PDF - 日本ブラジル中央協会

大 使 館 情 報
2015年7月
【目次】
○ ブラジルマクロ経済情勢
○ トピックス
・梅田大使バイーア州公式訪問
・日伯外交関係樹立120周年・移民107周年記念公聴会の開催
・自衛隊記念日レセプション
・「スマートシティ・ビジネス・アメリカ会議&エクスポ」が開催
・内政(ペトロブラス汚職事件とルーラ財団の関係、ルセーフ政権支持率の低下、ペト
ロブラス汚職疑惑におけるオデブレヒト社社長等の逮捕、現職閣僚を含む要人
の汚職に関する供述)
・外交(ルセーフ大統領のEU・CELACサミット出席、伯中ハイレベル協調強力委
員会(COSBAN)の開催、ルセーフ大統領の訪米)
・防衛(伯武器輸出の状況)
○ 大使館からのお知らせ
・平成 27 年度 海外在留邦人統計
・文化イベント
・外務省 海外安全ホームページ
・ブラジル渡航情報
※大使館情報の最近のバックナンバーを大使館ホームページに掲載していますのでそち
らも御覧ください。在ブラジル日本大使館 www.br.emb-japan.go.jp
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○ブラジルマクロ経済情勢
1.経済情勢等
(1)中銀が週次で発表しているエコノミスト等への調査に基づく経済成長予測に関し、6
月 29 日時点では、本年の経済成長はマイナス 1.49%と6週連続で下方修正、明年の経済成
長は 0.50%と3週連続で下方修正。
(2)6月 24 日、ブラジル中銀は四半期インフレ報告書を発表し、本年の成長率をマイナス
0.5%からマイナス 1.1%に下方修正、本年のインフレ率見通しを 7.9%から 9.0%に上方修
正。
2.経済政策等
(1)6月 13 日、ルセーフ大統領は、地元テレビ局の取材に対し、国内のインフレ率の上昇
を深く憂慮しており、政府は物価抑制のためには何でも実行する構えであると表明し、現下
の困難な経済状況を克服するためにも、できるだけ早い段階で財政調整計画を決議する必要
があると述べた。
(2)6月 24 日、連邦議会下院は、最低賃金の引上げ幅を算出する際の計算式を使用して年
金向けの公的支出を引き上げる改正案を可決した。
(3)6月 25 日、通貨審議会は、2017 年のインフレ目標を従来通り 4.5%とするとともに、
目標レンジを現行の±2.0%から±1.5%に縮小することを決定した(これにより、上限は
6.5%から 6.0%に変更される)
。
(4)
6月 30 日、
連邦議会上院は、
司法部門職員の給与を大幅に引き上げる法案を可決した。
今後4年間で 257 億レアル(約1兆円)の財政負担増につながる内容であり、バルボーザ企
画予算大臣は、ルセーフ大統領に拒否権を行使してもらい、どのように解決するか引き続き
交渉したいとした。
3.中銀の金融政策等
(1)6月3日、通貨政策委員会(Copom)は、政策金利(Selic)を 0.50%引上げ、13.75%
とすることを決定した。
(2)6月 10 日、中銀は市場介入に用いる通貨スワップのロールオーバー(繰り越し)ペー
スを弱めると発表した。
4.為替市場
(1)6月のドル・レアル為替相場は、1日に一時1ドル=3.2134 レアルの月内最安値を記
録した後、3日に通貨政策委員会が政策金利を引上げる決定を行ったこと等を受けて、月の
半ばにかけて緩やかにレアル高が進行した。
(2)その後、5月の失業率が 0.3%悪化する等の低調な経済指標を嫌気したレアル売りが
入った後、1ドル=3.10 レアルを挟んで小幅な値動きが続き、月末は1ドル=3.1019 レアル
(買値)で取引を終えた(前月末比 2.40%のドル安・レアル高)
。
-2-
5.株式市場
(1)6月のブラジルの株式相場(Bovespa 指数)は、53,000 ポイントを挟んで小幅な値動
きとなった。月の当初は、鉄鉱石の価格上昇などにより鉄鋼関連株が買われるとともに、ペ
