茨城大学推進研究プロジェクト 研究概要 推進研究プロジェクト名: 神 経 教 育 学 的 ア プ ロ ー チ に 基 づ く カ リ キ ュ ラ ム 開 発 代 表 者 名 : 勝二 博亮 所 属 : 教育学部 職 名 : キ ー ワ ー ド : 神経教育学,脳科学,教育 研 究 組 織 (研究体制の全体像が分かるように記入し、必要に応じて図表を掲載して下さい。) 研究体制は以下の通りで,いずれも教育学部の教員から構成されている 准教授 勝二博亮(教育学部・教授)神経生理学的視点からみた教科教育(特別支援教育) 齋木久美(教育学部・教授) 書字に関わるカリキュラム開発(国語科教育) 臼坂高司(教育学部・講師) 技能に関わるカリキュラム開発(技術科教育) 研究組織のホームページ: 研 究 目 的 (①背景・社会的重要性・緊急性等 ②学術的な特徴独創的な点 ③予想される結果と意義を記入して下さい。) ①プロジェクトの背景 近年の脳機能計測技術の進展により,脳科学は一般にも広く知られるようになってきた。教育分野でも 脳 科 学 デ ー タ を 活 か し て 現 代 的 教 育 課 題 の 解 決 を 図 る こ と が 期 待 さ れ て お り ,「 神 経 教 育 学 (NeuroEducation) 」という新たな領域の開発が展望されている。これは,社会的にも強く要請されてい る科学的根拠に基づく教育を可能にするものと考えている。本研究プロジェクトでは,学部内でも学科や 専門領域の異なる教員がコラボレートすることで,脳科学研究の成果を普通学校カリキュラムにおける各 教科の指導に活かしていきたいと考えた。 ②学術的な特徴,独創的な点 これまでの経験則だけではなく,脳科学データを活かした科学的に根拠のある教科教育カリキュラムの 開発を進めていこうとする点で学術的な特徴があり,独創性のあるものと考える。 ③予想される結果と意義 教育学部では人材育成という視点で地域貢献を担っている。今回申請テーマにある「書字」機能は,学 習の基礎となるものであり,抽象的思考を整理し,それを表現する役割がある。一方, 「道具操作」機能の 習得は,感性やイメージを表現するのに欠かせないものである。したがって,これらの技能習得は小中学 校での学びの充実につながるだけでなく,社会で必要とされる伝える力の向上にも関与するものと考えて いる。 研 究 内 容 (研究内容を簡潔に記入して下さい。) 書字および技能の学習はいずれも道具操作を伴う学習活動であるが,そのカリキュラムの開発にあたっ て神経教育学が果たす役割も大きいと思われる。本プロジェクトでは 3 年間で以下の点を明らかにし,科 学的知見に基づいたカリキュラムの検証・開発の可能性を明らかにしていく。 (1) 道具操作(筆・玄能・のこぎり等)や書字に関与する脳機能の解明 (2) 教示方法と道具操作の学習過程に関わる脳科学的検証 (3) 上記の研究成果に基づくカリキュラムの試案作成 平成 26 年度【道具操作(筆・玄能・のこぎり等)や書字に関与する脳機能の解明】 72 チャンネル脳血流計測装置を用いて,運筆や道具操作時の脳血流を計測し,これらの道具操作に関与 する脳機能について検討していく。 平成 27 年度【教示方法と道具操作の学習過程に関わる脳科学的検証】 道具操作を円滑に遂行できるようになるためには,教師が模範行動を示すなど様々な教示方法があるが, 神経教育学的アプローチによる教示方法の検討を行っている研究は少ない。そこで,教示方法と道具操作 の学習過程に関わる脳科学的検証を行っていく。 平成 28 年度【カリキュラムの試案作成】 2 か年の研究成果をもとにそれぞれの道具操作に関わる教科のカリキュラム開発を行っていく。 茨城大学推進研究プロジェクト 研究内容概要図 研究概要 (研究内容の概要が分かるポンチ絵・図表を掲載して下さい。 ) 科学的根拠 に基づく教育へ 道具操作(筆・玄 能・のこぎり等) や書字に関与する 脳機能の解明 教示方法と道具 操作の学習過程 に関わる脳科学 的検証 新しい カリキュラム開発 【発達を促す支 援方法の検証】 【学習のベース】 神経教育学 脳科学 教育 教育と脳科学による融合を目指した「神経 教育学」という新たなアプローチから科学 的知見に基づいたカリキュラムの検証・開 発の可能性を明らかにしていく
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