コンピュータリテラシ 第4回 CL4a(木曜1限) CL3b+CL4d(金曜1限) 担当 久野禎子 http://www.e.gsic.titech.ac.jp/~ykuno/ コンピュータのハードウェア構成 概要 『D is for Digital ~ What a well-informed person should know about computers and communications ~』 Brian W. Kernighan 著 p10~p15 DisforDigital.net ブライアン・カーニハン著、久野 靖訳、「デジタル作法」、 オーム社 コンピュータの中身 • CPU(プロセサ)、RAM(メモリ)、ディスク(2次記憶)、そし てその他さまざまな要素が、互いに情報をやりとりす るためのバスと呼ばれる一群の配線によって接続さ れている。 図:「デジタル作法」より 60年以上にわたって標準的な、 フォン・ノイマン型アーキテクチャ • 今日のコンピュータも、「汎用の計算装置」が 備えるべき3大機能を持っている。 (1) CPU ⇔ 「計算と制御」 (2) RAMとディスク ⇔ 「記憶」 (3) キーボード・マウス・画面 ⇔ 「人 間のオペレータとの接続(入出力インタ フェース)」 (1) CPU(Cental Processing Unit) • コンピュータの計算の特徴: CPUは実行でき る基本動作はごく限られるが、それをものす ごい速さで(1秒間に何十億動作も)行う。 • CPU内部では、クロック信号でタイミングを刻 んで基本動作を順次実行させる。1秒を何刻 みにするかで、CPUの動作速度が変わる。 ←平凡な2.1GHzのCPUは、1秒間あたり 2,100,000,000刻みの信号で動作している。 大きな数の呼び方 K キロ 1,000 M メガ 1,000,000 G ギガ 1,000,000,000 T テラ × 1,000 P ペタ × 1,000 注)1 京(けい) = 10P 千 百万 十億 兆 千兆 CPUの性能を決めるもの: ●クロック周波数 ●処理ビット数 ●搭載コアの数 ●キャッシュメモリの有無 その他、演算装置や演算の割り 当て方法、などによる 表:「デジタル作法」より (2)RAM(Random Access Memory) メインメモリ/主記憶:CPUに近い • メインメモリ(RAM)には、CPUが現在作業対象 にしているデータと、そのデータをどのように処 理するかを指示する命令列(プログラム)も格納 (ストア)されている。 • ストアドプログラムという考え方は大事。RAMに 別の命令列をロードすることでCPUに別の計算 をさせられるおかげで、汎用の装置となる。 RAMは、コンピュータが実行している間に情報を格 納しておく場所。実行中のアプリケーションプログラ ムの命令列、裏方のOSの命令列も格納されている。 RAMの性質 • RAMの内容は、どの場所のデータや命令でも、 CPUから同じくらい迅速にアクセスできる(ラン ダムアクセス)。 • RAMの記憶内容は、電源を切ると現在入って いる情報はすべて失われてしまう(揮発性)。 • RAMの記憶の容量の単位は「バイト」。 1バイトというのは、英字の1文字ぶんていどを (区別して)表せる大きさ。ノートPCは20億バイト (2GB)くらい。 情報量とその単位 • メモリで憶えたり、CPUで計算処理できるものの最小単 位は、0または1のどちらかひとつ = 1ビット(bit) • 1バイトは0または1が8つ。 1B(yte) = 8bits 0000 0000(2) ~ 1111 1111(2)の二進数に対応させて、 256通りのものを区別できる メモリで憶えたり、 CPUで計算処理できるものの基本単位 は1バイト(8桁の二進数) • 1キロバイト(KB) = 210バイト = 1024B • 1メガバイト(MB) = 1024KB • 1ギガバイト(GB) = 1024MB 教科書 2.1.1 ビットとバイト (2)ディスク ハードディスク、2次/補助記憶 • 電源が切られても内容を保持し続けられる、 RAMより大量の情報を格納できるメモリ。磁 気ディスクであるハードディスクやディスクドラ イブ。RAMと比べて100倍くらい廉価だが、情 報にアクセスするのにはずっと時間が掛かる。 • データも、命令列も、その他全ては長期的に はディスクに格納されていて、そこから一時 的にRAMに持ってきてCPUで使っている。 ディスクの性質 • ノートPCのハードディスクは数百GBの容量であり、さ らにUSBソケットで接続できる外付けディスクはTB(テ ラバイト)単位の容量(1TBは1兆バイト)。 • 磁気ディスクは円盤が回転するのを読み取る。 • フラッシュメモリを用いた「半導体ディスク」は軽量で 信頼性が高く電気も食わないが、高価。 画像: 「デジタル作法」より ディスク上のデータの扱い • コンピュータに憶えさせるあらゆるデータは、 ディスク上に、ファイル単位で置かれる。 • 物理的にはどのような媒体の上にあるファ イルでも、WindowsのエクスプローラやMac OS XのFinderを使えば、ディスクの中身は 「階層化されたフォルダの中にファイルが 入っている」という同じ論理構造(ファイルシ ステム)で見たり、管理できる。 ディスク上のデータの扱い: ファイルシステム • フォルダに複数のファイルが格納できること を利用して、コンピュータ内のファイルは階層 構造で格納されている 根元のフォルダ(ルート) * Finderの窓の上に 中身を表示中のフォル ダの名前が表示されて いる。 * そのフォルダ名を、 Commandキーを押しな がらマウスでクリックす ると、そのフォルダの ルートからの階層(絶対 パス)が分かる。 フォルダ フォルダ ファイル ファイル ファイル ファイル フォルダ ファイル * ファイル=ファイル名+ファイル拡張子 ファイルシステムの機能 <データの保持> • ファイルシステム→ファイルを階層構造に整理して 格納している。 • ファイルシステムからファイルを取り出して実行をス ケジュールするのはOSの仕事。 <参考>windowsPCだと、c:¥はハードディスクで、システムプログラム(つま りOSのプログラム)やアプリケーションプログラムが格納されている。ディスク f:¥はメモリスティック、等々。 <データの保護> • 保護モード • ファイルの諸属性 ファイルのパス名 • フォルダを使って整理されたファイルの階層構造で の、あるファイルの在所を表す方法 (ファイルの)絶対パス名 ディスク:¥フォルダ¥・・¥フォルダ¥ファイル名.拡張子 ●ディスク名はc:はPCのハードディスク本体、d:やf:はメモリス ティックなどの大記憶容量デバイス ●ファイル拡張子は、ワード文書「.docx」、エクセル「.xlsx」、パ ワーポイント「.pptx」、webページ「.html」、javaソースは 「.java」、rubyソースは「.rb」、Cソースは「.c」、各種画像ファイ ル「.jpg」「.png」「.gif」など、ファイルの種類を表すもの 根元のフォルダ(ルート)「/」 フォルダ フォルダ home1 ファイル 2008 ファイル フォルダ CL ファイル ファイル ファイル Bunsho.docx /home01/2008/CL/bunsho.docx このwordファイルのフルパス ファイルの相対パス名 • フォルダを使って整理されたファイルの階層構造で、 今いる場所(カレントディレクトリ/フォルダ)からの相 対的な言い方で、各々のファイルやフォルダの在所 を表す方法。 • 「.」 今いる場所(カレントディレクトリ) • 「..」 ひとつ上の場所 • 「~」 各自のファイルシステムのルート(ホームディ レクトリ) などの記号を用いて、ルートから全部の指定を記述 しないで済む指定方法 ファイルについて(まとめ) • ユーザがコンピュータのディスクを使って覚えさ せるものの基本単位 • ファイル=ファイル名+ファイル拡張子 • コンピュータにとって最もシンプルな基本のファ イルは、テキストファイル(ファイル拡張子 .txt) • ファイルの指定は、2通りの方法で可能。 絶対パス名: ファイルシステム上のルートからの位置 相対パス名: カレントディレクトリからの相対的な位置 ファイルの扱い(まとめ) • テキストファイルを新規に作ったり、中身を編集す るツールはテキストエディタ。 • ファイルやフォルダは、Finderで調べたり各種操作 (コピー、移動、削除など)する。 Finder • Finderの環境設定、詳細で、「すべてのファイル名 拡張子を表示」は必ずチェックして使おう。 • フォルダやファイル名をマウスで右クリックすると 可能な操作の一覧が表示される。「情報を見る」で、 そのフォルダやファイルの詳細表示。 補足: Finderで行える操作は、ターミナル窓からコマンドで も行うことができる。OS Xのコマンド操作はUnix流のコマンド。 (3)その他の機器 • ユーザが入力に使うマウス、キーボード、タッ チパネルなど、出力用のディスプレイ、プリン タ、スピーカ、イーサネットや無線などのネット ワーク装置などが、バスでつながれている。 • コンピュータ内部でCPUとRAMを結ぶものは 配線が短く高速で高価。コンピュータに外部 機器を接続するためのバスUSB(universal serial bus)は配線が長く安価。 その他の接続機器、今後のコンピュータ • その他多くの接続機器があり、どの機器も物 理的な特性を高め、より多くの機能をより小さ いサイズでより廉価にという方向で進化する。 • そのうちのいくつかの機器を集めた携帯電話 やiPadなどタブレット端末などは、アーキ テクチャはノートPCと同じコンピュータで、 違うのは大きさや電力だけ。 