Trend Report 株式会社フィスコ 2016/3/14 【日本銀行の金融政策と円相場見通し 金融政策は当面変更なし】 <15日に金融政策発表 金融政策は現状維持の見込み> 日本銀行(日銀)は14-15日に開かれる金融政策決定会合で、金融政策(金融市場の調節方針)の現状維持を 決定する見込みです。 ・日本銀行当座預金の政策金利残高への適用金利:-0.1%(現状維持の予想) ・マネタリーベース:年間約80兆円相当の増加ペース(現状維持の予想) ・国債買い入れの平均残存期間:7-12年程度(変更なしの予想) ■前回会合(2016年1月28-29日)のレビュー ・日本銀行当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層に応じて+0.1%、0.0%、-0.1%の金利を適 用する(新たに導入) ・マネタリーベースの増加ペースは年間約80兆円相当(現状維持) ・国債買い入れの平均残存期間は2016年より7年-12年程度に延長(昨年12月に決定) ・ETFは年間で約3兆円、J-REITは年間で約900億円の購入ペース(現状維持) ・CPは約2.2兆円、社債等は約3.2兆円の残高(現状維持) ■日銀の声明要旨 ・国内経済:景気はゆるやかな回復を続けており、物価の基調は着実に高まる ・海外経済:中国をはじめとする新興国・資源国経済に対する先行き不透明感 ・市場環境:金融市場は世界的に不安定 <日銀黒田総裁:2%物価目標達成時期:原油価格40ドル台後半が前提条件> 日本銀行の黒田総裁は10日午前の参院財政金融委員会に出席し、2%の物価目標達成時期を2017年度前半 としていることについて「原油価格がバレル40ドル台後半に上昇するなどいろいろな前提を置いている」と指摘し ました。原油価格の動向は2%物価目標の成否を決める重要な要因であるとみられています。 <日銀金融政策と円相場の当面の見通しについて> ■金融政策見通し:金融政策は当面現状維持へ 金融調節に関する政策は当面変更なし、2%物価目標の達成時期は今回も2017年度前半頃とする見込みで す。 ・金融政策の当面の見通し:現状維持の予想、2%物価目標の達成時期も変更なし ■円相場見通し:米早期利上げ観測の再浮上で115円突破の可能性も 米国の政策金利は3月も据え置きとなる見込みですが、原油価格や株価安定によって4月か6月に追加利上げ 実施の可能性が浮上した場合、1ドル=115円突破の可能性が高まることになりそうです。 ・ドル・円の当面の想定レンジ:112.00円-116.00円 ※2016年の日銀金融政策決定会合開催スケジュール ・3月14日-15日、4月27日-28日、6月15日-16日、7月28日-29日、9月20日-21日、10月31日-11月1日、12月19日20日(あと7回) 本資料のご利用については、必ず巻末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください。 円 【N 株式会社フィスコ 2016/3/14 為替相場 先週のドル・円相場 取引レンジ 今週の見通し 112.23 円 - 114.45 円 想定レンジ 底堅い動きを見せた。原油価格の先高観が広がって 3月14日 - 112.50 円 - 3月18日 115.00 円 待が持続したことで結果的には円売り材料となった。 もみあいか。14-15日開催の日銀金融政策決定会合 と15-16日に開かれる米連邦公開市場委員会 (FOMC)の会合が注目されるが、いずれの会合も金 融政策の現状維持が賛成多数で決まる見込み。金 融政策の現状維持は現在の為替相場にほぼ織り込 まれているため、ドル・円相場が大きく動く可能性は 低いとみられる。 2週間の推移 1年の推移 (円) 130.00 (円) いることから、リスク回避的な円買いは縮小し、ドル・ 円は112円台前半から一時114円45銭まで買われる 場面があった。欧州中央銀行(ECB)は10日に市場の 想定を上回る追加緩和策を発表したが、株高への期 116.00 125.00 114.00 120.00 115.00 112.00 110.00 110.00 2016/2/26 2016/3/4 2016/3/11 105.00 2015/3/4 2015/9/4 2016/3/4 債券相場動向(米国10年債) 先週の概況 今週の見通し 債券利回りは上昇。