J P M A 2015年9月号 No.169 N E W S L E T T E R Topics|トピックス 「第5回 コード・オブ・プラクティス/ プロモーションコード実務担当者会」 を開催 2015年6月30日、東京・中央区のベルサール八重洲にて 「第5回 コード・オブ・プラクティス (COP)/プロモーションコード (PC)実務担当者会」 を、表1のプログラムで13時30分から17時まで開催し、70社104名のCOP/PC実務担当者などが 参加しました。以下に本会の概要について報告します。 表1 コード・コンプライアンス推進委員会 第5回 COP/PC実務担当者会 プログラム 司会:瀧本 誠 専門委員 1. 旧コード委員会活動報告 ………………………………… 川尻 邦夫 実務委員長 2. コード・コンプライアンス推進委員会規程類の改定について ………………………………………………………………… 上田 学 実務委員 3. 製品情報概要審査会報告 ………………………………… 岸田 昭彦 専門委員 4. 贈り物・プロモーション用補助物品適正化に関するグループ討議 ………………………………………………………………… 瀧本 誠 専門委員 5. 閉会挨拶 …………………………………………………… 田中 徳雄 常務理事 1. 旧コード委員会活動報告 川尻邦夫 実務委員長から、旧コード委員会の活動について報告がありました。 2015年1月28日付製薬協発第53号「会員各社のプロモーション用印刷物および広告等作成における当面の社内審査体制 の強化について」に関し、会員会社が引き続き本通知に沿った対応をするよう、社内体制の徹底につき、改めて要請しまし た。 透明性ガイドラインの円滑な運用については、今後の課題として、製薬協がどこまでガイドするのかあるいはすべきなの かも含めて、その時期・様式等について検討していく旨の報告がありました。 また、2014年度におけるCOPに関する問合わせ・苦情申立てについて、違反事案に対しては引き続き迅速かつ適切な処 JPMA NEWS LETTER 2015 No. 169 Topics|トピックス 「第5回 コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 1/3 J P M A N E W S 2015年9月号 No.169 L E T T E R 「 第 5 回 コード・オブ・プラクティス /プロモ ーションコード 実 務 担 当 者 会 」を 開 催 Topics|トピックス 理を行っているとして、次の通り報告がありました。問合わせが1件、苦情申立てが3件、その他(匿名、実名)が6件であり、 これらに対しては警告が1件、厳重警告が1件、措置によらない要請が2件でした。そのうち措置によらない要請2件につい ての説明とともに、匿名投書の2件についてそれぞれ事例を示しながら注意喚起がありました。 さらに、IFPMAのウェブサイトにIFPMAコード・オブ・プラクティスのオンライントレーニングの日本語版が開設されたこと を受け、実際の画面を映しながら内容の紹介がありました。 最後に、当日の議題であるプロモーション用補助物品に関するディスカッションについて、その意義と今後の規制に関す る方向性の紹介があり、十分に議論していただきたいとの要請がありました。 2. コード・コンプライアンス推進委員会規程類の改定について 上田学 実務委員から、「コード・コンプライアンス推進委員会規則」、「製薬協コード・オブ・プラクティス違反措置規程」、 「コードに関する問合わせと苦情申立て等処理手続」について説明がありました。 2015年5月28日の総会で承認された、コンプライアンス体制強化の一環であるコード委員会からコード・コンプライアンス 推進委員会(製薬協ニューズレター169号 Information参照)への組織体制の変更、およびその要諦である違反措置規程改 定の目的、審議体制等につき、事例を交えながら措置レベルの考え方、違反会社の責務等を条文に沿って詳しく説明があ りました。 特に「措置」については、処分審査会が行う 「処分」 (ペナルティ) とは異なり、「会員会社に自主的改善を促すためのもので あること」、 「措置事案の報告はペナルティではないことから匿名で行われること」の理解を参加者に求めました。 また、苦情申立てにあたっては、会員会社間での適切な話し合いを基本とし、そのうえで活用していただきたい旨、依 頼がありました。 3. 医療用医薬品製品情報概要審査会活動報告 岸田昭彦 専門委員から、「製品情報概要記載要領等の改定と説明会の実施」、「審査会の今後の検討課題」、「審査スケ ジュールの短縮」について説明がありました。 製品情報概要記載要領等の改定と説明会の実施については、①会員会社アンケートでの「ルールが曖昧で理解しにくい」 との意見および「ルールの詳細化/明確化」の要望への対応、②現在の審査過程で明らかになった検討課題への対応、③「医 療用医薬品の広告の在り方の見直しに関する提言」の製品情報概要記載要領・広告作成要領等にかかわる内容への対応、 の3点を目的に改定を行うことと、今回の改定内容についての概要説明がありました。 