第11項 救援物資等の受入、集積、搬送、配分計画 1 現状と課題 大規模

第11項
1
救援物資等の受入、集積、搬送、配分計画
現状と課題
大規模な震災が発生した場合は、全国各地から被災市町村に対して、大量の生活
必需品等が救援物資として届けられることが予想されるため、これら救援物資を円
滑に受け入れ、避難所や居宅で避難生活する被災者に確実に配布できる体制を整え
ておく必要があるが、被災市町村において救援物資の受入から配分までのすべてを
行うことは、保管場所や要員の不足等により困難である。
なお、搬送については、陸上輸送に支障が出ることが予想されるため、その対応
を検討する必要がある。
また、援助物資の搬送車両により交通が渋滞することや、必要以上の物資が届け
られ、その保管、管理に後々まで影響を及ぼすこと等への対策も検討する必要があ
る。
2
基本方針
被災地において不足する物資、過剰の物資について、全国に情報提供し、協力を
求める。
援助物資の受入地は被災地外に設け、そこで仕分け等をした後、必要に応じて市
町村内へ搬送することとし、受入地での受入・仕分等の作業及び受入地から市町村
内の集積場所までの搬送については県で対応し、当該集積場所からの作業について
は、被災市町村で対応する。
搬送には、陸海空のルートを検討することとし、特にヘリコプターの利用のため
の条件整備を図る。
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対策
必要とする物資の把握方法等
◎
物資の受入、集積、配分
物資の受入体制等
物資の輸送方法
物資の配布方法
(1)必要とする物資等の把握・情報提供
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[県(総務部、保健福祉部)]
被災地市町村の情報を速やかに把握し、県内で調達できない物資の種類及び数量
並びに県内の受入地を国及び災害時における応援協定を締結している県に連絡し、
応援を要請するとともに、報道機関の協力を受けて、全国に協力を要請する。
なお、その際、物資の梱包や送付方法の正確な広報に努めるものとする。
また、届いた物資の品目及び数量の把握に努め、過剰となっている物資を、国、
協定県等に報告し、また全国に公表して、協力・理解を得ることにより、過剰な物
資の流入を極力避ける。
[被災市町村]
避難所等に不足している物資を、各避難所の責任者から報告を受け、備蓄品で対
応できない物資又は自主調達できない物資の品目及び数量並びに把握した時間を県
に連絡する。
また、避難所等を巡回し、避難者のニーズを把握する。
なお、避難所に届いた物資の品目及び数量を把握し、不足している物資の品目及
び数量、過剰になっている物資の品目及び数量をとりまとめ、当該市町村内で調整
の上、県に報告し、物資の有効活用を図る。
[地域]
避難所の責任者は、避難所内の自治組織を通じる等により、当該避難所の被災者
が必要とする物資を把握し、市町村に連絡する。
なお、市町村が指定している避難所以外に避難している被災者、あるいは自宅に
いる被災者が必要とする物資については、平素から組織している地域組織によって
把握し、避難所の責任者を通じて市町村に連絡する。
(2)物資の受入体制等
[県(総務部、農林水産部、土木部)]
物資の受入地候補地は、当面、次のとおりとし、震災の状況に応じて県が指定
する。なお、今後、全県を対象とする受入地の整備について検討する。
受入地候補地:岡南飛行場、岡山空港、笠岡市農道離着陸場、岡山港、宇野港、
水島港、JR西岡山駅コンテナヤード、流通センター
等
指定した受入地には、職員を配置し、援助物資の受入作業及び品目毎に数十人
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分単位での仕分け作業を行い、順次集積場所へ搬送する。搬送作業の円滑化のた
め、必要に応じて県トラック協会に物流専門家の派遣を要請する。
なお、物資の仕分けには大量の人員を要するため、ボランティアに協力を求め
る等により対応する。
[市町村]
市町村は、あらかじめ集積場所候補地として指定していた公民館、小中学校体
育館等の中から状況に応じて適当な集積場所を指定する。
なお、管内に集積場所が確保できない場合は、近隣非被災市町村に要請して、
集積場所を確保する。
指定された集積場所には職員を配置し、受入地から搬送された物資を保管し、
避難所等からの要請により必要な物資を届ける。
[地域]
避難所等の住民は、物資の仕分け、避難所内での搬送を積極的に行うものとす
る。
(3)輸送方法
[県(総務部)]
受入地から集積場所への道路を緊急交通路として指定を受けられるよう事前に
手続をしておき、災害発生時は迅速に緊急交通路の指定を受けて、一般車両の通
行を規制する。輸送に当たっては、県トラック協会に協力を要請するとともに、
必要な場合は、公用車によっても対応する。
陸上ルートが遮断された場合等にあっては、海上ルートやヘリコプターの利用
等により輸送することとし、漁業関係者又は自衛隊への協力要請、民間航空事業
者との協定等により輸送体制を確保する。
[市町村]
道路・橋梁等の被害状況等に基づき、集積場所及び輸送ルートを設定し、県に
図面等により報告する。
なお、ヘリコプター臨時離着陸場の確保を図ることとし、その離着陸場の設置
に当たっては、マニュアルに従い、安全面での支障がないようにする。
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集積場所から避難所への輸送については、県トラック協会等に協力を要請する
とともに、公用車、バイク等の輸送手段の確保に努める。
(4)物資の配付方法
[市町村]
避難所へ搬送された物資は、各避難所の維持管理責任者の指示により、各自治
組織を通じて配付する。なお、配付に当たっては、災害時要援護者を優先する。
また、自宅等避難所以外で避難生活を送っている被災者に対しては、広報車や
地域組織を通じる等により、援助物資を避難所に取りに来るように情報伝達し、
配付するとともに、避難所まで取りに来ることが困難な者に対しては、地域組織
の協力を得る等の方法により届けるものとする。
[地域]
避難所以外で生活をする被災者に対して、援助物資等の情報を提供するととも
に、特に援助を必要とする者に対して、援助物資を届ける等の支援を行う。
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物資等のルート
→印
印
·印
報道機関を
通じた情報
←←←←←←←
↓
県内の情報
←←←←←←←
↑
国等
←←←←←←←←←←←←←←←
報道機関を通じた情報
全
国
被災県
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„‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
„
派遣
„
・
←←
受
集
県
入
←←←
避難所
情報
積
内
地
需要情報の流れ
物資の流れ
人の流れ
場
他
→→→
物資
情報
↑不足物資
↑・過剰物資
↑の情報
↑
被
災
地
市
町
村
←←
避
←←←
難
··
調査
所
···
調査
所
地
域
避難所毎への輸送
業務
仕分
発送
業務
保管
発送
業務
(配付
自
治
組
織
で
配
付
必
要
な
場
合
は
„
‚
‚
‚
„
‚ 分類要員
‚ 輸送要員
‚ 配付要員
„
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···························‚
ボランティア
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居
宅
生
活
被
災
者