ヒト腸嬬動に及ぼす銭灸刺激の効果(第 2 報)

明治餓灸医学第 B 号
35-41
3
5
(991)
ヒト腸嬬動に及ぼす銭灸刺激 の効 果(第 2 報)
十 刺激部位の検討
勺別治誠灸大学東洋医学教室
H ・ rYI治鍬灸大学外科学教室
岩
昌宏・
渡辺消剛 山
石丸圭荘・
吉井智子山
日明治銭灸大学附属病院
外科研修録灸姉
篠原昭二階
樋口淳一“
小高ますみ事権
畑
幸樹口事
咲田雅...
要旨 脇館副J に及ぼす銭灸刺激の効果を検討するため,刺激部位を連隔部 (合谷・足三塁) ,腹部 (中
脱・天枢 ・凶元),これらの 併用群に分け, クソレディテク ターに より測定した脇昔を指標として検討した
その結果,鍛刺激では版ftl~刺激I 併用刺激において刺激中に腸音が有意に減少し刺激後には遠隔部
刺激。 腹部刺激において有意に腸音が地加した これらの結果より,脳音の減少には服部へ白事l激が効
果的であり,脇音の増加には1 造隔郎あるいは臨部への単独刺激が効巣的であることが示唆された
また1 灸刺激では服部刺激,併用刺激において刺激後に腸音減少が持続したことより。銭,灸車リ激白
反応性の迎いが示唆 された
Effect of Acupuncture and Moxibustion on Intesti
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The Second Report)
- Study of the points of Stimulation. 一
IWA Masahiro へ ISHIMARU Keisou ' , SHINOHARA Shojiへ
HIGUCHI Junichγ\ WATANABE Seigou' ヘ YOSHII Tomoko・へ
KODAKA Masumド ペ HATA Kouki 事. . and SAKITA Masakazu 事噂事
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6
ヒト脇郎動に及ぼす鈍灸刺激の効果(第 2
I
緒言
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りやすいが,体幹部刺激で は四肢車 IJ激ほど顕著に
便秘,下痢などの腸管込i励異常に対して.錨灸
は起こらないことを報告している
このように刺
治療が効果的であるとされている 1, 2) が,鍛灸治
激部位の違いによって自律神経 に対する効巣に 差
療が腸管運動機能に及ぼす効果を客観的に明らか
を生じることが示唆されている。そこで本研究は,
にした報告 は少ない,我々は ,こ れまで に腸邸励
刺激部位による腸嬬動への影響の迎いをみる目的
に及ぼす銀灸刺激の効果を '!lJ らかに する目的で ,
で,
癒着性イレウス患者に対して鉱治療を行い検討し
穴(合谷 ・ 足三里 ・ 中腕 ・ 天枢 ・関元〕を四肢刺
た 。 その結果、)鼠蛾動の瓦:illiは銭刺激 ':Jコ に抑制さ
激抑と腹部刺激昨に分け ,刺激部位別の効果につ
れる傾向にあり,それに伴い腹痛も軽減された
いて検討した.
イレウス患者に対してこれ までに使用 した経
また,鍛車IJ放後に 排ガス , 排便を認め,イレウス
の改善を認めた症例についても報告した3)
H
しか
材料及び方法
し.そ の効果は一時的であり,また,そ の時の患
対象は男性 8 名 . 女性 l 名の 健常成人 9 名(平
者の状態により反応性の異なることが問題点であ
均年餓は 27歳)とし.実験前の 3 時間は絶飲食と
ると考えられた
これらの原因は明らかではない
が,腸閉塞の部位や病態の違い,あるいは録申 IJ激
の 部位。刺激方法の違いなとも大きな要因と考え
Lt;こ
①腸音の測定方法
腸管運動の評価の指標とす るために腸音の担IJ定
を行った
られた
吉J 11') は四肢への刺激では交感神経反応が起こ
l防音の測定に は高橋ら 5) の 考案したグ
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実験系模式図
被験者 の McB urn ey 点に 固定 したマイクロ 7;< ンより聴取された脇音は,音声信号として G urr
deiector 内のアンフ・で刷幅され.デジタライザーにより数値化される
1品音駒立はデジタル表示されると同時に。 1 分間毎にデジタ Jレプリンターにより記録した
明治錨灸医学第 B 号
35-41 (
19
9
]
)
釘
ントロ ー Jレ値をlO分間iJllJ定した直後に灸刺激を行
クス社)を使用した
い,刺激後30分の測定を行った
図 1 は腸音測定の模式図を示したものである.
