日銀の追加緩和期待が一旦後退

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2015 年 1 月 23 日
日銀の追加緩和期待が一旦後退
1.物価目標の達成時期がずれ込む可能性
日銀は 1 月 20-21 日の金融政策決定会合で金融政策の維持を決めました。展望レポートの中間評価
では、原油価格の大幅下落を反映し、2015 年度の物価見通し(消費者物価指数(除く生鮮食品)
)を 1.7%
から 1.0%に大きく引き下げました。一方、2016 年度については 2.1%から 2.2%に小幅に上方修正し
ました。
物価目標の達成時期について市場では、遅くとも 15 年度中の達成を目指し、必要とあれば早めに追
加緩和を実施するとみていましたが、会合後の黒田総裁の記者会見を受け、16 年度にずれ込むことも日
銀は許容するとの見方に変わりました。
図表 1. 物価目標の達成時期(日銀の見解、市場の見方)
(日銀の声明文)
(日銀の展望レポート)
日銀の公表
「消費者物価の前年比上昇率 2%の物
「2015 年度を中心とする期間に 2%
文
価安定の目標を、2 年程度の期間を念
に達する可能性が高い」
頭に置いて、できるだけ早期に実現す
る」
↓
上記に対す
“ 2 年で 2%”にあたる 2015 年 4 月ま
る市場の主
でに達成
↓
2015 年度中に達成
な見方
↓
↓
今回の黒田
「きっちり 2 年で 2%を達成するとは
「15 年度中にとは言っていない」、
総裁の見解
言っていない」
「わざわざ 2016 年度に入るというこ
とを言っているわけでもない」
2.過度の追加緩和期待は後退も、金利は低位で推移
15 年度は原油安の影響で物価が低迷する分、16 年度には物価上昇が見込めることから、早期の追加
緩和期待が大きく後退した模様です。“ 原油安→インフレ低迷→追加緩和” が、“ 原油安→インフレ低迷
→原油価格持ち直し→インフレ率上昇→物価目標達成?” に置き換えられた格好となりました。また、
市場では今回の会合でにわかに期待が強まっていた付利(銀行などが日銀の当座預金に預けるお金に付
けている金利、0.1%)の引き下げについても、黒田総裁は議論しなかったと答えました。黒田総裁の記
者会見を受け、追加緩和期待を背景にした金利低下圧力や、円安圧力についてはやや後退した格好です。
もっとも、日銀が巨額の国債購入を継続していることに加え、欧州中央銀行(ECB)が 1 月 22 日
に国債を含む量的緩和政策の導入を決定し、イタリアやスペインなどの欧州債の利回りが過去最低を更
新、また米国 10 年債利回りも 2%を下回る水準で推移する中、国内金利の大幅な上昇は見込めない状況
です。日銀の追加緩和への過度の期待は後退したものの、国内金利は低位での動きが続きそうです。
なお、日銀は、原油価格(ドバイ)が1バレル 55 ドルを出発点に、見通し期間(16 年度)の終盤に
かけて 70 ドル程度に緩やかに上昇していくと想定しています。しばらくは、原油価格や 2 月に本格化
する賃上げ交渉などを睨みながら、日銀の追加緩和の可能性や時期を探っていくことになります。
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
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投資環境
2015 年 1 月 23 日
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(参考)2014~2016年度の政策委員の大勢見通し
対前年度比、%。なお、< >内は政策委員見通しの中央値。
2014年度
10月時点の見通し
実質GDP
消費者物価指数
(除く生鮮食品)
-0.6~-0.4
+2.9~+3.2
+0.9~+1.2
<-0.5>
<+2.9>
<+0.9>
+0.2~+0.7
+3.1~+3.4
+1.1~+1.4
<+0.5>
<+3.2>
<+1.2>
+0.4~+1.3
+1.8~+2.3
2015年度
<+2.1>
10月時点の見通し
2016年度
10月時点の見通し
消費税率引き上げの
影響を除くケース
<+1.0>
+1.2~+1.7
+1.8~+2.6
+1.1~+1.9
<+1.5>
<+2.4>
<+1.7>
+1.5~+1.7
+1.5~+2.3
<+1.6>
<+2.2>
+1.0~+1.4
+1.9~+3.0
+1.2~+2.3
<+1.2>
<+2.8>
<+2.1>
(注1)「大勢見通し」は、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて、幅で示したものであ
り、その幅は、予測誤差などを踏まえた見通しの上限・下限を意味しない。
(注2)各政策委員は、既に決定した政策を前提として、また先行きの政策運営については市場の織り込みを参考にして、上記の見通しを作成して
いる。
(注3)原油価格(ドバイ)については、1バレル55ドルを出発点に、見通し期間の終盤にかけて70ドル程度に緩やかに上昇していくと想定している。
その場合の消費者物価指数(除く生鮮食品)におけるエネルギー価格の寄与度は、2015年度で-0.7~-0.8%ポイント程度、2016年度で+0.1~
+0.2%ポイント程度と試算される。
(注4)今回の見通しでは、消費税率について、既に実施済みの8%への引き上げに加え、2017年4月に10%に引き上げられることを前提としてい
る。消費者物価の見通しについて、各政策委員は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いた計数を作成している。
(注5)消費税率引き上げの直接的な影響を含む消費者物価の見通しは、税率引き上げが現行の課税品目すべてにフル転嫁されることを前提に、
物価の押し上げ寄与を機械的に計算したうえで(2014年度:+2.0%ポイント)、これを上記の政策委員の見通しに足し上げたものである。10月時点
の見通しでは、既に実施済みの8%への引き上げに加え、2015年10月に10%に引き上げられることを前提に、物価の押し上げ寄与を政策委員の
見通しに足し上げていた(2014年度:+2.0%ポイント、2015年度:+0.7%ポイント、2016年度:+0.7%ポイント)。
(出所)日銀
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
鈴木和仁)
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