労務レター6月

人
事
労
務
レ
タ
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平成 27 年 6 月
最 近 の 動 向
ブラック企業 社名公表
厚生労働省は、毎月の残業時間が月 100 時間超の従業員が一定の割合を占め、その状態が複数の事業
所で常態化している大企業などを対象に、是正勧告時の段階において社名を公表する方針を明らかに
した。過酷な労働を強いる「ブラック企業」の監視を強めて労働環境を改善させるねらい。
ここでのポイントは①社会的に影響力の大きい企業
②違法な長時間労働が複数人に認められ、この
状態が一定期間内に複数の事業場で繰り返されている事です。
大企業に限定しておりますが、中小企業でも良い人材確保の為にはブラックにならない事が重要です
収入が多い高齢者の基礎年金減額を検討中
政府の経済財政諮問会議が、一定以上の収入のある高齢者の基礎年金を減額する仕組みを検討してい
ることがわかった。国と現役世代の負担を軽くするのがねらいで、6月末にもまとめる政府の「財政
健全化計画」に反映したい考え。
将来の老後の生活保障の為に保険料を納めたものである年金から、それを一定以上の収入あるからと
言って減額させるのは制度を大きく変換させるも
です。今後の動向に注視していかなければなりません。
■ 労働保険 年度更新
申告・納付期限
6/1(月)~7/10(金)までとなっております
■ 算定基礎届(定時決定)
7/1 現在使用されている従業員が対象。7/10 までに提出となっております
退 職 後 の 失 業 給 付 の 日 数
従業員が退職するときの事務手続きの中に雇用保険資格喪失届と離職証明書(離職票)
があります。この離職証明書(離職票)によって、失業手当がもらえるか否かの判断がな
されます。(※失業手当とは本来は雇用保険 求職者給付 基本手当と言います)
またどのくらいの日数分もらえるのか、すぐもらえるのか否かなどの判断にもなります。
この違いは大きくわけると会社都合で辞めたのか、自己都合で辞めたのかによります。
専門用語では一般受給資格者か特定受給資格者に該当するか否かです。
例)自己都合の場合、倒産解雇等の場合の受給できる日数
①一般の受給資格者(定年・自己都合等)
10年以上
10年未満
20年未満
65歳未満
90日
120日
20年以上
150日
②特定受給資格者(倒産、解雇等により再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた)
1年以上
5年以上
10年以上
1年未満
20年以上
5年未満
10年未満 20年未満
30歳未満
90日
120日
180日
30歳以上35歳未満
90日
180日
210日
240日
90日
35歳以上45歳未満
90日
180日
240日
270日
45歳以上60歳未満
180日
240日
270日
330日
60歳以上65歳未満
150日
180日
210日
240日
一般の受給資格者とは、一般的には自己都合で離職した者。
特定受給資格者とは、倒産や解雇など本人の都合でなく会社側の都合で離職した者。
また自己都合でも体力の不足、心身の障害、疾病等で離職した者や、父若しくは母の死亡、
疾病により父若しくは母を扶養するために離職を余議なくされた場合など家族の事情が急
変したことにより離職した者などが特定理由離職者と呼ばれ、特定受給資格者と同じよう
に扱われます。退職勧奨などで退職した場合は事業主からの働きかけによる正当な理由で
の退職となり会社都合と考えます。
また一般受給資格者か特定受給資格者で失業手当をもらえるかにも影響します
原則は離職前の2年間に雇用保険の被保険者だった期間が12カ月以上ある場合となりますが
特定受給資格者に該当すれば離職前1年間に6ヵ月以上で判断しても良い事になっておりま
す。
従業員との雇用関係が終了する時、どのような理由で終了となるのか正しく認識すること
が必要で、退職者との間のトラブルも防げます。雇用関係が終結する時ほど注意を払って
いただければ幸いです。
ご質問、ご相談、ご意見等ございましたら、当職までお気軽にご連絡下さいませ。
TEL:03-5302-2011(※ 税理士法人上原会計事務所番号となります)
E-mail:[email protected]
(社会保険労務士 玉田誠)