刺激部位は従来からイレウス患者に対して使用
安静仰臥位にて被験者の右下腹部 (McBurney 点)
に,腸音を聴取するためのマイクロフォンをテー
している経穴(合谷・足三塁 ・中l民・ 天枢 ・関元)
プで画定した.マイクロフォンより聴取された綴
を,①遠隔部(合谷・足三里〕刺激群と②腹部
音は音声信号として増幅された後,
(中院 ・ 天枢. IJII元)刺激1洋にわけ,
ディジタライ
さらに③遠
ザーにより数値化され.単位l時間あたりの腸音頻
隔部と腹部を同時に刺激した併用刺激群(合谷・
度として表示されると同時にプリンタ ーに 記録さ
足三里 ・ q.'I涜 ・ 天枢 ・|抱元)の 3 群を設定した.
刺激方法は鍬刺激では,
れるが,本実験においては l 分間の腸音頻度とし
40mm. 1 8号ステンレ
ス製テ' ィスポーザブ Jレ鍛(セイリン化成株式会社)
て評価した,
を使用し,銀特を確認後 ,
②実験行程及び刺激部位
図 2 は実験行程を示したもので. 上段が鍛刺激
群,下段が灸刺激併を示す
まず, 安静 l時の腸音
10分間の置銭としたー
灸刺激は,各経穴に半米粒大 (06mg) を 3 壮施
灸した
を 5 分間測定し.その直後に腸音を冗進させるた
③評価方法
めに .
腸音には個人差がかなりあ J) 6 1,同 一 人におい
胃透視検査時に用いられる発泡剤 3 .5 g
〈パリトゲン発泡~li粒
した
伏見製薬所 ) を経口投与
発泡剤妓与lO分後よりコントローノレ値とし
ても日内の変動がある
銭灸刺激は刺激前の状態
がその効果に大きく影轡するため銭灸刺激の効果
てlO分間測定し , 鍬刺激鮮においては.その後に
を平均値で比較するために,各実験群の腸音の推
銀刺激を 10分間行い,さらに抜録後も 2的3 悶にわ
移色発泡斉IJ段与 10分後より 10分間にわたって記
たって腸首を測定した.灸刺激慨においては,コ
録した腸音頗度を lOO% として,
これに対する変
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実験行程
上段が鍬刺激 81.
下段が灸車リ激群を示す
10分間出品音をtl['j定した
両群ともに発泡剤投与 10分後よりコントロール値として
その直後に銭刺激群では 1
誼誠 10分間l行なし峠峨後も 20分 1111 測定した
激昨では。半米粒大 3 壮施灸後、 30分間に渡って測定した
灸刺
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3
8
ヒ卜腸蛇動に及ぼす館会刺激の効果(第 2 報)
化率を求めて評価した
また,効果判定は発泡剤
漸次地加したが, 40-50分では 11 3 土 1 1 % と減少
投与後に刺激を行わないで 40分間測定した対照群
した.このことから,脇音は発泡剤の技与により町
デ ー タと比較検討した
役与 10分後よりの 10分間は投与前の約 4 倍となり,
なお ,
有意差の検定には Dunnett-test.
およ
び T u key-test による多重比較を行なった.
その後 30分間は漸次増加するが, 30分以後は減少
する傾向にある事がわかった .
②
E
①
結果
図 4 は対照群と各鍬刺激ll1'の腸音の経l時的変化
対照1詳の腸音の経時的変化
をまとめて比較したものである.
対照群として発泡剤投与 1 0分後より鋪灸刺激を
行わないで 脇 音を 40 分間連続して測定した(図
3) .
