バッチ法 - Sigma

FLAG®テクニカルマニュアル 3.-2. プロトコール
3.-2.-3. FLAG融合タンパク質の単離・精製・検出
b) 精製 バッチ法:抗FLAG M2アフィニティーゲル
抗FLAG M2アフィニティーゲル(製品番号:A2220)によるFLAG融合タンパク質の精製法
【操作手順】
①タンパク質抽出液のpHを7~8の間にあわせます。ゲルに非特異的に結合したタンパク質が多量になるのを防ぐため、少なくとも、0.15Mの
濃度で塩(塩化ナトリウムか塩化カリウム)の使用が有効です。
②FLAG融合タンパク質の抽出物に不溶性物質がある場合は、除去して下さい。タンパク質抽出液中を約10,000-20,000xgで15分間、
遠心するか、または、0.45または0.22mmのフィルターでろ過することにより、カラムやフィルターを詰まらせてしまう細胞残渣や微粒子を
除去できます。
③FLAGM2抗体アフィニティーゲルは使用前に平衡化して下さい。ゲルの準備の項目をご覧下さい。
④TBSでゲルを再懸濁してタンパク質抽出液を加えます。
⑤FLAG融合タンパク質を捕捉するために、抗FLAG M2アフィニティーゲルとタンパク質抽出液を一緒に約1時間、やさしく混合しながら、
インキュベーションします。混合はオーバーヘッドミキサーかプラットフォーム型シェイカーのどちらかを使います。
ゲルビーズを壊す恐れがあるので磁気スターラーは使わないで下さい。このステップは2-8℃、または室温で行って下さい。
このインキュベーションは短い時間で30分から、せいぜい2-3時間くらいまで行ってもかまいません。
もし、インキュベーションを3時間以上行いたい場合は、その間に微生物の繁殖または、タンパク質分解を防ぐ為に、抗生物質や
プロテアーゼインヒビターを加えて下さい。
⑥結合ステップを終えた後、ゲルを回収して下さい。遠心(1,000xg、5分間)、または、ろ過によって、ゲルを回収します。
⑦TBSでゲルを洗浄して、非特異的タンパク質をすべて除去します。 これ以上タンパク質が流出しなくなるまで、カラムに新鮮な
バッファーを通します。
⑧ゲルから溶出されるタンパク質は280nmの波長で測定することによりモニターします。
洗浄溶液ブランクに対して、カラムから出てきた溶液の吸光度の差が0.05以下になるまで、洗い続けます。
⑨FLAGタンパク質のゲルからの溶出は、低pHでもFLAGペプチドによる競合どちらでも可能です。
溶出ステップは、“FLAG融合タンパク質のカラムからの溶出”と同様に行って下さい。
⑩ゲルは再生、保存できますので、抗FLAGM2アフィニテーゲルによる精製法(カラム法)の再生と保存の項目を参考にして下さい。