トロブラスが海外市場で資金調達を実施したことが評価され、株価は上昇した。しかし、連
邦議会で財政緊縮案の採決が延期されたこと等を嫌気して下落した。
(2)月の半ば以降は、米国の利上げ時期が予想より遅くなるとの見方が強まり、株価の上
昇要因になる一方、ペトロブラスの一大汚職事件による関係者の逮捕をはじめとする政局の
混乱や低調な経済指標を嫌気し、株価を押し下げる要因となった。
(3)
月末にかけては、
通貨審議会が 2017 年のインフレ目標レンジを狭めたことが好感され、
株価は上昇する場面も見られたが、ギリシャ情勢が悪化したことや、ペトロブラスが今後の
予算を大幅に削減するとの発表を嫌気して下落した。月末の株価は 53,081 ポイントとなり、
前月末比 0.61%のプラスと小幅な動きにとどまった。
○トピックス
【梅田大使バイーア州公式訪問】
6月13日から6月15日の日程で梅田大使がバイーア州公式訪問を実施。
13日にはサルバドール日系団体、日本語モデル校、サルバドール名誉総領事事務所の視
察を行った。
14日はマッタ・デ・サン・ジョアン市のジュセリーノ・クビシェッキ(JK)移住地を
訪問。中原JK日伯文化協会会長とタケナミ前会長の案内による農地視察の後、懇談会が催
され、同移住地婦人部による手作り料理が振る舞われた。懇談会にはジョゼリット・ペレイ
ラ副市長も出席した。
15日は大使夫妻及び同行日系企業と州経済開発局次長らとの会合が開催され、活発な意
見交換が行われた。会合終了後には、ルイ・コスタ州知事との会談が行われ、大使からは日
系社会への支援に感謝の意が表された後、日系企業の活動支援、移住地へのインフラ整備、
交番制度の導入等を呼びかけたのに対し、コスタ知事からはインフラ整備は優先事項の一つ
であり、積極的に取り組む意向が表明された。
【日伯外交関係樹立120周年・移民107周年記念公聴会の開催】
(1)6月18日の「日本人移民の日」の機会に,連邦下院議会において,移民107周年・
日伯外交関係樹立120周年を記念する公聴会が開催された。同公聴会には,約30名の連
邦議員,日系団体関係者約20名等が出席し,ブルーメル在ベロオリゾンチ名誉総領事及び
オデシル在サルバドール名誉総領事が日伯協力関係に関する講演を実施している。
(2)両名誉総領事の講演及び梅田駐ブラジル日本国本使の挨拶の後,23名もの連邦議員
が発言し,所定時間を約1時間も超過するなど,公聴会は成功裏に開催された。各出席議員
は,共通して日系社会のブラジルへの貢献を高く評価しており,同時に教育・投資・科学技
術等,様々な分野での日本との協力への大きな期待を述べている。
-3-
【自衛隊記念日レセプション】
(1)7月1日,梅田駐ブラジル日本国大使公邸にて第1回自衛隊記念日レセプションが実
施された。同レセプションは,伯国防衛関係者及び各国武官等約270名の参加を得て,極
めて和やかな雰囲気の中で自衛隊創設記念を祝賀した。
(2)同レセプションでは,梅田大使他による挨拶,自衛隊の国際平和協力活動等の紹介,
日伯防衛交流功労者の表彰及び日本企業紹介等を実施した。同レセプションは,伯国防関係
者及び友好国武官との友好・信頼関係の促進,「積極的平和主義」への理解向上及び日本企
業と伯国防関係者の人脈構築等に繋がる大変有益な機会となった。
【「スマートシティ・ビジネス・アメリカ会議&エクスポ」が開催】
5月19-21日、クリチバ市内のポジティーヴォ大学で「スマートシティ・ビジネス・アメ
リカ会議&エクスポ」が開催されました。同会議は都市の持続可能なスマートシティ化を促
進する目的でクリチバ市の協力のもと、国内外の研究者、専門家、ボルボ・バス社、GE、TIM
(携帯通信会社)、オラクル、パラナ電力公社等の企業家、国際連合人間居住計画(国連ハ
ビタット)
、NGO、市長など1500人以上が参加しました。
1. 環境都市クリチバ
本題に入る前に,そもそもなぜクリチバ市でこのような会議が開催されたのか?こ
