開運 TEN 龍巡り 北遠の「龍」を 浜松市天竜区を中心とした北遠を縦断する大河は、天に昇る龍になぞらえ 「天竜川」と名付けられています。「龍山」「竜川」「竜戸」など、「龍」 が付く地名も点在し、「竜頭山」「尾曲」「瀬尻」と「龍」の姿に例えた山 探せ! 名や地名もあります。 また、「龍」が登場する昔話も多く、北遠はまさに「龍」が棲む地域なの です。 さあ、みなさんも、北遠の「龍」を探しに出かけてください。 北遠の「龍」を 10 ヵ所巡る「開運 TEN 龍巡り」で、おおいに運気を上げま しょう!TEN(10)と言ってはいますが、実際には、10 ヵ所以上で北遠に棲む 「龍」に会っていただけます。 ★佐久間図書館のステンドグラス ■佐久間 飯田線佐久間駅待合室に併設する「駅 ★「佐久間ダム祭り」の竜神 の図書館」―浜松市立佐久間図書館は、 「佐久間ダム祭り」は毎年 10 月最後 ロッジ風の建物に飾られたステンドグラ の日曜日の開催。ダム建設の殉職者の霊 スが特徴。北側の屋根の上の天窓ドーム を慰め、繁栄を祈るために催されるダム には、緑色の滝壺から姿を現す「龍」が 祭りでは、「竜神の舞」が奉納されます。 デザインされています。 龍神の胴体は鯉のウロコで、太鼓やカ ネのおはやしに合わせ、体長 15 ㍍、重 さ 60 ㌔の龍神を 7 人で操ります。 ★豆こぼしトンネルのレリーフ 佐久間地域自治センターにあと 1 歩の ★「民話の郷 佐久間」のモニュメント ところにある豆こぼしトンネルの、西口 中部の三叉路に立つのは、「民話の郷 のレリーフは巨大な「龍」。天竜川の波の 佐久間」のモニュメントです。如意宝珠 上で体をうねらせる「龍」の頭部だけを を掴んで天に昇る龍の姿をモチーフにし、 迫力たっぷりのレリーフに仕上げていま モニュメントとしては、北遠最大級の「龍」 す。 に認定できると思います。 トンネルの「龍」は、きっと天竜川の 激流「豆こぼし」を表しているのでしょう。いかにも佐久間らしい「龍」で す。 ★龍頭大橋 国道 152 号、福沢川に架かる龍頭大橋 ★龍王権現の滝 龍王権現の滝があるのは、県道 290 号 の親柱を飾る「龍」。大きく口を開けた「龍」 水窪羽ヶ庄佐久間線から少し山道を下っ の顔は、なかなかの迫力です。 たところ。 「滝」の字にも「竜」が入って 橋の上下にそれぞれ飾られていますが、 ヒゲの形が違っています。雌雄の違いが いるように、 「滝=瀧」と「竜=龍」とは 切っても切れない仲です。 あるのはどうかは分かりませんが、ヒゲ 「むかし、日照り続きで作物が全滅寸 が上に巻き上がっているか、下に巻いて 前という時、村人みんなで龍王淵にお祈 いるかの違いがあります。 りしておった。 」で始まる「佐久間昔ばなし」の看板が立ち、滝に続く遊歩道 に架けられた吊り橋にも、体をくねらせ ★民話の郷の「龍」 る「龍」の姿が青銅製の透かし彫りにさ 佐久間には龍や大蛇が登場する昔話が れています。 たくさん残り、 「民話の郷 さくま」の代 でも、一番の「龍」は龍王権現の滝そ 表と言えば「龍」です。 のもの。白い水が泡立つ滝壺に向かい、 中部の三叉路の手前、桜並木の中に立 龍体のように流れ落ちていました。北遠 つ木製看板には昔話の「龍王ごんげん」 最大級の「龍」に認定できると思います。 の「龍」が描かれているほか、佐久間協 働センター前や大井橋の看板など、あち ★龍王権現橋 らこちらで昔話の「龍」を見ることができます。 龍王権現の滝へと続く遊歩道の途中に 架けられた吊り橋、龍王権現橋の「そろ ばん板」とも呼ばれる吊り橋の床板を支 える横桁を、身を低くして見てみると、 何と「龍」の絵が描かれていたことが分 かります。すでに歳月が経過していて、 上からでは分かりにくいのですが、目を 細めてみれば、今でも横桁の横の面の、体をくねらせた龍体が見えます。 ★天白神社 ★「天竜奥三河国定公園 佐久間町」看板 国道 152 号と 473 号との大井橋手前の 中部(なかべ)の馬背神社の脇に祀ら れている天白神社拝殿に「龍」 。 分岐、水窪川が天竜川へと合流する角に 天竜川筋に多い天白神社ですが、中部 立つ「天竜奥三河国定公園 佐久間町」 の天白神社には佐久間の偉人、原田久吉 の看板は、まるでロールスクリーンカー 翁が寄付したことを示す木札が掛けられ テンを引きおろしたような形。上部がロ ています。 ールの巻き取りのような筒状のデザイン となっています。 描かれているのは、佐久間町のイラストマップですが、左端で「天竜奥三 河国定公園 佐久間町」のボードを掲げているのは「龍」です。 蛙股に当たる部分を飾っているのが 「龍」の彫刻。丸い電球が宝珠のようにも見えます。 ★三社神の昇り龍と降り龍 ★佐久間小学校 県道 290 号水窪羽ヶ庄佐久間線、 佐久間小学校運動場の板壁に、迫力満 二本杉峠の少し手前に祀られてい 点の「龍」が描かれています。 る三社神の祠の前に立つ左右 2 基 ところどころ板が抜け落ち、全身がつ の献燈には、それぞれに「龍」が ながっていませんが、佐久間の空と山と 刻まれています。 を背景に「龍」が伸びやかに舞っていま 向かって右が「昇り龍」―地上 す。 より天に昇ろうとしている龍の姿 です。対して向かって左は「降(くだ)り龍」―天空より地上に降臨する姿。 「昇り龍」は生まれて 100 年未満の黒龍で、「降り龍」は天に住み 300 年を 生きた青龍です。2 匹の龍は、 「阿」と「吽」で 1 対。 ■水窪 ★山住神社 ★相月諏訪神社 神門正面の頭上を見れば、注連縄の上 相月諏訪神社。諏訪神社の境内社とし の鳥除けのネットに中に、 「龍」の欄間が て祀られている日月神社と若宮八幡社の 嵌められています。 小さな祠を守る「龍」。 「龍」は秋には淵 「龍」は向って右側の瑞雲の間から現 の中に潜み、春には天に昇るとのこと。 れ爪は 3 本。 「龍」の頭の先には、波立つ 角は鹿、頭は駱駝、眼は兎(または鬼)、 水が 身体は蛇、腹は蜃、背中の鱗は鯉、爪は 彫ら 鷹、掌は虎、耳は牛・・・。この眼は、兎と いうよりも鬼の眼です。 れています。 神門を抜ければ、右手に手水舎には、 「龍」の手水口が身を起こしています。 ★「捨てたらあカン」の看板 「たっくい淵」入口に立つ「捨てたら あカン 佐久間町」の看板。これも、北 遠の「龍」。「民話の郷」佐久間の昔話に 登場する「龍」は、こんなユーモアたっ ぷりの看板にも登場しています。 クルリと巻いた髯の陰から鋭い目が覗き、 爪は 5 本。山住神社 2 匹目の「龍」は手 水舎に棲んでいました。 ★小畑観音堂 七不思議 まぼろしの池 水窪町奥領家小畑の観音堂の海老虹梁(えびこうさい)と呼ばれる大きな 梁と、 「観音堂」と金文字で書かれた額の上と下に施されているのは迫力満点 の「龍」の彫り物です。 池の平」の看板が立ち、少し可愛らしいな竜神の 顔が描かれています。 ■龍山 ★旧龍山北小学校 旧龍山北小学校、校舎下の壁面に卒業生 が描いた記念の「昇竜」が残っています。 子どもが描いた絵と甘く見ないでくだ さい。 「龍」の爪の数は、ちゃんと 3 本。 「三爪龍」になっています。 絵を描いた卒業生たちは、今はどこに暮 らしているのでしょうか? ★双体道祖神の欄間 水窪地頭方向市場の「双体道祖神」と 「次郎兵衛様」などを祀っている祠をご ★旧龍山中学校 旧龍山中学校、現「金原治山治水財団」 存知でしょうか?その小さな祠の軒と格 の「明善フォレスト」前の国道 152 号脇 子との間に「龍」が彫られています。 のブロック塀に「龍」の絵が描かれてい 有名な「双体道祖神」を覗き込んだら、 その上の「龍」にも目をやってください。 3 本の爪でしっかりと宝珠を掴んで掲げ ています。 ます。 「天竜川とわたしたち」の文字の横に、 青く曲がりくねる「龍」らしき姿が。