July 2015 71 所長就任のごあいさつ 所長 町田 忍 4 月より松見豊前所長の後を継いで、太陽地球環 境研究所の所長を務めることになりました。本年 度は、名古屋大学の中期計画期間 (2010 - 2015 年 度 ) の最終年度にあたり、共同利用・共同研究拠点 としての期末評価が進むと同時に、当研究所、地 球水循環研究センター、年代総合研究センターの 学内 3 組織を統合して創設する新組織、宇宙地球 環境研究所の設立に向けて準備が進む重要な時期 での就任となりました。本年 10 月の学内措置によ る新研究所の設立まで、それらに鋭意取り組みな がら所長としての責務を果たして参りたいと思っ ております。 名古屋大学太陽地球環境研究所は、「太陽地球環 境の構造とダイナミックな変動過程の研究」をミ ッションとした全国共同利用研究所として 1990 年 6 月に設立されました。2010 年度からは「共同利用・ 下の太陽地球系物理学科学委員会 (SCOSTEP) の国 共同研究拠点」という新制度に移行し、宇宙科学 際協同研究計画である「太陽活動の変動とその地 と地球科学双方にまたがる太陽地球系科学全域を 球への影響 (VarSITI)」が 2014 年度から 5 年の予 カバーする唯一の全国共同利用研究所として活動 定でスタートしており、当研究所は世界の関連研 を行ってきました。その間、太陽地球環境研究は 究機関と協力して、このプログラムを主導してい 急速な進展をみせ、現在では、衛星運用や宇宙で ます。また、研究の国際交流という観点では、文 の人間活動を安全に行うために不可欠な宇宙天気 部科学省が国際共同研究ネットワークの核となる 予報が実用段階に入り始めています。 優れた研究者を育成し、我が国の学術の振興を図 また、太陽がここ 100 年間で最も黒点数の少な ることを目的として設けた「頭脳循環を加速する い特殊な時期を迎えている中、地球温暖化とも関 戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」に、 連して、太陽地球環境の中期・長期的な変動につ 当研究所のメンバーを中心とした計画が採択され、 いても研究が盛んになりつつあります。そのため 2014 年の後半から 2 年半の予定で活動が始まりま に国際的な枠組みとして、国際科学会議 (ICSU) 傘 した。このプログラムの実施により、拠点として 1 の機能がさらに強化されることが期待されます。 れました。2012 年度末までの結果について実施さ また、国内の活動としては、文部科学省の学術研 れた拠点の中間評価では S, A, B, C 評価の基準で A 究の大型プロジェクト推進に関するロードマップ の評価を受けましたが、今年度末に実施される期 2014 の 10 計画の一つとして「太陽地球系結合過程 末評価ではそれ以上の評価が得られることを目指 の研究基盤形成」が選定されましたが、当研究所は、 しています。 国立極地研究所と協力してノルウェーでの EISCAT- 昨年 6 月には、外部評価が実施されましたが、 3D アンテナ設置・運営に参加し、さらに、アジア・ その委員会における今後の指針として、地球を閉 アフリカの広域観測ネットワークの形成に、九州大 じた地球システムとして捉えるのではなく宇宙に 学と協力して積極的に取り組んでまいります。 開かれたシステムとして捉え、重点的に取り組む 太陽地球環境科学に関連したビッグデータの活用 研究課題を選定すべきであるとの提言をいただき という観点におきましては、2009 年度から始まっ ました。さらに、従来の部門制を見直して研究課 た「超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観 題ごとに柔軟な体制で取り組むため、また、現在 測・研究 (IUGONET)」の推進が挙げられます。当 の研究所では人的資源が限られているので、学内 研究所は、このプログラムの参加機関の一つとして 外の研究組織との連携組織の構築を目指すべきで 活動を行いました。本計画により、厖大な量のデー ある。学内に関しては当研究所と関係が深い地球 タから個別のデータを効率よく抽出することが可能 水循環研究センターおよび年代測定総合研究セン となりました。このプロジェクトで開発されたシス ターがあり、それらとの統合が実現すれば研究の テムは、今後も太陽地球環境科学の研究において大 体制が整い、太陽地球システムの研究が格段に進 いに活用されるものと考えられます。 歩することが期待できるという提言も頂戴しまし 当研究所の組織に関する動きとしては、太陽観測 た。今回の研究所組織の再構築は、それらの提言 衛星「ひので」のデータ解析環境を提供するため、 に沿った形のものになっています。 国立天文台の協力のもと「ひのでサイエンスセンタ 新しい研究所のミッションは、宇宙科学と地球 ー」を当研究所に設置し、2012 年度より運用して 科学を結び付ける全国唯一の共同利用・共同研究 います。また、2013 年度より 5 年間の予定で、宇 拠点として、地球・太陽・宇宙を 1 つのシステム 宙航空研究開発機構宇宙科学研究所からの予算によ としてとらえ、そこに生起する多様な現象のメカ り「宇宙科学連携拠点」を所内に設置し、2016 年 ニズムや相互関係の解明を通して、地球環境問題 に打ち上げ予定のジオスペース探査機・ERG 衛星 の解決と宇宙にひろがる人類社会の発展に貢献す の観測と研究活動を支援するサイエンスセンターと ることです。それを実現するためには、最新の設 して始動しました。これにより、太陽地球環境科学 備や最新鋭の装置も必要かもしれませんが、最も がさらに発展することが期待されます。 肝心なのは、優れた着想と創造力、また、正しい 教育活動については、名古屋大学博士課程リー 判断力、すなわち、人の力だと思います。さらに、 ディング大学院プログラム「フロンティア宇宙開 様々な能力や技能をもった人同士が交流すること 拓リーダー養成プログラム-産学官連携と理工横 によって、それらの力がより一層発揮され、大き 断による次世代産業創出を目指して」が始まって な目標を達成することができます。新研究所を設 おり、そのプログラムの中において当研究所の教 立し、そのミッションを実現するために、全国、 員が中心的な役割を果たしています。 延いては、世界に開かれたこの分野における拠点 また、文部科学省がわが国の共同研究体制を強化 としての役割を果たして、一層の学術発展に貢献 するために 2008 年度に共同利用共同研究拠点の制 できるよう、努力を積み重ねていく所存です。つ 度を設けましたが、冒頭に述べたように、当研究 きましては、学内および学外の皆様方のご支援、 所は 2010 年からの第二期の中期目標・中期計画期 ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申 間の開始時点で共同利用・共同研究拠点に選定さ し上げます。 2 グローバル化の流れの中でのSTP研究教育のメリット 羽田 亨 ( 運営協議委員 ) 九州大学 あるが、議論がうまく噛みあわなかったり意見 が出尽くさなかったりして、メリットよりもデ メリットのほうが大きいように感じた。昨年度 までは所属部局の海外連携委員長として、九大、 釜山、上海の 3 大学間の学生国際シンポジウム を毎年開催してきたが、やはり折角の国際交流 の機会を生かしきれず、消化不良に終わる学生 が多かったようである。いずれの例でも「継続 は力」であって、時間とともに国際化キャンパ スは定着し、成果も次々とでてくるのかも知れ ない。しかし、教員に対しては継続による経験 の蓄積は期待できるかも知れないが、数年で卒 業していく学生たちに対しては、より効果的で 実践的かつ即効力のある対処が必要であろう。 これらを踏まえると、STP 分野、とりわけ地 球規模でのネットワーク観測から得られるデー タを重要な情報源とする宇宙天気科学は、学 生のグローバル教育に絶好の分野ではないか と思われる。これまで九州大学国際宇宙天気 科学・教育センター (ICSWSE) では地磁気観測 (MAGDAS)、STE 研では主として光学観測を 主体としたグローバルネットワーク拠点を展開 し、活発な研究活動を行ってきた。将来的には 新 STE と ICSWSE の共同プロジェクトとして、 これをさらに発展させることも考えられる。そ して、各拠点におけるキャパシティービルディ ング活動、すなわち機器の設置、メインテナン ス、データ収集、さらに収得したデータを用い た研究遂行、そして学位取得にいたるまでのさ まざまなフェーズが、いずれも、きわめて効果 的かつ実践的なグローバル教育の場となってい る。