秋 の 深 ま り と と も に 過 ご し や す い 気 候 に な る と、 夏 バ テ で 低 下 し が ち だ っ た 食 欲 が 復 活 し、 つ い つ い 食べ過ぎてしまう⋮⋮。そんな人も多いのではないでしょうか? 旺盛な食欲は健康の証ともいえますが、 と り す ぎ た エ ネ ル ギ ー は 脂 肪 と な っ て 体 内 に 蓄 え ら れ、 メ タ ボ リ ッ ク シ ン ド ロ ー ム や 生 活 習 慣 病 の 大 き は、 糖 尿 病 や 高 血 圧、 脂 質 異 常 症 な ど の 生 活 習 慣 病 を 合 併 し や す く、 心 筋 梗 適正エネルギーを知って、 過不足なく エネルギーをとる な 要 因 に な り ま す。 自 分 に と っ て の 適 正 な 摂 取 エ ネ ル ギ ー を 把 握 し、 健 康 的 な 食 事 を 心 が け な が ら 食 欲 の秋を楽しみましょう! 健康を守る食事の基本は エネルギー収支バランス 塞や脳卒中の最大の危険因子であるメ 摂取エネルギーが消費エネルギーを 上 回 ら な い よ う に す る た め に は、 運 動 に必要なエネルギー量を左の表のよう に 推 定 し て い ま す。 ご 自 身 の 年 代 や 活 動量と照らし合わせて、適正エネルギー 推定エネルギー必要量(kcal /日) ※身体活動レベル Ⅰ…デスクワーク中心で、生活の大半が座位 Ⅱ…デスクワークだが、通勤、家事、軽い運動などの習慣がある Ⅲ…立ち仕事や体を使う仕事、または活発な運動習慣がある ※活用にあたっては、食事摂取状況のアセスメント、体重及びBMIの把握を行い、エネルギーの過不足は、体重の変化またはBMI を用いて評価してください。 ※身体活動レベルⅠの場合、少ないエネルギー消費量に見合った少ないエネルギー摂取量を維持することになるため、健康の保持・ 増進の観点からは、身体活動量を増加させる必要があります。 ※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版) 」 より の目安として参考にしてみましょう。 Ⅲ 2,200 2,300 2,200 2,000 女性 Ⅱ 1,950 2,000 1,900 1,750 Ⅰ 1,650 1,750 1,650 1,500 Ⅲ 3,050 3,050 2,800 2,500 タボリックシンドロームを引き起こす 肥 満 や 生 活 習 慣 病 を 予 防・ 改 善 す る た め に は、 摂 取 エ ネ ル ギ ー が 消 費 エ ネ で 消 費 エ ネ ル ギ ー を 増 や す と と も に、 ことが知られています。 命活動や日常の活動のエネルギー源と ル ギ ー を 上 回 ら な い よ う、 エ ネ ル ギ ー 私たちは毎日の食事からたんぱく質、 脂 質、 炭 水 化 物 を 体 内 に と り 込 み、 生 し て い ま す。 こ の 食 事 か ら と る エ ネ ル 毎日の食事では過剰になりがちな摂取 厚 生 労 働 省 が 定 め る﹃ 日 本 人 の 食 事 摂取基準︵2015年版︶﹄では、 1日 ることが大切です。 知 り、 過 不 足 な く エ ネ ル ギ ー を 摂 取 す わち自分にとっての適正エネルギーを ん。 1 日 に 必 要 な エ ネ ル ギ ー 量、 す な 減らせばよいというわけではありませ た だ し、 摂 取 エ ネ ル ギ ー は や み く も に エ ネ ル ギ ー を 減 ら す 工 夫 が 必 要 で す。 の収支バランスを図ることがまず重要 です。 ギ ー を﹁ 摂 取 エ ネ ル ギ ー﹂ と い い、 日 常の活動や運動で使われるエネルギー を﹁ 消 費 エ ネ ル ギ ー﹂ と い やせるバランス 男性 Ⅱ 2,650 2,650 2,450 2,200 Ⅰ 2,300 2,300 2,100 1,850 性別 身体活動レベル 18 ∼ 29 歳 30 ∼ 49 歳 50 ∼ 69 歳 70 歳以上 います。 < 消費エネルギー 摂取エネルギー > 消費エネルギー 摂取エネルギー 摂取エネルギーが消費エ ネ ル ギ ー を 上 回 る と、 余 分 なエネルギーは脂肪として 体 内 に 蓄 積 さ れ、 肥 満 に な り ま す。 な か で も 内 臓 に 脂 肪がたまる内臓脂肪型肥満 太 太るバランス 保健だより 2 014 .9月号 ● 4 摂取エネルギー過剰になる原因は、大きく分けて2つあります。1つは、量をたくさん食べてしま う、いわゆる「食べ過ぎ」 。もう1つは、量はそれほどではなくても、 「高エネルギー食品」を中心に 食べているケースです。この2点に着目して、摂取エネルギーを減らす工夫をしてみましょう! 1.食べる量を一律減らす 量をたくさん食べ過ぎている場合は、主食とおかずを一律、普段の4/5程度に減らします。ただし、 野菜や海藻類、きのこ類など、もともと低エネルギーの食品は減らす必要はありません。食べる順番も、 これら低エネルギーの食品から先に、ゆっくりよく噛んで食べるようにすると、自然と4/5を実践でき るようになります。 2.脂質を減らす 脂質は1gあたり9kcalとエネルギーが高く、 こんな食べ方は今すぐやめよう! 過食を招く食べ方 摂取エネルギー過剰の大きな原因でもあります。 脂質は少し減らすだけでも効果が高く、たんぱく 過食になりがちの人には、食べ方に共通のパ 質や炭水化物で満腹感を補えるので、減らすこと ターンが見られます。以下に挙げるような食べ方 による苦痛もそれほど大きくありません。 をしている人は要注意! いわゆる早食いは、満 腹感を感じる前に必要以上に食べ過ぎてしまい、 具体例 揚げる・炒めるよりも、蒸す・煮る・網焼きにする 結果、摂取エネルギー過剰になってしまいます。 肉類は下ゆでや湯通しをする しをする 口30回を目標に 1日3食を規則正しく、ひと口30回を目標に う! ゆっくりよくかんで食べましょう! 調理前に脂身や皮を 取り除く かむ回数が少ない 一度に口に入れる量が多い 短時間(5分くらい)で 食事を済ませがち まとめ食い など ドレッシングは ノンオイルにする 牛乳やヨーグルトは 低脂肪タイプにする など 三大栄養素をバランスよくとろう! 私たちの体でエネルギー源となるのは、三大栄養素と呼ばれる「たんぱく質」 、 「脂質」 、 「炭 水化物」です。摂取エネルギーは、これらの栄養素からバランスよくとることが大切です。 ◆ 総摂取エネルギーに占める三大栄養素の割合(%エネルギー) 目標量(男女共通) 脂質 年齢 18歳以上 たんぱく質 13∼20 脂質 20∼30 炭水化物 飽和脂肪酸 7以下 50∼65 ※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」 より ※各栄養素の範囲については、おおむねの値を示したものであり、生活習慣病の予防や高齢者の虚弱の予防の観点からは、弾力的に運用してください。 ※炭水化物にはアルコールを含みますが、アルコールの摂取を勧めるものではありません。 たんぱく質 脂質 炭水化物 5 ● 2 014 .9月号 保健だより 肉類、魚介類、卵、乳製品、大豆・大豆製品に多く含まれています。肉類や乳製品 など動物性食品からたんぱく質をとる場合は、脂質のとりすぎに注意しましょう。 動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸やコレステロール、リノール酸(紅花油やコー ン油など)はとりすぎに注意。オレイン酸(オリーブ油や菜種油など)、α- リノレン 酸(しそ油やえごま油など) 、DHA・EPA(青魚など)は積極的にとりたい脂質で すが、脂質はどれも高エネルギーなので、総量としてとりすぎないよう注意が必要です。 おもに主食となるごはん、パン、麺類などに含まれています。近年、日本人の食生活は、 炭水化物からとるエネルギーの割合が減り、代わって脂質からとるエネルギーが増え ているといいます。また、アルコールや甘いものに含まれる糖質も炭水化物の1つで すが、主食でしっかりエネルギーを補うようにしましょう。
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