挨拶 全国都市農業振興協議会会長 埼玉県川口市長 岡村幸四郎

挨拶
全国都市農業振興協議会会長
埼玉県川口市長 岡村幸四郎
皆さん、こんにちは。只今ご紹介いただきました、全国都市農業振興協議会の会長を務
めさせていただいております、埼玉県川口市長の岡村幸四郎です。
本日は、第3回の都市農業サミットの開催にあたり、農林水産省から佐藤農村政策部長
様、ご来賓の皆様、そして全国都市農業振興協議会を構成する各会員市の皆様、賛助会員
の農業団体の皆様、関係する多くの皆様方にご参集を賜り、盛大かつ大変有意義に開催で
きますことを大変高い席ではありますが、心から感謝と御礼を申し上げます。
私ども都市農業に関係する者にとりまして、現在の状況を放置しておくならば、この都
市農業の衰退を避けられず、いずれ都市から農業が消滅してしまうのではないかという大
変強い危機感を持ちまして、平成21年に第1回の都市農業サミットを開催させていただ
き、隔年で今回が3回目ということになります。私どもはその都度、決議案や要望事項等
をまとめさせていただき、それぞれ関係省庁にお願いをしてきたところです。
しかし、大変残念ですが、具体的な進展は見られないというのが現状です。都市農業の
農地の保全策としては、相続税の納税猶予制度、生産緑地制度等がありますが、現実には
営農者の皆様にとって非常に厳しい内容であり、農地を切り売りしながら営農を続けてい
るのが実態です。また、都市の土地利用のあり方について、都市計画法では農地について
の規定が無く、都市においては農地が必要ないと解釈することができます。そのため、根
本的なところを我々がしっかりと国に訴えて、改善を促していく努力をしていかなければ
ならないと思っております。
こうした中、昨年8月に農林水産省の所管で「都市農業の振興に関する検討会」、9月に
国土交通省の所管で「都市計画制度小委員会」において、中間報告が行われ都市農地の保
全、都市農業の振興に向けた制度改革等の必要性が認識され、議論が進んでいることは我々
にとって大変好ましい状況であると思っております。また、TPP交渉をこれから迎える
中、特に米の関税の問題は、非常に高い国民的な関心があります。まさに今こそ、これか
らの日本の農業をどうしていくべきなのか、そして我々都市における都市農業をこれから
も存続させていくためにはどうしたらいいのかという議論をし、協議会としての要望をし
っかりと国に伝えていくことが極めて大切な時期にきているのではないのかと思っており
ます。
今日は、この後ご講演をいただき、各都市の現状や課題等について、それぞれ話を伺い
最終的に決議案を取りまとめ、政策提言を国及び関係機関にしっかりと伝えていきたいと
思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。短時間ではありますが、極めて有益
な都市農業サミットになりますよう、そして今後各都市のますますの発展を心からご祈念
ご期待いたしまして、会長としての挨拶とさせていただきます。今日は大変御苦労様です。
ありがとうございました。