20160308141614173

ハ
平
成
二
年
八
錘
十
農林水産委員会における農林水産大臣所信表明
農林水産委員会の開催に当たりまして、 私の所信の一端
を申し上げます。
ました。
らは、地方の農林漁業者の不安に寄り添って、万
るチャンスにしていくよう御指示をいただきました。
これを受け、十六都道県を訪問するなど、機会ある毎に
1
全 の 総
対 理
策 か
場に足を運んだほか、農林水産省を挙げて、ブロック別
.品目別の地方説明会も開催しました。全ては現場で御努
力頂いている方々の気持ちを大切にしながら、新たな国際
境の下で、 ﹁強くて豊かな農林水産業﹂と﹁美しく活力
ある農山漁村﹂を創り上げていくためであります。
私の孫にも農業をやらせたい。﹂
僕も農業をやるんだ。﹂
「
と希望を持って、経営の発展に積極果敢に取り組める。
さんの言葉です。次世代を担う生産者が、明日の農業に
媛県の興居島で出会った三代続くみかん農家とその御
こ ごしま
「
2
現
環
夢 孫 愛
政新時代が目指す姿です。
策大綱﹂を着実に実行するとともに、これまで進めてきた
攻めの農林水産業に向けた施策を加速させ、生産者の熱い
産行政に関する主要な取組について申し述
想いを今こそカタチにできるようにしてまいりたいと思い
ます。
下、
ます。
3
農
べ 以
農
林
水
第一に、 ﹁政策大綱﹂の着実な実行です。
−まず、 ﹁攻めの農林水産業への転換﹂に向け、農林漁業
来への不安を断ち切り、経営発展に向けた投資意欲
将
的には、次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育
を後押しするため、体質強化対策を集中的に講じます。
の
を充実させるとともに、農地の更なる大区画化を進め
成に取り組みます。意欲ある農業者の経営発展を促進する
具
体
ます。
また、水田・畑作・野菜・果樹の産地の強みを活かした
イノベーションを促進します。水田の畑地化、畑地・樹園
4
一
者
措
置
地の高機能化、革新的技術の開発を支援します。農林漁業
成長産業化支援機構の更なる活用などを通じ、農林漁業者
となって取り組む六次産業化を進めます。
を拡充するほか、草地の大区画化、和牛の生産拡大、
畜産・酪農については、収益力・生産基盤を強化します。
畜産クラスター計画の下、地域全体の収益性向上に向けた
主
体
昨年の農林水産物・食品の輸出額は、過去最高の七千四
乳供給力の向上、豚の生産能力の向上等に取り組みます。
援
円。輸出戦略上の中問目標を大きく超え、一年
しで達成することができました。高品質な我が国農林
5
が
生 支
前 百 倒 五
十
二
億
産物・食品の輸出等、需要フロンティアの更なる開拓を
進めます。
PP交渉においては、輸出について、米、牛肉、青果
物、茶、林産物、水産物など輸出拡大の重点品目の全てで
関税撤廃を獲得しました。これを活かし、輸出拡大に向け
た取組を加速化させ、平成三十二年の輸出額一兆円目標の
前倒し達成を目指します。さらに、外食産業等との連携、
日外国人旅行者への販売促進、戦略的な動植物検疫協議
卸売市場の輸出拠点化を通じ、新たな市場を開拓します。
に
また、地域で長年培われた特別の生産方法によって高い
6
水
や 訪
国との間で相互に地理的表示を保護できる制度を整備し
ます。
これらの体質強化の取組に加え、意欲ある生産者が安心
して経営に取り組めるようにすることにより、確実に再生
となるよう、農業経営の安定と食料の安定供給の
ための備えとして、経営安定対策の充実等の措置を講じて
まいります。
み お
旦ハ体的には、国産の主食用米の需給及び価格に与える影
響を遮断するため、政府備蓄米の運営を見直し、国別枠の
輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れま
7
一
外
産
が
可
能
す。国産麦の安定供給を図るため、引き続き、経営所得安
定対策を着実に実施します。
また、国産の牛肉・豚肉、乳製品の安定供給を図るため、
キン及び豚マルキンの法制化など畜産・酪農の経営
定対策を充実させます。国産甘味資源作物の安定供給を
に
つ
て、 ﹁農林水産業の輸出力強化ワーキン
このほか、農林水産業の成長産業化を一層進めるために
象とします。
図るため、加糖調製品を新たに糖価調整法に基づく調整金
マ
対
い
