2015 年 11 月 11 日 関係各位 <東海テレビ かわら版> 第47回東海テレビ文化賞 井形昭弘氏ら 3名と1団体に決定! 紹介番組:11月18日(水)午前 11 時 00 分から放送 (顕彰式は17日(火)午前10 時 30 分~東海テレビにて) 東海テレビ放送は、第47回東海テレビ文化賞の顕彰者を決定しました。 同賞は、昭和43年の東海テレビ開局10周年に制定され、東海地方に在住また は関係が深く、多年にわたり社会、文化、学術、産業などの各分野で功績のあっ た人や団体に贈られます。 顕彰式は11月17日(火)午前10時30分から東海テレビ放送本社(名古 屋市東区東桜1丁目14-27)で行われます。 また、顕彰者のプロフィールを紹介する「報道特別番組 平成27年東海テレ ビ文化賞~道一筋に~」は、11月18日(水)午前11時00分から11時2 5分まで放送されます。 顕彰者の経歴と受賞理由は次の通りです。 1 第47回東海テレビ文化賞顕彰者 <学術分野> い が た あきひろ 井形 昭弘(87) 名古屋学芸大学学長 <奇病・難病の原因解明と介護保険の導入などで 多大な社会貢献> <伝統芸能分野> にしかわ う こ ん 西川 右近 (76) 日本舞踊家 <永年の日本舞踊の普及、 高齢者健康舞踊の考案など意欲的に活動> た ま い ひ ろ こ 玉井 博祜(70) 能楽師 <女性能楽師の先駆者 能の発展と地域振興に尽力> <音楽分野> Vocal Ensemble ≪EST≫ (団体) (ヴォーカルアンサンブル イー・エス・ティー) 市民合唱団 <国内外合唱コンクールでの功績と 地域文化発展に尽力> 2 井形昭弘(いがたあきひろ) 昭和3年9月16日生(87) 名古屋学芸大学学長 <奇病・難病の原因解明と、介護保険の導入などで多大な社会貢献> 東大医局時代の昭和36年に埼玉県戸田市で相次いだ奇病「戸田病」(亜急性脊 髄視神経末梢神経症、スモン)の原因が、ウイルス感染ではなく整腸薬キノホル ムであることを突き止める。この我が国最大の薬害事件となったスモン病の被害 者救済は、その後頻発する薬害被害者の救済制度創設のきっかけになった。鹿児 島大学時代の昭和63年には、成人T細胞白血病ウイルスが免疫細胞と神経系を 侵す難病のHAM(ハム)を発見、この世界的な功績により、野口英世記念医学 賞を受賞した。さらに高齢化社会への取り組みのため、愛知県大府市に国立長寿 医療センター設立の構想が持ち上がった際、けん引役として平成5年に国立療養 所中部病院長に就任、老化のメカニズム研究など老年医学の拠点となる礎を築い た。また、脳死を人の死と認めるかどうかを検討した「臨時脳死及び臓器移植調 査会」(脳死臨調)の委員を務めた他、厚生労働省の社会保障審議会老人福祉部 会長として、介護保険の仕組みづくりと制度導入に尽力するなど、高齢化社会に 備えるための土台作りに多大な貢献をした。 また高齢化社会では “健康寿命”を伸ばすことが大切で、その上で尊厳死が認 められなければならないと一石を投じた。平成19年に日本医師会のガイドライ ンができたが、法制化をめざし活動している。 <略歴> 昭和29年 昭和40年 昭和46年 平成 元年 平成 4年 平成 5年 平成 6年 平成 9年 平成12年 平成14年 平成19年 平成24年 東京大学医学部医学科卒業 東京大学医学部神経内科助手 鹿児島大学医学部教授(59年同付属病院長、62年同学長) 野口英世記念医学賞 紫綬褒章 国立中部病院長 / 武田医学賞 日本医師会医学賞 あいち健康の森健康科学総合センター長 勲二等旭日重光章 名古屋学芸大学学長 中日文化賞 第13回日野原重明賞 3 西川右近(にしかわ うこん) 昭和14年6月4日生(76) 愛知県 日本舞踊家 <長年の日本舞踊の普及、高齢者健康舞踊の考案など意欲的に活動> 西川流は日本舞踊五大流派のひとつ。昭和14年、二世家元・西川鯉三郎の長男と して名古屋に生まれ、3才で初舞台。昭和31年より西川右近の名で本格的に舞踊家 として活動開始。藤間流宗家・六世藤間勘十郎に師事。日本舞踊の振付、出演、 指導等の活動の他、ラジオ、テレビ、新聞など幅広く活動する。 昭和58年、西川流三世家元となり、翌59年「名古屋をどり」初のアメリカ公演を 行う。昭和63年にもアメリカ大陸横断ツアーを行う。平成17年愛・地球博前夜祭 セレモニー「交響 絵巻源氏物語十二支」(音楽・冨田勲)を振付、EXPOドームに て日本舞踊公演をプロデュース。 西川流最大行事である長期の舞踊公演「名古屋をどり」は昭和20年より毎年秋に 開催。舞踊の大衆化を目指したこの公演は、古典のみならず創作舞踊劇の発信基 地として全国に知られている。第34回より主宰を引き継ぎ、毎年、新舞踊劇を発 表するなど意欲的な活動を続け、昨年9月、31年間つとめた家元を息子の千雅さん に継承し、自らは総師に就任した。 