「頂いた主なご質問・ご意見に関する当会の考え」 ガイドラインに 頂いた主なご質問・ご意見の概要 ご質問・ご意見に対する考え おける関連箇所 1 グローバル機関 「グローバル機関投資家等」とはどのような範囲を指 「グローバル機関投資家等」は日本経済再生本部作成の 投資家等の意味 しますか。 日本再興戦略改訂2015(「日本再興戦略」)で用いら れている「名義株主以外のグローバルな機関投資家等が、 株主総会に参加する上での企業の基本方針作りを円滑化 するため」という表現を元にしております。図表1-1 及び図表1-2において<グローバル機関投資家等>に ついて具体例を図示しております。 2 グローバル機関 グローバル機関投資家等の総会出席に関し、一定の策 本ガイドラインは、会社法の判例等を踏まえ、名義株主 投資家等の意味 を講じることが他の株主との関係において問題には でない者が総会に出席することについて法的論点を記載 なりませんか(株主平等の原則に反しないでしょう しており、その過程で恣意的取扱いをすべきでない点も か) 。 触れられることになります。なお、本ガイドラインは特 定の投資家への優遇策を示すものではありません。 3 グローバル機関 「グローバル機関投資家等」には個人株主も含まれま 総会出席は各所で議論となっていますが、これまでの一 投資家等の意味 すか。 連の議論等の射程等に照らして、本ガイドラインが述べ る「グローバル機関投資家等」に個人株主は(一般に実 質株主と言われる者であっても)含まれていません。 4 グローバル機関 本ガイドラインの射程に ADR は含まれますか。 ADR などの預託証券の取扱いについては、今後の検討が 投資家等 必要であると考えます。現時点では、ADR は本ガイドラ インの射程に含まれておりません。 5 ルート B 株主ではない者が傍聴したことを理由として決議取 1 傍聴を認めるか否かや傍聴を認める場合の手続は、会社 消訴訟を提起されるリスクはありませんか。会社とし 側の合理的裁量によるものと考えられます。 ては、「傍聴なら当然認める」ということは当然には 認められないようにも思われます。機関投資家等の傍 聴場所等、実務的には種々の問題が残されているの で、傍聴についても、機関投資家等サイドによる特段 の事情の立証等、ルートCと同じく一定の留保が必要 ではないでしょうか。 6 ルート C 最判昭和51年12月24日は、代理人ではなく、 「組 最判51年12月24日のケースは、グローバル機関投 織の中の一員として上司の命令に服する義務を負い 資家等が名義株主を代理するケースとは事情が異なりま …代表者の意図に反するような行動をすることがで すが、代理人による議決権行使と整理されます。 きない」使者であり、ルートCで想定される実際のケ ースとやや趣が異なるのではないでしょうか。 7 8 ルート C ルート D 「特段の事情」をNが証明した場合、発行会社は出席 N及びAの側で特段の事情を証明する必要がありますの させる義務を負うのでしょうか。「特段の事情」を認 で、誰であっても認めざるをえないといった事態にはな める基準がなければ、ルートCの場合、結果的に、要 らないと考えております。 「特段の事情」をNが証明し、 求さえあれば出席を認めざるを得ないのではないで その存在が明確な場合については、ガイドライン第一部 しょうか。 Ⅲ3をご参照ください。 定款規定の合理性はどのように担保することになる 株主総会での特別決議を経ていることがあります。ただ のでしょうか。 し、株式取扱規程の内容も、合理的なものであることは 必要であると考えています。 9 ルートD ルートDを採用しなければならないものとの誤解を 本ガイドラインは、グローバル機関投資家等による総会 避けるために、各ルートの採否は、各社が任意に判断 出席に関し、現行法上可能な選択肢・考え方を整理し、 すべきものである旨を明記してはいかがでしょうか。 提示することを目的とするものであり、特定の選択肢の 2 採用を各社に義務づけるものではありません。 10 復代理人 実質株主に対し「職務代行通知書(指示書)」を交付 グローバル機関投資家等が法人であることも想定し、職 するパターンの想定は不要でしょうか。 務代行通知書の様式をおつけしております。様式3をご 参照ください。 11 オムニバス口座 現在は、グローバル機関投資家等が議決権行使をする 御指摘のような実務状況や投資家側のニーズ状況等を否 の論点 定する趣旨はありません。 場合は、総会基準日までに口座を分ける対応をせざる をえないと理解しています。またその状況でグローバ ル機関投資家等側も何ら困っていないと思いますが いかがでしょうか。 12 13 14 代理人の員数 フロー図 必要書類 ルート D では、代理人の員数はどう考えるのでしょう 代理人の員数も株式取扱規程にて定めることが考えられ か。 