~ Social Security and Labor Legal Office 「SSLL」 ~ 第8回 「雇い止め」と「解雇」の違い (落し穴) 先日A社社長さんから「新たに管理社員として、60歳の人をハローワークの紹介で雇い 入れたのですが、何か助成金の制度が使えますか。」との相談があった。 高齢者(60歳以上)や障害者の方、又、母子家庭の女性や長期フリー ター等の40歳未満の人を雇用(週労働20時間以上、対象者によっては 30時間以上)すると、中小企業の場合で60万円~100万円の助成金 が 受給できます。 但しこの場合、雇入れ前とその後6ヶ月(前後1年間)に会社都合(解雇又は勧奨、以下 「解雇等」という)の退職者がいないことが条件ですが、先月会社の判断で辞めても らった事務パートの方がいるとの事でした。 でもあきらめるのはまだ早い・・・。よくお聞きしたら、1年契約の2 年目が満了した時点だったことが分かり、それは「雇い止め」とされ、 会社の都合であっても「解雇等」とは違う扱いで助成金は使えることを 説明しました。 しかも、本人は「解雇等」と同じく失業保険は3ヶ月の給付制限はなく、すぐ出るので不 利にもならず、双方にとってよい扱いと言えます。 ただ、本人とは雇用契約書を作ってなかったという事ですが、契約は口 頭でも有効で、今からでも書面にして、それをハローワークに出せば大 丈夫です。また事前に解雇の「予告」通知をしていたのですが、それは 「雇い止め」と「解雇」の区別が分からなかったため、混同してしまっ たものと説明すれば問題ありません。
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