日本語版 - Ernst & Young

2015年5月21
2015/16年度予算案
クルーズコントロール
2015/16年度予算案は「機能する計画」と言われれているが、その計画内容を正確に解読するのは非常に
難しい。賢明な予算ではあるが、展望を明瞭に表現するものではないからだ。
この予算案の驚くべき点は、子どもの貧困に対処する施策に対する関心の高さだ。ビル・イングリッシュ財務
相が子どもの貧困対策の見通しに対して軽視する発言をした後、それが予算案のまさに核心にあることがこ
の予算案でわかった。
ビジネスに関する計画に関しては、明確でない。経済見通しは引き続き上向きであり、今後4年間に年平均
2.8%の成長率の見通しである。これはニュージーランドの水準では高いレベルであり、なおかつインフレを引
き起こさない成長率であるが、今年度はそれが驚くほど低い0.1%となっている。どうやら今回の政府の
「計画」では、介入はあまりせずに、成り行きを見守るようである。
政府は引き続き財政収支の黒字化を目指すが、実効性が課題だ。財政上の優先順位は、引き続き黒字への
回帰であり、財政余剰を元手に適度の減税を打ち出し、債務残高をGDP比20%に削減することである(あるい
は見通し以上の財政余剰を確保できれば、債務残高をさらに下げる)。ただ、政府にとっての懸念は、来年度
の財政黒字がわずか1億7600万ドル程度と予想されることだ。
企業部門への支出の多くは、後手で断片的のようだ。この支出の背後に計画性があったとしても、企業マイン
ドを向上し経済成長に向けたビジョンを創るようなものではない。
経済
将来の減税;
債務残高の削減
財政上の優先順位は、引き続き黒字への
回帰であり、財政余剰を元手に適度の減税
を打ち出し、債務残高をGDP比20%に削減
することである(あるいは、見通し以上の財
政余剰を確保できれば、債務残高をさらに
下げる)。イングリッシュ財務相は認めなか
ったが、政府にとっての懸念は、来年度の
財政余剰がわずか1億7600万ドル程度と
予想されることだ。中核的な政府歳出は総
額749億ドルであり、歳入側もしくは歳出側
のわずかな変動により、1億7600万ドルは
端数処理で消える程度の僅少な額だ。財
政黒字を2年続けて逃すとなると、選挙前に
政治的なダメージとなる。経済が予想ほど
良い結果とならない場合、政治的圧力によ
り来年度予算案において、その場しのぎの
単発的な歳出削減策を招くおそれがある。
期待される新規雇用
財政黒字の見通しは、2019年までに
150,000人の新規雇用(この4年間に創出
された170,000人の新規雇用に加えて)を
創出し、失業率を4.5%まで下げ、年当たり
63,000ドルまで平均賃金を上昇させること
を前提としている。これらの新規雇用と賃金
上昇は、税収を増やし、福祉支出を減少さ
せることで、財政黒字を支える。雇用が拡大
しないと、黒字化も実現しない。
政府は『魔法』を使って雇用を簡単に生み
出すことはできないが、企業が事業を行うた
めの支援や環境の整備はできる。
雇用を促進するために、イノベーションへの
新たな支出がいくつかある。今後4年間にわ
たり新たに8000万ドルを、研究開発拡大補
助金(選挙の前に示唆)とすること、3年間に
わたり2500万ドルかけて、民間が主導する
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| 2015/16年度予算案
地域研究所を設立することなどである。この
研究所は、地方にイノベーションと雇用をも
たらすことを目的としている。
地方のブロードバンド拡大
地方セクターの成長の一環として、通信開
発税(Telecommunications Development
Levy)を財源に、地方のブロードバンド拡大
に1億5000万ドルが支出される。さらに次
のステージの超高速ブロードバンドの展開
に向けて2億1000万ドルの予備費を確保し
た。この総額3億6000万ドルのブロードバン
ドへの投資は、政府が教育から税制まで、
より多くのサービスを低コストで届ける手段
として、デジタルサービスの展開を進めよう
としている重要な政策である。
恩恵を受ける輸送セク
ターのキーウィレイル
(Kiwirail)
将来の投資基金(Future Investment Fund)
から9億3900万ドルを拠出するにもかかわ
らず、ブロードバンドへの支出以外には、イ
ンフラで新たな支出はほとんどない。この基
金は政府が資産売却から得た資金をプール