主要産油国による生産調整実施 への期待で原油先物の先高観が広がっていること や、NYダウが年初来高値に接近したことが意識され た。3月利上げの可能性は低下したが、インフレ鈍化 の思惑は後退し、リスク回避的な債券買いは縮小し た。 債券利回りは下げ渋りか。15-16日に開かれる連邦 公開市場委員会(FOMC)の会合結果を見極める展 開となりそうだ。今回も金融政策は現状維持の見込 みだが、早期追加利上げへの期待が再び高まった 場合、債券利回りはやや強い動きを見せる可能性 がある。 今週の買い要因・売り要因 ◆ 買い要因 ◆ 売り要因 ・インフレ鈍化懸念の後退 ・日本の大手機関投資家は2016年度に外債投資拡大 ・原油価格の安定 1 ・日本銀行の早期追加緩和の可能性低下 ・世界経済の減速懸念 ・日本の貿易収支改善 本資料のご利用については、必ず巻末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください。 % 日本10年国債利回り 本日の債券市場見通 2010.3.25.Thu. AM 8:20 円 株式会社フィスコ 2016/3/14 【N 為替相場 先週のユーロ相場 取引レンジ ユーロ/円 ユーロ/米ドル 今週の見通し 123.06 円 1.0822 ドル - 想定レンジ ユーロ/円 127.29 円 1.1218 ドル ユーロ/米ドル 3月14日 - 125.50 円 1.10 ドル - 3月18日 128.50 円 1.14 ドル ユーロは対円で上昇。欧州中央銀行(ECB)のドラギ 総裁がさらなる利下げに否定的な見解を表明したこと が要因。短期筋などのユーロ買い・米ドル売りが活発 となり、この影響でユーロの対円レートは一時127円 台前半まで上昇した。欧米株高への期待もユーロに 対する支援材料となった。 底堅い動きを続ける見込み。欧州中央銀行(ECB) による金融緩和策は今回で出尽くしとの見方が浮 上しており、ユーロ買い・米ドル売りが続く見込み。 米ドル・円相場に大きな動きがない場合、ユーロの 対円レートは125円台で下げ渋る可能性がある。米 国の金利据え置きはユーロ買い・円売りを促す一 因になるとみられる。 2週間の推移 1年の推移 128.00 (円) 150.00 126.00 140.00 124.00 130.00 122.00 120.00 120.00 2016/2/26 2016/3/4 2016/3/11 (円) 110.00 2015/3/4 2015/9/4 2016/3/4 債券相場動向(ドイツ10年債) 先週の概況 今週の見通し 債券利回りは上昇。欧州中央銀行(ECB)は10日の理 事会で政策金利(リファイナンス金利)の引き下げを 含む追加緩和策を発表した。しかしながら、ECBのド ラギ総裁は会見でさらなる金利引き下げの可能性は 低いとの見方を示したことから、長期債などの利回り 水準は上昇に転じた。 債券利回りは下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)に よる追加緩和策は想定以上だったが、今回の措置 によって緩和策は出尽くしたとの見方が広がってい る。預金金利や主要政策金利の引き下げは現実的 ではないとみられており、ドイツのインフレ率が伸び 悩んでも長期債利回りの低下は難しくなりそうだ。 今週の買い要因・売り要因 ◆ 買い要因 ◆ 売り要因 ・欧米諸国の株高 ・ユーロ圏の失業率低下 ・米早期追加利上げ観測の後退 ・欧州中央銀行は量的緩和策を強化 ・欧州諸国の債務問題 ・ユーロ圏のインフレ鈍化懸念 本資料のご利用については、必ず巻末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください。 円 株式会社フィスコ 2016/3/14 【N 為替相場 38.51 円 39.71 円 取引レンジ トルコリラは対円で上昇。欧州中央銀行による金融 刺激策を受けて、欧州新興諸国の中で最も高利回 りの同国資産に資本が流入した。原油価格が底入 れしたとの期待も強まり、世界経済への懸念が緩 和しリスク選好の動きも手伝った。景気回復やイン フレを押し上げるため、欧州中央銀行は期待以上 の追加緩和を実施した。 3月14日 - 3月18日 39.00 円 40.00 円 想定レンジ もみ合いか。欧州の中でも高利回りの同国資産に 引き続き域内資本が流入する。