ハ 平 成 二 年 八 錘 十 農林水産委員会における農林水産大臣所信表明 農林水産委員会の開催に当たりまして、 私の所信の一端 を申し上げます。 ました。 らは、地方の農林漁業者の不安に寄り添って、万 るチャンスにしていくよう御指示をいただきました。 これを受け、十六都道県を訪問するなど、機会ある毎に 1 全 の 総 対 理 策 か 場に足を運んだほか、農林水産省を挙げて、ブロック別 .品目別の地方説明会も開催しました。全ては現場で御努 力頂いている方々の気持ちを大切にしながら、新たな国際 境の下で、 ﹁強くて豊かな農林水産業﹂と﹁美しく活力 ある農山漁村﹂を創り上げていくためであります。 私の孫にも農業をやらせたい。﹂ 僕も農業をやるんだ。﹂ 「 と希望を持って、経営の発展に積極果敢に取り組める。 さんの言葉です。次世代を担う生産者が、明日の農業に 媛県の興居島で出会った三代続くみかん農家とその御 こ ごしま 「 2 現 環 夢 孫 愛 政新時代が目指す姿です。 策大綱﹂を着実に実行するとともに、これまで進めてきた 攻めの農林水産業に向けた施策を加速させ、生産者の熱い 産行政に関する主要な取組について申し述 想いを今こそカタチにできるようにしてまいりたいと思い ます。 下、 ます。 3 農 べ 以 農 林 水 第一に、 ﹁政策大綱﹂の着実な実行です。 −まず、 ﹁攻めの農林水産業への転換﹂に向け、農林漁業 来への不安を断ち切り、経営発展に向けた投資意欲 将 的には、次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育 を後押しするため、体質強化対策を集中的に講じます。 の を充実させるとともに、農地の更なる大区画化を進め 成に取り組みます。意欲ある農業者の経営発展を促進する 具 体 ます。 また、水田・畑作・野菜・果樹の産地の強みを活かした イノベーションを促進します。水田の畑地化、畑地・樹園 4 一 者 措 置 地の高機能化、革新的技術の開発を支援します。農林漁業 成長産業化支援機構の更なる活用などを通じ、農林漁業者 となって取り組む六次産業化を進めます。 を拡充するほか、草地の大区画化、和牛の生産拡大、 畜産・酪農については、収益力・生産基盤を強化します。 畜産クラスター計画の下、地域全体の収益性向上に向けた 主 体 昨年の農林水産物・食品の輸出額は、過去最高の七千四 乳供給力の向上、豚の生産能力の向上等に取り組みます。 援 円。輸出戦略上の中問目標を大きく超え、一年 しで達成することができました。高品質な我が国農林 5 が 生 支 前 百 倒 五 十 二 億 産物・食品の輸出等、需要フロンティアの更なる開拓を 進めます。 PP交渉においては、輸出について、米、牛肉、青果 物、茶、林産物、水産物など輸出拡大の重点品目の全てで 関税撤廃を獲得しました。これを活かし、輸出拡大に向け た取組を加速化させ、平成三十二年の輸出額一兆円目標の 前倒し達成を目指します。さらに、外食産業等との連携、 日外国人旅行者への販売促進、戦略的な動植物検疫協議 卸売市場の輸出拠点化を通じ、新たな市場を開拓します。 に また、地域で長年培われた特別の生産方法によって高い 6 水 や 訪 国との間で相互に地理的表示を保護できる制度を整備し ます。 これらの体質強化の取組に加え、意欲ある生産者が安心 して経営に取り組めるようにすることにより、確実に再生 となるよう、農業経営の安定と食料の安定供給の ための備えとして、経営安定対策の充実等の措置を講じて まいります。 み お 旦ハ体的には、国産の主食用米の需給及び価格に与える影 響を遮断するため、政府備蓄米の運営を見直し、国別枠の 輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れま 7 一 外 産 が 可 能 す。国産麦の安定供給を図るため、引き続き、経営所得安 定対策を着実に実施します。 また、国産の牛肉・豚肉、乳製品の安定供給を図るため、 キン及び豚マルキンの法制化など畜産・酪農の経営 定対策を充実させます。国産甘味資源作物の安定供給を に つ て、 ﹁農林水産業の輸出力強化ワーキン このほか、農林水産業の成長産業化を一層進めるために 象とします。 図るため、加糖調製品を新たに糖価調整法に基づく調整金 マ 対 い ググループ﹂など、様々な場を活用し、国民の皆様の御意 戦 略 8 ル な 一 安 牛 の 必 要 を伺いながら、 本年秋を目途に具体的内容を詰めてまい ります。 に、 ﹁農政改革の更なる前進﹂です。 ら実施してきた﹁農林水産業㊥地域の活力創造プ ラン﹂に基づく農政改革の取組を前に進めます。 産現場の強化に向け、農地中間管理機構による農地の 積・集約化、基盤整備を進めます。