するためのものである。輸送の優先度の高
いものに割り当てられた2億4900万ドルのう
ち、2億1000万ドルは、キーウィレイルへの
資金提供である。この額は、大臣さえ「持続
可能でない」とコメントしたほど高額である。
税務
固定資産税コンプライアンス
の施策
以前発表されたように、予算案は不動産に
対する税法規制を強めており、その強化の
ための施策を含んでいる。
政府は、外国人を含め、利益目的で不動産
を売買している人たちが、公正に税金を支
払うことを求めている。
この施策には、所有後2年未満に売却した
投資不動産の売却から得る、あらゆるキャ
ピタルゲインに対して課税する「ブライトライ
ン(bright line、数値基準による線引き)」テ
ストの確立などが含まれ、透明性の高い、
特に非居住者の投資家を対象にした施策
も導入される。また固定資産税の納税順守
を促す活動に対して、内国歳入庁(Inland
Revenue)へ追加2900万ドルを提供すると
約束し、非居住者が居住用不動産を売却
した場合の源泉徴収税を導入する。
この税は、キャピタルゲイン全額に対して納
税者の限界税率で課税される。例え
ば、70,000ドルを超える取得のある納税者
に対しては、33%の限界税率が適用される。
予算案には、先日発表された以上の詳細は
含まれていない。2015年7月に「ブライトラ
イン」テストに関する論点書が発表さ
れ、2015年8月下旬に法律が導入される予
定である。私たちは、今回も国民の意見聴
取には短い期間しか確保されないと予想し
ている。また源泉徴収税に関する意見聴取
も予想されるが、まだ詳細は提示されてい
ない。
くわしくは、EYのグローバル・タックス・アラ
ートを参照。
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| 2015/16年度予算案
内国歳入庁監査にさらなる
資金提供
内国歳入庁は、更に、監査活動の推進資金
として5年間にわたり7300万ドルを受け取
る。予想される対象は固定資産税だけでな
く、アグレッシブなタックスプランニングや地
下経済も含まれるだろう。
► 固定資産税遵守、2億200万ドルの税回
収のために2900万ドルの支出
► 複雑な金融取引(アグレッシブなタックス
プランニング)、3億1300万ドルの税回収
のために1950万ドルの支出
► 地下経済、1億2600万ドルの税回収のた
めに2500万ドル
上述の通り、政府は全部で、6億4200万ド
ルの追加税収を予想している。これは驚く
べき精度での税回収見積りと言えるだろう。
税務調査の支出1ドル当たり8ドルの税回収
である。
キーウィセーバー
(KiwiSaver)の1,000ドル
積立開始報奨金(KickStart)支払いが終了
キ-ウィセーバーに加入することで受け取る
ことができた1,000ドルの積立開始報奨金
の支払いは終了した。この変更は、既存の
キーウィセーバー加入者には影響がない。
キーウィセーバーは加入者を集めることに
成功し、2007年の制度開始以来、250万
人のニュージーランド人がキーウィセーバ
ーの口座を開設し、合わせて25億ドルの積
立開始報奨金の支払いを受けた。 当初予
想した加入者数は、75万人程度であった。
政府補助金制度は、加入者の拠出金に対
して一人当たり年間最高521ドルを上限とし
て継続される。
者である。子供の養育費債務がある
120,000人のうち54,000人は年間所得が
30,000ドル未満である。
今後の加入に対する積立開始報奨金の支
払いを止めることで、今後4年間で5億ドル
が節約できる。
既存の仕組みは、明らかに機能していな
い。回収できない罰金を負債に積み重ね
た上、結局不良債権扱いとすることは、時
間とエネルギーの浪費である。政府の帳
簿では、16億ドル以上の負債が減損として
反映されている。17億ドルを損失処理して
いるにもかかわらず、わずか4700万ドル
が純コストであるというのは、いかに既存
の仕組みに問題が多いかを示している。
政府は、キーウィセーバーのメリットを減ら
していると思われないように常に注意を払う
必要がある。この制度の恩恵を減らしていく
改革を続けると、退職に向けた貯金高にマ
イナスの影響を与える。キーウィセーバー
の長期計画と基本原則は明確かつ永続的
でなければならない。
子供の養育債務は帳消
しに
予算の中で子供の養育費債務が税務関連
の主要な施策のひとつであるとは予想外で
あった。
政府は、子供への支援を強化するために、