れまで,過去2回はブラジルのペルナンブーコ州レシフェ市で開催されていた会議で
すが,同会議開催の実務を担当したレオポルド・デ・アルブケルケ・スマートシティ
研究所所長は,クリチバ市が効率的な公共交通網をはじめ環境に優しく人間に住みや
すい斬新的な計画都市して世界的に有名であることから,まさにスマートシティを発
信するに適した都市であると考え,選ばれました。
クリチバ市は,1960年代から環境に優しい都市づくりを進めてきました。1990年に
はUNEPから国連環境賞,1992年にはリオデジャネイロで開催された国連世界環境
会議で優れた「エコシティー」として表彰されるなど、独創的な交通・都市計画・環
境・緑化政策を整合性をもって実践してきた都市です。この成功の功労者として,建
築家で都市計画家であり、クリチバ市市長を3期及びパラナ州知事を歴任し,環境都
市クリチバ市の生みの親とも言われるジャイメ・レルネル氏は有名ですが、ブラジル
で日系人として初めて州都の市長としてクリチバ市長を務めたカシオ・タニグチ氏
(現在、フロリアノポリス大都市圏開発局長)等、複数の日系人がクリチバ市の環境
局長や都市計画研究所長などの要職に就き、都市行政に指導的役割を果たしたことは
あまねく知られています。
2. 会議内容
さて,3日間に亘る会議では、「持続可能な都市開発のあり方」という大きなテー
マのもと、省エネ技術、都市交通システム、廃棄物管理、教育、通信インフラ、防犯
コミュニティー等、幅広い分野の事例や普及への課題がパネルディスカッション形式
で紹介されました。財源の少ない都市と民間の連携のあり方、特に地方自治体は民間
企業とPPP、BOT等のビジネスモデルで都市のイノベーションを図る必要がある等、官
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民協働の枠組みの必要性等が議論されました。また、同会議と並行して、会議スポン
サー企業と市長の会議、都市交通機関の流動性、スマートシティーに関するスタート
アップ会議が行われました。
3. 環境都市クリチバの課題
冒頭のとおり,「環境都市クリチバ」として名を馳せたクリチバ市ですが、急激
な発展に伴う人口増加、またそれに伴う車の増加による渋滞等、他の都市同様に課題
に直面しています。都市の流動性をテーマに登壇したジャイメ・レオネル氏も、当時
クリチバ市長としてBRT(バスを基盤とした大量輸送システム)導入等,斬新的な
都市計画を推進してきた当事者として、クリチバの現状を憂慮しているようでした。
今後の都市交通網の取組みについて、レルネル氏はハイブリッド&電力システムの車
両導入は今後も持続可能な方法の一つであろうと提言し、地下鉄を整備するよりも車
両代だけで1/5の経費で済む既存のバス交通網をさらにを有効活用するほうが賢
い運用が可能になるだろうと述べ、地下鉄導入が交通問題を解決するわけでなく交通
システム管理の質の改善が効果的な改善策であると説明しました。また、人間を中心
とした都市計画という視点を忘れてはならないと力説していました。
4. 日本の存在感
昨年から同会議を企画していたレオポルド・デ・アルブケルケ・スマートシティ研
究所所長が、スマートシティの知見と高い技術を持つ日系企業に参加を促していた結
果,東芝南米社、Furukawa Industrial S.A.Produtos Eletricos社(古河電工子会社)
、
ブラジル戸田建設がスポンサー及び後援企業として展示ブースの出展及び会議にお
ける発表者として参加しました。
各社それぞれ、展示ブースにおいてスマートシティに関連する技術や製品及び取り
組みをパネル等で説明し、多くの来場者が足を止めてパネル等を興味深く眺める様子
が見られました。また、各社のスマートシティにかかる取り組みの発表及びパネルデ
ィスカッションでは、多くの聴衆が日本の先進的な技術や取り組みに高い関心を示し
ていました。
