっすぐ刺し
て下さい。
バックスジェクト II ハイフローのケースを取りは
ずす。
① 注射用水(溶剤)バイアルにバックスジェクト II
ハイフローを確実に固定した後、バイアルを逆さま
にして、薬剤バイアルのゴム栓中央に刺す。
保護キャップ
② 注射用水(溶剤)が全て薬剤バイアルに移行したら、
バイアルを連結したままの状態で泡を立てないよ
うにゆるやかに揺り動かして溶解させる。
・点滴注入の場合は、フィルター付き点滴セット
を薬剤バイアルに挿入し使用する。
保護キャップを
はずす
保護キャップをはずし、注射筒をバックスジェク
ト II ハイフローに接続する。
・注射筒に空気を入れずに接続して下さい。
・接続時に注射筒をきつくねじこむと注射筒の
先端が破損することがありますのでご注意く
ださい。
① バイアルを上下に反転させ、薬剤バイアルを
上にした状態で注射筒を引き、薬液を注射筒
に移行させる。
② 薬液が全て注射筒に移行したら、注射筒を
バックスジェクト II ハイフローからはずす。
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注射筒に翼付静注針を接続して、ゆっくり静脈内
に注射する。
調整時
・添付の注射用水(溶剤)以外で溶かさないでください。
・他の薬と混ぜて注射をしないでください。
・注射が終わった後、容器に残った薬液は再使用しないでください。
・この薬と添付の注射用水(溶剤)のバイアルキャップを外した後ゴム栓を消毒
し、必ずゴム栓中央部分に添付のバックスジェクト II ハイフローを刺し、溶
解してください。
・溶解した液を注射器に移す場合、添付のバックスジェクト II ハイフローを使
用してください。
・バックスジェクト II ハイフローはファイバ専用の溶解器です。他の薬に使用
しないでください。
・バックスジェクト II ハイフローは再使用しないでください。
投与時
・1 分間に体重 1kg あたり 2 単位をこえない速度で注射してください。
・溶かしたときに沈殿物が認められるものは使用しないでください。
・一度溶かしたものは 1 時間以内に使用してください。
在宅自己注射
・子どもによる誤用等を避けるため、薬剤の保管に十分注意してください。
・使用後の針は、そのまま容器等に入れて子供の手の届かないところに保管して
ください。
●使用し忘れた場合の対応
決して 2 回分を一度に使用しないでください。
使用し忘れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。
●多く使用した時(過量使用時)の対応
異常を感じたら、医師または薬剤師に相談してください。
【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】
・この薬を製造するときは、感染症の発症を防止するための安全対策を行ってい
ますが、ヒトの血液を原料としているので、この薬を使うことによって感染症
を発症する可能性を完全には排除できません。患者さんや家族の方は、病気の
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治療におけるこの薬の必要性とともに感染症の危険性について、十分に理解で
きるまで説明を受けてください。
・これまでに、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したと
の報告はありませんが、理論的なvCJD等の伝播の危険性を完全には排除で
きないので、患者さんや家族の方は、治療におけるこの薬の必要性とともに危
険性について十分理解できるまで説明を受けてください。
・この薬の使用中に血漿中のインヒビターの測定や血液凝固検査が行われます。
・DIC(動悸、あおあざができる、頭痛、めまい、紫色のあざ、歯ぐきの出血、
尿が黄色い、皮膚が黄色くなる、鼻血、白目が黄色くなる、息切れ、耳鳴り)、
心筋梗塞(胸の痛み、息苦しい)、アレルギー反応、ショック・アナフィラキ
シーがあらわれる可能性があります。このような症状があらわれた場合は、す
ぐに医師に連絡をしてください。
・第Ⅸ因子に対するインヒビターを持っている人に使用する場合は、DIC、ア
レルギーおよびショック・アナフィラキシーがおこるとの報告があります。
・自宅にての使用後に何らかの異常が認められた場合や使用後の止血効果が不十
分な場合には、すぐに医師に連絡をしてください。
・妊婦または妊娠している可能性がある人は医師に相談してください。
・他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬
を使用していることを医師または薬剤師に伝えてください。
副作用は?