頭 部が描かれた部分は壊されてしまった ようですが、おそらく龍山中の生徒たちが描いたものでしょう。 ★幻の池「池の平」 幻の池「池の平」には、おひつ納めで 有名な御前崎の「桜ヶ池」に棲む竜神が 7 年に 1 回諏訪湖に遊行するとき、 「池の 平」で休憩するために水が湧くという古 くからの伝承があります。 亀の甲山の「池の平」の横には、 「遠州 天竜川に見立てた青い「龍」 。旧「龍山中学校」は平成 20 年(2008)3 月 末に廃校となり、青い「龍」の遥か下流にある光が丘中学校へと統合されま した。 ★白倉金山神社 ★つなん曳き 紅葉の名所「金山の滝」のすぐ上に祀 毎年 5 月 5 日に犬居で開催される「つ られている金山神社の屋根。小さな祠の なん曳き」は、 「洪水により決壊寸前の気 屋根は青緑色の金属板で覆われていま 田川の堤防に、諏訪神社の 2 匹の竜蛇が すが、その棟の先に、やはり銀色の金属 横たわって村を守った」との言い伝えに 板で作られた「龍」が飾られています。 基づくもの。若衆が担いで練り歩く「龍」 は、柳、ススキ、レンゲ、竹などで作ら れます。 ★犬居小学校 ■春野 「つなん曳き」の「龍」は、春野の伝 ★秋葉山上社西の神門 説「堤防をとめた二ひきの竜」に基づく 秋葉山本宮秋葉神社上社、平成 17 年 祭りです。 「洪水により決壊寸前の気田川 (2005)に完成した西の神門には、東方 の堤防に、諏訪神社の 2 匹の竜蛇が横た を守る四神の 1 つ「青竜」が睨みを効か わって村を守った」と伝えられる春野の せています。 伝説の「龍」は、犬居小学校のプール壁 面にも描かれています。 そ の この 2 匹の「龍」の絵は、平成 2 年 3 月に同校を卒業した児童たちによっ て描かれたものです。 横に小さな「龍」も彫られています。こ の「龍」を探してみてください。大きな 龍ほどの迫力はありませんが、可愛らし い「龍の子」です。 ★三尺坊仁王門 秋葉山表参道の三尺坊秋葉寺の仁王 門の裏側。門に足を踏み入れ中央上を見 返ると、天井のすぐ下には宝珠を手にし た迫力満点の「龍」が、縁起の好い瑞獣 の 1 つとして彫られた欄間が飾られてい ます。 ★祭り屋台 ★春埜山大光寺 「龍」と言えば祭り屋台にも付き物。犬居の「龍勢社」の屋台は、一層唐 破風。錦糸で刺繍された「龍」の天幕は当代一の豪華さです。 西領家の「紅葉社」の屋台は破風ニ層屋根。棟飾りには、 「龍」の彫り物が 睨みを利かせています。 静岡県の天然記念物にも指定される巨 樹「春埜杉」で知られる春埜山大光寺も 「御真殿」の中に張られた幕。 「五三桐」の寺紋を真ん中にして向か 五穀豊饒を願い豊作に感謝するのが祭りなら、そのための雨乞いの祈りが 欠かせません。雲や雨を自在に操り雨を降らせるのは龍神。屋台や山車に「龍」 い合う 2 匹の「龍」が金糸で描かれてい ます。 が多く見られるのは、そのためと思われます。 ★春埜山大光寺の常夜燈 春埜山大光寺の「御真殿」下に立つ、1 対の金属製燈籠の五角形の台座に、 それぞれ 4 匹ずつの「龍」が浮き彫りにされています。 燈籠はともに、 「明治四十三年四月」に「福田講中」により奉納されたもの。 戦時中の金属供出の時にも、山深い大光寺までは目が届かず、難を逃れたも のと思われます。 ★新宮池 和泉平の高塚山山頂付近に湧く新宮池 には、 「大じゃ」が棲んでいるという伝説 があります。 お話の中では「大じゃ」として語られ てはいますが、池の畔に建てられた看板 にはちょっと可愛らしい「龍」のイラス トが描かれ、新宮池の「大じゃ」が「龍」 に違いないことが分かります。 この「龍」が、桜が池から諏訪湖へと移動する途中に立ち寄るのが、ここ の新宮池であり、水窪の池の平であると言われています。 ★瑞雲院鐘楼と和田之谷の半鐘 のこと。 「お賽銭は龍の口へどうぞ」との木札が立ち、お賽銭を口の中に入れ 犬居の瑞雲院の梵鐘は、鐘楼に登って ると、キレイな鈴の音が響くのだそうです。 