日本人学生と現地の人々 ( 学生、スタッフ ) とがチームを組み、技術的な事柄について意思 疎通を行い、さらに科学の議論や、ときにはポ リティカルな交渉を行うことが求められる。予 期せぬ問題に遭遇した際には、その場で現状を 正しく理解し解決策を模索して実行する。これ らの実際的な訓練を経ることにより真のグロー バル人材が育まれるはずである。さらに、日本 の学生だけではなく現地の若者の教育を行うこ とにより、国際貢献、特に発展途上国支援につ ながっている。 広い意味での地球環境を議論し理解すること が、グローバル教育に有効であることをアピー ルし、これに関与する人材が増えるよう努力し て行きたい。 グローバル化の時代と言われている。私の勤 務する九州大学でも、現在いくつかの国際プロ ジェクトが走っているが、特に昨年度は文部科 学省のスーパーグローバル大学創成支援事業の 採択を受けて、教育カリキュラムの国際化 ( 英 語化 )、学生の海外交換留学促進、若手教員の 海外研修、海外大学とのダブルディグリー、国 際共同研究の推進、さらには外国人留学生や教 員受入れに柔軟に対応できるよう、事務組織の 国際化 ( 英語での意思疎通 ) など、教育・研究・ ガバナンスの様々な側面で国際化の取り組みが 提案され、すでに各部局で具体的な取り組みが 始まっている。さらに大掛かりな改革として、 グローバル教育の立案・実践組織である国際教 養学部の新設、また海外大学とのスムーズな 学生交流を目指す 4 学期制の導入などが計画さ れているが、ここでは議論しない。10 年後の 数値目標として、英語による授業科目数が全体 の 25%以上 ( 現在 11% )、学生の留学経験者が 2000 人 ( 現 在 300 人 )、 外 国 人 教 員 数 が 1500 人 ( 現在 573 人 ) などが掲げられ、以来これら の数字の圧力をじわじわと感じることが多くな ってきた。ちなみに、九大の全教員数は 2300 人程度でこの増減は想定されていないから、10 年後には教員の外国人比率は約 65%、つまり 全教員の 3 分の 2 は外国人ということになるが、 これには若干のトリック ( ? ) がある。要する に「外国人」の定義の問題であって、上の数値 目標の中では、外国で学位を取得したり、外国 で 1 年以上の研究教育歴のある教員は、日本国 籍であっても「外国人教員」として数える、と いうことになっているのである。おそらくこの 文章を読んでいる方の多くはこの条件に該当す るのではないかと思う。筆者も大学内では外国 人扱いである。 さて、外国人の定義の話にとどまらず、( 大 学院重点化のときもそうであったが ) 急激な改 革の過渡期には様々な混迷や混乱がつきもので ある。グローバル化をにらんで様々な新しい試 みがあちこちでなされているが、どうも空回 りになっているのでは?と思うことがしばしば だ。学生も教員も日本人なのに英語で講義が行 われているのは、あるいは先生の英語の勉強に はなっているのかも知れないが、肝心のサイエ ンスはきちんと伝わっているのだろうか。教務 関係の某会議が毎回英語で行われていたことが 3 国際スクール開催報告 International School on Equatorial and low-latitude ionosphere (ISELION) 赤道電離圏に関する国際スクール ISELION をインドネシアで開催 塩川 和夫(電磁気圏環境部門) 赤道電離圏は、 プラズマバブルと呼ばれる電離圏 のプラズマ不安定現象が発生して、 衛星-地上間通 信を妨げたり衛星測位の誤差を引き起こしたりする重 要な領域です。 特に GPS に代表される衛星測位が カーナビだけでなく航空管制などより広く使われるよ うになるにつれ、 この赤道電離圏の研究は東南アジ アなどの赤道周辺の国々でより注目されるようになっ てきました。 このような背景を受けて、 私たちは、 イ ンドネシア航空宇宙研究所 (LAPAN) と共同で、 赤 道電離圏に関する国際スクール (International School on Equatorial and low-latitude ionosphere (ISELION)) を、 インドネシアのバンドン郊外で 3 月 16 - 20 日に 開催しました。 インドネシア、 マレーシア、 ベトナム、 フィリピン、 インド、 日本、 台湾、 エジプト、 カザフス タンの 9 カ国から 39 名の大学院生が参加し、 日本と アメリカから R. Tsunoda 博士 (SRI International)、 山 本衛博士 ( 京都大学 )、 陣英克博士 ( 情報通信研 究機構 )、 塩川の 4 人の研究者が、 赤道電離圏の 変動やプラズマ不安定現象、 計測方法、 宇宙天気 予報などの基本的な講義を行いました。 また 3 月 18 日 ( 水 ) には近郊の観測所を訪問し、 電離圏を観 測する基本装置であるイオノゾンデのデータの読み 取り実習が行われました。 スクールの詳細は http:// 上 : Sumedang 観測所訪問の様子。 下 : ISELION に参加した大学院生。 iselion2015.sains.lapan.go.id/ で 公 開 さ れ て い ま す。 このスクールは当研究所の他に、 インドネシア航空宇 宙研究所 (LAPAN)、 日本学術振興会研究拠点形成 事業 B. アジアアフリカ学術基盤形成型、 京都大学 生存圏研究所および太陽地球系物理学 ・ 科学委員 会 (SCOSTEP) の支援により、 開催されています。 ISELION の参加者、 講師、 インドネシア側実行委員の集合写真。 4 各委員会の構成 㻞㻜㻝㻡 年㻠 月㻝 日現在㻌 (任期:㻞㻜㻝㻠 年㻠 月㻝 日-㻞㻜㻝㻢 年㻟 月㻟㻝 日) ○:委員長㻌 ●:幹事㻌 運営協議会㻌 小原㻌 梶田㻌 石井㻌 櫻井㻌 今村㻌 中村㻌 津田㻌 中村㻌 星野㻌 羽田㻌 大野㻌 柴田㻌 杉山㻌 所㻌 㻌 㻌 外㻌 㻌 㻌 委㻌 㻌 㻌 員㻌 隆博㻌 㻔東北大学大学院理学研究科㻕㻌 㻌 隆章㻌 㻔東京大学宇宙線研究所㻕㻌 㻌 㻌 守㻌 (情報通信研究機構)㻌 㻌 㻌 隆㻌 (自然科学研究機構国立天文台)㻌 隆史㻌 㻔国立環境研究所㻕㻌 卓司㻌 㻔情報・システム研究機構国立極地研究所㻕㻌 敏隆㻌 (京都大学生存圏研究所)㻌 正人㻌 㻔宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所㻕㻌 真弘㻌 (東京大学大学院理学系研究科)㻌 㻌 㻌 亨㻌 㻔九州大学総合理工学研究院㻕㻌 哲靖㻌 㻔名古屋大学大学院工学研究科㻕㻌 㻌 㻌 隆㻌 㻔名古屋大学大学院環境学研究科㻕㻌 㻌 㻌 直㻌 㻔名古屋大学大学院理学研究科㻕㻌 所内委員㻌 松見㻌 㻌 㻌豊㻌 水野㻌 㻌 亮㻌 塩川㻌 和夫㻌 伊藤㻌 好孝㻌 草野㻌 完也㻌 平原㻌 聖文㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 共同利用・共同研究委員会 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 所㻌㻌㻌外㻌㻌㻌委㻌㻌㻌員㻌 所内委員㻌 北㻌 㻌 㻌 和之㻌 㻔茨城大学理学部㻕㻌 㻌 ○平原㻌 聖文㻌 坂野井㻌 健㻌 㻔東北大学大学院理学研究科㻕㻌 㻌 ●野澤㻌 悟徳㻌 花岡庸一郎㻌 㻔自然科学研究機構国立天文台㻕㻌 㻌 㻌 水野㻌 㻌 㻌 亮㻌 海老原祐輔㻌 㻔京都大学生存圏研究所㻕㻌 長濱㻌 智生㻌 宗像㻌 一起㻌 㻔信州大学理学部㻕㻌 塩川㻌 和夫㻌 村田㻌 㻌 功㻌 㻔東北大学大学院環境科学研究科㻕㻌 徳丸㻌 宗利㻌 細川㻌 敬祐㻌 㻔電気通信大学情報理工学研究科㻕㻌 松原㻌 㻌 㻌 豊㻌 斉藤㻌 昭則㻌(京都大学理学研究科)㻌 草野㻌 㻌 完也㻌 柴田㻌 祥一㻌 㻔中部大学工学部㻕㻌 関㻌 華奈子㻌 原㻌 㻌弘久㻌㻔自然科学研究機構国立天文台)㻌 阿部㻌 文雄㻌 篠原㻌 㻌 育㻌 㻔宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所㻕㻌 西谷㻌 㻌 㻌 望㻌 橋口㻌 浩之㻌 㻔京都大学生存圏研究所㻕㻌 㻌 前澤㻌 裕之㻌 㻔大阪府立大学理学系研究科㻕㻌 㻌 共同利用・共同研究委員会専門委員会 㻌 専㻌 門㻌 委㻌 員㻌 会㻌 大気圏専門委員会㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 電磁気圏専門委員会㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 