特にご注意いただきたい重大な副作用と、それぞれの主な自覚症状を記載しまし
た。副作用であれば、それぞれの重大な副作用ごとに記載した主な自覚症状のう
ち、いくつかの症状が同じような時期にあらわれることが一般的です。このよう
な場合には、ただちに医師または薬剤師に相談してください。
重大な副作用
主な自覚症状
めまい、頭痛、立ちくらみ、しゃがれ声、眼と口唇のま
シ ョ ッ ク ・ ア ナ わりのはれ、じんましん、判断力の低下、動悸(どうき)、
フィラキシー
息切れ、息苦しい、からだがだるい、考えがまとまらな
い、ほてり、意識の低下、ふらつき
尿が黄色い、白目が黄色くなる、めまい、鼻血、皮膚
DIC
が黄色くなる、動悸、息切れ、耳鳴り、紫色のあざ、
ディアイシー
頭痛、あおあざができる、歯ぐきの出血
心筋梗塞(安静にしても20分以上継続する激しい痛
み、冷汗、吐き気)、脳梗塞(片足の手足がしびれる、
足がもつれる、手足に力が入らない、ろれつがまわらな
血栓塞栓症
い、言葉がとっさに出てこない、ものが見えにくい)、
けっせんそくせんしょう
深部静脈血栓症(下肢がはれる、皮膚に潰瘍(かいよう)
ができる)、肺塞栓症(胸の痛み、苦しみ、咳、痰がで
る)
以上の自覚症状を、副作用のあらわれる部位別に並び替えると次のとおりです。
これらの症状に気づいたら、重大な副作用の表をご覧ください。
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部位
全身
頭部
顔面
眼
耳
口や喉
胸部
腹部
皮膚
手・足
尿
自覚症状
立ちくらみ、からだがだるい、ふらつき、冷汗、
片足の手足がしびれる、足がもつれる、手足に力が入ら
ない
めまい、頭痛、考えがまとまらない、意識の低下、判断
力の低下
鼻血、ほてり
白目が黄色くなる、眼と口唇のまわりのはれ、ものが見
えにくい
耳鳴り
歯ぐきの出血、しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、
咳、痰がでる、ろれつがまわらない、言葉がとっさに出
てこない
動悸、息切れ、息苦しい、安静にしても20分以上継続
する激しい痛み、胸の痛み、苦しみ
吐き気
皮膚が黄色くなる、紫色のあざ、あおあざができる、
じんましん
下肢がはれる、皮膚に潰瘍(かいよう)ができる
尿が黄色い
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【この薬の形は?】
販売名
性状
ファイバ静注用 500
ファイバ静注用 1000
溶解前は白色の乾燥粉末品であり、添付の注射用水で溶
解したあとはほとんど無色の透き通った液体となる。
容器の形状
添付の溶剤
付属品
注射用水 10mL
注射用水 20mL
専用溶解器(バックスジェクト II ハイフロー)
【この薬に含まれているのは?】
販売名
ファイバ静注用 500
ファイバ静注用 1000
乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体
(原料の採血国:米国、採血方法:非献血)
添加物
クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム
添付溶剤
注射用水
専用溶解器 バックスジェクト II ハイフロー
有効成分
【その他】
●この薬の保管方法は?
・凍結を避けて冷蔵庫など(2~8℃)で保管してください。
・子供の手の届かないところに保管してください。
●薬が残ってしまったら?
・絶対に他の人に渡してはいけません。
・余った場合は、処分の方法について医師または薬剤師に相談してください。
●廃棄方法は?
・使用済みの注射器、注射針等は、医療機関の指示どおりに廃棄してください。
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【この薬についてのお問い合わせ先は?】
・症状、使用方法、副作用などのより詳しい質問がある場合は、医師または薬剤
師にお尋ねください。
・一般的な事項に関する質問は下記へお問い合わせください。
製造販売会社:バクスター株式会社
(http://www.baxter.co.jp)
販売会社:バクスアルタ株式会社
電
話:03-6204-3800
受付時間:9時~17時(土、日、祝日、会社休日を除く)
R15094043
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