日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース 活動紹介

Japan-Saudi Arabia
Industrial Cooperation Task Force
日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース
活動紹介
2015年3月
一般財団法人 中東協力センター
日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース
日本側事務局
1. 中東協力センターと日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局
中東協力センターは、中東・北アフリカ諸国における産業経済の開発、通商の振興に対する日本の
協力の推進に寄与することを目的に設立された
一般財団法人 中東協力センターの紹介
名称
一般財団法人 中東協力センター
Japan Cooperation Center for the Middle East (JCCME)
設立年次
1973年(昭和48年)10月20日
主な役員
会長 奥田 碩
理事長 松永 和夫
目的
中東諸国における産業経済の開発、通商の振興に対する
日本の協力の推進に寄与すること
主要事業
1.投資等促進事業
・ 市場調査
・ 投資促進ミション交流(派遣・受入) など
2.人材育成支援事業
3.二国間関係の強化
・ 中東協力現地会議
・ 二国間経済協議会 など
4.その他調査事業等
事業対象国
西アジア・北アフリカ諸国を含む23カ国
海外拠点
•
•
•
•
会長 奥田 碩
理事長 松永 和夫
UAE:アブダビ
サウジアラビア:リヤド、ジェッダ、ダンマン
クウェート
イラク:バグダッド
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
1
1. 中東協力センターと日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局
日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局は、日本・サウジアラビア産業協力タス
クフォースの日本側の活動を統括する、中東協力センター内の専門チームである
日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の位置づけ
日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース
日本側事務局
アブダビ産業協力プロジェクト事務局
一般財団法人 中東協力センター
イラク委員会
各国担当者
各国担当者
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
2
2. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース
日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース(TF)は、両国首脳間の合意に基づきスタートした
産業協力
エネルギー協力
車の両輪
日サ エネルギー協議
2007年4月の総理・経団連ミッション訪サを機に発出されたアブドラ国
王との共同宣言に基づき、「日サ産業協力合同タスクフォース」設立。
資源エネルギー庁長官とアブドゥルアジズ
サウジにとって、雇用創出・産業多角化が喫緊の課題となっており、
石油鉱物資源省副大臣とのエネルギー政
ファイサル ・ ビン・ トルキ 殿下を始め、商工省 ・ 石油鉱物資源省が
策に関する定期協議。
精力的に取組み。
日本側タスクフォースの活動 三本柱
備蓄協力
沖縄の国家備蓄タンクにサウジアラビアの
原油を貯蔵するプロジェクト。(11年2月開
1.サウジアラビアへの投資を検討する日本企業への
支援
2.サウジアラビアにおける人材育成支援
3.サウジアラビアにおける中小企業政策協力
始)
再生可能エネルギー・省エネルギー協力
石油鉱物資源省、サウジアラムコ、水電力
省に対し、以下の協力を実施中。
①太陽光発電のフィージビリティスタディ
②政策研修の実施、ワークショップ開催
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
3
2. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース
TFは官民一体となったオールジャパン・オールサウジの取り組みとして推進されている...TF日本側
事務局は、TFの日本側の活動を統括する
日本・サウジアラビア産業協力タスクフォースの構成
サウジ側
日本側
Senior
Representaive
経団連
トップ
奥田
小長
齋藤
重久
増田
米倉
Executive
Members
経済産業
大臣
石油省
顧問
石油
大臣
商工大臣
サウジ
工業開発
基金
SIDF
NICDP
アッザー
ム・シャラ
ビー長官
(コーディ
ネーター)
サウジ
アラムコ
顧問会
中東協力センター会長
日サ協会顧問
みずほ銀行名誉顧問
日揮グループ代表
三菱商事顧問
住友化学相談役
経団連
経済
産業省
METI
外務省
MOFA
JCCME
松永
理事長
(コーディ
ネーター)
日本貿易
振興機構
JETRO
石油
天然ガス・
金属鉱物
資源機構
JOGMEC
中小企業
基盤整備
機構
SMRJ
職業訓練
公社
TVTC
サウジ
総合
投資院
SAGIA
サウジ
基礎産業
公社
SABIC
経済
企画省
商工省
TF事務局
TF日本側事務局
JCCME
TFサウジ側事務局
NICDP
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
4
2. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース
サウジアラビアはNICDP*という政府機関を設立し、産業の多角化に取り組んでいる...TFはその計