更に、メインゲストスピーカーとして招聘された横浜国立大学副学長であり都市交
通の専門家である中村文彦教授は、クリチバ市を含めた日本や世界各国における都市
交通システム導入の事例を比較しながら発表を行った他,レルネル氏及びボルボバス
社のエドワード・ジョンソン社長とのパネルディスカッションにも参加し、大きな注
目を集めました。このような取り組みの結果、海外からの参加・団体としては、ケニ
ア、米国、チリ、アルゼンチン、スゥエーデン、英国等から出席があったものの、日
本の存在感が際立つ形になりました。そして、日本のスマートシティ関連の知見と高
い技術を生かし都市計画分野を通じた日伯関係の強化にもつながるのでは、と感じさ
せるイベントとなりました。
なお、今回に続いて次回4回目もクリチバ市で2016年3月28~30日の開催
になる旨が決定しています。
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大勢の聴衆者で賑わう会場
東芝南米社のブース
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Furukawa Industrial S.A.Produtos Eletricos社のブース
ブラジル戸田建設のブース
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ディスカッションの様子
レルネル元パラナ州知事(左端)と中村・横浜国立大学副学長(右端)
【内政】
1.ペトロブラス汚職事件とルーラ財団の関係
(1)6月12日付各紙は,ルーラ元大統領が内外で様々な活動を行うため大統領退任後に
設立したいわゆる「ルーラ財団」(Instituto Lula)に対しても,ペトロブラス汚職等に絡
む不正資金が流されているとして,連邦議会特別調査委員会で証人喚問等が行われることを
報じている。
(2)報道によれば,ペトロブラス汚職事件で得られた資金を洗浄し政治家等に回していた
いわゆるラヴァ・ジャット資金網を通じ,不正資金がルーラ財団にも流されていたとの疑惑
が浮上。具体的容疑としては,ペトロブラス事件で捜査されている大手ゼネコンの1つカマ
ルゴ・コヘア社からルーラ財団に2011~13年の間約300万レアル(約1億2千万円)の不正資
金が渡されていたと連邦警察が指摘している。
(3)
ペトロブラス汚職事件をめぐり連邦議会に設置された特別調査委員会において,
今般,
ルーラ財団絡みの疑惑についても議論されてきた。最大連立与党の伯民主運動党(PMDB)と
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最大野党の伯社会民主党(PSDB)との間で了解が成立し,ルーラ財団のパウロ・オカモト理
事長を,特別調査委に証人喚問することが決定された。このほか,以前から喚問されている
PTのヴァカリ元財務担当者や,司法取引により供述を提供している逮捕者等から一部を喚問
することが決まっている。
(4)また,上記両党の申し合わせにより,2006年に騒がれた汚職事件であるメンサロン事
件の首謀者として自宅収監状態にあるジルセウ元文官長及びジルセウが経営するコンサル会
社の銀行口座情報の開示も行われることとなった。
2.ルセーフ政権支持率の低下
(1)6月17日から18日にかけて,ダタ・フォーリャ社が実施した世論調査の注目点は
以下のとおり。
(ア)
同政権を前向きに評価する回答は,
昨年末の42%から本年3月及び4月に連続して13%
となった後,今回6月調査結果では更に10%にまで低下。
(イ)昨年12月に24%にとどまっていた悪いと評価する回答の率が,3月に62%にまで上昇
し,4月も60%となり,今回6月調査結果では,65%にまで上昇している。
(2)1992年にコロール大統領が弾劾により大統領職から追放される直前時期の同社世
論調査では,大統領への前向きな回答率は9%。様々な調査の中でも近年これが最低の結果