世銀 10分間においては句すj!照群が 118 :1: 1 2% で
準誤差で表示したものである
発泡剤投与 10分後
10分間にわたる腸沓の頻度を 100% とする
と , 投与前 1 0分間の 平均値 は 25 :1:
4%であった
9%,腹部
8% ,併用刺激群では 70 :1: 9%と
あるのに対して遠隔部刺激併では 95 :1:
刺激税では 73 士
図は腸音の推移を 10分毎の変化率の平均値±標
より ,
対照群と鍛刺激1拝との!鼠音の比較
いずれも脇音の減少がみられ,腹部刺激群.併用
刺激群において対照1昨と比較して有意差がみられ
た
また ι
刺激後 10 分間においては,対!i({群の
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3
3:
1
:13% に対して遠隔部刺倣群が253 :1: 38% ,腹
これに対して発泡剤投与後 20 分から 30分までは
部刺激群が 226 :1: 27% , 併用刺激群が 145 :1: 1 6% と
1
1
8:
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:12% ,投与後 30-40分は 133 士 13% と腸音は
遠隔部刺激群,腹部刺激群において明らかな腸音
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対照群の腸音由経時的変化
無 刺激にて 4 的t 間腸音i!'J定を行い,発泡剤没与後 10-20分の 10分 1111 の平地値
を 100% として脇音頻度を変化車で表わしている
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刺激後 10分 間
刺 激後 1 0--20分
車1J
激
図 4
寄鎚刺激群の鵡音の 比較
対 I Klitr と創造刺激1:, (遠隔書 1;刺激群・服部車峨群・併用刺激1拝)の脳音変化事を他紙
日分 1111 , 車激後 1 0分 I lIJ ,
刺激後 10-20分自 30分間に渡勺て比較している
の増加がみられたが, 併用刺激1界での腸音の増加
ものの他の 21咋ほど, 明らかではなかった
は顕著ではなかった.さらに刺激後の 10-20分に
③
おいては,対照l'J が 113:!:11% であるのに対し,
図 5 は対照1拝と各灸刺激群との脇音の経時的変
遠隔部刺激群が256:!:30%句腹部刺激群が 287=40
%と有意な腸音の増加がみられ,併用刺激群では
183:!:25% と附加がみれらたが ,
対照群と比較し
て有意表はみられなかった
対照群と灸刺激群との腸音の比較
化をまとめて比較したものである.
灸刺激後の 10分間においては,対照群が 118:!:
12% であるのに対し て遠隔部刺激群では 121 士 16
%とほとんど変化がみられなかった.これに対し
以上の結果より遠隔部鍬刺激においては , 刺激
て腹部刺激群が81:!:
9%. fJI用刺激群が69:!: 6%
中には脇音の減少がみられるものの他の 2 群に比
といずれも有意な脇音の減少がみられた.一方,
し て顕著 な もので はな く , 刺激後 は逆に腸音が増
刺激後の 10-20分に おいては ,
加し, 刺激後 20分 は 効果が持続す る傾向 に あった
%であるのに対し ,
一方,腹部鍛刺激 にお いては ,刺激中 に腸音が有
1
3
10%.
服部刺激群が 90:!: 7%.併用刺激群が75:!: 8%と
対照群が 133:!:
辿隔部 刺 激鮮 が 102:!:
意に減少し刺激後には辿隔部錨刺激と同様に腸
いずれも l鴎音の減少がみら れ, 併用刺激群 に おい
音が漸次j~lIJ[Iする 傾 向にあった .
て対照群と比較して有意差がみられた
また,併用銀刺
さらに刺
激においては, 刺激中の脇音の減少は他の 2群よ
激後の 20-30分におい て は,対照群の 113 土 11%
り顕著であるが, 刺激後の脇音の増加はみられる
に対して遮隔部刺激群は 111:!:8% とほとんど変
ヒト脳総動に及ぼす録灸刺激の効~l(第 2 報 )
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凹併周刺激群
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• 刺激後 10分間
刺激後 1 0--20分
刺激後2ひ-30分
(分)
灸
刺
激
図5
各灸刺激群の揖音の比較
対照貯と各灸刺雌群 (遣隔部刺激 l洋 ・ 服部刺激 i押・併用車 IJ激群 )の 腸音変化事を,灸刺
激後の 10分間,刺激 後 10-20分,刺激後 20 ー初分 自 30分 IUJ に渡 勺て比較している
化がみ ら れなか ったのに対し ,腹部刺激群が 65 :t
7%ー併問刺激1拝が66 :t 8%といずれも有志な脇
音の減少がみられた.
激後には逆に地加する傾 向 に あった的ー
しかし,
個体差やその時の患者の状態 によって銭刺激効果
の反応性の迩いが認めら れた
以上の結果より遠隔部への灸刺激では,ほとん
佐藤口の報告によれば.ラットの腹部の皮l町を
ど変化がみら れなかった の に 対 して ,服部刺激群
ピンチ刺激すると交感神経の遠心性放 rû活動が冗
および併用 WII激辞では,
進し.小腸の五fl動が抑制されるが,
い ずれも 刺激後 30分にわ
他の分節(~j'j
たって脇告の減少が持続し , 特に併用灸刺激群に
部, 上腹部,足鍍 など)の皮膚刺激では迎に小腸
おいて脇音減少の持続が顕著であ った .ま た,腹
のト ー ヌスを上げる反応を誘発する Tllが示さ れて
部刺激1拝, 併用刺激情ともに刺激後 20分以降に ,
いる
腸音減少が必も 顕著 であった.