親に支払義務のある約17億ドルの罰金を
今後4年間にわたり免除する。
養育費負債は現在32億ドルで、増加を続
けているが、約7億ドルが、実際の子供の
養育費で、残りは罰金による負債である。
養育費の受取者と支払者の多くは、低所得
トッド・マクレイ歳入大臣は、内国歳入庁が
今後「適正な」アプローチを採用していくと述
べている。回収不能な企業債務も相当額残
っている中、その成功に注目したい。
個人所得税率
これに関して発表はないが、特に予想外で
はない。しかし、「2017年からの所得税減
税の開始」は引き続き優先順位が高い。
減税の規模に関しての暗示はある。政府の
新規支出のため、2016年の分として10億
ドルを確保しているが2017年分は25億ド
ルとなっている。
将来の加入に対する積立開始報奨金を
止めることで、今後4年間で5億ドル以上
を節約
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| 2015/16年度予算案
社会福祉
貧困家庭の子ども支援
7億9000万ドルにのぼる貧困家庭の子ども
支援は、所得36,350ドル未満の160,000
の家庭を対象とする。ビル・イングリッシュ財
務相は、300,000人の子供が受給対象とな
ると推定している。
► 最も幼い子供が3歳になった時点で(現在
は5歳)、大部分の一人親と受給者のパ
ートナーはパート勤務に就ける状態にな
ければならない
► パート勤務をする義務がある受給者は全
員、毎週20時間(現在は15時間)の仕事
を見つけることが求められる。
► 子供がいる家族への手当は税引き後週
25ドル増加。同手当がインフレ率を上回っ
て増加するのは1972年以降初めてであ
る。
► 一人親支援の受給者は毎年、支援を得
るために再申請しなければならない。求
職者支援の受給者と同様となる。
► 年当たり税引き前で36,350ドル以下の
低所得の勤労者世帯は、「家族のために
働く」(WFF)からの支給額が毎週12.50ド
ル増額され、さらに補助金24.50ドルの
対象となる低所得家庭もいる。
► 勤労者世帯所得が36,350ドルを超える
家庭はWFFから追加の給付を受けるが、
週12.50ドル未満で、家計所得により正
確な金額は異なる。
► 家計所得が年88,000ドルを超える家族
は、WFF支払いが若干減る。平均的減少
額は週3ドル程度である。
► 低所得家庭向けの育児支援は、子供一
人につき、週50時間を上限とし、時間当
たり4ドルから5ドルへ増額される。
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| 2015/16年度予算案
► 貧困家庭に対する子ども支援策の具体
的な影響は、どのようなタイプの補助的
支援を受けるかを含め、それぞれの家庭
の状況により異なる。
これらは、2015/16年度予算案の重要施
策とされている。この点については、ジョン・
キー首相などが掲げてきた公約に基づくも
のだ。政府は支給の増額という飴とムチ(働
く義務という意味で)を組み合わせて提供し
た。今朝の話しの中で、ビル・イングリッシュ
財務相は、支援策の中核として働く義務の
強化が重要であると強調した。このアプロー
チは、新たな手法で行政サービスを提供す
るというビジョンを持ったものではなく、現在
の方法をさらに的を絞ったものと思われる。
働く義務を果たすことは、一部の親にとって
は厳しいかもしれない。
政府は、脆弱な立場にある子供たち、幼児
教育、目標を絞った高等教育の対策にも追
加支援を提供している。
住宅
発表された税制施策に加えて、以下予算を
割り当てている。
► オークランドの国有地で住宅開発を促進
する5220万ドルの臨時支出基金。
► 公営住宅のための3500万ドルに加え
て、公営住宅基金を通して資本補助を既
に予定していた約3000万ドル。
► マオリ族家族の住宅の状況を改善するた
めの3530万ドル。
► マオリ族の土地所有者の生産性改善を
支援する、新たなTe Ture Whenuaマオリ
ネットワークのための1280万ドル。
オークランドの国有地を解放するのではと
いう思惑が一晩で高まった。政府は、オーク
ランドで16軒あたり1軒の家を所有してい
る。そこから見積もると、国有地はおよそ
500ヘクタールあり、宅地造成の可能性が
あるということだ。政府はまだ購入できる土
地の区画を特定していないが、6ヵ月以内
に最初の一区画の土地に対して開発契約