となっているが,今回のルセーフ大統領に対する支持率は,これに非常に近い低い水準にま
で下がっていることが注目されている。
3.ペトロブラス汚職捜査におけるオデブレヒト社社長等の逮捕
(1)6月19日,伯ゼネコン大手のオデブレヒト社のマルセロ・オデブレヒト社長及びア
ンドラーデ・グチエレス社のアゼヴェド社長をはじめとする両社の役員等が、伯連邦警察に
よるペトロブラス汚職捜査「ラヴァ・ジャット・オペレーション」において、カルテル等の
容疑で逮捕された。
(2)マルセロ社長はルーラ元大統領と長年親しい関係にあり,ルーラ元大統領は同社から
不正に資金供与を受けていたとされている。同社長の逮捕を受け手,ルーラ元大統領が落ち
着きをなくし,不眠にも悩まされていると報道されている。また報道では,オデブレヒト社
長逮捕を境目に,ルセーフ政権や,自らが率いてきた労働者党への批判的発言が目立つよう
になったとの指摘も多い。
4.現職閣僚を含む要人の汚職に関する供述
(1)6月27日,ペトロブラス汚職事件で本年2月に既に逮捕されているリカルド・ペソ
ーアUTC(大手ゼネコン)社長が,検察との司法取引に応じた結果,2014年の大統領選挙にお
いて,同事件で不正に得た資金を労働者党に提供したとの供述を行っていることが検察当局
からリークされたとの形で報じられた。なお,ペトロブラス汚職事件をめぐっては,ルセー
フ大統領本人の関与は立証されていないとして,政権中枢への影響はとりあえず回避された
とみられていたものの,今般の報道を境目に,再びルセーフ政権及び大統領自身が危機にさ
らされるリスクが浮上しているとの見方が主要紙に出始めている。
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(2)ルセーフ大統領は,28日から行う訪米への出発を約1時間半遅らせ,緊急閣僚会合
を招集。訪米同行する予定であった閣僚のうち,上記供述の中で不正に関与したとされるメ
ルカダンテ文官長及びシルヴァ大統領府社会広報庁長官を一行から外し,イメージダウン回
避に努めたと言われている。ペソーア社長の供述では,メルカダンテ文官長が2010年サンパ
ウロ知事選に出馬した際に同社長から資金提供を受けた,シルヴァ長官については,2014年
の大統領選に際し,ペトロブラス汚職事件から得た資金から750万レアル(約3億円)を提供
せよと強要したとされている。
(3)その他,ペソーア社長の供述により,ルーラ元大統領,ヴァカリ・ネット労働者党元
会計担当,ジルセウ元文官長,アダッジ・サンパウロ市長,ロバン元鉱山エネルギー大臣,
レナン・フィーリョ・アラゴアス州知事,コロール元大統領等の疑惑が報じられている。
【外政】
1.ルセーフ大統領のEU・CELACサミット出席
(1)ルセーフ大統領は,6月10,11日にEU・CELACサミットに出席した。主な
議題は,投資,教育,科学技術,イノベーション,気候変動,麻薬・テロとの闘いであった。
10日の会合でルセーフ大統領は,本年パリで開催されるCOP21において,炭素排出目
標等に関し伯は有利な状況にある旨述べている。同大統領は,EU・CELACサミット後,
記者団に対し,伯は炭素ガスの排出抑制のための自発的な目標を設定した最初の国の一つで
あり,森林伐採の削減等の目標も設定している旨述べた。また,各国首脳は,低炭素経済へ
の移行に向けた融資を行うため,緑の基金への投資の必要性を認識した。
(2)ルセーフ大統領は,同機会に,キャメロン英首相,ミシェル・ベルギー首相,メルケ
ル独首相,トゥスク欧州理事会議長等との会談を実施している。
(3)EU・CELACサミットに関する分析記事は以下のとおり。
EU・CELACサミットは単なる時間の無駄に過ぎない。もっとも,EUがCELAC
にとり重要でないというわけではなく,寧ろその逆である。EUは伯を含むラ米への最大の
投資家であり,2014年の伯対外貿易の19.5%を占めている(ラ米とEUの昨年の貿
