医師、看護師、事務スタッフも含む 多職種が一体と

ナース ワゴン
もっと詳しく!
α
No. 34
災 害 訓 練 ア ル バ ム
医師、看護師、事務スタッフも含む
多職種が一体となって
避難訓練を行いました
2015.10.10 第 2 回災害訓練の写真記録
新病院となって 2 回目となる災害訓練を職員と札幌市消防局レスキュー隊 1 隊と東消防署救急隊 2 隊、ボラン
ティアを加えた総勢 110 人体制で行いました。2 年前の 2013 年に実施した初回災害訓練での課題解決に取
り組みながら、
「病院がとるべき対応」や「各スタッフが果たすべき役割」を改めて確認しました。
訓練開始
13:00 災害対策本部設置
医師・責任者 みなくる A(本部)集合
田村裕昭院長による「トリアージ災害モード」発令
本日 12 時、東区を震源とする震度 7 の直下型地震が
発生。周囲の住宅は一部破損し、家具の下敷きや瓦礫
によるケガ人や近隣のビル倒壊によるケガ人が多数い
る模様。当院は建物の一部が破損したものの、病院と
しての機能は可能なことから、「災害コール」を宣言
します。外来診療は中止して、外部からの被災者を受
け入れるトリアージ災害モードとします。無線機を利
用して必ず本部への状況報告をお願いします。
-1-
各ブース設営
職員らが責任者の指示で各ブースを中央病院 1 階に設営
職員のスムーズな動きで
設営が完了しました。
トリアージブース
緑ブース
黄ブース
赤ブース
隣接する共同ビルでムラージュを施される患者役のボランティア
より実践的なトリ
アージ訓練のた
め、患者さん役へ
の演技指導も行わ
れました。
-2-
隣接する東ビルで札幌市消防局レスキュー隊が被災者救援作業
レスキュー隊員が素早く
確実なロープワークで患
者役の人形 3 体を 3 階か
ら救助しました。
-3-
正面玄関:トリアージブース(傷病者の重傷度・緊急度を判断)
【任務】被災患者の受入とトリアージ(ウォークイン窓口・救
急車窓口)
、受入時の患者整理、トリアージタグ記載、トリアー
ジ後の誘導、受入数の確認。
▼配置スタッフ
医師
1人
看護師 2 人
その他 10 人
迅速なトリアージだけ
でなく、患者さんの整
理誘導や本部への連絡
といった重要な役割も
訓練を終えて
果たしました。
トランシーバーの使いどころがよく分からず迷いがあ
りました。どんなときに誰とどんな連絡をし合うのが
いいのかを考えたいと思います。
-4-
ヒーリングプラザ:緑ブース(治療保留群)
【任務】軽症者の受入、カルテ作成、受入時の誘導と整理、診察・
軽度治療、帰宅誘導、受入数の確認。検査などは最少限、投薬
処方箋中心、簡単な処置、病状によっては他ブースへの移動判
断。
▼配置スタッフ
医師
2人
看護師 4 人
その他 5 人
患者さんに安心感を与
えるため看護師は落ち
着いて行動しました。
訓練を終えて
トリアージの区分変更で戸惑いがありました。また、
患者さんの動線を考えずにレイアウトしていました。
-5-
外来待合:黄ブース(準緊急治療群)
【任務】受入時の誘導と整理、カルテ作成、診察・治療、帰宅誘導、
受入数の確認。限定の検査・治療、投薬処方箋、病状によって
は他ブースへの移動判断、入院など。
▼配置スタッフ
医師
3人
看護師 7 人
その他 5 人
限られた物資や環境で
の看護力や工夫が求め
られました。
訓練を終えて
ストレッチャーが 1 台しかなく、検査が必要な患者さ
んの移動時に困りました。台数の検討が必要だと思い
ました。
-6-
救急センター:赤ブース(緊急治療群)
【任務】受入時の誘導と整理、カルテ作成、診察・治療、受入
数の確認。限定の検査・治療、病状によっては他ブースへの移
動判断、入院・手術判断。放射線受付。
▼配置スタッフ