太陽圏専門委員会㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 総合解析専門委員会㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 所㻌 㻌 㻌 外㻌 㻌 㻌 委㻌 㻌 㻌 員㻌 ○北㻌 㻌 㻌 和之㻌 㻔茨城大学理学部㻕㻌 村田㻌 㻌 㻌功㻌 㻔東北大学大学院環境科学研究科㻕㻌 梶井㻌 克純㻌 㻔京都大学大学院地球環境学堂㻕㻌 笠井㻌 康子㻌 (情報通信研究機構)㻌 高橋㻌 けんし㻌 㻔京都大学生存圏研究所㻕㻌 杉田㻌 考史㻌 㻔国立環境研究所㻕㻌 ○坂野井㻌 健㻌 㻔東北大学大学院理学研究科㻕㻌 小川㻌 泰信㻌 (情報・システム研究機構国立極地研究所)㻌 斉藤㻌 昭則㻌 (京都大学理学研究科)㻌 細川㻌 敬祐㻌 㻔電気通信大学情報理工学研究科㻕㻌 山本㻌 真行㻌 㻔高知工科大学工学研究科㻕㻌 ○花岡㻌 庸一郎㻌 㻔自然科学研究機構国立天文台㻕㻌 㻌 柴田㻌 祥一㻌 㻔中部大学工学部㻕㻌 㻌 宗像㻌 一起㻌 㻔信州大学理学部㻕㻌 㻌 羽田㻌 㻌 亨㻌 㻔九州大学総合理工学研究院㻕㻌 㻌 中川㻌 朋子㻌 㻔東北工業大学工学部㻕㻌 㻌 大山㻌 真満㻌 㻔滋賀大学教育学部㻕㻌 ○海老原㻌 祐輔㻌 㻔京都大学生存圏研究所㻕㻌 篠原㻌 㻌 㻌 育㻌 㻔宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所㻕㻌 浅井㻌 㻌 㻌 歩㻌 㻔京都大学宇宙総合学研究ユニット㻕㻌 勝川㻌 行雄㻌 㻔自然科学研究機構国立天文台㻕㻌 能勢㻌 正仁㻌 㻔京都大学大学院理学研究科㻕㻌 寺田㻌 直樹㻌 㻔東北大学大学院理学研究科㻕㻌 吉川㻌 顕正㻌 㻔九州大学大学院理学研究院㻕㻌 㻌 㻌 所㻌 内㻌 委㻌 員㻌 ●㻌長濵㻌 智生㻌 㻌松見㻌 㻌 㻌 豊㻌 㻌水野㻌 㻌 㻌 亮㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 ●㻌大塚㻌 雄一㻌 㻌平原㻌 聖文㻌 㻌 㻌塩川㻌 和夫㻌 㻌野澤㻌 悟徳㻌 㻌大山㻌 伸一郎㻌 ●㻌徳丸㻌 宗利㻌 㻌 伊藤㻌 好孝㻌 㻌 松原㻌 㻌 㻌 豊㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 ●㻌関㻌 華奈子㻌 㻌 草野㻌 完也㻌 㻌 㻌 町田㻌 㻌 㻌 忍㻌 㻌 増田㻌 㻌 智㻌 㻌三好㻌 由純㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌㻌 㻌 ジオスペース研究センター運営委員会㻌 ジオスペース研究センター総合観測委員会㻌 所㻌 㻌 㻌 外㻌 㻌 㻌 委㻌 㻌 㻌 員㻌 所㻌 内㻌 委㻌 員㻌 末松㻌 芳法㻌(自然科学研究機構国立天文台)㻌 ○平原㻌 聖文㻌 㻌 村山㻌 泰啓㻌 㻔情報通信研究機構㻕㻌 ●阿部㻌 文雄㻌 篠原㻌 㻌 育㻌(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)㻌 西谷㻌 㻌 㻌 望㻌 片岡㻌龍峰㻌(情報・システム研究機構国立極地研究所)㻌 松見㻌 㻌 㻌 豊㻌 前澤㻌 裕之㻌 (大阪府立大学理学系研究科)㻌 塩川㻌 和夫㻌 中村㻌 俊夫㻌 (名古屋大学年代測定センター)㻌 増田㻌 公明㻌 㻌 徳丸㻌 宗利㻌 㻌 関㻌 華奈子㻌 㻌 所㻌 㻌 㻌 外㻌 㻌 㻌 委㻌 㻌 㻌 員㻌 所㻌 内㻌 委㻌 員㻌 ○宗像㻌 一起㻌 (信州大学理学部)㻌 ●西谷㻌 㻌 望㻌 片岡㻌 㻌 龍峰㻌(情報・システム研究機構国立極地研究所)㻌 長濵㻌 智生㻌 藤原㻌 㻌 均㻌 㻔成蹊大学理工学部㻕㻌 塩川㻌 和夫㻌 橋口㻌 㻌 浩之㻌 (京都大学生存圏研究所)㻌 徳丸㻌 宗利㻌 吉川㻌 㻌 顕正㻌 (九州大学理学研究院)㻌 増田㻌 公明㻌 田口㻌 㻌 真㻌 㻔立教大学理学部㻕㻌 関㻌 華奈子㻌 前澤㻌 㻌 裕之㻌 㻔大阪府立大学理学系研究科㻕㻌 平原㻌 聖文㻌 㻌 㻌 㻌 45 年度地上ネットワーク観測大型共同研究採択一覧 研究代表者 所属機関* 職名* 研究課題名 片岡 龍峰 国立極地研究所研究教育系 准教授 オーロラの高周波数変動の発生メカニズムの研 究 八代 誠司 アメリカ・カトリック大学物 助教 理学科 野辺山電波ヘリオグラフを用いた噴出型フレアと 非噴出型フレアの比較研究 細川 敬祐 電気通信大学情報理工学研 准教授 究科 全天大気光観測による極冠域電離圏のイメージ ング 宗像 一起 信州大学理学部 教授 汎世界的宇宙線観測ネットワーク(GMDN)の新要 素検出器としての SciCRT 笠羽 康正 東北大学理学研究科 教授 ハワイ展開する小口径望遠鏡群と電波望遠鏡群・軌 道上望遠鏡群による木星・火星・金星大気上下結合 の研究 北 和之 茨城大学理学部 教授 地上観測ネットワークのための、対流圏オゾン関連 物質のリモートセンシングおよびエアロゾル放射 影響の研究 坂野井 健 東北大学理学研究科 准教授 偏光分光観測によるオーロラ偏光プロセスの解明 藤原 均 成蹊大学理工学部 教授 北極域総合観測と大気圏・電離圏統合モデル・シミ ュレーションによる極域熱圏・電離圏変動の研究 前澤 裕之 大阪府立大学理学系研究科 准教授 太陽の高エネルギー粒子イベントと SPART 電波望 遠鏡により観測される太陽系地球型惑星の一酸化 炭素の変動の比較研究 門叶 冬樹 山形大学理学部 教授 第 24 太陽活動期における世界多地点での大気中宇 宙線生成核種の濃度変動についての観測研究 吉川 顕正 九州大学国際宇宙天気科 講師 学・教育センター 超多点地上ネットワークデータ解析による電離圏 極域−磁気赤道域電磁結合メカニズムの解明 三浦 和彦 東京理科大学理学部 教授 宇宙線のイオン誘発核エアロゾル生成への影響 鈴木 臣 名古屋大学高等研究院 特任助教 ドイツ北部における大気光イメージング・ネットワ ークの展開 和田 龍一 帝京科学大学生命環境学部 講師 NO2 レーザー分光計測装置の改良 小島 浩司 愛知工業大学工学部 客員教授 宇宙線で探る太陽風擾乱の空間構造 教授 近赤外レーザーメタン計と無人機を用いたメタン 鉛直分布測定手法の実証的研究 中根 英昭 高知工科大学環境理工学群 浅井 歩 京都大学宇宙総合学研究ユ 特 定 准 教 太陽観測データによる太陽紫外線放射量の推定お ニット 授 よび超高層大気変動との比較 一本 潔 京都大学理学研究科附属天 教授 文台 京都大学飛騨天文台SMART 望遠鏡と野辺山電波ヘ リオグラフの共同観測データ解析による、フレアの 短時間変動の研究 三澤 浩昭 東北大学理学研究科 電波観測による太陽高エネルギー粒子 (SEP) 現象 の研究 齋藤 享 電子航法研究所航法システ 主 幹 研 究 衛星航法の航空利用に対するプラズマバブルの影 ム領域 員 響評価とその軽減策に関する研究 准教授 6 所属機関・職名は申請時のとおり 年度共同研究一般採択一覧 研究代表者 所属機関* 職名* 研究課題名 早川 正士 電気通信大学 名誉教授・ 地震に伴う電磁気現象の解明 客員教授 小島 正宜 名古屋大学 名誉教授 IPS 観測による太陽風研究 大橋 勝文 鹿児島大学理工学研究科 准教授 大気中の温室効果ガス計測システムの装置開発 中井 仁 小淵沢総合研究施設 代表 磁気圏尾部大規模プラズマ対流の研究Ⅳ 高橋 けんし 京都大学生存圏研究所 准教授 大気微量成分の樹冠内分布とその変動要因の研究 加藤 俊吾 首都大学東京都市環境学部 准教授 光化学オキシダント関連物質のリモート地での長 期変動測定 薮下 彰啓 九州大学総合理工学研究院 准教授 高感度レーザー吸収分光法を用いた安定炭素同位体比分析 堤 雅基 国立極地研究所研究教育系 准教授 トロムソ流星レーダーとナトリウムライダーによ る大気重力波解析手法の開発 村田 功 東北大学環境科学研究科 准教授 フーリエ変換型分光計で観測された大気微量成分 高度分布の変動 巻田 和男 拓殖大学 名誉教授 地球磁場減少に伴う、超高層大気変動の研究 加藤 雄人 東北大学理学研究科 准教授 地球内部磁気圏グローバルモデルと波動粒子相互 作用素過程シミュレーションとによるコーラス放 射励起領域の研究 村木 綏 名古屋大学 名誉教授 太陽活動の地球気候への影響の研究 細川 敬祐 電気通信大学情報理工学研究科 准教授 光と電波を組み合わせた極冠域電離圏の 3 次元観測 笠羽 康正 東北大学理学研究科 教授 地上-衛星同時観測による大規模擾乱に伴う電場 の発達・伝播過程 柴田 隆 名古屋大学環境学研究科 教授 GOSAT 検証のための陸別観測所におけるエアロ ゾル・雲のライダー観測 鷲見 治一 アラバマ大学ハンツビル校宇 研究員 