7630 壱番屋 - カレーハウスCoCo壱番屋

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7630
壱番屋
浜島
俊哉
(ハマジマ
トシヤ)
株式会社壱番屋社長
TV 放送効果により客数増加、堅調を維持
◆第 2 四半期連結決算概要
国内店舗売上高は 396 億 12 百万円(前年同期比 7.6%増)、売上高は 217 億 99 百万円(同 6.1%増)、営業利
益は 23 億 45 百万円(同 19.7%増)、経常利益は 24 億 25 百万円(同 18.9%増)、四半期純利益は 15 億 8 百万円
(同 51.9%増)となり、売上高、各利益ともに第 2 四半期の過去最高を更新した。前期に TV 番組で取り上げられた
影響で来店客数の水準が切り上がり、今期もその水準を維持できたことが好決算の主な要因である。
営業利益が前年同期比 3 億 86 百万円増の要因は、店舗売上の好調による。CoCo 壱番屋の直営店が同 1 億
47 百万円増、FC 店舗が同 3 億 25 百万円増と、当初計画比でも 3 億 45 百万円増となった。原価関連は当社仕入
分と FC 向け販売分の計 68 百万円増、マイナス要因は本部販管費の人件費増による 84 百万円、物流費増による
69 百万円が主な内容である。仕入価格はチーズ、エビ、豚肉等が値上がりし、米の価格は大きく値下がりした。
四半期純利益は前年同期比 5 億 15 百万円の増益となった要因は、営業利益の増加や店舗売却益の特別利益
が 74 百万円増、減損損失の減少により特別損失が 77 百万円減少したことが主な内容である。
◆第 2 四半期営業状況
客数は前年同月比 5.2%増、客単価は同 1.4%増、既存店売上高は同 6.7%増となった。客数は昨年 4 月の TV
放送後の大きく盛り上がり、その後は低下したものの好調を維持している。客単価も複数トッピング推奨の販促効
果により前年を若干上回って推移した。
CoCo 壱番屋の営業施策として店舗の快適性向上のため 2005 年より 10 年計画でスタートした改装が、全体の
95%の 1,166 店舗で完了した。残る店舗は、契約期間の問題がある 3 店舗を除き、2015 年 5 月末までに終了予定
である。大掛かり全面改装は一旦終了するが、快適な空間を提供するための店内環境の改善にゴールはない。
今後も店舗の特性に応じて設備を見直していく。また、店舗利便性向上の取り組みとして宅配サービスを 635 店舗、
ドライブスルーを 226 店舗、テイクアウト専用窓口を 116 店舗に設置している。
店舗ごとのオリジナルメニューや販促手法を自分たちで考えて実施する「ストアレベルマーケティング」は導入か
ら 6 年目となり、最近では大阪の「濃厚甘くて辛いカレー」が好評で、販売地域が関西から全国 595 店舗に拡大さ
れるなど、横展開を進めるメニューも出ている。
本部も、期間限定メニューや「冷製夏カレー」「印度カレーライス」といった通常のカレーとは別に開発したカレー
ソースを使用した商品等、常に新しい目線でより多くの顧客に喜ばれるようなメニュー提案を心掛けている。また、
子供を対象として「ドラえもん」やメーン顧客層を狙った「SKE48」など、コラボキャンペーンで来店動機につながるプ
ロモーションも展開した。
◆国内の営業状況
国内の各業態別出店状況は、CoCo 壱番屋の新規出店が 9 店舗、退店が 16 店舗、7 店舗減の計 1,222 店舗。
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あんかけスパゲティー専門のパスタ・デ・ココは新規出店 1 店舗の計 32 店舗。あんかけ以外のメニューも導入し顧
客層の拡大に努めている。麺屋ここいち、にっくい亭では新規出店をせずに、個店ごとにメニューや販促方法の見
直しに取り組み、うなぎ屋壱番は原料であるうなぎが絶滅危惧種に指定されたことを受け、昨年 12 月 14 日をもっ
て退店した。
外販事業は、カップ麺やスナック菓子等を食品メーカーと共同で開発してライセンス収入を得ており、当期は 10
種類の商品を新発売した。また、各店舗の店頭や通販サイト等で販売している主なレトルト製品は、昨年 9 月より
自社生産に変更し栃木工場内にラインを新設した。今後はレトルト生産に関するノウハウを蓄積しながら、既存商
品の品質向上や新商品の開発・販売に取り組む。
◆海外の営業状態
海外の CoCo 壱番屋事業は上海市、蘇州市等の 6 都市で展開していたが、新たに深圳市に 6 月に 1 号店、10
月に 2 号店をオープンし、売上を順調に上げている。
国別出店状況は、新規出店がアメリカ、中国、台湾、韓国等で合計 22 店舗、退店が 8 店舗、総店舗数は前期比
14 店舗純増の 137 店舗となった。国によってばらつきがあるものの、いずれも日本を上回る来客数と売上高で堅
調に推移し、本格的な海外展開を開始してから 11 年目となる今期は海外総店舗数 152 店舗、売上高合計が 100
億円を突破する見込みである。各国の運営会社とはフランチャイズ契約を結び、ロイヤリティーという形で収入を
得ている。
◆通期業績予想
昨年 7 月 7 日に公表した業績予想通知の変更はない。当期は売上、利益ともに計画を上回る結果となったが、
下期は現時点では業績の不透明感が強いため当初予想を据え置いた。昨年 4 月の TV 効果による大幅売上増に
