特定商取引法は、事業者による不公正な行為を防止し、 消費者を守るための法律です。消費者トラブルが生じ やすい 7 つの取引類型に関する規制内容と、クーリング・オフ等の消費者保護のルールを定めて います。7 つの取引類型とともに、問題となっている商法と主な違反行為をご紹介します。 主な違反行為 訪問販売 消費者の自宅など、店舗以外の場所で 商品の販売等を行う取引のことです。 特に、高齢者などを対象に、大量の 商品やサービスを契約させる『次々販売』 が問題になっています。 ■「点検です。 」などと販売目 的を隠して訪問し、勧誘の前 に事業者の名称を告げない。 ■契約書面を渡さない。 ■日常で必要とされる量を大 幅に超える商品を販売する。 通信販売 消費者から、郵便やインターネットなど の通信手段により契約の申込みを受ける 取引のことです。 商品を注文したが、届かない、届いたが 偽物だったなどの被害が発生しています。 ■広告に住所や電話番号などの 連絡先を表示しない。 ■「1 ヶ月で 10 ㎏減量!」など、 商品の性能や効果を誇大に広 告する。 電話勧誘販売 事業者が消費者に対して電話をかけ、 勧誘を行う取引のことです。 突然電話をかけ、健康食品などを送りつける 『送り付け商法』や、電話をかけるよう巧みに ■「断ります。」と、消費者が言 っているのに、勧誘を続ける。 また、繰り返し勧誘をする。 ■大きな声を出したり、不安にな 消費者を誘導し、悩みや不安に付け込んで るようなことを言って、消費者 祈祷などの高額な契約をさせる『開運商法』 を困惑させる。 が問題になっています。 連鎖販売取引 友人などを販売組織に加入させると 報酬が得られると言って勧誘し、 販売組織に参加する条件として、 金銭を負担させる取引をいいます。 いわゆる『マルチ商法』のことで、 「簡単に儲かる。 」と言われて契約して しまうようですが、借金と在庫だけが 残ってしまう場合もあるようです。 最近はSNSを利用した勧誘もあります。 ■「健康セミナーに参加しな い?」など、ビジネスの勧誘目 的であることを隠して誘う。 ■「月収 30 万円は確実!」「友 達を紹介するだけで収入に。」 など、多額の報酬が簡単に得ら れると誤解させることを言う。 ■個人の住居や、ホテルの部屋な ど、一般の人々が自由に出入り しない場所で勧誘する。 主な違反行為 ■契約書面などに記載していな 特定継続的役務提供 い費用を請求する。 エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、 ■途中で契約をやめた消費者に、 結婚相手紹介サービスの6つが対象とされています。 規定の精算金を払わない。 業務提供誘引販売取引 「仕事を紹介するので、収入が得られる。 」などと勧誘し、仕事に必要 ■在宅ワークなどで、実際以上 に高収入が得られるような であるとして商品などの購入を求める取引のことです。 広告をし、勧誘する。 いわゆる『内職商法』のことで、仕事の紹介はほとんどなく収入が得 られないうえ、支払いだけが残るなど、問題になっています。 ■消費者が買い取りを依頼し 訪問購入 ていない物品(例:貴金属) 消費者の自宅等で事業者が物品を買い取る について、勧誘する。 取引のことです。 ■クーリング・オフを妨害し、 『押し買い』が問題になっています。 物品を返還しない。 特定商取引法の申出制度は、上記のような違反行為 を繰り返し行う悪質事業者についての情報提供制度 です。同じような被害を防ぐために、国や都道府県に対して適当な措置を求めることができる制度です。 Q1 誰でも申し出ることができ A1 ますか? Q2 申出は、どのようにしたら はい、直接被害にあった人に限らず、個人、法人を問わず誰でも できます。 A2 必要事項(※注)を記載した申出書を提出します。 (※注:①申出人の氏名や住所、②事業者の名称や所在地、 よいのでしょう? ③取引の種類、④ルール違反の具体的な内容など) A3 Q3 提出先はどこですか? 勧誘されたり、契約した都道府県の範囲内で活動している事業者 については「都道府県知事」、広域で活動している事業者について は「消費者庁長官または経済産業局長」に提出してください。 Q4 提出するとどうなるのでし A4 ょう? Q5 個別のトラブルも解決して 申出書を受理した行政機関は、情報収集や調査を行い、必要に応 じて事業者に対して指示、業務停止命令などの措置を行います。 A5 くれますか? 申出制度は、消費者被害を防止するための制度です。個別のトラ ブルを解決するには、消費生活センターなどにご相談ください。 特定商取引法や申出制度について詳しく知りたい方、申出書の提出を検討されている方へ パンフレット「申出制度って何?」では、特定商取引法の主な規制内容や、 申出書の様式、書き方、提出先など、全8ページにわたって解説しています。 パンフレットの詳しい掲載内容は 消費者庁のHPでご覧になれます。 http://www.caa.go.jp/trade/moushide.html#s01 パンフレットをご希望の方は、日本産業協会 相談室までご連絡ください。 お気軽に相談室までお問合せください。 (一財)日本産業協会 相談室 月~金 申出制度 また、特定商取引法や申出制度に関して、ご質問やご不明な点がございましたら、 03-3256-3344 午前 10 時~午後 5 時(年末年始・祝祭日は除く)
© Copyright 2024 ExpyDoc