を締結することを目標としている。動向を注
視したい。
医療
恒常的に医療支出は増加している。高齢化
と人口の増加に加えて医療技術の進歩に
より、医療支出の増加は不回避となってい
る。
医療支出は、現在、政府支出の20%、GDP
の6%を超えている。
以下、今年度の追加施策である。
► タイムリーに待機手術を受けられるニュージ
ーランド人の数を増やし、整形外科疾患の
予防と治療を改善するために9800万ドル。
► 試験的な腸がん検診を拡大するために
1240万ドル。
► ホスピスの苦痛緩和ケアサービスの拡大
支援のために7610万ドル。
幼児教育と学校
以下を含め、新たな運営資金として4億
4290万ドルの歳出を予定している。
► より多くの子供たちが、より幼い年齢から
今まで以上に長時間、幼児教育を受けれ
るよう7490万ドルを確保。
► 特殊教育のために4年間にわたり6290
万ドル。
► 学校の運営補助金活動を1パーセント引
き上げるために4230万ドル。
クライストチャーチ
復興
復興支援予算として、さらに1億800万ドル
を提供し、政府の支援総額を約165億ドル
とする(クライストチャーチ地震による総費
用は約400億ドル)。これは、アンカープロ
ジェクトのための土地造成に資金を提供す
るもので、建設開始前の土地の造成や計
画に従った復興事業を今後4年にわたって
実施する。
イングリッシュ財務相は、2万3000平方メー
トルのオフィススペースの完成を発表し
た。2016年末までに、1700人の政府職員
が、商業地区の中心に戻ることになる。
インフラ支出
政府保有株式売却プログラムにより、ほぼ
47億ドルの再投資を計画している。
この金額の内、9億3900万ドルは2015年
度予算で以下の通り割り当てられた。
► 超高速ブロードバンドの展開を拡大する
ために最大2億1000万ドル。
► 新しい学校、マオリ専門校、新しい教室を
造るため教育分野に2億4400万ドル。
► 高等教育では、リンカーン大学がリンカー
ンハブ開発の一部として科学施設を再建
するために、最高1億ドル確保。
► キーウィレイルは、2015/16年度に2億
1000万ドルの予算、そして事前の予算
約束として2016/17年度予算案で更に1
億9000万ドル割り当てられた。
► 以前に発表した通り、2015年予算で地
方の高速道に9700万ドル、都市部の自
転車専用道路に4000万ドルを提供。
► チャタム諸島のワイタンギ埠頭の立て直
しに備え最高5200万ドル。
► テ・パパ博物館のウエリントン・ビルへ
4000万ドルの設備投資。
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| 2015/16年度予算案
イノベーション
2015/16年度で合計15億ドルを上回る科
学とイノベーションへの支出にもかかわら
ず、ビジネスを後押しするような予算編成で
はない。
マイナーな事項として以下のようなものが含
まれる。
► ニュージーランド事業番号に1210万ド
ル。これは政府とのやり取りの際使用す
る、固有の識別番号を企業に発行する。
► 新しい民間主導の地域研究所の設立を
支援するために、今後3年間に最大2500
万ドル。
以前発表した、追加の8000万ドルの研究
開発成長補助金は、キャラハンイノベーショ
ンを通じて管理することを正式に決定した。
予算案では2016年に3億7500万ドルと
2017年に1億2000万ドルの減税を更に行
うことが示唆されている。
国民からの意見聴取の後に、これらの課税
についての最終決定を行う。
政府は、この減税がすべての納税者を対象
としており、従って企業、勤労者、自動車の
所有者の年間税額が下がると予想している。
国境警備を拡充として以下を予定する。
► バイオセキュリティへの予算を他国のシ
これは現在の税額のおよそ3分の1である。
► 国境での追加検査
► 新たな国境通過課税
| 2015/16年度予算案
政府は、家計と企業に対するACC課税額の
年額を2012年以降15億ドル減額した。
減税の一例として、平均的自動車課税は、
年間の登録税とガソリン課税をめ、2016年
に120ドル程度に下がるであろう。
ステムの監査を含め増額。
7
国家損害保険(ACC)の
減税
政府が現在財政の優先事項の5つの中に
ACCの追加減税を挙げていることは企業に
とって朗報だ。
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