対する反動減や、人件費・原価等の実質的なコスト増に加え、株主優待引当金を当期より計上することや来期に
予定していた減損損失を前倒し計上することによる経費増加等が見込まれる。
通期では営業利益が前期比 1 億 18 百万円減の見込みで、直営店から FC 店への店舗譲渡が進み CoCo 壱番
屋直営店売上が 1 億 34 百万円減、FC 店舗では 4 億 36 百万円増、原価関連が 5 百万円増となることが要因であ
る。更に、マイナス要因は本部販管費 4 億 89 百万円のうち人件費が 1 億 67 百万円増、物流費が 78 百万円増の
ほか、下期に発生する株主優待引当金 1 億 7 百万円が主な内容である。
仕入価格は、通期でもチーズや肉類が値上がりし、米やフライオイルは下がる見込みである。
当期純利益は、営業利益は減少するものの店舗売却益等による特別利益の増加、減損損失の減少等による
特別損失の減少のほか、復興特別法人税が 1 年前倒しで廃止されたことによる法人税減少等により過去最高益
となる見込みである。
通期国内出店予定は、CoCo 壱番屋の新規出店 29 店舗に対して退店が 37 店舗、計 8 店舗の純減である。退
店が多いが、未改装のまま退店する 17 店舗が含まれており、改装期限となっている今期の特殊要因である。
海外の出店予定は、中国 17 店舗、台湾 7 店舗等で合計 43 店舗。退店は中国 7 店舗、韓国 4 店舗など合計 14
店舗。純増 29 店舗で期末店舗数は計 152 店舗となる予定である。今期中にマレーシアに 1 店舗、フィリピンに 2
店舗を予定している。
キャッシュフローの状況は、財務的に相当強固になってきており、M&A 等の投資機会を探る一方で各ステーク
ホルダーに対する配分をより積極的にしていこうと考えている。
◆株主配当
中間配当を 35 円としたが、期末配当金は 40 円を予定しているため、現時点での年間配当金は 75 円である。
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◆質
疑
応
答◆
自社で野菜生産に取り組んでいるが、進捗状況を知りたい。
ことしから本格的にスタートするが、テストとして昨年暮れに水耕レタスの作付をし、今週初めに収穫した。まだ
まだテストは必要だが、今後も試行錯誤を続け、エリア拡大等も考えながら進める。現在借りているハウスでは
CoCo 壱番屋の約 40 店舗に供給できる量が収穫できる。
中国での出店地域が広がっているが、売上において都市別の強弱はあるか。
中国エリアでは特にどこのエリアということではなく、ピンポイントで出店を間違うと結果的に退店につながる。出
店までの情報収集やデベロッパーからの情報をうのみにしない調査体制など、精度を上げる必要がある。
通期予測で人件費を 1 億 67 百万円増としているが、今後も増えるのか。抑制するための施策はあるか。
昨年の一律 5,000 円ベースアップの影響が出ているが、社員個々人の給与 UP は続けていく必要がある。パー
ト・アルバイトの時給も周辺相場と絡んで引き上がる傾向もしばらくは続く。
TV 放送の影響により客数が 5.2%伸びたが、この水準はどの程度継続するのか。
4 月までは現水準が続くと思うが、4 月以降のハードルは相当高い。過去、TV に出るたび数字は好転したが、こ
れほど長く続いたことはない。それは、今まで取り組んできたことを多くの視聴者が知り、それが客数増につながっ
た。その意味ではまだまだ未開拓の客層があり、提案不足の面がある。そこを努力していきたい。
決算までにパスタ・デ・ココを 2 店舗出店予定だが、首都圏への出店予定はあるか。
また、マレーシアとフィリピンのどこに出店するのか。
東海地方を予定している。また、フィリピンはマニラのマカティー、マレーシアはクアラルンプールを予定してい
る。
当面の出退店は、国内は既存店強化にシフトして海外出店を伸ばすという方針か。
今期は TV 等の特殊要因があるが、来期以降は従前どおり国内で 20~30 店舗の純増と考え、頭打ちという気
持ちはない。より厳選した好物件をピンポイントで狙う。ただ、既存店の数字を割ってまで出店を続けるべきではな
いというのが 10 年来の戦略であり、それは今後も変わらない。
海外では、ことしイタリアのミラノで行われる万博に出店する。全世界からさまざまな人が来るため、現在出店し
ているアジア・北米以外のエリアからオファーが来る可能性もある。CoCo 壱番屋の海外でのあり方も次のステー
ジに入るとみている。
米国と香港の連結子会社 2 社の収益状況を知りたい。
今期見込みの営業利益は、香港が 6 百万円増、米国は 28 百万円減である。米国は現 4 店舗うち 2 店舗は非
常に好調で利益も上げてきているが、1 店舗は利益が上がらず、最近出店した 1 店舗は初期段階で収益貢献には
至っていない。
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客単価の伸びは、トッピング品ミックス数が 30%前後から 34%に上がったためか。
複数トッピングの比率が上がった影響であることは間違いない。10 月の段階で複数トッピング比率は 41%まで
引き上がっている。
(平成 27 年 1 月 15 日・東京)
*当日の説明会資料は以下の HP アドレスから見ることができます。
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