一方、政府がインフ レ対処としての利上げに反対する姿勢を見せたた め上昇は限定的となる可能性がある。エルドアン大 統領の側近は大統領が利上げはインフレを抑制す るのではなく加速させる理論を支持していることを 明らかにした。 2週間の推移 1年の推移 先週のトルコリラ相場 40 今週の見通し (円) (円) 52 39 47 38 42 37 37 2016/2/26 2016/3/4 2016/3/11 2015/3/4 2015/9/4 2016/3/4 債券市場動向(トルコリラ5年債) 先週の概況 今週の見通し 債券利回りは低下。通貨リラが米ドルに対して強い 動きを見せたことや、欧州中央銀行(ECB)が追加 緩和策を発表したことが意識されたようだ。欧州の 市場流動性が維持されることで新興国市場からの 資金流出への警戒感は低下しており、債券利回り の上昇を抑制した。 債券利回りは上げ渋りか。トルコ中央銀行の政策 金利は当面据え置きとなる見込み。インフレ進行の 懸念は後退しており、為替相場に大きな動きがない 場合、債券利回りは上げ渋る展開となりそうだ。た だし、米早期追加利上げ観測が再浮上した場合、 長期債などの利回り水準がやや強含む可能性は 残されている。 今週の買い要因・売り要因 ◆ 買い要因 ◆ 売り要因 ・市場安定に向けたG20の協調姿勢 ・米早期追加利上げ観測の後退 ・欧米諸国の株高 ・貿易・経常赤字の継続 ・治安悪化の懸念残る ・トルコ中銀による利上げ観測後退 本資料のご利用については、必ず巻末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください。 株式会社フィスコ 【11月米雇用統計 予想通りならば、12月利上げを最終確認へ】 【N ディスクレーマー(免責条項) 本レポートは、本取引所が㈱フィスコから提供を受けて、公表しているものであり、本レポートの 内容に関する一切の権利は、㈱フィスコに帰属いたします。本取引所は、本レポートの正確性、 完全性、適時性等を保証するものではありません。また、本取引所は、本レポートを用いて行う 一切の行為及び本レポートに基づいて被った損害について、何ら責任を負うものではありません。 株式会社東京金融取引所 株式会社フィスコ(以下[フィスコ]という)は株価情報および指数情報の利用について東京証券取引所・大阪取引 所・日本経済新聞社の承諾のもと提供しています。“JASDAQ INDEX” の指数値及び商標は、株式会社東京証券取引所 の知的財産であり一切の権利は同社に帰属します。 掲載される情報はフィスコが信頼できると判断した情報源をもとにフィスコが作成・表示したものですが、その内容 及び情報の正確性、完全性、適時性について、フィスコは保証を行っておらず、また、いかなる責任を持つものでは ありません。 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はフィスコに帰属し、事前にフィスコへの書面による承諾を得ること なく本資料およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、 複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。 フィスコが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものでは ありません。 本資料に掲載される株式、投資信託、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢な どの影響により、その価値を増大または減少する事もあり、価値を失う場合があります。 本資料は、本資料により投資された資金がその価値を維持または増大する事を保証するものではなく、本資料に基づ いて投資を行った結果、お客様に何らかの損害が発生した場合でも、フィスコは、理由のいかんを問わず、責任を負 いません。 フィスコおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場 合があります。 投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いい たします。 以上の点をご了承の上、ご利用ください。 株式会社フィスコ
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