概要説明の中では、記載要領を1つの体系とすること、副次的作用の資材上での記載割合・記載方法等の条件の追加、 臨床比較試験成績の記載方法の緩和、ならびに「医療用医薬品の広告の在り方の見直しに関する提言」への対応等につい て情報共有がありました。 また、 「医療用医薬品の広告の在り方の見直しに関する提言」への対応については、今後の検討課題として 「ホームページ に関するルールの策定」、 「ホームページ届出制度の新設」、 「審査への第三者の参加」、 「新薬に関する審査対象広告の範囲の 見直し」、 「審査結果の公表」、 「医療従事者等からの苦情通報窓口の設置」、などが挙げられました。 なお、審査期間について、現在6ヵ月を要しているところを3ヵ月に短縮し、スピーディに審査ができるようにするとの報 告がありました。 4. 贈り物・プロモーション用補助物品適正化に関するグループ討議 グループ討議に先立ち、司会の瀧本誠 専門委員からこれまでの経緯と最近の状況についてプレゼンテーションがありまし た。グループ討議は12のグループに分かれて行われ、「贈り物の適正化」 と 「プロモーション用補助物品の適正化」の2つの テーマについて、各グループでそれぞれ活発なディスカッションがなされました。また、討議後、参加者全員で他のグルー プの討議内容を共有するため、いくつかのグループから発表がありました。 はじめに、 「贈り物の適正化」について、会員会社における適正化への取り組みが停滞している現状とその考察、旧コード 委員会における取り組み等が紹介されたうえで、各グループでの討議に入りました。各グループから提出された討議メモか らは、 「他社もやっている」、 「ペナルティがある訳ではない」など、一朝一夕の適正化は困難といった意見がある一方で、 「会 員会社トップ同士のコンセンサスの醸成があれば可能ではないか」 といった意見もありましたが、当業界の公正競争規約で JPMA NEWS LETTER 2015 No. 169 Topics|トピックス 「第5回 コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 2/3 J P M A N E W S 2015年9月号 No.169 L E T T E R 「 第 5 回 コード・オブ・プラクティス /プロモ ーションコード 実 務 担 当 者 会 」を 開 催 Topics|トピックス 許容している贈り物については、会員会社内で規制することは困難といった意見が最も多く、製薬協による公正取引協議会 への働きかけを提案する意見も多数ありました。また、参加者からは、常任理事会社の率先垂範を期待する声もありました が、当日の討議を会員各社が持ち帰り、社会的情勢も踏まえて再度各社で検討することとしました。 次に、「プロモーション用補助物品の適正化」については、製品名ロゴとともに製品のシンボルマークやビジュアル、マス コット・キャラクターなどが付加されたものがあり、ネットオークションなどにも出品されている事例が紹介されました。こう した実態に鑑み、社名ないし会社ロゴのみの記載にとどめる旨の通知を発信することがコード・コンプライアンス推進委員会 で検討されていることも併せて紹介されたうえで、各グループでの討議に入りました。各グループから提出された討議メモ からは、すでにプロモーション用補助物品の提供自体を行っていない会員会社や社名に限定した記載としている会員会社が あり、通知の趣旨を支持する意見が大半で、明確な異論はありませんでした。また、参加者からは、製品名を記載できない となると、実質プロモーション用補助物品の作成は一気に減ることが期待されるとの声もあり、新発売の記念品も同様の扱 いであることも共有し、会員各社での対応を確認しました。 5. 閉会挨拶 田中徳雄 常務理事は、当日参集した実務担当者の今後の役割が重要であるとして、次のように強調しました。 当日発表のあった新体制・規程改定ならびに製品情報概要審査会のルール・審査体制の見直しなどに加えて、近時の各種 法制化の動きや行政の動き、さらには各社の審査体制の見直しなどを踏まえて、業界全体で見直すべきものはしっかりと見 直し、業界としてさらに透明性の高い活動を行っていくという姿勢で取り組みたいとの表明がありました。 また、本会合を勉強の場だけに終わらせるのではなく、参加者全員がそれぞれの会社を動かすという意識をもって会社に 報告してほしいとしました。そして、報告した結果として、各社がしっかりとした行動を取れるように、参加者それぞれの積 極的な行動を期待したいとの要請がありました。 そのためにも、たとえば贈り物やプロモーション用補助物品についても、 「止められない」 ではなくて 「どうやったら止められ るか」 というように考えてほしいとし、透明性ガイドラインが成立に至った経緯も思い起こすと、当日参集した実務担当者の 役割が特に重要であり、一人ひとりが業界を動かすという気持ちで取り組んでほしいと強く要請しました。 (コード・コンプライアンス推進委員会 竹歳 隆一) JPMA NEWS LETTER 2015 No. 169 Topics|トピックス 「第5回 コード・オブ・プラクティス/プロモーションコード実務担当者会」を開催 3/3
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