『グローバル化の時代の中で』 札幌清田高等学校 校長 久保田 法順

『グローバル化の時代の中で』
札幌清田高等学校 校長 久保田 法順
1992 年に、当時の文部省の英語教員派遣事業で、英国に 2 か月滞在し、エセッ
クス大学で研修を受けたことがあります。当時は、日本で、国際化が叫ばれて
いた時代です。当時は、冷戦が終わり、東西の壁が崩壊し、急速にグルーバル
化が進展しようしている時期でしたが、学校の現場ではまだまだ、海外は遠い所にありました。
それから、約 20 数年を経て、現在、社会は急速にグローバル化が進展しています。それを肌で
感じるのは、私の勤務している学校、札幌清田高校では、約 10 年前に普通科グルーバルコース
が開設され、様々な形で、国際交流の生徒派遣や海外からの生徒の訪問、受け入れが行われてい
るからです。
本校では、私のこの 2 年間で見ても、Gコース 2 年生見学旅行では、マレーシア、シンガポ
ールを訪れ、多様な多文化体験を行っています。マレーシアでは、SBP
INTEGRASI JEMPOL
校に学校訪問を行い、生徒の交流を深め、カンポン・ビジットでは、マレーの農村を訪問し、シ
ョート・ホームステイを行っています。生徒には、イスラム文化に直に触れる貴重な機会で、私
も 2 回、この海外見学旅行に同行しました。また、全校生徒の希望者参加ですが、隔年で、豪
州のシドニーに海外語学研修をしています。平成 26 年 1 月には、1,2 年生、約 60 名の生徒が
参加し、ホームステイをし、シドニーの語学学校で英語の学習をしました。次回の平成 28 年 1
月は、これに加えてフィリピン・セブ島の語学研修を加え、選択コースとする予定です。平成
27 年 1 月には、海外ボランティア実習として、34 名の生徒がカンボジア・ベトナムに行く予定
です。アンコール・ワット遺跡の修復ボランティアや学校交流、孤児院訪問や農村での農作業の
お手伝いなどが予定されており、世界に目を開く貴重な機会となっています。
海外からの受け入れでは、平成 26 年 6 月にマレーシアから 17 名、6 月~7 月には米国ポート
ランドのグラント高校から 4 名、7 月には韓国北三高校(漆谷郡)から 10 名、アフリカのブル
キナファソから 3 名(野球留学)、11 月には、インドから 13 名の高校生が来校しました。特に、
韓国の北三高校とは、友好交流協定を締結し、今後、隔年で生徒を相互に派遣し、友好交流を図
っていくことが確認され、11 月には、本校の書道部の作品を同校に送り、学校祭で展示されま
した。来る平成 27 年 9 月頃に、本校から交流団を派遣予定です。
また、中国からも例年、日中交流協会の斡旋で、1 年間の長期留学生を受けいれており、現在の
生徒は、中国の石家荘市外国語学校から来ています。本校は、昭和 57 年に、中国瀋陽第二中学
校(高等部)と姉妹校提携を結んでおり、ほぼ 5 年ごとに生徒派遣を継続し、交流をしていま
す。また、近年では、
(株)イオンの青少年国際交流事業で、カンボジア・ラオスの両国の高校
生との間で、相互に派遣、受け入れを行い、合計 32 名の生徒が、両国を訪問し、ホームステイ
の受け入れを行いました。私は、このような国際交流や海外派遣の制度は、道内の公立高等学校
では、先進的な学校であると信じています。微力ながら、この 2 年間、校長という立場で、様々
な改革を行い、環境整備ができたものと思っています。