8 bit Violin

8 bit Violin
derivative work
improve
オリジナルのモデルではネック部を糊付けして
improve
固定する仕様であったが、本モデルではボディに
穴を開けネックの付け根部分に突起を設けること
オリジナルのモデルでは、テール部にある弦を固
で糊付けをすることなく固定が可能になるように
定しておく部分の穴の形状が正方形であり、弦の
改良した。これにより、ボディとネックが分解可
位置が定まらないという問題があったため、正方
能となった。
形を45°回転させることで、弦の位置が安定するよ
うにした。
improve
original
オリジナルのモデルではテールを繋ぐ紐を固定す
るためにネジを取り付ける仕様になっていたた
め、紐を固定するためのパーツを追加した。弦の
引っぱりによる力が掛かる部分でもあるため、こ
の部分だけボディ内部の厚みを3倍にしてある。
improve fabrication method
オリジナルのモデルではボディを固定するための仕口が狭くなってしまって
おり、スムーズにはめ込むことはできない。オリジナルの作者は穴をヤスリで
削ってからはめ込んだようであるが、該当パーツをⅠ時間程度水につけおきし
てからはめ込むことで、ヤスリ掛けをする必要がないということが分かった。
Ambient Media Design Midterm Report
[2]
オープン(ソース)デザインが広まることによる、大きな期待の一つはこれ
までにない多様なデザインが生まれてくるということだろう。多様なデザイン
が生成されてくることの利点の一つとしては、デザインが生物のように漸進的
な進化をしていくことが可能になるということである。勿論これまでもある程
度は漸進的な進化といえるような系譜をたどっているデザインあるだろうが、
多くの場合、デザイナーは、他人とはまったく異なるデザインをしたいという
傾向があるように思われ、既存のデザインを徐々に洗練させていくという面が
弱かったのではないだろうか。もちろん上記のデザイナーの行為はデッドエン
ドに陥っていたかのように見えるデザインを一足飛びに適応地形の別の山へと
移すといった進化における革命を起こす場合もあり、非常に重要な行為ではあ
るだろう。しかし、既にあるデザインの細部を改変し徐々に洗練させていくこ
ともまた非常に重要であると考えられる。オープン(ソース)デザインの普及
によってこうした面が補完されることで、デザインはまっとうな進化をたどる
ことができるようになるのではないだろうか。
もちろん問題は多く考えられる。著作権の問題はその中でも大きなものの一
つになるだろう。既存のデザイン領域とオープン(ソース)デザインとの関係
においてもそうであるし、また、そこにはどこまでが「デザイン」であるかと
いった問題やデザインをオープンにすることを促すインセンティブをいかにし
て設計するかといった問題も付随してくる。オープンになっていたデザインを
自らが改変したものの著作権をどこまで主張できるのか。所謂デザイナーがデ
ザインしたものを改変してオープンソースとする場合はどうか、また、その逆
はどうか。具体的な例で考えてみると、例えば、筆者は渡辺力氏が 1965 年に
デザインしたリキスツールの派生系の展開図データを生成するソフトウェアを
開発しているが、例えばこのソフトウェアを使用してデータを生成し、そのデ
ータを基に作成したリキスツール派生系を販売することは認められるだろうか。
元々のリキスツールはダンボールで出来ているが素材を変えた場合はどうか。
その派生系がもはやスツールではなくテーブルや柱だった場合はどうか。どこ
までがデザイナーによる「デザイン」なのか。このリキスツールの例に関して
言えば、デザインの肝はその内部構造にあると考えられ、その内部構造を保持
している以上、その派生系の著作権の少なくとも一部は渡辺氏に帰属しそうで
ある。しかしながら、この先もっと曖昧な例も数多く出てくるだろう。こうし
た問題群の解決には、デザイン分野に留まらないより大きなシステムの構造の
変革が伴うことになるかもしれないが、筆者個人としては、必要以上のルール
で縛ることで窮屈になっていくのではなく、自由に多様なものづくりが行われ
るようなルール、仕組みになることを願う。
[3]
今後、レーザーカッターや 3D プリンタなどのデジタル工作機械の普及にと
もない、オープン(ソース)デザインのためのウェブプラットフォームの利用
者が急増するのは間違いないだろう。その際、そうしたウェブプラットフォー
ム上に膨大な数のデジタルデータが登録されることになる。そうした膨大な数
のデジタルデータをすべて逐一探索することは困難であるため、自分の目的に
見合ったデータの探索を容易にすることが課題のひとつになるだろう。既に多
くのサイトで行われているように food、fashion というようなジャンル分けを
するといったことに加え、例えば、使用する材料、制作にかかるおおよその時
間や価格等で検索できるようにするということも考えられる。こうすることで、
手持ちの材料を用いて、自分では思いもつかなかったようなものを作ることが
できるかもしれない。その他、デザインの進化の系譜を系統樹などで表示し、
そこからデザインを検索出来るようにするのも面白いかもしれない。例えば、
あるデザインがどのような過程で改変されてきたかを確認することが可能にな
ったり、また、共通の祖先から連なるが別の系譜をたどったデザイン同士を比
較してみたり、デザイン進化のダイナミクスを概観することで、発想支援にも
繋がるかもしれない。