Ⅱ 1 施設の立地 衛生・品質水準の確保 ■考慮すべき施設の周辺環境 ポイント:近隣の施設 (臭気や危険物) ○ 製品に悪影響を及ぼすおそれがある場所に建てない。 ○ 悪臭・煙・塵埃の発生源がなく、製品を汚染する可能性のある場所や不潔な環境から離れている。 ポイント:川 ○ 天災による影響が想定される場所から離れている。 (上流の環境など) ○ そ族・昆虫等が発生しやすい場所から離れている。 重油タンク ○ 固体や液体の廃棄物を効果的に除去できない場所から離れている。 排水設備 ○ 敷地の境界が明確である。 ◯ 印は食品の衛生・品質水準の確保、消費者の信頼確保のために事業者が実施することが望ましい事項です。 ポイント: 植樹 食品工場は、敷地周辺の環境からの悪影響(環境ハザード)を極力避ける必要があります。 貯水タンク 環境ハザードの潜在汚染源には、廃棄物処理場や化学薬品工場等が該当しますが、敷地周辺 にあるこのような潜在汚染源を環境ハザード一覧表にまとめておくと、容易に注意を払うこと 駐車場 ができます。 [①] ポイント: 鳥の生息箇所 周辺環境からの悪影響の想定例 ◦施設周辺に、廃棄物の処理場等から汚水や異臭が流れ込んだり、昆虫等が侵入する。 管理棟 製造・加工の施設・環境 ◦家畜の飼育場から、動物の糞尿や、それに由来する昆虫等が侵入する。 廃棄物 置き場 ◦そ族・昆虫等の発生の他、敷地内に農薬が飛散する。 天災による施設への影響が懸念される場所は、 事業の継続性の他に、 施設の破損や汚損といっ たリスクや、洪水等によって敷地内に有害な物質が流入するなどのリスクが高まります。 ポイント: 犬や猫の侵入 敷地境界線が明確でないと、施設の管理領域や管理手段が明確にできない他、外部からの侵 入者等の防御に問題が発生します。 施設の立地と周辺環境 ■環境ハザード一覧表(例) [①] ◦工場立地法等関係する法規制を明確にして遵守します。 施設配置図の建物境界線から半径 3km 以内の潜在的汚染源 ◦外部環境(沿岸、気温、風等)の影響による施設への悪影響を考慮します。 (塩害・強風等による建物腐食、凍結によるパイプラインの破損など) ◦洗浄水、電力等が安定している場所を確保します。 特に、冷蔵・冷凍施設を抱える食品工場にとって電力の安定供給は不可欠です。 ◦原材料、製品等の受入れ・出荷上の利便性を考慮し、交通網が整っている場所を確保します。 50 どちらかに○ ありの場合→何があるか 廃棄物処理場 あり・なし 中間処理、廃棄物(汚泥、廃油、廃液 等)、廃プラスチック、金属屑、ガラス屑、 コンクリート屑、自動車解体 化学薬品工場 あり・なし 繊維関連薬剤(染色助剤、繊維油剤)、 土木薬剤 家畜の飼育場(牛・豚など) あり・なし 大量に農薬を噴霧するような農業施設 あり・なし 河川、用水路、排水路 あり・なし 河川、用水路 森林 あり・なし 植栽、雑木林 交通量の多い道路 あり・なし 51
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