宙プラズマ及び大気研究所 太陽圏構造とダイナミックスの研究 藤谷 雄二 国立環境研究所環境リスク 主任研究員 研究センター 自動車排ガス起源 SOA の物理化学特性の測定 大矢 浩代 千葉大学工学研究科 助教 LF 帯標準電波位相観測による夜間下部電離圏の 周期性の解明 宗像 一起 信州大学理学部 教授 宇宙線強度のグローバル・ネットワーク観測によ る宇宙線モジュレーションの研究 土屋 史紀 東北大学理学研究科 助教 LF 帯標準電波のネットワーク観測による高エネ ルギー電子降下現象の研究 深沢 圭一郎 京都大学学術情報メディア 准教授 センター エクサフロップス計算に対応した磁気圏 MHD シ ミュレーションコード 米村 正一郎 農業環境技術研究所大気環 主任研究員 境研究領域 先進的炭素安定同位体比測定法の改良・拡張と生 態系ガス交換・物質循環への応用 中田 裕之 千葉大学工学研究科 台風に伴う電離圏変動の解析 原 拓也 カリフォルニア大学バーク 博士研究員 レー校宇宙科学研究所 衛星観測に基づく火星からの電離圏イオン流出の ダイナミクスに関する研究 行松 彰 国立極地研究所研究教育系 SuperDARN 北海道-陸別レーダー干渉計による超 高層大気高精度観測 入江 仁士 千葉大学環境リモートセン 特任准教授 シング研究センター 助教 准教授 CRDS との比較による MAX-DOAS エアロゾル導 出アルゴリズムの改良 7 研究代表者 所属機関* 職名* Lee., K.-S. 宇宙航空研究開発機構宇宙 プロジェク Statistical investigation of the elemental abundance of 科学研究所 ト 研 究 員 flares using Hinode/EIS (ひので) 松田 昇也 金沢大学自然科学研究科 博士後期課 衛星観測データを用いたプラズマ圏 EMIC 波動の 程3年 伝搬特性解析と周辺環境の推定 天野 孝伸 東京大学理学系研究科 助教 自己無撞着な内部磁気圏数値モデル 松本 淳 早稲田大学人間科学学術院 准教授 大気中の有機硝酸全量の観測に基づく光化学オキ シダント評価 水谷 耕平 情報通信研究機構電磁波計 総括主任研 ライダーによる大気中二酸化炭素計測技術の研究 測研究所 究員 岩井 一正 国立天文台野辺山太陽電波 研究員 観測所 太陽電波観測による粒子加速・宇宙天気研究 田所 裕康 東京工科大学コンピュータ 助教 サイエンス学部 地上・衛星データ解析による内部磁気圏電子降下 現象の研究 廣川 淳 北海道大学地球環境科学研 准教授 究院 炭化水素のオゾン分解による二次有機エアロゾル 生成過程の研究 皆巳 幸也 石川県立大学生物資源環境 准教授 学部 自由対流圏における大気微量成分の輸送と洗浄に 関する研究 大嶋 晃敏 中部大学工学部 太陽圏における銀河宇宙線伝播の研究 木村 智樹 宇宙航空研究開発機構宇宙 日本学術振 ひさき衛星によるオーロラ連続監視が明らかにす 科学研究所 興会特別研 る木星磁気圏の太陽風応答 究員 (PD) 渡邉 恭子 宇宙航空研究開発機構宇宙 日本学術振 白色光フレア統計解析による太陽フレアにおける 科学研究所 興会特別研 粒子加速機構の研究 究員 森岡 昭 東北大学 名誉教授 磁気圏エネルギー解放とサブストーム 黒田 剛史 東北大学理学研究科 助教 火星大気上下結合・物質循環のシミュレーション 飯田 佑輔 宇宙航空研究開発機構宇宙 プロジェク 自動認識アルゴリズム開発を通した太陽表面磁場 科学研究所 ト研究員 構造の研究 持田 陸宏 名古屋大学環境学研究科 准教授 エアロゾル質量分析法に基づく含硫黄有機エアロ ゾルの研究 江副 祐一郎 首都大学東京理工学研究科 准教授 太陽系 X 線の研究と将来計画の検討 菊池 崇 名古屋大学 名誉教授 伝送線モデルを応用した磁気圏電離圏結合の研究 寺澤 敏夫 東京大学宇宙線研究所 教授 太陽大気ガンマ線の衛星観測による太陽磁場構造 変動の研究 門叶 冬樹 山形大学理学部 教授 2 台の低バックグラウンドベータ線計数装置を用 いた遠隔地間のバックグランド時間変動の比較 疋島 充 名古屋大学 STE 研 機関研究員 波動粒子相互作用解析装置の開発に向けたシミュ レーションによる基礎研究 尾花 由紀 大阪電気通信大学工学部 講師 地磁気と北海道HFレーダーを含むSuperDEANデ ータを 1/4 波長モード波の観測 野澤 恵 茨城大学理学部 准教授 IPS 観測で得られた CME と人工衛星画像から検 出された speckle との統計的解析の研究 北村 成寿 名古屋大学 STE 研 日本学術振 FAST 衛星の観測データを用いた極域電離圏から 興会特別研 のイオン流出の研究 究員(PD) 鈴木 臣 名古屋大学高等研究院 特任助教 講師 8 研究課題名 大気光カメラネットワークを利用した超高層大気 波動の多地点同時観測 研究代表者 所属機関* 職名* 研究課題名 中川 広務 東北大学理学研究科 助教 火星探査衛星MAVENを用いた火星大気上下結合の解明 三澤 浩昭 東北大学理学研究科 准教授 木星放射線帯粒子変動要因の観測研究 渡辺 正和 九州大学国際宇宙天気科 准教授 学・教育センター 電離圏対流パターンの観測-シミュレーション比 較 寺田 直樹 東北大学理学研究科 准教授 DSMC モデルと MHD モデルを用いた火星大気圏 -電離圏結合の研究 中根 英昭 高知工科大学環境理工学群 教授 地上紫外線強度の変動要因の解析 西山 尚典 国立極地研究所研究教育系 特任助教 脈動オーロラと ULF 帯波動の時間変動:全自動 解析手法の開発と統計的特性の導出 川原 琢也 信州大学工学部 准教授 トロムソに設置したナトリウムライダーに用いる 昼間観測用狭帯域フィルターの設計 小川 泰信 国立極地研究所研究教育系 准教授 EISCAT レーダーを中心とした中間圏―熱圏―電 離圏―磁気圏結合の研究 寺本 万里子 宇宙航空研究開発機構宇宙 宇宙航空プ SuperDARN 北海道-陸別レーダー、地上磁場観測、 科学研究所 ロジェクト 衛星観測を用いた地上-電離圏-磁気圏-地磁気脈動 研究員 の比較研究 河野 光彦 関西学院千里国際高等部 教諭 高校生に対する地球環境教育研究 西田 哲 岐阜大学工学部 助教 凹凸のある表面近傍でのガス流れと表面反応の解析 今村 隆史 国立環境研究所環境計測研 センター長 究センター 大気中での有機アミノラジカル類の生成と反応 丸山 奈緒美 コロラド大学ボルダー校環 博士研究員 境科学共同研究所 北海道-陸別短波レーダーを用いた Sub-Auroral Polarization Streams (SAPS) 経度依存性における電 離圏伝導度の役割の定量評価 竹谷 文一 海洋研究開発機構地球表層 主任研究員 物質循環研究分野 レーザー誘起白熱法を利用したブラックカーボン 粒子のオンライン計測 所属機関・職名は申請時のとおり 年度共同研究奨励採択一覧 研究代表者 所属機関* 職名* 研究課題名 研究集会名 北原 理弘 東北大学理学研究科 博士課程 後期 1 年 波動粒子相互作用観測装置を用いたホイッスラ ーモードコーラス放射による相対論的電子のピ ッチ角散乱の直接観測手法の検討 所属機関・職名は申請時のとおり 年度共同研究国際採択一覧 研究代表者 所属機関*/職名* 研究課題名 Narayanan, V. L. Indian Institute of Science Education and Research Mohali/INSPIRE Faculty (Assistant Professor level) Study on the role of thermospheric winds in the formation and evolution of electrified medium-scale traveling ionospheric disturbances Tulasiram, S. Indian Institute of Geomagnetism/ Reader Active role of atmospheric wave forces and thermospheric winds on equatorial and low-latitude electrodynamics leading to the evolution of Equatorial Plasma Bubbles (EPBs) Li, G. Institute of Geology and Geophysics, Chinese Academy of Sciences (IGGCAS)/ Associate Professor The occurrence and