ます。 株主名簿管理人を含めたフローを示す必要はないで 株主名簿管理人が直接関与する必要はないように思われ しょうか。 ます。 海外の実質株主の総会出席に際し、①名義株主発行の 会社法の規律のもと、当該会社と関係者とが協議の上、 委任状、②常任代理人発行の署名確認書、③議決権行 総会出席に向けた手法を工夫されることを、本ガイドラ 使書を持参するよう手配して総会出席を認めている インは何ら否定するものではありません。 例があります。こうした取扱いは本ガイドラインが発 効しても引き続き有効と考えてよいでしょうか。 15 書類の提出期限 なぜ事前提出させる必要があるのでしょうか。 総会当日に受付・集計実務が混乱せず、グローバル機関 投資家等の円滑な総会出席にも資するものと考えており ます。 16 書類の提出期限 事前に出席を表明せず、当日突然に出席を希望された 場合の取扱いはどうなるのでしょうか。 総会出席要件の有無の判断に必要な確認・調整ができな い場合、出席が認められないことがあると思われます。 3 17 書類の提出期限 どのように提出期限を決めることになるのでしょう か。 実際の出席希望に際して発行会社とグローバル機関投資 家等との事前接触にて発行会社より伝達いただくことを 想定しておりますが、今後、グローバル機関投資家等か らの参加要請の増加が顕著となるような場合には、招集 通知への記載や、株式取扱規程における対応も考えられ るところです。第二部実務要領Ⅱ2(6)をご参照くださ い。 18 19 当日集計 様式全般 決議の採否に影響することも考えられるので、事前に 第二部実務要領脚注11は、決議結果への影響が考えら 提供された資料をもって当日振替え処理を行うこと れない場合の対応策の一つをお示しするものであり、決 については言及すべきでないようにも思われますが 議結果に影響がある場合には正確な集計が必要であると いかがでしょうか。 考えられます。 海外の投資家を対象とする場合、時差やデリバリー日 常任代理人に作成権限がある場合には、様式1(証明書) 数等を考慮する必要があります。本件のような国内に 及び委任状は、常任代理人が作成されても構わないかと おける書面の提出等は、「常任代理人が記入捺印する 思います。第二部実務要領Ⅱ2(3)①及び脚注8をご 書式をもって完了する」とする取扱いでいいでしょう 参照ください。 か。 20 様式1 本証明書が本欄記載の者により真正に作成されてい 資料の添付の要否については、発行会社においてご判断 ることを担保するため、印鑑証明書の添付などが必要 いただくことを想定しております。 ではないでしょうか。 21 様式1「特段の 特段の事情を記載しない場合や括弧書で例示してい 特段の事情を示す具体的事情を記載することを想定して 事情」 る文言をそのまま記載した場合はどうなるのでしょ おります。特段の事情の具体例につきましては、本文中 うか。何が特段の事情となるか例示していただけない に記載いたしました。 でしょうか。 4 22 23 様式1「事前行 常任代理人の現行実務では、オムニバス口座の一部し 「オムニバス口座の一部しか保有しない株主に議決権行 使の状況」 か保有しない株主に議決権行使書を渡して出席を認 使書を渡して出席を認めることはない」という常任代理 めることはありません。そのため、証明書別添1の目 人等の現行実務があるのであれば、それを否定する趣旨 的がよく理解できません。 はありません。 様式1「事前行 ICJ銘柄については、A による行使状況を N が把握 提出時点の行使状況(未行使であればその旨)を A に確 使の状況」 認していただくことを想定しています。なお、第二部実 することはできないのではないでしょうか。 務要領脚注11もご参照ください。 24 様式1「事前行 機関投資家等から名義株主に出される委任状発行依 ご指摘の対応は、総会における正確な議決権行使状況の 使の状況」 把握等に役立つと考えられます。 頼書において、事前行使しない旨の宣誓文言を記載す ることでも対応できるのではないでしょうか。 25 その他 「委任状」の書式例は用意しないのでしょうか。 委任状は必要書類となりますが、その記載内容、フォー ムにつきましては掲示しておりません。なお、様式1の 証明書に委任文言を加筆いただき、用紙として証明書と 委任状を兼ねることもあり得るかと思います。 ( 「様式1」 脚注1ご参照) 26 その他 株主提案などの少数株主権の行使はどのように考え 本ガイドラインは、グローバル機関投資家等の株主総会 たらよいでしょうか。 出席について整理したものです。少数株主権の行使につ いては、別途検討が必要であると考えられます。 5
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