ても刺激部位の違いが。腸崎勤に及ぼす効果に大
この耶より,鍛灸刺激(体表刺激)におい
きく I;~轡することが考えられる.そこで刺激部伎
W
考察
腸嬬動に及ぼす鍛刺激の効果を客観的に 評価す
の迎いによる脇鰐動に対する効果をみる引を目的
とし.従来から使用し て いる経穴を,四肢と腹部
るために.イレウス患者を対象に 腸音を指綴とし
にわけて検討すると同時に , 銭刺激と灸刺激との
て検討した結果,鍛刺激時には脇音は減少し,事11
反応性の途いについ ても検討 した
明治誠灸医学第 8 号
4
1
(
19
9
1
)
これらの
るという報告"や, 神経ペプチドの関与を示唆す
その結果,腹部刺激
る報告 1 0) もあ り,消化管運動に対する銭灸刺激の
まず鍛刺激を述l羽音r;刺激,服部刺激 ,
併用刺激に分けて検討した
35 - 41
群. 併用刺激群において伯E鍛 '1" 1こ脇音の有意な減
効果を検討する 上 で, 今後,
少がみら れた . ープJ. 刺倣後には, 遠隔部刺激群.
討を要するものと思われる
これらについても検
腹部刺激群において似昔の有おな t[l1m がみられた
が,併用刺激群では脇音の i~1加はみられるものの ,
V
まとめ
これらの結果より,
腸嬬動に対する鍬灸刺激の効果を検討し.より
銭刺激中の脇音の減少には , 腹部への刺激が大き
効果的な刺激部仙ーや刺激方法を知るこ とを 目的と
有意差は認められなかった
く関与しているものと思われた ,
方.刺激後の
腸音の増加には,遠隔古g あるいは腹部への単独刺
して , 刺激部位を遠隔部刺激,腹部刺激,これら
の併用刺激に分け検討した
その結果,鍛刺激においては, Q)l刺激中に腹部
激が効果的であった.
次に ,灸刺激についても同様の検討を行った ー
刺激,併用刺激において有意な腸音の減少がみら
その結果,遠隔部刺激では,ほとんど変化がみら
れ,②刺激後に遠隔部刺激.腹部刺激において
れなかったのに対して,腹部刺激,
有意な腸音の増加がみられた.これらの結果より,
併用刺激にお
いては , 刺激後 30分!日]に渡って脇首の減少が持続
刺激中の腸音減少には腹部への刺激が関与し,刺
してみられたことより,灸刺激の場合も鍬刺激と
激後の腸音地加には1 遠隔部あるいは腹部への単
同様に ,防音の減少には腹部への車 11訟が大きく関
独刺激が有効であることが示唆された
また ω 刺激後に,録
また,灸刺激においては,腹部刺激,併用刺激
刺激では腸音の増加がみられたのに対し , 灸刺激
わっているものと思われる
において刺激後 30分にわたる脇蓄の減少が持続し
では腸音の減少が持続してみられたことより,刺
たことより,鍛刺激と灸刺激では反応性の異なる
激の種類によって反応性の興なることが示された
ことが示された
これらの作用機序に |到し て自律神経の関与に注
目してみると.
fJíj述の佐藤の報告 ,
ならびに岡田
ら 8) は,腹部皮府への侵害刺激により ,
脊髄レベ
Jレを介した交感神経発射が増加し,小腸迎動が抑
制i されると報告しており , 今回の実験においては,
腹部への灸刺激が侵害刺激として感受され,その
結果, 交感神経の緊強状態を引き起こし , 腸嬬動
が抑制された可能性がある
これに対して銀刺激
の場合,刺激後に防音の耳目11日がみられたが,抜銭
後に交感神経の緊張状態が解除され,徐々に副交
感神経の優位な状態に移行し ,腸蝋動が促進され
たのではないかと考えられる.
いずれにしろ銀,
灸刺激はピンチ刺激などの侵害刺激とは異なり,
刺激後に抑制効巣や促進効巣といった特民的な反
応を惹起することが示唆され,
今後の基礎的な裏
付けが必要であると思われる
腸管迅j動は神経性調節の他に休液性にも調節さ
れていることが報告されている.消化器機能に対
する銭刺激の効果が,体液性調節によるものであ
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