大腸菌の発現ベクター系を用いたタンパク発現実験2

大腸菌の発現ベクター系を用いたタンパク発現実験
TB の調製
Plus grow(Nacalai tasque 社 25950 500g)40g を水に溶解して 1L に FillUp する。
121℃15 分 AC する。
≪IPTG 誘導の最適化≫
1.
2 ml の TB 培地(ファイナル 100ug/ml カルベニシリン、ファイナル1%Glucose)に
植菌し、37℃ 200rpm で 1 晩回転培養(プレカルチャー)する。
2.
翌朝、培養を止めて 100ml の TB 培地(ファイナル 100ug/ml カルベニシリン、ファ
イナル1%Glucose)に前培養液を 2ml デカンテーションで植菌し、37℃ 250rpm で
本培養開始する。
3.
OD600 を 1.5hr くらいから測定し始める。
4.
OD600 が 0.5-0.7 になったら培養を止める。
5.
IPTG をファイナル 1mM になるように加えて誘導を開始する。
6.
0,30,60,90 分で 500ul ずつ培養液を 1.5ml チューブに移す。
7.
菌液に BugBastar を 1/5 量加え、溶菌する。
8.
遠心して可溶性画分を回収する。
9.
沈殿を結合バッファー(ファイナル 6~7M となるように Urea を
加えたもの)で再懸濁して不溶性分画として回収する。
10. サンプル 15μl を等量の SDS サンプルバッファーと混ぜ、99℃
で 10min 熱変成して SDS ゲル電気泳動する。結果から最適な誘
導時間を決定する。
0 30
90 min
不溶性
可溶性
不溶性
可溶性
不溶性
可溶性
可溶性
今回は 90 分とした。
60
≪タンパク質発現・回収≫
試薬
懸濁バッファー( MQ 84.395ml,
1M Tris-HCl pH7.5 2ml,
5M NaCl 10ml,
0.25M EDTA 80μl, 80%Glycerol 3.125ml, 0.5M DTT 0.2ml,
0.5M PMSF 0.2ml )
結合バッファー( MQ 84.145ml,
1M Tris-HCl pH7.5 2ml,
5M NaCl 10ml,
0.25M EDTA 80μl, 80%Glycerol 3.125ml, 0.5M DTT 0.2ml,
0.5M PMSF 0.2ml, 2M Imidazole 250μl )
洗浄バッファー( MQ 83.395ml,
1M Tris-HCl pH7.5 2ml,
5M NaCl 10ml,
0.25M EDTA 80μl, 80%Glycerol 3.125ml, 0.5M DTT 0.2ml,
0.5M PMSF 0.2ml, 2M Imidazole 1ml )
溶出バッファー( MQ 59.395ml,
1M Tris-HCl pH7.5 2ml,
5M NaCl 10ml,
0.25M EDTA 80μl, 80%Glycerol 3.125ml, 0.5M DTT 0.2ml,
0.5M PMSF 0.2ml, 2M Imidazole 25ml )
1.
2 ml の TB 培地(ファイナル 100ug/ml カルベニシリンとファイナル1%Glucose)に
植菌し、37℃ 200rpm で 1 晩回転培養(プレカルチャー)する。
2.
翌朝、培養を止めて 100ml の TB 培地(ファイナル 100ug/ml カルベニシリンとファ
イナル1%Glucose)に前培養液を 2ml デカンテーションで植菌し、37℃ 240rpm で
本培養開始する。
3.
IPTG(ファイナル 1mM)を入れて、適当な時間が経過したら氷上に移して培養を停止す
る。
<これ以降の操作は氷上で行う>
4.
ファルコンチューブ 2 本に分注し、
4000rpm で 20min 遠心する。
5.
上清を取り除く。
6.
1 本あたり 5ml の懸濁バッファーを加え
る ( 総 量 はカ ル チ ャー に 用 いた 量 の
1/10)
。最初 2ml 加えて駒込ピペットで
懸濁した後、続いて 3ml 加えて懸濁す
る。
7.
二本を一本にまとめて、4000rpm 20min
8.
<カラム>
4℃
低温室にてカラムのセッティングを行う。20%EtOH でカビが生えるのを防止してい
るカラムに、まず水を約 10ml 流して置換を行う。0.7ml/min で置換を行った。
※大体の流速を計測する。設定と実際の流速は異なるため。
9.
7.で遠心したものの上清をデカンテーションで捨てる。
10. 10ml(カルチャーに用いた量の 1/10)の結合バッファーを加える。
11. 駒込ピペットで再懸濁する。
12. 氷を入れたビーカーに 11.を立てる。超音波破砕機を用いて溶菌を行う。
破砕前
破砕後
13. 一秒つぶしては一秒休むを 30 回行う。この操作を 5 回繰り返す。インターバルは 1min
くらい。
(過熱を防ぐため)
14. 12000rpm 20min
4℃
15. <カラム>
1.5ml の 0.lM NiSO4 をカラムの先をはずして注射器で入れる。その際にカラムに空気
が入らないように、まずカラムの入り口に水を多めに入れる(表面張力で盛り上がる
くらい)
。そこに NiSO4 を入れた
シリンジを泡が入らないように接
続した。NiSO4 を入れる際はでき
るだけゆっくりといれる。
16. <カラム>
カラムを再接続し続いて MQ を約
10ml 流す。続いて結合バッファー
を約 10ml 流し、平衡化させる。
これでカラムが使用可能になる。
17. 14.の上清を 25ml の注射器に入れ、
0.45um のフィルターを付けて押し
出し、濾過する。
18. サンプルをアプライする。1ml/min
で約 10min
放っておくとサンプ
ルが全て流れて泡が入ってしまうの
で付きそうこと。サンプルが無くな
る前に次のステップに。
19. 約 10ml の結合バッファーを流す。
20. 続いて 10mlの洗浄バッファーを
流す。
21. 続いて 30 分間で溶出バッファーが 100%になるようにグラジエントをかける。最初は
100%洗浄バッファーが流れ、最終的に 100%溶出バッファーが流れる。
22. これらを 1min ごとにフラクションコレクションする。約 700ul が溶出される。
23. 1-30 フラクションを回収した。
24. 100ul の CBB(ナカライ BIO-90)にサンプル 2ul を加えて発色を確認する。
フラクションNo.
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22
25. 通常、中間部にピークがくる。今回は 15 番目のフラクションが最もタンパク含量が高
かった。これをタンパク定量して活性測定に用いる。
※ピークが認められない場合、泳動して銀染色することでピークが認められる場合もある。
ピークが認められなかったもの
(kDa)
認められたもの
13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 12 13 15 16 17
83
※ぺリスターポンプは気泡が入らないように細心の注意を払う
≪タンパク質の透析≫
1.
透析チューブの一方を縛り、精製産物を入れ、もう一方を縛る。
2.
1L の 20%Glycerol 透析バッファー (MQ 647ml,
1M Tris-HCl 100ml,
80%
Glycerol 250ml, 0.5M DTT 2ml, 0.5M PMSF 1ml) に浮かべ、4℃で一晩静置。
活性測定のためのバッファーに置換する。
精製の際に高濃度の状態の成分(この場合はイミダゾール)を除く。
透析バッファーにグリセロールを添加することで,タンパク質を安定化(50%ま
で上げるとフリーザーで保存が可能)させ、濃縮することができる。