また、平成19年「日本舞踊を運動に」ということで、中京大学体育学部長・湯浅 景元教授と組んで、和のフィットネス「NOSS」(日本・おどり・スポーツ・サイ エンス)を考案。発表とともに厚生労働省の支援事業として長崎、福岡、岐阜、 三重、愛知、の五県下で開催。高齢者の筋力維持運動として広くフィットネス界 や、健康運動指導士の中にも浸透されつつあるなど、現在も精力的に多方面で活 躍している。 <略歴> 昭和14年 昭和17年 昭和31年 昭和37年 昭和57年 昭和58年 昭和60年 平成13年 平成27年 二世家元・西川鯉三郎の長男として名古屋に生まれる 3才で初舞台 西川右近の名で本格的に舞踊家として活動開始 名古屋演劇ペンクラブ賞 愛知県文化選奨文化賞 西川流三世家元 モナコ公国王室主催の舞踊会に出演 文部科学大臣賞表彰 名古屋市芸術特賞 中日文化賞 4 玉井博祜(たまい ひろこ) 昭和19年生(70) 岐阜県 能楽師 <女性能楽師の先駆者 能の発展と地域振興に尽力> 岐阜市出身。昭和39年、大学在学中に能楽研究会に所属し研鑽。和菓子店「玉 井屋本舗」を営みながら辰巳孝氏に師事。 昭和47年、能楽協会名古屋支部所属のシテ方宝生流職分。 平成16年に初めて同氏を含む女性能楽師が重要無形文化財総合認定保持者であ る日本能楽会員に推挙された。女性能楽師の地位確立において先陣を切って活動 を継続してきた功績は多大。 大阪、名古屋で定期能に参加し、全国各地への出張公演も行うなど精力的に活動。 演能は「石橋連獅子」「乱」「野宮」「熊野」「松風」「三井寺」「井筒」など 60番以上を数える。 昭和60年から続く岩村城址薪能や、岐阜護国神社鵜篝能(うかがりのう)など 地域に根差した伝統芸能の発表の場に精力的に携わり能の発展と文化芸術振興に 寄与した。 また、能についての講演、学校での講義、小学生を対象にした仕舞の手ほどきな ど、自宅に稽古場を設け能楽の普及に尽力。経営する和菓子店でも、能にちなん だ菓子を製作し、菓銘のいわれを解説するなど、能の世界に親しむきっかけを提 供している。そして地元の川原町まちづくり会事務局長も務め、地域振興にも尽 力している。 <略歴> 昭和41年 昭和47年 平成16年 平成 3年 平成16年 平成27年 南山大学文学部卒業 能楽協会名古屋支部所属のシテ方宝生流職分 重要無形文化財総合認定保持者(日本能楽会員) 岐阜県芸術文化奨励賞 岐阜市ふるさと文化賞 岐阜新聞大賞(文化部門) 5 ヴォーカルアンサンブル≪EST(イーエスティー)≫ 平成4年設立(団体) 三重県 市民合唱団 <国内外合唱コンクールでの功績と地域文化発展に尽力> 平成4年三重県津市にて結成。団員は県内外の高校生から50代まで約40名。平成12 年7月、国内唯一の国際コンクールの宝塚国際室内合唱コンクールに おいて、総合1位を受賞。この経験をきっかけに海外のコンクールに挑戦。平成13 年ドイツで第7回マルクトオーバードルフ国際室内合唱コンクール優秀演奏賞、指 揮者の向井正雄氏が最優秀指揮者賞受賞。平成18年、ヨーローッパ6大コンクー ルのひとつ、イタリアで開催された国際ポリフォニックコンテストでポリフォニ 一部門1位。平成21年、フランスで開催されたフロリレージュ国際合唱コンクール では、日本の団体では初めてとなる聴衆賞、及び総合1位を受賞。受賞者記念合唱 祭に招待され、フランスで約1週間のコンサートツア一を行い、好評を博した。 全日本合唱コンクール全国大会(全日本合唱連盟主催)では、金賞8回、文部科学大 臣賞(1位) 3回など日本を代表する合唱団として第一線で活躍している。 また毎年津市での定期演奏会を開催し、さらに県内の学校や合唱団で指導する など、地域に根ざした活動を行い、三重県の合唱文化の発展を支えている。 今年の8月には6年ぶりに海外コンクールに参加。イタリアで開催された「第 63回国際ポリフォニック・コンペティション・イン・アレッツォ」(ヨーロッパ 6大コンクールのひとつ)ポリフォニー部門で第1位を獲得した。 <略歴> 平成 4年 三重県津市にて結成 平成 9年 津市文化奨励賞 平成12年 宝塚国際室内合唱コンクール総合1位(1位3回) 平成13年 ドイツ:第7回マルクトオーバードルフ国際室内合唱コンクール 優秀演奏賞・最優秀指揮者賞 / 三銀ふるさと三重文化賞 平成14年 全日本合唱コンクール金賞(金賞8回・文部科学大臣賞3回) 平成17年 三重文化大賞 平成18年 イタリア:第54 回国際ポリフォニックコンテスト ポリフォニー部門1位 平成21年 フランス:第38 回フロリレージュ国際合唱コンクール グランプリ(総合1位) 平成27年 イタリア:第63回国際ポリフォニック・コンペティション ポリフォニー部門第1位 (ほか2部門も第1位) 6
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