dynamics of equatorial spread-F with the Kototabang and Sanya radars 9 研究代表者 所属機関*/職名* 研究課題名 Yashiro, S. The Catholic University of America/ Research Associate Propagations of Coronal Mass Ejections and Solar Wind Speeds obtained by the IPS observation Jackson, B. V. University of California, San Diego/ Research Scientist A Determination of Bz from Closed Photospheric Magnetic Fields 所属機関・職名は申請時のとおり 年度研究集会採択一覧 研究代表者 所属機関* 職名* 研究集会名 村田 功 東北大学環境科学研究科 准教授 シンポジウム - 太陽地球環境研究の現状と将来 中野 慎也 統計数理研究所モデリング研究系 助教 電離圏・磁気圏モデリングとデータ同化 細川 敬祐 電気通信大学情報工学研究科 准教授 脈動オーロラ研究集会 今村 隆史 国立環境研究所環境計測研 センター長 究センター 大気化学討論会 松見 豊 名古屋大学 STE 研 教授 太陽活動と気候変動の関係に関するワークショップ 前澤 裕之 大阪府立大学理学系研究科 准教授 第16 回ミリ-テラヘルツ波受信機ワークショップ 宗像 一起 信州大学理学部 教授 太陽地球環境と宇宙線モジュレーション 谷本 浩志 国立環境研究所地球環境研 室長 究センター 日本における地球大気化学研究の将来検討会 塩川 和夫 名古屋大学 STE 研 教授 超高層大気・電磁気圏研究の成果公表のための論 文執筆ワークショップ 土屋 史紀 東北大学理学研究科 助教 ひさき衛星による惑星大気圏・電磁圏探査 深沢 圭一郎 京都大学学術情報メディア 准教授 センター STE シミュレーション研究会:エクサスケールに 向けて 篠原 学 鹿児島工業高等専門学校一 教授 般教育科理系 地域ネットワークによる宇宙天気の観測・教育活 動に関する研究集会 陣 英克 情報通信研究機構電磁波計 主任研究員 測研究所 中間圏・熱圏・電離圏研究会 坪内 健 東京工業大学理工学研究科 宇宙プラズマのフロンティア〜太陽圏を超えて 笠原 慧 宇宙航空研究開発機構宇宙 助教 科学研究所 若手研究者のためのジオスペース研究集会 新堀 淳樹 京都大学生存圏研究所 特定研究員 太陽地球環境データ解析に基づく、超高層大気の 空間・時間変動の解明 花岡 庸一郎 国立天文台太陽観測所 准教授 太陽研究者連絡会シンポジウム (太陽研連シン ポ) 永岡 賢一 核融合科学研究所ヘリカル 准教授 研究部 実験室・宇宙プラズマ研究会「乱流・輸送・粒子 加速 今田 晋亮 名古屋大学 STE 研 Solar-C 時代 (10~20 年後) の太陽研究検討会 河野 英昭 九州大学国際宇宙天気科学 准教授 教育センター 電磁圏物理学シンポジウム 阿保 真 首都大学東京システムデザ 教授 イン学部 第 20 回大気ライダー研究会 村山 泰啓 情報通信研究機構統合デー 室長 タシステム研究開発室 科学情報学研究会 流動研究員 助教 10 研究代表者 所属機関* 職名* 研究集会名 齊藤 昭則 京都大学理学研究科 准教授 宇宙空間からの超高層大気撮像観測と地上観測、 モデリングとの結合に関する研究集会 田口 真 立教大学理学部 教授 地球型惑星圏環境研究会 能勢 正仁 京都大学理学研究科 助教 低高度衛星磁場観測研究会 宮下 幸長 名古屋大学 STE 研 特任助教 サブストーム研究会 西谷 望 名古屋大学 STE 研 准教授 中・高緯度 SuperDARN 研究集会 亘 慎一 情報通信研究機構電磁波研 研究マネー STE 研究連絡会現象報告会および現象解析ワーク 究所 ジャー ショップ 加藤 雄人 東北大学理学研究科 准教授 ERG ミッションによる内部磁気圏波動粒子相互作 用の観測戦略検討会 三澤 浩昭 東北大学理学研究科 准教授 第 17 回 惑星圏研究会 持田 陸宏 名古屋大学環境学研究科 准教授 有機エアロゾルに関するワークショップ:大気に おけるその動態・性状・役割 (第 2 回) 寺田 直樹 東北大学理学研究科 准教授 太陽地球惑星系分野における「博士課程進学者・ 博士号取得者による合同セミナー」 平原 聖文 名古屋大学 STE 研 教授 準小型衛星編隊飛行による電磁気圏の将来探査に 向けて 桂華 邦裕 名古屋大学 STE 研 特任助教 太陽惑星系宇宙プラズマ中の重イオンに関する研 究集会 小川 泰信 国立極地研究所研究教育系 准教授 EISCAT 研究集会 所属機関・職名は申請時のとおり 年度計算機利用共同研究採択一覧 研究代表者 所属機関* 職名* 研究課題名 加藤 雄人 東北大学理学研究科 准教授 ホイッスラーモード・コーラス放射による地球放射線 帯での相対論的電子加速過程についての計算機実験 梅田 隆行 名古屋大学 STE 研 助教 ブラソフシミュレーションによるジオスペースプ ラズマの研究 中村 琢磨 オーストリア科学アカデミ 博士研究員 ー宇宙科学研究所 運動論的シミュレーションによるケルビン・ヘル ムホルツ渦が起こすプラズマ輸送過程の研究 鷲見 治一 アラバマ大学ハンツビル校宇 研究員 宙プラズマ及び大気研究所 太陽圏構造の計算機解析 田中 高史 九州大学国際宇宙天気科学 学術研究者 次世代 M-I 結合シミュレーション 教育センター 名誉教授 横山 竜宏 情報通信研究機構電磁波計 主任研究員 測研究所 中・低緯度域における中性‐電離大気結合過程の 研究 深沢 圭一郎 京都大学学術情報メディア 准教授 センター エクサフロップス計算に向けた MHD コードの 様々な CPU アーキテクチャへの最適化 藤本 桂三 国立天文台理論研究部 特任助教 地球磁気圏のグローバル粒子シミュレーションの 実現に向けて 朴 京善 慶熙大学校宇宙研究科 研究教授 南向き IMF の時に地球磁気圏境界で発生した渦 のグローバル MHD シミュレーション研究 品川 裕之 情報通信研究機構電磁波計 主任研究員 測研究所 磁気圏-電離圏-熱圏-大気圏結合モデルの開発 11 研究代表者 所属機関* 職名* 研究課題名 山崎 了 青山学院大学理工学部 准教授 衝撃波静止系シミュレーションコードを用いた無 衝突衝撃波の研究 林 啓志 中国国家天文台太陽活動重 招聘副教授 点実験室 本太陽活動極大期の太陽風と太陽コロナ構造 天野 孝伸 東京大学理学系研究科 助教 高エネルギー粒子ハイブリッドシミュレーション コードの開発 町田 忍 名古屋大学 STE 研 教授 磁気圏における大規模プラズマ不安定とそれに伴 う粒子加速の研究 篠原 育 宇宙航空研究開発機構宇宙 准教授 科学研究所 磁気圏尾部リコネクション領域の朝夕方向の構造 発展の研究 松清 修一 九州大学総合理工学研究院 助教 無衝突衝撃波遷移層における微視的不安定性 渡邉 智彦 名古屋大学理学研究科 教授 オーロラ・アーク成長に関する磁気圏-電離圏結合モデル 塩田 大幸 名古屋大学 STE 研 特任助教 データ同化連結階層太陽コロナシミュレータの開発 近藤 光志 愛媛大学宇宙進化研究センター 助教 磁気圏サブストームの計算機シミュレーション 井上 諭 名古屋大学 STE 研 研究員 観測磁場データに基づいた太陽フレア・CME の電 磁流体シミュレーション 草野 完也 名古屋大学 STE 研 教授 データ駆動型連結階層シミュレーションによる宇 宙天気モデリング 寺田 直樹 東北大学理学研究科 准教授 高次精度中心スキームの開発 所属機関・職名は申請時のとおり 年度データベース作成共同研究採択一覧 研究代表者 所属機関* 職名* 研究課題名 徳本 哲男 気象庁地磁気観測所 調査課長 アナログ時代に遡る高時間分解能地磁気デジタル データベース 阿部 修司 九州大学国際宇宙天気科学 特任助教 教育センター MAGDAS/CPMN データのデータベース化 塩川 和夫 名古屋大学 STE 研 教授 超高層大気イメージングシステムデータベースの アーカイブ 塩川 和夫 名古屋大学 STE 研 教授 STEL 地磁気データベースのアーカイブ 三好 由純 名古屋大学 STE 研 准教授 STEL-VLF 観測データベースの作成 関 華奈子 名古屋大学 STE 研 准教授 国際ジオスペース探査に向けた地上観測・モデリ ング統合データベース構築 西谷 望 名古屋大学 STE 研 准教授 HF レーダーデータベース 野澤 悟徳 名古屋大学 STE 研 准教授 STEL 北欧超高層大気データベース 増田 智 名古屋大学 STE 研 准教授 太陽フレア・太陽コロナ磁場データベース 伊藤 好孝 名古屋大学 STE 研 教授 IUGONET 型福島原発事故放射線測定メタデータ ベースの開発 渡邉 堯 名古屋大学 STE 研 客員教授 宇宙線 WDC データベース 所属機関・職名は申請時のとおり 12 さいえんすトラヴェラー EGU @オーストリア・ウィーン 梅田 隆行 ( ジオスペース研究センター ) 私たちが活動している太陽地球系科学 (ST) 分 遭いオーストリアには入国したことすらない筆者 野では、関連学会が毎年様々な場所で開催されて は何かとこの国を避けてきましたが、共同研究者 います。