画を考慮し、日本企業の現地製造投資を中心とした投資を促進する活動を行っている
NICDPのミッション
NICDPが注力している領域
産業を多角化し、雇用を生み出すという
目的のために、サウジアラビアのエネル
ギー、石油化学、鉱物資源を活用する、
輸出志向の長期的国際競争力のある製
造クラスターの開発を促進すること
• 自動車関連
• 建築関連
• プラスチックおよび包装
• 製薬および医療機器
• 家電-太陽光発電関連
• 鉱物資源および金属加工
☞ 政府予算の配分を見ると、「教育・職業訓練(学校新設など)」、「保健・社会保障(医療施設
の新設)」、「運輸・通信(鉄道建設など)」などが大きな割合を占める予算となっている。また、
住宅建設にも力が入れられている
* National Industrial Cluster Development Program
資料 NICDP
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
5
3. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の活動-現地製造投資を中心とした投資の検討支援
現地拠点と連携し、2007年7月以来の活動で蓄積された知見、サウジアラビア主要政府機関・企業
などとのネットワークに基づく各種支援を実施
支援体制
現地拠点
支援内容の例
• 情報提供・助言
– 会社設立に関する制度
– 雇用制度
– 生活関連情報 など
リヤド
• JETROリヤド事務
所(共同事務所)
• TFビジネスサポー
トオフィス
• 現地パートナー候補の紹介
ジェッダ
• 法律事務所や会計事務所の紹介
• JCCME水デスク
• JCCMEジャパン
デスク
東京
ダンマン
• ジャパン・インベス
トメント・デスク
• 政府関係機関へのアプローチ支援
• 現地調査支援
– アポイントメントの取得
– 訪問先への同行
– 車両・宿泊の手配 など
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
6
3. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の活動-現地製造投資を中心とした投資の検討支援
局面に応じた費用補助を提供
費用補助スキーム
投資検討における局面
サウジアラビア
を訪問する
サウジアラビア
企業を受け入
れる
利用可能なスキーム
名称
補助対象費用
補助率
初期調査
• 市場・製造環境に関す
る基礎調査
• JVパートナー候補調
査 など
現地調査ミッション
派遣事業(通称:ミッ
ション派遣)
•渡航費
•滞在費
•現地活動費(現地交
通費など) など
100%
詳細調査
• 市場調査・製造環境に
関する詳細調査
• JVパートナーとの協議
• 法務・税務対応の準備
など
現地詳細投資環境
調査事業(通称:FS
支援)
(上記に加え)
•外部委託調査費(法
律事務所、会計事務
所、調査会社などに
よる調査費)
•翻訳費(アラビア語な
ど) など
100%
(上限1000万円)
• サウジアラビア企業と
の間で行う調査・協議
など
サウジアラビア側
ミッション受入事業
•渡航費
•滞在費
•国内活動費 など
100%
(これまでに65社が利用し、
90回の派遣を実施)
(これまでに18件実施)
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
現地訪問中、
JETROリヤド事務
所に併設されたオ
フィススペース「ビジ
ネスサポートオフィ
ス」の利用も可能
ビジネスサポートオフィス
7
4. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の活動-その他
TF日本側事務局は潜在的な日本企業の現地製造投資を中心とした投資を発掘し促進すべく、多様
な活動を行っている
投資案件発掘のための活動
セミナー
アンケート調査
企業訪問
サウジ企業ニーズ調査
産業・テーマ別アプローチ
• サウジアラビアでの投資機会を知ってもらうためのセミナーを開催
• これまでに27のセミナーを開催、のべ1,700以上の企業が参加
• サウジアラビアなどへの進出意向を把握するためのアンケート調査を実施
• これまでに2回実施し、のべ5,500以上の企業に意向を尋ねている
• サウジアラビアでの投資機会を知ってもらうため、また、サウジアラビアなどへの進
出意向を把握するため、個別に企業を訪問
• これまでにのべ1,300社以上を訪問している
• サウジ企業における日本企業とのJVの意向を把握するための調査を実施
• これまでに3回実施し、66社を訪問している
• 有望な産業、テーマを選定し、調査、セミナー、合同ミッション派遣などを実施
• これまでに石油化学下流産業、鉄鋼・金属加工産業、アルミ産業、太陽光発電関
連産業、都市開発・工業団地開発、工業団地向けソリューションなどについて実施
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
8
4. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の活動-その他
日本企業の円滑な進出を可能にするため、サウジアラビアの関連政府機関との連携を強めている
サウジアラビア政府機関との覚書
相手
サウジアラビア工業用地公団
MODON
サウジアラビア総合投資院
SAGIA
相手の概要
時期
内容
調印の様子
2012年2月 日本企業による進出
工業団地の計
画、建設、運営、
の支援を目的とした、
協力の覚書を締結
維持管理を行う
政府機関
投資促進方針
策定、投資環境
整備、投資許認
可などを行う政
府機関
2014年2月 投資促進活動を促進
するにあたっての協力
に関する覚書を締結
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
9
5. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の成果
