ひまわりだより 巾上ひまわり薬局 塩尻ひまわり薬局 年月 TEL 0263-35-4441 FAX 0263-37-5561 塩尻市長畝230-3 TEL 0263-51-5311 FAX 0263-51-5322 松本市巾上10-5 定 休 日 日曜・祝日 梅雨真っただ中、雨降りの日が続く毎日ですね。 ひまわり 蒸し暑い日が続くと体調を崩しやすくなるので、体調管理に気を だより つけて過ごしましょう。今月は母乳とくすりについておはなしし ます。 母乳はお母さんの血液から作られます。お母さんが食べたも の・飲んだものの影響を受けることは免れません。同様にお母さ んが飲んだお薬も、血液に乗って乳腺に届きます。ほとんどのお 薬は、母乳に届きますがその量はお母さんの薬の量の1%未満と されています。 ですが、母乳に届きやすい薬と届きにくい薬があります。どのよ うなものが母乳に届きやすいのかというと 〇分子量が小さいもの 〇血液中のたんぱく質と結合しないもの…血液中のアルブミンな どと結び付くと細胞膜を通り抜けられなくなり母乳へとど きにくくなります。 〇脂溶性(油に溶けやすい)の薬…脂溶性の薬は細胞の膜を通 り抜ける速度が速く母乳に届きやすくなります。 〇弱塩基性の薬 〇M/P 比が高いもの…薬の母乳中の濃度/母体血液濃度の比で 母乳中への薬の移行しやすさをしめすもので、この比が1以 下の薬は母乳へ届きにくく、1~5 の薬は届きやすいといわ れています。 〇薬の作用時間が長いもの…薬の消失時間が長い薬はお母さ んの血液中の薬の濃度の高い時間が長いため母乳へも移行 しやすいといわれています。 〇薬の利用率が高いもの…生体内利用率といい、飲んだお薬が どれだけの量でどういう速さで体内に取り込まれるかを示 します。その利用率が低い薬は母乳への影響は少ないといわ れています。 これまでは、薬側の要因でしたが次に母子側の要因としては、 〇お母さんの薬の量や回数や投与経路・投与期間…投与経路に ついては、同じ薬であれば、注射>内服>外用の順番に影響 は少ないとされています。 〇乳児の代謝・排泄…乳児は胃酸の分泌がすくないため胃の中 の Ph が高く、胃内の薬の停留時間・消化酵素・腸内細菌の バランスにより薬に対する感受性が高くなっています。また、 肝臓や腎臓の働きが未熟なため薬の代謝・排泄に時間がかか ります。 〇哺乳の量と回数…母乳中の薬の濃度がたとえ高くても、哺乳 量や回数が少なければ安全性は高くなります。 乳児にとって母乳は完璧な栄養であります。母乳は効率よく消 化され、免疫グロブリンやラクトフェリンなどが含まれ乳児の免 疫に大きく役立ちます。またお母さんにとっても、乳がんなどの 罹患率を下げたり、産後の肥満などの予防にと大きなメリットが あります。そして、授乳という行為を通じて、お母さんと乳児の 間に深い愛情が生まれ乳児の情緒が安定 すると言われています。 今現在、母乳をあげているお母さ んに対する薬物療法の統一されたガイドラインはありませ んが、一般的に投与すべきではないと禁止されている薬は、 免疫抑制剤・抗がん剤・放射性薬品です。それらは母乳に 移行し乳児に影響があるとされています。一方 WHO などの リストでは投与してはいけない薬は 3%、 注意すべきは 23% その他の 74%は授乳中に服用しても差し支えないとしてい ます。けれども、お母さんと乳児にとって出来るだけ安全 で、必要な薬の選択をしなくてはならないのは当然です。 お母さんが気をつけなくてはいけないものには、薬以外にもい わゆる嗜好品といわれるもの お酒・コーヒー・たばこなどがあ ります。 コーヒーにはカフェインが含まれており、摂りすぎると乳児に神 経過敏や不眠が起こるとの報告があります。1日3杯までなら、 カフェインは乳児の尿中には検出されないようです。コーヒーだ けではなくお茶やその他のカフェインが含まれている飲み物に も注意が必要です。 たばこに含まれるニコチンは、母乳の分泌量を減らします。それ により乳児の体重増加の割合が下がり、不眠・下痢・哺乳量の低 下などが心配されます。 アルコールは分子量が小さく急速に母乳に移行します。母乳の濃 度は血中濃度の 90%に達すると言われています。アメリカではア ルコール摂取量について1日あたり体重あたり 0.5g以下と勧告 しており60kg の女性ではビール2缶が相当量となります。アル コールを飲んだ後は約2時間は授乳を避けることや、お母さんが アルコールの影響を感じなくな るまで授乳を待つ必要があると されています。
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