易総額は887億ドル)。問題は,このようにサミットへの参加者数が多すぎることと各国
の立場の違いが大きいことである。そのため,こうしたサミットは域外の多くが関心を払わ
ない誇大なトークショーとなってしまっている。実際のところ,伯の関心が高かったのはメ
ルコスールとEUのFTA締結に向けた議論であった。
2.伯中ハイレベル協調協力委員会(COSBAN)の開催
(1)6月26日,テメル副大統領及び汪洋中国副総理が共同議長を務める第4回COSB
ANが開催された。第4回目となる今次委員会においては,2013年に実施された第3回
COSBANで発表された施策や2014年7月の習近平国家主席及び本年5月の李克強総
理訪伯時になされた決定の履行プロセスが検討されている。
(2)今次委員会では,インフラ投資や生産的な協力の拡大,食肉(牛・豚・鳥肉)関連貿
易,航空分野における協力(伯EMBRAER社製航空機の売却及び中国におけるビジネス用飛行機
の製造のためのEMBRAER社と中国航空工業集団公司のジョイントベンチャー),教育,文化,
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科学技術及びイノベーション等のテーマについて議論が行われた。
(3)同26日,汪洋中国副総理はルセーフ大統領を表敬している。両者は,二国間の議題
について議論を行い,両国関係がダイナミックになっていることで一致した。会談後,汪洋
中国副総理は,
中国は工業製品を含むより多くの伯製品を輸入する意思がある旨述べている。
また,同副総理はテメル副大統領との共同記者会見において,伯産牛肉の対中輸出を増加さ
せるべく,中国の技術者チームが調査を行っている旨述べている。
3.ルセーフ大統領の訪米
(1)ルセーフ大統領は,6月28日から7月1日にかけて,訪米(ニューヨーク,ワシン
トン,サンフランシスコ)した。なお,同訪問には10名の閣僚が同行。今回,両国は環境,
科学技術,防衛,農業,社会保障及び教育等の様々な分野における協定を締結している。環
境分野では,再生可能なエネルギー源(水力発電を除く)の比率を20%に増やす目標を発
表し,畜産分野では今後米国が伯の14州より牛肉を輸入していく旨発表した。更に,ルセ
ーフ大統領は,グローバルエントリープログラムにより,伯から米国への訪問者の入国を容
易にさせるオバマ大統領の決定を歓迎している。
(2)また,両国首脳会談後,オバマ大統領は,米国は伯を地域ではなく,グローバルな大
国として見ている旨述べた。また同大統領は,米国が中南米により深く関わっていくにあた
り,伯との強力なパートナーシップが同地域における礎石となると述べている。ルセーフ大
統領は,貿易の拡大・多様化のための野心的な関係を築いていきたい,また貿易,投資,気
候変動,エネルギー,教育,防衛,科学技術,イノベーション等の二国間のアジェンダがあ
る旨述べた。
(3)専門家は,ルセーフ大統領の訪米を,二国間関係における重要なアジェンダの回復と
いう点から重要なものと捉えている。他方で,伯外交の方向性にどのような意味合いがある
かという点では種々議論がある。
(ア)ジュニオール・ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)教授の見方
今次訪米は伯外交の分水界であり,今後伯外交はより力強いものとなっていく。伯産牛肉
の貿易解禁,貿易円滑化措置,社会保障・気候変動・防衛協力等の分野での協定は,201
3年に凍結した両国関係の回復のための,重要な歩みである。また,財政調整が行われてお
り,昨今の中国との接近にもかかわらず,米国との関係は優先事項であり続けることを示す
ことが,米投資家を安心させる上で重要であった。
(イ)バルボーザ元駐米伯大使の見方
両国が発表した約束及び協定の今後の進展状況を見ていく必要があり,伯外交の変化につ
いて述べるには時期尚早である。今次訪米は伯側から見て目的を達成した前向きなものであ