立ち上がるとたいへん低い位置に吊るさ れています。そのため、 「龍頭」を見下ろ す感じで見ることができます。 ★清瀧寺 本田宗一郎ゆかりの地 徳川信康の菩提寺 清瀧寺 「龍頭」とは、梵鐘や半鐘などを吊る この信康ゆかりの寺で、二俣尋常高等小学校時代の宗一郎少年は、正午を す部分。2 匹の龍の頭が、半鐘の上部の 知らせる鐘を 30 分前に突(原文のまま)き、まんまと弁当を早く食べたとい 「笠形(かさがた)」と呼ばれる天丸形の われている。 上の突起の部分を咬む形で輪を作ってい るため「龍頭」と呼ばれています。 普通なら半鐘台の上の高い場所に吊る されているため、 「龍頭」を確認するのは これが、清瀧寺の梵鐘です。 梵鐘の中帯と下帯の間の「草の間」には、4 ヵ所に三爪の龍の文様が施され、 「龍頭」の「龍」は目を見開き歯を喰いしばっています。 難しいのですが、和田之谷の半鐘は低く 吊るしてあり、 「龍頭」を見やすくなって います。 ■天竜 ★清瀧寺の「願意龍」 徳川家康の嫡男、岡崎三郎信康の菩提 寺として知られる清瀧寺は浄土宗のお寺。 天正 9 年(1581)にこの地を訪れた家康 は、清水が湧き出る様子を見て「清瀧寺」 と名付け、信康に清瀧寺殿の諡(おくり な)をしたとのこと。 入口に建てられた「信康堂」には、チ ェーンソーアートの徳川信康像と「願意龍(ねがいりゅう)」が納められてい ます。 備え付けの用紙の自分の願い事に○を付け、堂の横に結ぶと願いが叶うと ★光明寺の手水口と摩利支天堂 光明寺の手水鉢。龍の口から水の出る 手水鉢は、決して珍しくはありません。 光明寺の奥の院、摩利支天堂の懸魚は、 ★「森と水 生命はぐくむ街 天竜」の看板 雲に乗る龍神の彫り物。摩利支天堂は、国 天竜川の左岸の堤防道路を通って阿蔵 道 152 号の二光橋を過ぎた辺りから見上 に入り、浜松市の表示が出るとすぐに見 げれば、光明寺の裏山高くに見えるのです つかるのが、大きな広告看板。その中央 が、懸魚が飾られているのは、お堂の屋根 に一際大きな「森と水 生命はぐくむ街 の下。雲に乗る龍神「雲龍」です。 天竜」の看板の「龍」が「WELCOM E」と歓迎してくれます。 ★光明寺の手水口 石段を登り切ったところに立つ、石燈籠の中台の「龍」 。左右に 1 基ずつ、 それぞれの三方に「龍」が浮き彫りにされていますので、合わせて 6 匹。波 に乗って進む、三爪の「龍」です。 ★栄林寺山門 東谷山栄林寺は二俣川のあちら側に見 える曹洞宗の寺院。山門は享保 3 年(1719) 建立とのこと。その山門の屋根を押さえ る瓦には、丸に剣梅鉢紋を挟んで 2 匹の 「龍」が舞っています。 ★栄林寺梵鐘の「一角龍」 ★玖延寺十二支像 梵鐘の龍頭にも、もちろん「龍」はい 阿蔵の玖延寺の本堂脇に立つ「英霊 ました。 供羪塔」の基礎部分に点在している石製 宝珠を囲む火焔が印象的。先端が 2 本 の十二支像。その 1 つ「辰=龍」です。 に分かれ大きく巻き上がった 1 本角。ま 体を丸めていますが、角や髭がいかに も「龍」。蛇には髭がありませんからね。 「羪」は「養」の偏と旁とを縦に並べ た異体字―「羪」の偏は本当は「美」の 横線を 1 本減らした形。「供羪塔」とは「供養塔」のことです。 さに美しい「一角龍」です。 ★長月寺の木魚と欄間 ★船明・諏訪神社 ♪ポクポク、ポクポクとリズムを刻む 船明・諏訪神社とは、 「船明ダム運動公 「木魚」―眠る時にも目を閉じない魚と 園」の南側に鎮座しています。 は、きっと「眠らないのだろう」と考え 現在の諏訪神社の拝殿、本殿は鉄筋コ られ、読経の時に眠くならないように魚 ンクリートで再建されたもの。手水舎も の形を模したと言われるのが「木魚」で コンクリート造りで、まるで公園の手洗 す。 い場のようです。 そんな「木魚」には、いろいろな彫刻 が施されています。