医師
4人
看護師 9 人
その他 5 人
どのような状況であっても
チームで情報を共有し、医
療の質を保つように動くこ
とを心がけました。
訓練を終えて
10 人を受け入れましたが、テキパキと対応できまし
た。検査や転院などの動きが多く、そのやり取りが大
変でした。
-7-
エコー室:黒ブース(死亡群)
【任務】受入時の誘導と整理、死亡判断、死亡診断書作成、遺
族対応、受入数の確認。
▼配置スタッフ
医師
1人
その他 4 人
訓練を終えて
1 人を受け入れ死亡確認をしました。黄ブースからの
医師派遣要請に対応しました。トランシーバーの聞こ
えが悪かったようです。
みなくる A:災害対策本部
【任務】各トリアージの状況把握、病棟確保、問題発生時の判
断と回答、受入患者数の確認、無線機の配布。
▼配置スタッフ
医師
3人
看護師 2 人
次長室 4 人
その他 4 人
本部ではできるだけ多
くの情報を集め、整理
できるかが重要な役割
でした。
-8-
14:35 閉会式・講評
訓練終了後、参加者全員が「みなくる A」に集合にしました
患者役として参加した札幌市立病院
太田尚伸さんの感想
スタッフの対応がとても優しくて、嬉しく感じま
した。
万が一の災害時に、こんな病院が身近にあっ
たら頼もしいと思いました。
札幌東消防署
金本修一指令補のコメント
今回の訓練にはレスキュー隊 1 隊と救急隊 2 隊で
入りました。大規模で臨場感のある訓練となり、
被災患者さん(模擬傷病者)の演技に隊員もタジ
タジでした。
防災委員長・畠山広巳副院長の講評
2 回目の災害訓練は、予定よりも 15 分早い進行で終えることができま
した。ムラージュをした模擬傷病者の演技で緊張感のある訓練となりまし
た。救助の現場では、日頃の訓練が見て取れる素晴らしい活動があり、心
から敬意を表したい。職員も日常診療の技術を生かしながら、優しい対応
ができており、誇らしく感じました。トリアージは短時間で行うことがで
きましたが、オーバートリアージになる傾向があり、その精度やタグの取
り扱いにはいくつかの問題があったと思います。黄ブースはリーダーの声
が大きく指示が的確でした。緑ブースは落ち着いていました。黒ブースは
問題なし。本部は前回のような情報の混乱がなく、対応が進歩したようで
す。自然災害は身近で起きるものであることを認識し、万が一のときには、
訓練での経験を生かし対応してほしいと思います。
-9-
田村裕昭院長の閉会の挨拶
私たちは病院をあげて地域の皆さんを守らなくてはなりません。万が一
のときには全力を尽くすことを誓い合い、本日の災害訓練を行いました。
残された病院機能を最大限に生かして動くわけですが、「救急隊への連絡
はどうしたらいいのか」「ヘリコプターはどうしたら呼べるのか」などが
分からず、新たな課題も浮き彫りになりました。まだまだ十分な体制とは
言えないようです。そして、「なぜ、こんなことになったのか」と考える
のではなく、現状の中での「判断・実行・助け合い」が必要です。全職員
の力を借りてさらに邁進したいと思います。
傷病者・家族役などで参加していただいた 22 人のボランティアの皆様
ムラージュや迫真の演技にご協力いただき、ありがとうございました!
●勤医協札幌看護専門学校の学生と教員… 10 人
●市立札幌病院………………………………… 1 人
●北広島消防本部……………………………… 1 人
●釧路労災病院………………………………… 1 人
● JCHO 北海道病院……………………………… 2 人
●定山渓病院…………………………………… 1 人
●王子総合病院………………………………… 1 人
●勤医協札幌西区病院………………………… 1 人
●友の会………………………………………… 4 人
※敬称略
- 10 -