最も大きな学会は、毎年 12 月にサンフ がオーストリアの宇宙科学関連機関に移ったこと ランシスコで開催されるアメリカ地球物理学連合 もあり、共同執筆中の計算機シミュレーションに 大会 (AGU: American Geophysical Union、ニュース 関する論文の打ち合わせも兼ねて、EGU に参加 レター 52 号の本コーナー参照 ) で、昨年は 24000 して成果発表を行いました。EGU の会場である 人近くの出席者がありました。日本では 5 月頃に オーストリア・センター・ウィーン ( 図 A) はド 開催される日本地球惑星科学連合大会 (JpGU) が ナウ川の畔にあり、写真右奥の赤いマークの付い あり、7000 人近くの出席者があります。2 番目に た建物丸ごとが会場として使われています。ST 大きな学会は、毎年 4 月にウィーンで開催されて 分野の口頭セッションは広い会場でかなり盛況で いるヨーロッパ地球科学連合大会 (EGU: European Geosciences Union) で、 今 年 は 4 月 12 日 か ら 17 した。一方ポスターセッションは分野ごとに比較 日の開催で 108 ヶ国から約 12000 人の参加者があ いたようですが、発表時間が夕方 5 時半から 7 時 りました。そのような大きな学会にもかかわらず、 までと盛況になりにくい時間帯だったためか、ポ 本稿で 59 回目となるこのコーナーでは意外にも スターボードが半分ほどしか埋まっていない日も これまでに取り上げられたことはありませんで あり、AGU のポスターセッションと比べるとや した。事実、毎年多くの日本人が参加する AGU や見劣りする印象を受けました。 に対して、EGU への日本からの参加者は少なく、 さて、現地の ( 食・酒 ) 文化に触れることは、 筆者自身も今回が初めての参加でした。おそらく、 旅の醍醐味の一つであります。ウィーンについて 会議の開催時期が授業などの学務の開始時期と重 は、某有名な音楽家の名前以外にはあまりご存じ なることが日本からの参加者を遠ざける一因では ない方も多いのではないでしょうか。オースト ないかと思います。 リアはドイツ語圏で ( スーパーが早く閉まるなど 6 年ほど前にウィーン発の飛行機でトラブルに の ) 文化もドイツととても似ています。また、巷 的広いホールで数か所の会場に分かれて行われて 図 : (A) EGU の会場であるオーストリア ・ センター ・ ウィーン。 (B) ツヴィッケル ・ ビア。 (C) ウィーン風グラーシュ ( ビーフシチュー )。 (D) トロッケン ・ ベーレン ・ アウスレーゼ ( デザートワイン )。 13 でよく聞く「ウインナー」( ソーセージ ) という にもウィーン風の有名な料理がいくつかありま 言葉は、本来はウィーン風のソーセージという意 す。図 C はウィーン風のグラーシュ ( ビーフシチ 味です。残念ながら、日本のウインナーは JIS 規 ュー ) ですが、偶然?添えられていたウインナー 格のため、本場のウィーン風ソーセージとは似て ソーセージが、もしかすると元祖「タコさんウイ 非なるものですが …。ビールもヘレス、アルト、 ンナー」かもしれません。またワインの等級もド ドゥンクレス、ボックなどのドイツスタイルが主 イツ基準であり、オーストリアは世界三大貴腐ワ 流ですが、ウィーン発祥のビールスタイルである インの一つであるトロッケン・ベーレン・アウス ウインナー ( ラガー ) もあります。残念ながら今 レーゼの隠れた産地でもあります。アウスレーゼ 回の旅では、その樽生を発見することはできませ やアイスワインを、街中のスーパーで簡単に購入 んでした。今のウィーンでは「ツヴィッケル」と できたりワインバーでの気軽に試飲できる ( 図 D) いうスタイルの無ろ過・微炭酸のラガービール ( のが驚きでした。 図 B) が人気のようでした。食べ物では、シュニ 最後に、今回もやはり飛行機でトラブルに見舞 ッツェル ( カツレツ ) があまりに有名ですが、他 われました。Prost! 私は現在、テレビ局の技術部署で主にスタジオ 時間がそのまま制作予算に響くからだ。特に局員 や中継先でのカメラマン業務を担当している。こ となると一緒に働いて頂いている制作会社の方に の職場で特に喜びを感じる瞬間がある。それは、 指示する立場となる為、計画的に物事を進められ 「歴史的偉業」や「世界初」などドラマが起こった るよう事前準備は必須だ。私はそんな現場で「正 瞬間を自らのカメラで捉え記録に残した時だ。先 しく物事を捉え、順序立てて効率的に作業を進め 日、仕事でボクシング世界戦の中継があり、日本 る」という研究の基本的な姿勢が役立っていると 人最速で世界チャンピオンが誕生した。私は歴史 感じる。学生時代に先生方から指導して頂いてい 的瞬間に立ち会えていることに喜びを感じ、また、 た日々の研究生活が、社会で生きて行く為の良い 自らの手でこの瞬間を伝えられる喜びを感じてい トレーニングだったと今では実感できる。 た。この様な歴史的瞬間を自らの手で 「テレビ」と「研究」という関わり 伝えてみたい、と考え私はこの業界に 合いが薄いと思える両業界だが、通じ 就職した。 ているものがあると思う。それは「歴 働き始めて 4 年目、若手の私だが社 史的瞬間に出会う」ということだ。 「研 会に出て痛感した事がある。それは、 「正 究」では今まで解明されていない事象 確に物事を伝えること・効率的に作業 を解き明かすという歴史的瞬間を生み を進めること」の重要性だ。 出し、 「テレビ」はその事象を伝えると 社内で技術部署に所属していると「技術=なん いうことになる。いつか研究所での素晴らしい研 でも屋」と制作部署の人に認識されており、 「こん 究成果を弊社で取り上げさせて頂き、多くの方々 な演出できる?」 「この機材調子悪いから何とかし に研究の素晴らしさ・面白さがより伝えられる日 て」など様々な要望が飛んでくる。それら要望に が来れば、と願っている。 間違った情報を伝えてしまおうものなら、放送事 故に繋がってしまい多くの人に迷惑がかかる。ま 八嶋 信平 平成 23 年 3 月博士前期課程修了 所属 : 株式会社 CBC テレビ 報道 ・ 番組総局技術局放送技術部 た、演者や裏方スタッフなど大勢の人が働いてい る撮影の現場では、効率的に作業を進めることが 求められる。演者の時間的制約やスタッフの労働 14 2014 年度 博士号取得者 Measurement of neutron production in the very forward rapidity at LHC √s = 7 TeV p-p collision LHC における 7 TeV 陽子衝突データを用いた超前方中性子生成の測定 川出 健太郎 高エネルギー領域でのハドロン相互作用モデルの 不定性が、 宇宙線シャワー観測による宇宙線のエネ ルギー ・ 核種の決定精度を制限している。 LHCf 実 験は、 世界最大の陽子衝突型加速器である LHC を 用いた宇宙線相互作用の実験的検証を目的とした国 際共同実験である。 本研究では、 350 GeV 陽子ビ ームを用いた検出器の校正 ・ 中性子検出性能の詳 細な見積もりと、 LHC 重心系エネルギー 7 TeV 陽子 衝突データを用いた超前方中性子のエネルギースペ クトル測定を行った。 現在あるハドロン相互作用モデ ルでは、 実験データを完全に再現できないことを検 証した。 Search for WIMP-129Xe inelastic scattering in the XMASS large low background liquid Xe detector 大型低バックグラウンド液体キセノン検出器 XMASS を 用いた WIMP-129Xe 非弾 性散乱事象の探索 内田 裕義 XMASS- Ⅰデータの解析を行い、 非弾性散乱によ り励起した 129Xe 原子核からの脱励起ガンマ線を探 索した。 