患者向医薬品ガイド フ ァ イバ 注射 用 500 フ ァ イバ 注射 用 1000 2014 年 9 月更新 【この薬は?】 販売名 一般名 ファイバ注射用 500 ファイバ注射用 1000 FEIBA NF 乾燥人血液凝固因子抗体迂回(うかい)活性複合体 Anti-Inhibitor Coagulant Complex 含有量 (1バイアル中) 500 単位 1000 単位 患者向医薬品ガイドについて 患者向医薬品ガイドは、患者の皆様や家族の方などに、医療用医薬品の正しい理解 と、重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです。 したがって、この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを、医療関 係者向けに作成されている添付文書を基に、わかりやすく記載しています。 医薬品の使用による重大な副作用と考えられる場合には、ただちに医師または薬剤 師に相談してください。 ご不明な点などありましたら、末尾に記載の「お問い合わせ先」にお尋ねください。 さらに詳しい情報として、「医薬品医療機器情報提供ホームページ」 http://www.info.pmda.go.jp/ に添付文書情報が掲載されています。 【この薬の効果は?】 ・この薬は、血漿(けっしょう)分画製剤のうち、インヒビター治療剤と呼ばれる 注射薬です。 ・この薬は、体内に血液凝固第 VIII 因子または第 IX 因子に対するインヒビター ができている患者さんで、血液中に存在する血液を固める役割のあるタンパク 質(複数の血液凝固因子)を補うことにより、血がとまりにくくなっている状 態を改善します。 ・次の目的で処方されます。 血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子インヒビターを保有する患者に対し、血漿中の 血液凝固活性を補いその出血傾向を抑制する。 ・ この薬は、医療機関において、適切な在宅自己注射教育を受けた患者さんま たは家族の方は、自己注射できます。自己判断で使用を中止したり、量を加 減したりせず、医師の指示に従ってください。 -1- 【この薬を使う前に、確認すべきことは?】 ○次の人は、この薬を使用することはできません。 ・血液凝固第Ⅷ因子インヒビターあるいは第Ⅸ因子インヒビターのない人 ・播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん) (DIC) を生じている人 ○次の人は、原則として、この薬を使用することはできません。 ・心筋梗塞、急性血栓症・塞栓症の人 ○次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師または薬剤師に告げ てください。 ・血小板数が少ない人 ・DICをおこしやすいことが知られている大きな手術後の人、重い肝胆疾患や 溶血性貧血などがある人 ・IgA欠損症の人 ・溶血性貧血あるいは失血性貧血の人 ・免疫不全の人、免疫抑制状態の人 ・高齢の人 ・過去にファイバ注射用に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 ○この薬には併用を注意すべき薬があります。他の薬を併用している場合や、新た に使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。 ○この薬の使用前に血漿中のインヒビターの測定や血液凝固検査が行われます。 【この薬の使い方は?】 この薬は、注射薬です。 ●使用量および回数 使用量と回数は、あなたの症状や体重などにあわせて、医師が決めます。 出血時に使用する場合 定期的に使用する場合 1回量 使用間隔 体重1kgあたり50~ 8~12時間間隔 100単位 体重1kgあたり70~ 1日おき 100単位 出血時に使用後、定期的な使用を開始する場合は、直近の使用から1日以上の間 隔をおくことを目安としてください。 出血時に使用する場合、通常、1回の注射で体重1kgあたり50~100単位 を8~12時間間隔で使用します。 1日の最大使用量は、体重1kgあたり200単位までです。 定期的に使用する場合、通常1回の注射で体重1kgあたり70~100単位を 1日おきに使用します。 出血時に使用後、定期的な使用を開始する場合は、直近の使用から1日以上の間 隔をおくことを目安としてください。 -2- ●どのように使用するか? この薬は添付の溶剤を全量用いて溶解し、ゆっくりと静脈内に注射するか、また は、点滴注入します。使用方法は巻末の使用方法の図を参考にしてください。 ○調整時 ・添付の溶剤以外で溶かさないでください。 ・他の薬と混ぜて注射をしないでください。 ・注射が終わった後、容器に残った薬液は再使用しないでください。 ・このお薬と添付の溶剤のバイアルキャップを外した後ゴム栓を消毒し、必ずゴ ム栓中央部分に添付の専用溶解器(バックスジェクト II ハイフロー)を刺し、 溶解してください。 ・溶解した液を注射器に移す場合、添付のバックスジェクト II ハイフローを使 用してください。 ・バックスジェクト II ハイフローはファイバ専用の溶解器です。他の薬に使用 しないでください。 ・バックスジェクト II ハイフローは再使用しないでください。 ○投与時 ・1分間に体重1kgあたり2単位をこえない速度で注射してください。 ・溶かしたときに沈殿物が認められるものは使用しないでください。 ・子どもによる誤用等を避けるため、薬剤の保管に十分注意してください。 ・一度溶かしたものは1時間以内に使用してください。 ○在宅自己注射・使用後の医療機器などの処理については、主治医に従ってくだ さい。 ●使用し忘れた場合の対応 決して2回分を一度に使用しないでください。 使用し忘れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。 ●多く使用した時(過量使用時)の対応 異常を感じたら、医師または薬剤師に相談してください。 【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】 ・この薬を製造するときは、感染症の発生を防止するための安全対策を行ってい ます。肝炎ウイルス(A 型、B 型、C 型)やエイズウィルス(HIV)、ヒトパル ボウィルス B19 の混入がないことを確認するための検査をしていますが、ヒト の血液を原料としているので、この薬を使うことによって感染症を発症する可 能性を完全には排除できません。患者さんや家族の方は、病気の治療における この薬の必要性とともに感染症の危険性について、十分に理解できるまで説明 を受けてください。 -3- ・これまでに、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したと の報告はありませんが、理論的なvCJD等の伝播の危険性を完全には排除で きないので、患者さんや家族の方は、治療におけるこの薬の必要性とともに危 険性について十分理解できるまで説明を受けてください。 ・血液凝固検査が行われます。 ・次のような症状がおこることがあります。このような症状があらわれた場合は、 すぐに医師に連絡をしてください。 ・DIC(鼻血、動悸、あおあざができる、歯ぐきの出血)、 ・心筋梗塞(胸の痛み、息苦しい)、 ・ショック・アナフィラキシー(しゃがれ声、のどのかゆみ、息苦しい、 目と口のまわりの腫れ、動悸、意識の低下) ・第Ⅸ因子に対するインヒビターを持っている人が使用する場合は、DIC、ア レルギーおよびショック・アナフィラキシーがおこるとの報告があります。 ・使用後に何らかの異常が認められた場合や使用後の止血効果が不十分な場合に は、すぐに医師に連絡をしてください。 ・妊婦または妊娠している可能性がある人は医師に相談してください。 ・他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬 を使用していることを医師または薬剤師に伝えてください。 副作用は? 特にご注意いただきたい重大な副作用と、それぞれの主な自覚症状を記載しまし た。副作用であれば、それぞれの重大な副作用ごとに記載した主な自覚症状のう ち、いくつかの症状が同じような時期にあらわれることが一般的です。このよう な場合には、ただちに医師または薬剤師に相談してください。 重大な副作用 主な自覚症状 めまい、冷や汗、しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、 シ ョ ッ ク ・ ア ナ じんましん、判断力の低下、動悸(どうき)、息切れ、息 フィラキシー 苦しい、からだがだるい、考えがまとまらない、ほてり、 意識の低下、ふらつき 尿が黄色い、白目が黄色くなる、めまい、鼻血、皮膚 DIC が黄色くなる、動悸(どうき)、息切れ、耳鳴り、紫色の ディアイシー あざ、頭痛、あおあざができる、歯ぐきの出血 血を吐く、吐き気、嘔吐、胸の痛み、胸をしめつけれら 血栓塞栓症 る感じ、急激に胸を強く押さえつけた感じ、狭心痛、激 けっせんそくせんしょう しい腹痛、腹がはる、足の激しい痛み、出血、知覚のま ひ 以上の自覚症状を、副作用のあらわれる部位別に並び替えると次のとおりです。 -4- これらの症状に気づいたら、重大な副作用の表をご覧ください。 部位 全身 頭部 顔面 眼 耳 口や喉 胸部 腹部 手・足 皮膚 尿 その他 自覚症状 からだがだるい、ふらつき、発熱 めまい、考えがまとまらない、意識の低下 鼻血、ほてり 白目が黄色くなる、眼と口唇のまわりのはれ 耳鳴り 歯ぐきの出血、しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、 血を吐く、吐き気、嘔吐 動悸(どうき)、息切れ、息苦しい、胸の痛み、胸をしめ つけれらる感じ、急激に胸を強く押さえつけた感じ、狭 心痛、吐き気 吐き気、激しい腹痛、腹がはる 足の激しい痛み、 皮膚が黄色くなる、あおあざができる、じんましん、紫 色のあざ 尿が黄色い 判断力の低下、出血、知覚のまひ -5- 【この薬の形は?】 ファイバ注射用 500 販売名 ファイバ注射用 1000 溶解前は白色の乾燥粉末品であり、添付の溶剤で溶解し たあとはほとんど無色の透き通った液体となる。 性状 容器の形状 【この薬に含まれているのは?】 販売名 有効成分 添加物 ファイバ注射用 500 ファイバ注射用 1000 乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体 (原料の採血国:米国、採血方法:非献血) クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム 【その他】 ●この薬の保管方法は? ・凍結を避けて冷蔵庫など(2~8℃)で保管してください。 ・子供の手の届かないところに保管してください。 ●薬が残ってしまったら? ・絶対に他の人に渡してはいけません。 ・余った場合は、処分の方法について医師または薬剤師に相談してください。 ●廃棄方法は? ・使用済みの注射器、注射針等は、医療機関の指示どおりに廃棄してください。 【この薬についてのお問い合わせ先は?】 ・症状、使用方法、副作用などのより詳しい質問がある場合は、医師または薬剤 師にお尋ねください。 ・一般的な事項に関する質問は下記へお問い合わせください。 製造販売会社:バクスター株式会社 (http://www.baxter.co.jp) バイオサイエンス事業部 電 話:03-6204-3800 受付時間:9時~17時30分(土、日、祝日、会社休日を除く) -6- ファイバ注射用の調整法および バックスジェクト II ハイフロー(ファイバ専用溶解器)の取り扱い方法 ① 薬剤バイアルおよび溶剤(注射用水)バイアル を冷蔵庫から出し、室温に戻す。 ② 両バイアルのプラスチックキャップをはずし、 アルコール綿などで消毒する。 バックスジェクト II ハイフローのシールをはずし、 ケースに入れたまま溶剤バイアルのゴム栓中央に垂 直に刺す。 ・必ず先に溶剤バイアルに刺してください。 ・斜めに刺すとゴム栓の小片が溶液中に落下する ことがありますのでまっすぐ刺してください。 バックスジェクト II ハイフローのケースを取りは ずす。 ① 溶剤バイアルにバックスジェクト II ハイフローを 確実に固定した後、バイアルを逆さまにして、薬剤 バイアルのゴム栓中央に刺す。 保護キャップ ② 溶剤が全て薬剤バイアルに移行したら、バイアルを 連結したままの状態で泡を立てないようにゆるや かに揺り動かして溶解させる。 ・点滴注入の場合は、フィルター付き点滴セット を薬剤バイアルに挿入し使用する。 保護キャップを はずす 保護キャップをはずし、注射筒をバックスジェク ト II ハイフローに接続する。 ・注射筒に空気を入れずに接続してください。 ・接続時に注射筒をきつくねじこむと注射筒の 先端が破損することがありますのでご注意く ださい。 -7- ① バイアルを上下に反転させ、薬剤バイアルを 上にした状態で注射筒を引き、薬液を注射筒 に移行させる。 ② 薬液が全て注射筒に移行したら、注射筒を バックスジェクト II ハイフローからはずす。 注射筒に翼付静注針を接続して、ゆっくり静脈内 に注射する。 -8- R1407251
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