パソコンのハードウェアに 興味のある人のための参考ページの例 「パソコン 分解」でwebページ検索や画像検索 をしてみよう https://www.google.co.jp/ http://www.yahoo.co.jp/ • http://bunkai2010.web.fc2.com/ • http://www.way-on.com.tw/PCbasal/index.htm • http://jisaku-pc.net/ 携帯やタブレット端末も パソコンと同じコンピュータ • 携帯やタブレット端末の中身 「携帯 分解」で画像検索 「タブレット端末 分解」で画像検索 • 携帯やタブレット端末も、パソコ ンと同じセキュリティ対策が必要 スーパーコンピュータも 同じコンピュータ • TSUBAME 2.0 のプロ モーションビデオを見 ることができる YouTubeサイト https://www.youtube.com/watch?v=XFqH3d1P0Vc → ペタコン(演算速度、ストレージ) 、 みんなのスパコン Q.なぜスパコンが必要なの? gsic作成の 説明用スライドから スパコンの利用法 ⇒ シミュレーション = コンピュータ上での擬似実現 ・ 科学技術 → 実験 → 発見 ・ 産業利用 → 設計,テスト ・ 生活 → 予測技術 星間物質の動き by 村主(京大) 津波の動き by 青木(東工大) ・ 実現不可能 ・ コスト削減,効率向上 ・ より正確な予測のために 空気抵抗の試験 Q.なぜスパコンが必要なの? gsic作成の 説明用スライドから シミュレーション:どうやるの? シミュレーションでは速度が重要 (例1) 何度もテストしたい 100 倍速くなると 1 時間×1万回 = 400 日 4日 (例2) 精度を上げたい 100 倍速くなると 5 km × 5km の格子 500m × 500m の格子 同じ時間で! 考えてみよう! 教育システム内の自分のデータ • (目の前のPCで)自分のファイルやフォルダを 新規に作ったり、保存したりしてみよう。「Word で何か書いて、ファイルに保存する」というよう なお馴染みの操作をしてみる。 • 自分のデータファイルの保存先は概ねドキュメ ントフォルダ(以下)を使う。デスクトップなども 使って良い。 • そのデータファイルの保存先は、一体どこな のだろう? 教育システム内の自分のデータ • Finderの家(ホーム) _Mac • 画面右上の自分のユーザ名のディスク。ここ は、Windows側を使用すると _Win も表示。 • _Mac以下のファイルシステムも、_Win以下の ファイルシステムも、TSUBAME上のディスク。 • TSUBAMEと、目の前のパソコンとは、ネット ワークで通信する。 TSUBAME上のディスクのようす(1) • Finderでアプリケーションの「ユティリティ」の中 にある(あるいは、Launchpadの「その他」の中 にある)、ターミナル.appを起動 • ターミナルの窓に、英数キーを押してpwdと打 ち、その結果(usr*の数字のところ)をしっかり覚 える。 … $ pwd /home/usr9/15PT0001 TSUBAME上のディスクのようす (2) • Finderの窓を選び、「移動」メニュー、「サーバーへ接続」をする。 • (英数キーを押し)サーバアドレス欄に、pwdコマンドで調べた自分の 情報で、以下のように打つ(15PT0001ユーザの場合) smb://nest2.g.gsic.titech.ac.jp/home0/ usr0からusr9までの10個のフォルダに分けて、教育用電子計算 機システムの全ユーザが登録されている、TSUBAME上のディ スクのようすが見える。自分のホーム(ディレクトリ)のあるusr* フォルダへ進み(ユーザが多いのでフォルダの中身の表示に 時間が掛かる)、自分の_Macフォルダの場所を探してみよう。 usr9/15PT0001/_Mac *自分のホーム(ディレクトリ)以下のファイルシ ステムは自由に見られる。 *他人のホーム(ディレクトリ)以下のファイルシ ステムは見れないのが普通、そうじゃないと困り ますよね? <= ファイルの保護! TSUBAME上のディスクのようす(2‘) • • • • • (2)でサーバと接続をする。 Finderの窓で、「(自分の)ホーム _Mac」を表示。 その窓の表示中のフォルダ名(自分のユーザ名)を、Commandキーを押し ながらマウスでクリック 表示される「pcm******」を選ぶと、今日あなたが使っているPCに関係する ディスク情報が表示される。MacintoshHDがそのパソコンのハードディスク。 「home0」のディスク情報を表示する。 usr0からusr9までの10個のフォルダに分けて、教育用電子計算機システムの 全ユーザが登録されている、TSUBAME上のディスクのようすが見える。自分の ホーム(ディレクトリ)のあるusr*フォルダへ進み(ユーザが多いのでフォルダの 中身の表示に時間が掛かる)、自分の_Macフォルダの場所を探してみよう。 usr9/15PT0001/_Mac *自分のホーム(ディレクトリ)以下のファイルシ ステムは自由に見られる。 *他人のホーム(ディレクトリ)以下のファイルシ ステムは見れないのが普通、そうじゃないと困り ますよね? <= ファイルの保護! 以上、 • 教育用電子計算機システムで作って使う「自 分のファイル」は、そういう場所にあるんです よ、という話でした。 自分の大事なデータファイルのこと • 演習室で(Word、Excel、PowerPointなどの)ア プリケーションを使ってファイルを作ったら、そ のファイルを家に持ち帰りたい • 家のアプリケーションで作ったファイルを演習 室に持ってきて使いたい ← 少数のファイルなら、添付メールで自分宛 に送っておけば良い USBメモリの利用については要注意! • USBメモリは忘れ物になるケースが多い • 暗号化機能を利用しないものは中身を人に 見られる USBメモリの利用については要注意! • USBメモリは忘れ物、落し物になるケースが多い どうしても使用したければ、 ●必ず、記名すること ●目印や、忘れ防止になる派手なマ スコットや長いストラップを付ける ●シリアル番号などが書かれたものは それを記録しておく USBメモリを紛失したら • 東工大のすべての遺失物は遺失物センター http://edu.gsic.titech.ac.jp/?q=lost • USBメモリ(音楽プレイヤー、電子手帳、ゲー ム機も同様)の扱いは厳しいから、記名ない 場合、紛失したら戻らない これらの落し物は、大学でも警察でも中身の確認は行わない 理由(1)個人情報を含む可能性がある (2)確認のため使用したらウィルス等の感染の恐れがある ↓ 中身の データ以外からしか持ち主を特定できない場合には返 却はされない ↓ 返却されない場合は問答無用で廃棄 携帯電話の充電 • 携帯機器を充電したまま忘れ物になるケース も多い 携帯機器の充電には、 ●長めのケーブルを用意し、うっかり 置き忘れないよう手元まで届くようにし て充電しよう 個人データのバックアップについて • セキュリティガイド http://www.titech.ac.jp/rinri/security1.shtml • データは、個人のパソコンやUSBメモリに保存す るよりも、ネットワーク上に置く方が概ね安心 ー 家のパソコンより学校のTSUBAME上 ー 秘密でないデータについては,外部の信頼で きるアーカイブサービスを利用すると便利でもある ストレージサービスの例 • ドロップボックス https://www.dropbox.com/login?lhs_type=anywhere • グーグルドックス https://www.google.com/intl/ja_jp/docs/about/ 外部のどこかのサーバマシン上に、あなたのファイル が置かれていることには違いないので油断は禁物。 利用登録すれば個人情報も渡すことになる。 自分の大事なデータの安全性と、ネットワーク上の利 便性と、よく考えて利用する サービスの利用にあたっては、 利用規約をしっかり確認しよう! • (一例)ドロップボックスに置いたデータが、勝 手に削除される場合がある? 念のため: ドロップボックスのように手持ちのメールアドレスを登録してア カウントを取得するサービスがある。そういう場合、東工大共通 メールのアドレスと東工大ポータルと同一のパスワードを用い ては絶対にいけない、×! また登録するサービスが東工大共通メールのアカウントを登録 して利用して良いどうかをよく考えること(あまりに個人的なこと や怪しいことには東工大共通メールを使用しないように)。 情報倫理ビデオの紹介 • 東工大ポータルトップページ • 「情報倫理とセキュリティのためのガイド」 • 上部のリンク「情報倫理」をクリック http://www.titech.ac.jp/rinri/ethics.shtml • 情報倫理デジタルビデオ小品集5 • 学内から持ち出さないで視聴(ダウンロードして はいけない)。演習室ではイアフォンを使おう。 音量調整は F12とF11キーで行う。 補足 • 補足(キャンパス無線LANの接続設定ガイド) http://www.noc.titech.ac.jp/index.ja.shtml ・ ファイル交換サービス(P2P)の利用を検知 http://www.noc.titech.ac.jp/service/policy_violation.shtml 補足:プリンタ利用 • http://edu.gsic.titech.ac.jp/?q=printer • 教育システムのどのプリンタ(設置場所によらな い)からも同じに出せる。ジョブの保存期間は1 日(その日のうち?)。 • 1人年間200枚 - 両面印刷の利用(アプリケーションからの印刷 命令の画面を、きちんと確認し設定を行うこと) - 印刷の削除操作もちゃんとあるから、不要な 印刷はしない
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