この結果、 先行研究より 2 桁近い低バックグ ラウンド環境を実現し、 50 GeV の質量を持つ WIMP に対して WIMP-129Xe 非弾性散乱断面積が 3.2pb (90%C.L.) 以下という結果を得た。 暗黒物質の有力な候補として WIMP と呼ばれる粒 子が、 宇宙に存在すると考えられている。 XMASS 実験は、 低バックグラウンド環境を実現した液体キセ ノン検出器を用いて、 WIMP と Xe の相互作用によ る微弱信号を捉えようとする実験である。 本論文で は、 特に WIMP-129Xe 非弾性散乱事象に着目した Observation of cosmic rays by the new solar neutron telescope, SciCRT 新型太陽中性子望遠鏡 (SciCRT) を用いた宇宙線観測 永井 雄也 本研究では太陽中性子のエネルギースペクトルを 知るために開発された SciCRT の観測のための最適 なトリガー条件を決定し、 検出感度を求めた。 本望 遠鏡は粒子トラッカーであり、 エネルギー、 粒子弁別 方法がこれまでの中性子望遠鏡と大きく違う。 本望遠鏡を用いて低高度行った予備観測でバック グラウンド宇宙線の計数率、 ハドロン ・ 電磁シャワー 発達を示すもの割合とシャワー形状、 ミュの天頂各分 布に関してモンテカルロ計算の見積もりとよく一致し た。 本望遠鏡の中性子に対する有効面積は旧式の太 陽中性子望遠鏡の約 10 倍であり、 1.9 倍の有意性 を持つと見積もった。 Study of temporal variations of nitric oxide in the mesosphere and lower thermosphere over Syowa station, Antarctica 南極昭和基地における中間圏および下部熱圏での一酸化窒素の変動の研究 礒野 靖子 極域の上部成層圏 ― 下部熱圏では、 高エネルギ ー粒子の降り込みが NOx、 HOx 等の微量大気成分 の組成変動を引き起こすことが知られている。 従来の NOx 観測は衛星観測が主であり地上観測は数例で あったが、 本研究では、 地上定点観測により NO の 長期間の変動を捉え、 太陽極大期の高エネルギー 粒子の降り込みや大気循環との関連を明らかにする ことを目指した。 第 52 次日本南極地域観測隊越冬隊として南極昭和 基地に赴き、 2010 年 12 月にミリ波分光観測装置を 設置、 2012 年 1 月に NO (250.796 GHz) のスペクト ル観測を開始した。 2 年間の観測の結果、 NO の放 射領域は高度 65-100 km が支配的であり、 昭和基 地上空の中間圏や下部熱圏では NO の変動は高エ ネルギー陽子よりもむしろ高エネルギー電子の降り込 みの影響を強く受けていることが明らかとなった。 15 Observational studies on the origins of stratospheric CO of Neptune 海王星成層圏中の一酸化炭素分子の起源に関する観測的研究 飯野 孝浩 の存在量上限から、 海王星成層圏は O に比して S が欠乏しているという観測的事実を見出した。これは、 過去の彗星衝突により揮発性分子群が供給されたと いうこれまでの仮説を支持せず、 その供給源に新た な謎を提示した。 海王星の成層圏大気組成は、 木星同様に対流圏 より卓越した揮発性分子群の存在によって特徴付け られる。 本研究では、 サブミリ波帯の観測装置であ る国立天文台 ASTE 望遠鏡を用い、 海王星成層圏 に対して多様な硫化物分子群の系統的探査を実施し た。 観測したすべての硫化物分子は検出できず、 そ Study of capture and annihilation of a few GeV WIMPs inside the Sun by using an underground neutrino detector 地下ニュートリノ検出器を用いた太陽による数 GeV 質量 WIMP の捕獲と対消滅の研究 Choi, Koun 面積に対する最も厳しい制限を与え、 さらに 6 GeV 以下のスピン非依存型散乱断面積に対する初めての 制限である。 これらの得られた散乱断面積の上限値 が宇宙物理的な不定性に対してどの程度安定かに ついて、 仮定した速度分布の WIMP の太陽捕獲に 対する不定性を調べた。 その結果、 現在議論されて いる最もエキストリームな仮定の場合でも、 太陽捕獲 確率の不定性はあまり大きくない事が分かった。 暗黒物質は太陽によって散乱し、 その重力場に捕 獲され、 やがて対消滅を起こしてニュートリノを生成 する事により、 地下ニュートリノ観測に信号を残す可 能性がある。 神岡鉱山地下の水チェレンコフ検出器、 スーパーカミオカンデ I-IV の 3903 日データに対して、 このような信号を調べ、 WIMP と核子との通常物質と の弾性散乱断面積に対する上限値を得た。 この結果 は、 200 GeV 以下の WIMP のスピン依存型散乱断 Propagation of coronal mass ejections in the interplanetary space 惑星間空間中でのコロナ質量放出の伝搬 伊集 朝哉 とを見出した。 さらに、 より高速な CME の運動にも 適用できる hybrid drag force モデルを提案した。 こ のモデルの物理的含蓄を議論し、 速度差に依存して linear drag force と ( 加速度が速度差の 2 乗に比例 する ) aerodynamic drag force の寄与率が変化すると 結論した。 惑星間空間シンチレーション観測と衛星コロナグラ フ観測 ・ プラズマ直接計測を組み合わせて太陽風 中でのコロナ質量放出 (CME) の伝搬を統計的に調 査した。 CME 伝搬が drag force によって制御される とする仮説を検証した結果、 背景との速度差が 1000 km s - 1 以下の CME の運動は加速度が速度差に 比例する linear drag force モデルで良く説明できるこ Vertical coupling in the polar mesosphere and lower thermosphere: Event studies of gravity wave and sporadic sodium layer 北極域中間圏・下部熱圏における大気上下結合過程の研究:大気重力波およびスポ ラディックナトリウム層の事例研究 髙橋 透 極域中間圏 ・ 下部熱圏は上下からのエネルギー 流入が存在する特異な領域であり、 磁気圏 - 電離圏 - 熱圏結合や大気上下結合を理解する上で重要な 領域である。 本研究では、 地磁気活動度の異なる 2 つの事例研究を、 トロムソ ( 北緯 69.6 度 ) に設置さ れたナトリウムライダー、 EISCAT UHF レーダー、 流 星レーダー、 MF レーダー、 フォトメーターの観測デ ータを用いて行なった。 極域において複数の観測装 置により得られたデータに基づき、 ①大気重力波が 対流 ・ 力学的不安定によって砕波し、 散逸したこと、 ②大気重力波の上方伝搬に背景温度 ・ 中性大気密 度構造が支配的な影響を与えていたことを示した。 さ らに③ SSL の生成に、 ナトリウムイオン層が主たるソ ースとなり、 ④磁気圏から印加された電場が大きな役 割を担ったことを定量的に初めて示した。 