これまでTF日本側事務局の支援を受け、9事業(11社)が投資決定をした.現在8事業(10社)が事業
展開中
現在、事業展開している企業(1/2)
企業名
発表
事業概要
クボタ
2009年4月
• 鋳鋼製品(エチレンプラン
ト用クラッキングコイル)
の製造・販売
• 当初投資規模:約15億円
クラッキングコイル
ジェイ・パワーシステ
ムズ、丸紅メタル
2009年4月
2010年2月
2011年2月
サウジ人オペレーター
調印式の様子2
海水淡水化用逆浸透膜
エレメント
• トラックの組立・販売
• 目標生産規模:当初は年
間600台、将来的には
25,000台
調印式の様子1
資料 各社プレスリリース等、写真は各社提供
タナジブ工場
• 海水淡水化向けRO膜エ
レメントの製造・販売
• 当初投資規模約2億円
調印式の様子1
いすゞ自動車
リフォーマーチューブ
• 電力海底ケーブルの製
造・販売
• 当初投資規模:約15億円
海底ケーブル(サンプル)
東洋紡、伊藤忠商事
MERT
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
調印式の様子2
いすゞ Fシリーズ
10
5. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の成果
これまでTF日本側事務局の支援を受け、9事業(11社)が投資決定をした.現在8事業(10社)が事業
展開中
現在、事業展開している企業(2/2)
企業名
発表
事業概要
アズビル
(山武)
2012年6月
• 調節弁の製造販売、プ
ロセスオートメーション
製品、FA製品の販売、
エンジニアリングおよび
関連サービス
• 目標売上高:約20億円
(2015年度)
東邦チタニウム
2014年1月
•
•
工場の外観
日立製作所
2014年2月
2014年5月
資料 各社プレスリリース等、写真は各社提供
コントロールバルブ
スポンジチタンの製造
当初投資規模:約440
億円
スポンジチタン インゴット(参考)
東レ
工場内の様子
スラブ(参考)
• 水処理膜(RO膜など)の
製造・販売および技術
サービス提供
• 総投資規模:約82億円
• ガス絶縁開閉装置の設
計、組立、据付、販売、
変電所における設計、調
達、建設、保守
• 合弁会社資本金約11億
円
調印式の様子
RO膜エレメントと
使用されるプラントの例
調印式の様子
245kVガス絶縁開閉装置
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
11
6. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の投資促進以外の活動
TF日本側事務局の活動三本柱の一つ、サウジ側の中小企業育成の政策立案支援として、サウジ
政府向けに中小企業政策を提言
経緯
 「中小企業政策」は、サウジ政府が策定中の「国家産業戦略」の
柱の1つ。
 ファイサル・ビン・トルキ-殿下の指示により、サウジ商工省ス
レイマン次官が来日、中小企業政策の日・サ協力の実施に合
意(2008年5月)。
 2008年10月下旬、2009年1月初旬、及び2月初旬に、中小企
業庁、資源エネルギー庁、学識経験者等を含む調査団による
第1次~第3次調査ミッションを派遣し、サウジの中小企業の実
態を調査 。
リヤド商工会議所における両国ワークショップ
(記念撮影)
政策提言のポイント
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
創業意識喚起活動及び起業家教育の強化
経営者・技術者の人材育成
商工会議所、産業別団体等の活用
中小企業金融の強化
大企業と中小企業の連携強化
個別産業の特性を踏まえた支援策の検討
政府内における中小企業振興担当部局の創設
リヤド商工会議所における両国ワークショップ
(会議風景)
政策提言を、2010年4月にアリレザ商工大臣(当時)に提出
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
12
6. 日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局の投資促進以外の活動
TF日本側事務局の活動三本柱の一つ、人材育成の活動として、自動車・プラスチックに続く第3の
研修所『SEHAI』を設立
サウジ日本自動車技術
高等研修所 (SJAHI)
開校時期/所在地
プラスチック加工高等研修所
(HIPF)
サウジアラビア電子・家電製品研修所
(SEHAI)
2002年9月 ジェッダ市
2007年9月 リヤド市
日本側協力機関
JICA、自工会 他
中東協力センター
JICA、サウディ石油化学、中東
(日系大手家電メーカー各社による技術協力、日本
協力センター
工学院によるカリキュラム作成協力)
経緯
「日サ協力アジェンダ」(アブドラ サウジ政府の要請に基づき、サ 日サ・ビジネスカウンシル(2008年1月)でのサウジ
国王署名)に基づく協力
ウディ石化が協力開始
側からの要望に基づく
卒業生累計
2,036名卒業(13年6月現在)
現地視察風景
808名卒業(13年6月現在)
2009年9月 リヤド市
第1期-2期卒業生157名。(182名在籍)
ミシャーリ・ジェッダ県知事と第6期
卒業生
サルマン・リヤド州知事、ゴサイビ労
働相による視察
アフメド・ディライーヤ県知事による視察
SJAHIスキルコンテスト
奥田総理特使による視察
研修生とサウジワーキンググループ企業
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
13
一般財団法人 中東協力センター
日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース日本側事務局
http://www.saudiarabia-jccme.jp/
03-3222-5020
©Japan-Saudi Arabia Industrial Cooperation Task Force
14