るが,ルセーフ大統領がこのイニシアチブをとったのは,政治・経済的苦境から厳しくなっ
ている国内の雰囲気を静め得る前向きなニュースが必要であったからである。
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【防衛】
1.伯武器輸出の状況(エル・バイス紙 ブラジル版より)
(1)「武器及び世界」の報告書によると,伯は小銃や対戦車ミサイルや迫撃砲等の軽装備
の分野において,米,伊,独に続き,世界第4位の輸出国であることがSmall Arms Survey
の調査により明らかになった。
2001~2012年の伯の軽装武器輸出額は28億ドルで,
ロシアや中国を抜いている。伯は武器貿易条約(ATT)の締結国でありながら,国連に対
する武器輸出に関する報告を行っていないため,上位3ヶ国に比し,その武器輸出は透明性
が低く,武器の輸出先が不透明であると指摘されている。
(2)
実際に,
伯製武器は紛争当事国や人権侵害を行っている国に渡っている可能性がある。
状況によっては,
独裁国やテロ等に伯製武器が使用されている可能性も否定できない。
伯は,
ATT条約に署名はしたが,未だ議会の承認が得たれていない。また,2011年に国連に
武器輸出に関する報告を行っておらず,リビアに対する国連の経済制裁については棄権して
いる。2013年にはトルコで監視団が,同国警察が反エルドアン政権デモの鎮圧に伯製催
涙ガス弾(コンドール社製)を使用しているとの告発を行っている。
(3)サンパウロキリスト教大学国際学部のナセール教授は,「伯はPKO活動に参加する
反面,武器を売るという矛盾を呈している。」と指摘する。例えば,伯はアンゴラの和平交
渉プロセスに参加している一方で,Forjas Taurus社(伯最大の拳銃やレボルバーの製造業者)
がアンゴラに進出している。
(4)2001~2012年にかけて,伯の軽装武器の輸出は295%増加しており,その
主因は中国向け輸出(1,456%増),韓国向け輸出(636%増),トルコ向け輸出(4
67%増)である。企業は伯の主要な武器メーカーForjas Taurus 社,Imbel 社,Companhia
Brasileira de Cartuchos である。
○大使館からのお知らせ
【平成27年 海外在住邦人数調査統計発表】
6月22日付にて平成26年10月1日現在の海外在留邦人数調査統計表が公表されたと
ころ、ブラジルの海外在留邦人数、進出日系企業は以下のとおりです。
在留邦人数
54,377人(前年比-3.3%) (前年:56,217人)
永住者数
50,689人(前年比-3.8%) (前年:52,680人)
長期滞在者数
日系企業数
3,688人(前年比+4.3%) (前年: 3,537人)
698社(前年比+1.0%) (前年:
691社)
詳しくは、外務省ホームページ(海外在留邦人数調査統計統計表一覧)をご覧ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000043.html
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【文化イベント】
漫画「るろうに剣心」作者講演(リオデジャネイロ)
日時:7月14日(火)14時~
場所:リオ州立大学
内容:漫画「るろうに剣心」の作者である和月伸宏氏と、ストーリー作家の黒碕薫氏による
講演。漫画制作の舞台裏に関し、来場者との質疑応答も実施。
和月伸宏先生・黒碕薫先生講演会(サンパウロ)
日時:①7月17日(金)19:00から
②7月18日(土)14:00から
場所:①サンパウロ市文化センター
Rua Vergueiro, 1000 São Paulo – SP
②コミックフェスタ
Rod. Imigrantes km 1,5 São Paulo–SP
内容:日本で人気が高く、ポルトガル語翻訳も出版されている漫画「るろうに剣心」の作者