16 異動 2015.06.10 採用 津川 靖基 ( 総合解析 ) 2015.06.30 退職 井上 諭 ( 総合解析 ) 【所長】 2015.03.31 兼務終了 松見 豊 2015.04.01 兼務 町田 忍 【研究機関研究員】 2015.03.31 退職 疋島 充 ( ジオスペース研究センター ) 秀森 丈寛 ( 大気圏環境 ) 2015.04.01 採用 岡本 丈典 ( 総合解析 ) 2015.05.01 採用 元場 哲郎 ( 電磁気圏環境 ) 【教員】 2015.04.01 採用 教授 藤井 良一 ( 電磁気圏環境 ) 【招聘教員】 2015.04.01 - 2016.03.31 客員教授 井上 元 ( 元・国立環境研究所 ) 笠原 克昌 ( 早稲田大学招聘研究員 ) 笠原 禎也 ( 金沢大学教授 ) 川崎 昌博 ( 京都大学名誉教授 ) 黒田 能克 ( 三菱重工業 ( 株 ) 部長 ) 小寺 邦彦 ( 元・気象研究所 ) 柴崎 清登 ( 元・国立天文台 ) 渡邉 堯 ( 茨城大学名誉教授 ) 2015.04.01 - 2016.03.31 客員准教授 海老原 祐輔 ( 京都大学准教授 ) 小川 泰信 ( 国立極地研究所准教授 ) 川原 琢也 ( 信州大学准教授 ) 齋藤 義文 ( 宇宙航空研究開発機構准教授 ) 篠原 育 ( 宇宙航空研究開発機構准教授 ) 成澤 泰貴 ( 三菱重工業 ( 株 ) 主席技師 ) 松岡 彩子 ( 宇宙航空研究開発機構准教授 ) 【協力研究員】 2015.03.31 退職 関谷 洋之 ( 太陽圏環境 ) 2015.04.01 採用 伊集 朝哉 ( 太陽圏環境 ) 【事務補佐員】 2015.02.09 採用 福谷 愛 ( 大気圏環境 ) 2015.02.12 採用 原田 真乃 ( 大気圏環境 ) 2015.02.28 退職 坂本 和嘉子 ( 大気圏環境 ) 2015.05.13 退職 水野 圭子 ( ジオスペース研究センター ) 2015.05.14 採用 牛島 陽子 ( ジオスペース研究センター ) 2015.06.24 採用 土地 紀子 ( 太陽地球環境研究所 ) 【外国人研究員】 2015.04.01-2015.6.30 客員教授 Turunen, Esa Sakari ( オウル大学サダンキラ地球物理 観測所長 ) 2015.04.01-2015.6.30 客員教授 Vekstein, Grigory ( マンチェスター大学ジョドレルバ ンク天体物理学センター上席研究員 ) 【技術補佐員】 2015.03.31 退職 梅村 宜生 ( ジオスペース研究センター ) 【事務部】 2015.04.01 定年退職 経理課長 鈴木 均 2015.04.01 昇格 経理課長 坂口 敏弘 ( 財務部経理・資産管理課課長補佐から ) 2015.04.01 配置換 専門員 小野 伊八郎 ( 医学部・医学系研究科経理課専門員へ ) 2015.04.01 昇格 専門員 河合 徹 ( 総務部人事課 ( 第三人事担当 ) 係長から ) 【特任准教授】 2015.03.31 退職 谷田貝 亜紀代 ( ジオスペース研究センター ) 【技術補佐員 ( 研究支援推進員 ) 】 2015.03.31 退職 鳥山 哲司 ( 大気圏環境 ) 2015.04.01 採用 鈴木 和司 ( 大気圏環境 ) 【研究アシスタント】 2015.02.27 退職 野澤 晋作 ( 太陽圏環境 ) 2015.03.31 退職 周 啓東 ( 太陽圏環境 ) 鶴田 久 ( 太陽圏環境 ) 中川 真秀 ( 大気圏環境 ) 福島 大祐 ( 太陽圏環境 ) 2015.05.01 採用 大内 麻衣 ( 大気圏環境 ) 【特任助教】 2015.02.28 退職 下山 学 ( 電磁気圏環境 ) 2015.03.31 退職 鈴木 臣 ( 電磁気圏環境 ) ※高等研究員所属 2015.04.01 採用 林 啓志 ( 太陽圏環境 ) 【日本学術振興会特別研究員 PD】 2015.03.31 終了 北村 成寿 ( 総合解析 ) 【日本学術振興会特別研究員 DC】 2015.03.31 終了 高橋 透 ( 電磁気圏環境 ) 【研究員】 2015.04.01 採用 梅村 宜生 ( ジオスペース研究センター ) 秀森 丈寛 ( 大気圏環境 ) 17 11 月 8 日以来 11 年ぶりになります。 このオーロラの観測の研究結果を上出洋介当研究所 元所長 ・ 草野完也教授らが論文にまとめ 「磁気嵐が 二つ重なり大規模になったことで発生した」 と発表しま した。 また、 当研究所の塩田大幸特任助教、 桂華邦 裕特任助教らの研究グループは、 このオーロラの観測 から磁気嵐が巨大化する具体的な仕組みを明らかにし ました。 STEL ニュースダイジェスト 電波のまたたき現象で捉えたアイソン彗星の尾 電波の “ またたき (IPS)” 現象を利用して太陽風の観 測をしている当研究所の専用の大型アンテナで 2013 年に太陽に接近したアイソン彗星のプラズマ尾を観測 し、 プラズマ尾の電子密度やその空間分布が明らかに なりました。 その結果、 予想に反してプラズマ尾の境界 付近で密度が高いことが判明しました。 この研究は当 研究所の太陽風グループ ( 主研究者は大学院生 ) と 日本大学理工学部航空宇宙工学科との共同で実施さ れました。 太陽活動と密接に関係する太陽風の南北非対称性を 発見 当研究所の徳丸宗利教授らの研究グループは、 1985 年から 2013 年までの期間に取得された IPS を利 用した太陽風観測データを使って太陽風の南北非対称 性を調査しました。 この結果、 活動極大期の高緯度に おいて太陽風の分布が南北非対称になること、 北極で の変化が南極の変化に先行する傾向があること、 さら に、 太陽活動の衰退にしたがって大きな南北非対称性 が長期間出現していることが分かりました。 このことは太 陽活動と地球気候のつながりを解明する手がかりにもな りうると期待されています。 11 年ぶりに観測された低緯度オーロラ 2015 年 3 月 18 日の午前 1 時から 4 時 ( 日本時間 ) にかけて、当研究所の陸別観測所 ( 北海道 ) において、 大磁気嵐に伴って発生した赤い低緯度オーロラが観測 されました。 陸別観測所でのオーロラ観測は、 2004 年 地球からの大気流出量、太陽活動に影響されない 当研究所の北村成寿日本学振振興会特別研究員 ( 現 : 宇宙航空研究開発機構 ) と関華奈子准教授らを 中心とする研究グループは、 地球を極軌道で周回して いるアメリカ NASA の人工衛星 FAST が取得した 14 年 間のプラズマ観測データを使用して、 太陽活動の変化 は極風の流出量にほとんど影響を与えないことを明らか にしました。 この研究成果は、 大気流失や大気進化、 惑星から水が失われる過程などの解明への理解につな がるほか、 太陽系外惑星への応用などにも期待ができ ます。 赤く光る低緯度オーロラ。 北海道陸別 HF レーダーサイ トにおいて。 受 賞 ・國分 征 ( 元研究所所長 ):2015 年度日本地球惑星科学連合フェロー 「磁気圏ダイナミックス・波動研究、特に衛星搭載磁力計開発、極地観測、地磁気データ解析等の多様な手法による分野への顕著な貢献」 :2015 年度日本地球惑星科学連合フェロー ・上出 洋介 ( 元研究所所長) 「太陽地球系物理学、特に太陽風 - 磁気圏 - 電離圏相互作用、磁気嵐、サブストームをテーマとする革新的研究による顕著な貢献」 ・西谷 望 ( ジオスペース研究センター准教授 ):地球電磁気・地球惑星圏学会「田中舘賞」 「SuperDARN HF レーダー観測による電離圏ダイナミクスの研究」 ・三好 由純 ( ジオスペース研究センター准教授 ):日本地球惑星科学連合「第1回地球惑星科学振興西田賞」 「衛星観測データに基づく放射線帯電子フラックス変動の研究」 ・梅田 隆行 ( ジオスペース研究センター助教 ):平成 27 年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「若手科学者賞」 「先端的宇宙プラズマ計算機シミュレーション手法の研究」 :日本エアロゾル学会「奨励賞」 ・中山 智喜(大気圏環境部門助教) 「レーザー分光法を用いた炭素質エアロゾルの光学特性に関する研究」 ・柴山 拓也 ( 博士前期課程 1 年 ):日本物理学会領域 2 学生優秀発表賞 「動的ペチェック過程による磁気リコネクションの新たな高速化機構(柴山拓也、草野完也、三好隆博ほか) 」 ・Martinez Calderon Claudia ( 博士後期課程 3 年 ):日本地球惑星科学連合 2015 年大会「学生優秀発表賞」 「One-year statistical analysis of ELF/VLF emissions at subauroral latitudes at Athabasca, Canada」 ・内野 宏俊 ( 博士後期課程 2 年、工学研究科研究委託院生 / 所属 : 京都大学理学研究科 ): 日本地球惑星科学連合 2015 年大会「学生優秀発表賞」 「接近する 2 つのフローフロント間におけるイオン加速:磁気圏尾部での高エネルギーイオン生成への応用」 編集:名古屋大学太陽地球環境研究所 出版編集委員会 〒 464-8601 愛知県名古屋市千種区不老町 F3-3 TEL 052-747-6303 FAX 052-747-6313 STEL Newsletter バックナンバー掲載アドレス:http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1 /doc/news_book_j.htm 18
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