テーマ キルヒホッフの法則 の「見える化」に挑戦

テーマ
キルヒホッフの法則
の「見える化」に挑戦
P
R1
6
+ V1
3V
R2
3
+
R3
3
V2
6V
O
左の回路に、キルヒホッフの法則を
適用することによって、
R1、R2、R3を流れる電流の大きさを
求めたり、
O点とP点の電位差を求めたり
することができます。
準備
R1を赤
R2を紫
R3を青 で示します。
「赤」と「青」の
流れが合流して
「紫」になる
という直感に
訴える作戦です。
向きは、この段階では
あくまでも「仮定」です。
この「仮定」に基づき、
矢印の向きのループに
ついて考えて見ましょう。
下図は、左図のループを
立体的に表現したものです。
P
R1
6
+ V1
3V
R2
3
V2
6V
+
O
O
R3
3
電圧(電位)を「高さ」とし、
抵抗の大きさを奥行きの「長さ」として
表しています。
ループをたどってみましょう。
① O点を出発点とする。
(ここを電位0と考える。)
② 3V電池により電位が高くなる。
③ 6Ω抵抗を通過する際に、
電流は仕事を消費する。
(電圧降下が起こる。)
④ 電流がP点に達する。
⑤ 3Ω抵抗を通過する
際に電流は仕事をする。
(電圧降下が起こる。)
⑥ 6V電池により
P
電位が高くなる。
⑦ ループの
ゴールである
O点に到着。
P
R1
6
+ V1
3V
続いて、第2のループも仮定し、
立体的に表現します。
R2
3
+
R3
3
V2
6V
O
⑧ 分岐点 Q をスタートとする。
⑨ 3Ω抵抗でエネルギーを消費
しながら電流が進む。
⑩ P点に達する。
⑪ 3Ω抵抗を通過する際に
電流は仕事をする。
(電圧降下が起こる。)
⑫ 6V電池により
電位が高くなる。
⑬ ループのゴールであ
るQ点に到着。
Q
P
2つのループの立体表現を
合体させましょう。
P
R1
6
R2
3
+ V1
3V
+
R3
3
V2
6V
O
3Ω
3V
電位0[V]
6V
電位
௉ V
解法
P
R1
6
+ V1
3V
O
R2
3
+
V2
6V
R3
3
オーソドックスな解法を示します。
R1を流れる電流を 1
R2を流れる電流を 2 とします。
3 6・1+3・2- 6 ∴ 9 6・1+3・2
∴ 3 2・1+2 ⋯ ①
R3を流れる電流を 3 とします。
6 3・3+3・2
∴ 2 2+3 ⋯ ②
最後に、電流の総量が保存される
ことを式に表します。
O
∴ 2 1+3
0 1 2+3 ⋯ ③
P
R1
6
+ V1
3V
R2
3
+
V2
6V
R3
3
3 2・1+2 ⋯ ①
2 3+2 ⋯ ②
0 1 2+3 ⋯ ③
②-③より
2 3+2 1+2- 3
これを整理して
2 1+2・2 ⋯④
①+2×④より
3+4 2・1+2 2・1+4 ・2
これを整理して
7=5 ・2
଻
∴ 2 → 1.4[A]
2、 3 の値を③に代入し、
0 1-1.4+0.6
1.4-0.6= 1
∴ 1 0.8 → 0.8[A]
1 0.8 [A]
2 1.4 [A]
3 0.6 [A] 電流がすべて
プラスの値になりました。
ହ
この値を②に代入し、
2 3+1.4
3 2 1.4=0.6 [A]
このことは、
電流の向きが
「仮定」のとおりであること
を示しています。
P
R1
6
R2
3
+ V1
3V
+
R3
3
V2
6V
O
この表現では、電位Vを高さとして表していることを思い出しましょう。
(電位V=電子が持つエネルギーの大きさを示す。単位は[V])
また、抵抗Rを長さとして表していました(単位は[Ω])。
よって、電流の強さはオームの法則 i=/ から
傾きの大きさとして表現されています。
P
R1
6
R2
3
+ V1
3V
+
R3
3
V2
6V
O
最後にP点の電位௉ V を求めましょう。
第一のループを使って考えます。まず、0点の電位は0 V です。
そこから電池により電位が3 V 上がりjますが、抵抗を通過すること
により、電位は V=6×0.8=4.8 V だけ下がります。
よって、P点の電位は 3-4.8=-1.8 V となります。
第二ループでは、R3に着目します。 電位は、0点の
電位0 V から 3×0.6= 1.8 V だけ下がるので、
-1.8 V を得ます。
電
位
௉
V
実際にモデルを作ってみました。
電子が仕事をし、エネルギーを失う様子が
イメージとして伝わるでしょうか。
おわり