上阿多古・長沢の長月寺の「木魚」は 2 頭の龍が 1 つの そして、お馴染みの「龍」の手水口で すが、「龍」の形をした蛇口です。 玉を咬み合っている意匠。分かりますか? 「木魚」の意匠が、魚でなくて龍なのは、 「三級浪高魚化龍」という禅語に 因んでのこと。要するに「登竜門」の伝説 に基づいているのです。 ★船明の「半鐘記念碑」 船明(火の見櫓) 「大正 14 年 12 月 附人 寄 和田新平」、梅松屋付近「大正 5 そして、シルエットになった欄間には 1 年 5 月吉日 光明村消防組第二部」 、榑 匹の龍。切り絵のように、ただ切り抜いた 山・坂上「昭和 11 年 12 月 光明村消防 だけの「龍」と思いきや、近づいて見ると、 組第二部」、長養寺付近「昭和 24 年 11 鱗から髭まで、雲を呼び体をくねらせる龍 月 光明村消防団第二分団」の文字が刻 の細部まで彫られているのが分かります。 まれた半鐘 4 個が吊られ、それぞれの半 鐘は「龍頭(りゅうず)」によってしっかりと吊るされています。 ★熊の秋葉山夜燈 「くんま水車の里」の南、 「旭」バス停 「龍頭」によって結ばれているのは、 戦時供出から地域ぐるみで逃れた半鐘だ の奥に立つ「秋葉山夜燈」の文字が刻ま けではなく、 「船明自治会」の地域の絆も。 れた春日灯篭。天保年間(1830~1843) 「龍」は、北遠の地域と地域とを結びつ に建立されたこの常夜燈の「火袋(ひぶ ける上でも、大事な役割を果たしていま くろ)」の下「中台(ちゅうだい)」と呼 す。 ばれる部分に、「龍」が刻まれています。 ★海蔵寺 臨済宗妙心寺派の海蔵寺があるのは、天竜区月(つき) 。つまり、この寺の 「龍」は、「月」に棲む「龍」というわけです。 手水鉢に身を乗り出す「龍」は、今にも舌を伸ばして水を飲もうとしてい るようです。 「月光山海蔵寺」と浮き彫りにされた梵鐘を釣る「龍頭」の「龍」 は巻き毛です。 ★市場の「龍燈」 「龍燈」と言えば、秋葉燈籠(灯篭)を雨風から防ぐために造られた木造 の鞘堂。遠州地方に数ある「龍燈」の中でも、美しさからすれば TOP3 に入 るのが下阿多古市場に立つもの。200 年以上も前、文化 6 年(1809)の建立 とされています。 村内、地域内の火防(ひぶせ)のために辻や路傍に建て、講中の者が交代 で灯りを点し続けたのが「龍燈」でしたから、その鞘堂にも雨を操り火災を 防ぐ霊獣「龍」があしらわれています。 屋根を押さえる瓦には、迫力のある龍の図柄が焼かれています。 軒下の欄間には、 「龍」と剣を持った人物が彫られています。ヤマタノオロ チを退治する日本武尊の姿だと思われますが、ヤマタノオロチの姿は水神で もある「龍」の姿です。 ★稚児の滝の騎龍観音 稚児の滝の脇には、龍に乗る観音様「騎龍観音」 が祀られています。この仏様は、33 に変化(へん げ)すると言われる観世音菩薩の 1 種です。 ★二俣川のドラゴン 二俣川の堤防に、 「川をきれいにしまし ょう」の看板が立っています。メッセー ジを伝えているのは、可愛らしい「龍」 です。 あれ?背中に小さな羽が?もしかした ら、西洋のドラゴン? 「川はみんなのものです。ふるさとの 川を守り 美しい川にしましょう。 」と、呼びかけています。 ★ナニコレ珍百景「龍のような青信号」 2009 年 3 月に OA されたテレビ朝日 「ナ ニコレ珍百景」で見事「珍百景 No.224」 に認定されたのが、二俣の「龍のような 青信号」です。 双竜橋側から近づくと手前の信号機の すぐ向うに、時差式の信号機が立ってい ます。手前の信号と奥の信号の見間違い を防ぐために設置されている信号ですから、遠目には点いているようには見 えないのですが、近づくにつれてだんだんとはっきりとして来ます。 。 その距離や角度がたまたま合うと、 「龍」の顔が浮かんで見えます。
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