農協㊥農業委員会⑫ 業 生 産 法 人 の 改 革 を 着 実 に 実 行 し 、 農 業 者 の 所 得 の向上を 図ります。 9 第 二 従 来 生 一 か 見 農 集 高品質の豚肉生産のためには飼料として専用品種で生 ゾ 産された米が最適。﹂と言って、地元産の飼料用米でブラ ド豚を生産する大規模法人の経営者に、岩手県一関市で 出会いました。そこでは、需要に応じた飼料用米の生産や ト化の取組が既に始まっていました。引き続き、米 政策改革を着実に推進する中で、需要に応じた生産への環 ス 境整備に取り組み、酒造用、輸出用など用途毎の需要に応 じた多様な米の安定的な生産や、飼料用米、麦、大豆等の 本 作 化 10 「 コ を進めます。園芸については、需要に即 した収益性の高い産地づくりを促進するとともに、次世代 の 一 ン 低 戦 略 作 物 施設園芸を地域へ展開します。 えて、市場の更なる拡大に向け、薬用作物の産地化等 を推進するとともに、二〇二〇年東京オリンピック・パラ 加 性の向上等に万全を期し、食の安全と消費者の信頼確 リンピック競技大会も視野に入れ、日本食・食文化の魅力 を国内外に発信します。また、科学的知見に基づく食品の 良県五條市の柿、愛媛県真穴地区のみかん。 ごじょう まあな に努めます。 保 安 全 下、土地改良事業等も活用しながら、条件不利を克 も中山間地域で、生産に適した作物が少ない自然 環 境 い 奈 の ず れ し、生産者の方々が創り上げた世界に誇るべき品質のも すみたちょう す。また、岩手県の遠野市と住田町では、美しい景観 農村文化を活かし、農家民泊に取り組み、外国人観光客 も誘致するなど活性化を図っています。 ゆる産業政策に加え、農業・農村の有する多面的機 持・発揮を促進するための地域政策を車の両輪とし ジ 推 の い 維 わ 推 進 等 も併せて取り組みます。 進し、こうした農村地域の取組を後押ししてまいりま す。日本型直接支払制度を着実に実施するとともに、都市 と農山漁村の交流や都市農業の振興、地域ぐるみでの鳥獣 の に 12 や の 服 で て 能 被 害 対 策 や に、 ﹁森林・林業政策の推進﹂です。 第 三 大、施業集約化や路網整備による低コスト化、人材の 育成・確保等を推進します。また、森林吸収源対策を推進 拡 木 維持増進を図る一体的な措置を講じます。あわせて.既存 林業の成長産業化を実現するため、国産材の安定供給体 制の構築、森林資源の再造成の確保、森林の公益的機能の の るとともに、大規模・高効率の加工施設の整備等により ゾ レ の さらに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック 板・製材の国際競争力を強化します。 合 す 競技大会は、我が国の木の文化を世界に発信する絶好の機 あり、競技施設等における木材利用を推進します。 に、 ﹁水産政策の推進﹂です。 四 また、外国漁船の違法操業から、日本の周辺海域の操業 営に関する補償制度を改善します。 す。加えて、漁業を取り巻く情勢の変化に対応し、漁業経 広域浜プランに基づく担い手への漁船リース導入等を通 は 鵯 ノ 一 じ、持続可能な収益性の高い操業体制への転換を推進しま 第 会 で を守るとともに、国際的な資源管理の強化 秩 序 や 水 産 資 源 に向けてリーダーシップをとって対応します。さらに、水 物の消費拡大を進めるとともに、高品質でブランドカの ある養殖業の実現に取り組みます。国際司法裁判所の判決 を踏まえた新たな調査計画に基づく鯨類捕獲調査を進め、 商業捕鯨の再開を目指します。 に、 ﹁東日本大震災からの復旧・復興﹂です。 この春、ほぼ全ての漁港が復旧し、来年には、八割の農 第 五 作付け可能となる予定です。復旧・復興は新たなステ ージを迎えています。東日本大震災からの復興は、安倍内 15 ua 産 地 が 閣の最重要課題です。私も復興大臣であるとの覚悟の下、 羅 力災害に対する風評被害対策、輸入規制の緩和・撤廃 上、農林水産行政に関する基本的な考え方を申し上げ 喧 ました。また、施策の展開に必要な法整備については、今 据えた農林水産業冷の復興に取り組みます。 きかけのほか、単なる復旧にとどまらない将来を見 へ 原 の 子 働 以 環 境 の も、我が国の農林水産業と農山漁 下 で をしっかりと次世代に継承できるよう、私が先頭に立ち、 た な 国 際 後、御審議をよろしくお願いいたします。 村 新 産省を挙げて、 ﹁農政新時代﹂ 諸課題に取り組んでまいります。 を切り拓き、全力で 員長をはじめ委員各位の一層の御指導・御鞭燵を りますよう、お願い申し上げます。 17 農 林 水 賜 若 林 委
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