2015年3月18日 県内各市町村 首 長 様 子どもと教育を守る高知県連絡会 代表世話人 棚野 美佳 地方教育委員会の自主性・独立性を尊重した行政の実施を求める要請 日頃は、子どもたちと教育のためにご尽力いただいていることに敬意を表します。 さて、2014 年の第 186 回通常国会において、与党などの賛成多数で可決・成立した「改正」地方教育 行政法は、教育委員長を廃し教育長を議会の同意を得て首長が任命することや総合教育会議を設けるこ となどを規定し、2015 年 4 月 1 日より施行するとしました。 今回の「改正」は、首長や国の関与を強化する内容であり、「地方教育行政は不当な支配に服すること なく国民に直接責任を負って行う」ことができるように国からも首長からも独立した制度として確立さ れてきた教育委員会制度を根本から変える可能性のある内容です。首長が変わるたびに教育行政の方針 が次々に変わるような現実が生まれれば、学校現場は混乱します。子どもたちの教育は、義務教育だけ でも9年という長い期間をかけて一歩ずつ育てていくものであり、短期間に結果を求めることはあまり にも性急です。この「改正」が、子どもたちの教育に大きな禍根を残す結果につながることを、私たち は懸念します。 昨年 7 月に文科省が通知した「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律につ いて(通知)」では、「教育委員会は引き続き合議体の執行機関である」こと、「教育長は教育委員会の意 思決定に基づき事務をつかさどる立場にあることに変わりはなく」としていること、「教育委員会と調整 のついていない事項を大綱に記載したとしても、教育委員会は当該事項を尊重する義務を負うものでは ない」こと、「法第 21 条に定められた教育に関する事務の執行権限は、引き続き教育委員会が有してい る」ことなど、あらためて国会審議等で確認された到達点を踏まえた説明をしています。 独立した委員会制度を維持していこうというこの姿勢は、憲法や子どもの権利条約の理念を活かし、 一人一人の子どもたちの教育を受ける権利を保障しながら、ゆきとどいた教育を実現するためにも、守 られるべきです。それには、地方自治体の行政責任を担い、総合教育会議を主催する立場である貴職の 考え方や姿勢も大きく影響します。これからも現行教育委員会制度の趣旨を守り続けながら、子どもた ちの将来のために、それは地域・日本の将来のために、計画的に着実な教育行政を進めていって欲しい と願っています。 以上のことを踏まえ、2015 年 4 月 1 日から施行される「改正」された地方教育行政法にかかわって、 以下のことを要請します。 記 1.教育における自主性や独立性、地方自治の原則の尊重など憲法と教育の条理にもとづく地方教育行 政を確立してください。 2.地方教育行政法第 21 条の教育委員会の執行権限に属する事項をはじめ、首長の権限が及ぶ事項であ っても、子ども、保護者、地域住民、教職員などの声を尊重し、教育の条理にもとづき意思決定する よう尽力してください。 3.文科省通知の運用にあたっては、教育委員会の自主性を尊重したものとなるよう尽力してください。 以上 2015年3月18日 教育委員長 教育委員会 様 教 様 育 長 子どもと教育を守る高知県連絡会 代表世話人 棚野 美佳 地方教育委員会の自主性・独立性を守り続け、 子どもたちにゆきとどいた教育を進めることを求める要請 日頃は、子どもたちと教育のためにご尽力いただいていることに敬意を表します。 さて、2014 年の第 186 回通常国会において、与党などの賛成多数で可決・成立した「改正」地方教育 行政法は、教育委員長を廃し教育長を議会の同意を得て首長が任命することや総合教育会議を設けるこ となどを規定し、2015 年 4 月 1 日より施行するとしました。 今回の「改正」は、首長や国の関与を強化する内容であり、「地方教育行政は不当な支配に服すること なく国民に直接責任を負って行う」ことができるように国からも首長からも独立した制度として確立さ れてきた教育委員会制度を根本から変える可能性のある内容です。首長が変わるたびに教育行政の方針 が次々に変わるような現実が生まれれば、学校現場は混乱します。子どもたちの教育は、義務教育だけ でも9年という長い期間をかけて一歩ずつ育てていくものであり、短期間に結果を求めることはあまり にも性急です。この「改正」が、子どもたちの教育に大きな禍根を残す結果につながることを、私たち は懸念します。 昨年 7 月に文科省が通知した「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律につ いて(通知)」では、「教育委員会は引き続き合議体の執行機関である」こと、「教育長は教育委員会の意 思決定に基づき事務をつかさどる立場にあることに変わりはなく」としていること、「教育委員会と調整 のついていない事項を大綱に記載したとしても、教育委員会は当該事項を尊重する義務を負うものでは ない」こと、「法第 21 条に定められた教育に関する事務の執行権限は、引き続き教育委員会が有してい る」ことなど、あらためて国会審議等で確認された到達点を踏まえた説明をしています。 独立した委員会制度を維持していこうというこの姿勢は、憲法や子どもの権利条約の理念を活かし、 一人一人の子どもたちの教育を受ける権利を保障しながら、ゆきとどいた教育を実現するためにも、守 られるべきです。それには、教育委員会の中心として教育行政の責任を担ってきた貴職の考え方や姿勢 も大きく影響します。総合教育会議の運用開始後も、現行教育委員会制度の趣旨を守り続けながら、子 どもたちの将来のために、それは地域・日本の将来のために、計画的に着実な教育行政を進めていって 欲しいと願っています。 以上のことを踏まえ、2015 年 4 月 1 日から施行される「改正」された地方教育行政法にかかわって、 以下のことを要請します。 記 1.教育における自主性や独立性、地方自治の原則の尊重など憲法と教育の条理にもとづく地方教育行 政をこれからも継続・確立してください。 2.地方教育行政法第 21 条の教育委員会の執行権限に属する事項をはじめ、首長の権限が及ぶ事項であ っても、子ども、保護者、地域住民、教職員などの声を尊重し、教育の条理にもとづき意思決定する よう尽力してください。 以上
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