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大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部改正
(案)の概要について
平成 27 年 10 月
大阪府警察本部生活安全部保安課
1 改正の理由
今般、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和 23 年法
律第 122 号。以下「法」という。)の一部が改正されました。
これに伴い、法により都道府県の条例に委任された事項について規定を整
備する必要があるため、大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関す
る法律施行条例(昭和 34 年大阪府条例第6号。以下「条例」という。)の一
部を改正します。
2 改正案の内容
(1) 風俗営業について
ア 営業時間の制限(法第 13 条第1項第2号関係)
改正前の法第 13 条第1項において風俗営業を営むことが許容され
る特別な事情のある地域において営業を営むことができる時間を午前
1時までと定められていましたが、法改正により、条例でこの時間を
定めることとなりました。
そこで、条例では、府民の生活実態や公共交通機関の運行状況等を
踏まえ、改正前の法で定められている時間と同じ午前1時とします。
イ ゲームセンター等への年少者の立ち入らせの規制(法第 22 条第2
項関係)
改正前の法第 22 条は、風俗営業者の禁止事項として年少者の立入
制限に係る年齢及び時間を条例で定めることとしていたことから、条
例では、16 歳未満の者を午後7時以降に立ち入らせることを禁止して
いました。
今回の法改正により、午後10時前の時間におけるゲームセンター
等への年少者を立ち入らせることについて禁止事項とせず、条例によ
り、保護者の同伴を求めること等必要な制限を定めることができるよ
うになりました。
これを受けて、ゲームセンター等の営業形態の変化に鑑み、保護者
同伴であれば、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれが小さいこと
から、条例では、午後7時以降午後 10 時前の時間に、16 歳未満の者
をゲームセンター等に立ち入らせることについて、一律に禁止せず、
風俗営業者は、保護者の同伴について必要な措置を講じなければなら
ないこととします。
(2) 特定遊興飲食店営業について
法改正により、新たに特定遊興飲食店営業(ナイトクラブその他設備を
設けて客に遊興させ、かつ、客に飲食をさせる営業(客に酒類を提供して
営むものに限る。)で、午前6時後翌日の午前零時前においてのみ営むも
の以外のもの(風俗営業に該当するものを除く。)をいう。以下同じ。)が
定められました。
条例では、法による委任を受け、特定遊興飲食店営業の「営業所設置許
容地域」、「営業時間を制限する地域及び制限する時間」、「騒音の規制」、
「振動の規制の数値」、
「特定遊興飲食店営業者の遵守事項」について規定
を整備します。
ア 営業所設置許容地域(法第 31 条の 23 において準用する法第4条
第2項第2号関係)
特定遊興飲食店営業の営業所の設置が許容される地域は、風俗営業
等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令(昭和 59 年政令第
319 号。以下「政令」という。)で示された基準に基づき、条例で定
めることとなっており、この基準に沿って調査を行った結果を踏まえ、
次の(ア)、(イ)のいずれにも該当する地域とします。
(ア) 風俗営業の営業延長許容地域(午前零時以後において風俗営業
を営むことが許容される特別な事情のある地域)又は、風俗営業
等が密集する地域やそれ以外の地域のうち深夜に居住する人が少
ない地域など良好な風俗環境の保全に障害を及ぼすことがないと
認められる地域であって公安委員会規則で定める地域
(イ) 児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)第 7 条第1項に規定
する児童福祉施設(児童等が入所するものに限る。)又は医療法(昭
和 23 年法律第 205 号)第 1 条の5第1項に規定する病院若し
くは同条第2項に規定する診療所の敷地の周囲おおむね 100 メ
ートル(当該施設の敷地が都市計画法(昭和 43 年法律第 100
号)第 8 条第1項第1号に規定する商業地域にある場合は50メ
ートル)の区域外の地域
イ 営業時間の制限(法第 31 条の 23 において準用する法第 13 条第
2項関係)
特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域では住民や通勤・通学者
と酔客等とのバッティングによるトラブル等が発生するおそれがある
ことから、住民が起床して日常生活を始め、通勤・通学者が激増する
午前7時頃には酔客等を帰路につかせる必要があります。そこで、政
令で示された基準に従い、住民の日常生活や社会生活の平穏が害され
ることを防止するため、次のとおり営業時間を規制します。
(ア) 営業時間を制限する地域
前記ア(ア)の地域のうち公安委員会規則で定める地域としま
す。
(イ) 営業を営んではならない時間
午前5時から午前6時までの時間とします。
ウ 騒音及び振動の規制に係る数値(法第 31 条の 23 において準用す
る法第 15 条関係)
騒音及び振動の規制に係る数値は、政令で定めるところによる数値
を超えない範囲内で条例で定めることとなっており、この数値を風俗
営業や深夜酒類提供飲食店営業の数値と同一とします。
これは、現在政令で示された基準に従い、騒音及び振動を規制して
いる風俗営業や深夜酒類提供飲食店営業において清浄な風俗環境が保
持されていることから同一の規制とするものです。
エ 遵守事項(法第 31 条の 23 において準用する法第 21 条関係)
法改正により特定遊興飲食店営業者の行為について、善良の風俗若
しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼす
行為を防止するために必要な遵守事項を条例で定めることができるこ
ととなりました。
これを受けて、条例では、特定遊興飲食店営業者が酔客に遊興をさ
せるサービスを提供した場合等に、歓楽的雰囲気が過度なものとなっ
たり、酔客が迷惑行為を行ったりする等の風俗上の問題が生ずるおそ
れがあることから風俗営業と同じように遵守事項を定めることとしま
す。その内容は、
(ア) 営業所において
・卑わいな言動その他善良の風俗を害する行為
・客を宿泊させる行為
・店舗型性風俗特殊営業又は法第 31 条の2第4項に規定する
受付所営業を営む行為
・客室に鍵をかける行為
・客の求めない飲食物を提供する行為
・不当な売上げ競争
・著しく射幸心をそそるような行為
をしない、又はさせないようにすること
(イ) 営業所で寝具その他これに類するものを客に使用させないこと
(ウ) 営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法
で広告又は宣伝をしないこと
(エ) 営業所において客に見やすいように料金を表示すること
を定めます。
(3) 風俗環境保全協議会(法第 38 条の4関係)
法改正による、特定遊興飲食店営業の制度導入により、深夜営業に伴
う事業者と地域住民とのトラブルの増加等が懸念されることから、その
防止と速やかな解決に向けた協議を行うため、条例で定める地域ごとに
風俗環境保全協議会を置くように努めることとなりました。
そこで、条例では、深夜営業に伴うトラブルが想定される、前記(2)
ア(ア)の地域のうち公安委員会規則で定める地域を風俗環境保全協議
会を設置する地域とします。
3 施行期日(予定)
規則で定める日とします。
(理由:法改正の施行日に合わせるため。)