の和月伸宏先生と、そのストーリーやキャラクター構成等に携わっている作家の黒碕薫先生
による講演会を実施。
武楽座公演(サンパウロ)
日時:①7月24日(金)19:30から
②7月25日(土)、26日(日)
場所:①サンパウロ市文化センター(Rua Vergueiro, 1000 São Paulo)
②第18回日本祭り(Rod. Imigrantes km 1,5 São Paulo)
内容:
「武の美」をテーマに、居合や薙刀などの侍の技、武士のたしなみとされる能や茶道を、
光による演出を融合したダイナミックでスタイリッシュな芸能として紹介。
第18回日本祭り:日本音楽紹介ミニコンサートとワークショップ
(サンパウロ)
日時:7月24日(金)12:00~21:00
25日(土) 10:00~21:00
26日(日)10:00~18:00
場所:第18回日本祭り(Expo Exhibition & Convention Center-Rodovia dos Imigrantes km
1,5)
内容:日本の伝統音楽の美しさを紹介するため、サンパウロ出身の尺八及び三味線奏者がミ
ニコンサートを行う。演奏後に和楽器の歴史、演奏法等に係るワークショップも開催。和楽
器の展示有り。
練習艦隊寄航・スポーツ交流(レシフェ)
日時:7月29日(水)18時~
場所:長井道場
内容:日ブラジル外交関係樹立120周年を記念してレシフェに寄航する練習艦隊の隊員が、同
地で長年柔道の普及に貢献してきた長井道場で練習試合を通じた交流を行う。
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練習艦隊寄航・音楽交流(レシフェ)
日時:7月29日(水)
場所:マルコ・ゼロ広場
内容:日ブラジル外交関係樹立120周年を記念して、レシフェに寄航する練習艦隊の楽団と地
元の伝統音楽楽団が、それぞれの音楽を演奏して親善交流を行う。
日伯友好コンサート(リオデジャネイロ)
日時:7月31日(金)20時~
場所:リオデジャネイロ市立劇場
内容:日ブラジル外交関係樹立120周年を記念し、指揮者の西本智実氏、和太鼓奏者の壱太郎
、はせみきたとリオ市立劇場オーケストラがスペシャルコンサートを開催。
【ブラジル渡航情報】
1 外務省 海外安全ホームページ
各国の危険情報や安全対策など、海外赴任、出張及び旅行をする際の留意点が掲載され
ています。
http://www.anzen.mofa.go.jp/
2 ブラジル渡航情報
(1)危険情報
5月1日付で内容を改訂しましたので御確認ください。以下の地域が「十分注意してく
ださい。
」となっていますので、詳細をホームページで確認してください。
・ブラジリア連邦区(継続)
・サンパウロ州大サンパウロ圏及びカンピーナス市(継続)
・リオデジャネイロ州大リオ圏(継続)
・アマゾナス州大マナウス圏(継続)
・パラー州大ベレン圏(継続)
・ペルナンブコ州大レシフェ圏(継続)
・バイア州大サルバドール圏(継続)
・エスピリトサント州大ビトリア圏(継続)
・パラナ州大クリチバ圏(継続)
・リオ・グランデ・ド・スル州ポルトアレグレ市(継続)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=259#header
(2)安全対策基礎データ
主要各州、都市毎の犯罪発生状況、防犯対策及び滞在時の留意事項等に加え、査証、
出入国審査や大使館、総領事館の緊急連絡先が掲載されています。
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=259
(3)テロ・誘拐情勢
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror.asp?id=259
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