ググループ﹂など、様々な場を活用し、国民の皆様の御意
戦
略
8
ル
な
一
安 牛 の
必 要
を伺いながら、 本年秋を目途に具体的内容を詰めてまい
ります。
に、 ﹁農政改革の更なる前進﹂です。
ら実施してきた﹁農林水産業㊥地域の活力創造プ
ラン﹂に基づく農政改革の取組を前に進めます。
産現場の強化に向け、農地中間管理機構による農地の
積・集約化、基盤整備を進めます。農協㊥農業委員会⑫
業
生
産
法
人
の
改
革
を
着
実
に
実
行
し
、
農
業
者
の
所
得
の向上を
図ります。
9
第
二
従
来
生
一
か
見
農 集 高品質の豚肉生産のためには飼料として専用品種で生
ゾ
産された米が最適。﹂と言って、地元産の飼料用米でブラ
ド豚を生産する大規模法人の経営者に、岩手県一関市で
出会いました。そこでは、需要に応じた飼料用米の生産や
ト化の取組が既に始まっていました。引き続き、米
政策改革を着実に推進する中で、需要に応じた生産への環
ス
境整備に取り組み、酒造用、輸出用など用途毎の需要に応
じた多様な米の安定的な生産や、飼料用米、麦、大豆等の
本
作
化
10
「
コ
を進めます。園芸については、需要に即
した収益性の高い産地づくりを促進するとともに、次世代
の
一
ン
低
戦
略
作
物
施設園芸を地域へ展開します。
えて、市場の更なる拡大に向け、薬用作物の産地化等
を推進するとともに、二〇二〇年東京オリンピック・パラ
加
性の向上等に万全を期し、食の安全と消費者の信頼確
リンピック競技大会も視野に入れ、日本食・食文化の魅力
を国内外に発信します。また、科学的知見に基づく食品の
良県五條市の柿、愛媛県真穴地区のみかん。
ごじょう まあな
に努めます。
保 安
全
下、土地改良事業等も活用しながら、条件不利を克
も中山間地域で、生産に適した作物が少ない自然
環 境 い 奈
の ず
れ
し、生産者の方々が創り上げた世界に誇るべき品質のも
すみたちょう
す。また、岩手県の遠野市と住田町では、美しい景観
農村文化を活かし、農家民泊に取り組み、外国人観光客
も誘致するなど活性化を図っています。
ゆる産業政策に加え、農業・農村の有する多面的機
持・発揮を促進するための地域政策を車の両輪とし
ジ
推 の い
維 わ
推
進
等
も併せて取り組みます。
進し、こうした農村地域の取組を後押ししてまいりま
す。日本型直接支払制度を着実に実施するとともに、都市
と農山漁村の交流や都市農業の振興、地域ぐるみでの鳥獣
の
に
12
や の 服
で
て 能 被
害
対
策
や
に、 ﹁森林・林業政策の推進﹂です。
第
三
大、施業集約化や路網整備による低コスト化、人材の
育成・確保等を推進します。また、森林吸収源対策を推進
拡 木
維持増進を図る一体的な措置を講じます。あわせて.既存
林業の成長産業化を実現するため、国産材の安定供給体
制の構築、森林資源の再造成の確保、森林の公益的機能の
の
るとともに、大規模・高効率の加工施設の整備等により
ゾ レ
の
さらに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック
板・製材の国際競争力を強化します。
合 す
競技大会は、我が国の木の文化を世界に発信する絶好の機
あり、競技施設等における木材利用を推進します。
に、 ﹁水産政策の推進﹂です。
四
また、外国漁船の違法操業から、日本の周辺海域の操業
営に関する補償制度を改善します。
す。加えて、漁業を取り巻く情勢の変化に対応し、漁業経
広域浜プランに基づく担い手への漁船リース導入等を通 は
鵯 ノ 一
じ、持続可能な収益性の高い操業体制への転換を推進しま
第
会
で
を守るとともに、国際的な資源管理の強化
秩 序
や
水
産
資
源
に向けてリーダーシップをとって対応します。さらに、水
物の消費拡大を進めるとともに、高品質でブランドカの
ある養殖業の実現に取り組みます。国際司法裁判所の判決
を踏まえた新たな調査計画に基づく鯨類捕獲調査を進め、
商業捕鯨の再開を目指します。
に、 ﹁東日本大震災からの復旧・復興﹂です。
この春、ほぼ全ての漁港が復旧し、来年には、八割の農
第
五
作付け可能となる予定です。復旧・復興は新たなステ
ージを迎えています。東日本大震災からの復興は、安倍内
15
ua
産
地 が
閣の最重要課題です。私も復興大臣であるとの覚悟の下、
羅
力災害に対する風評被害対策、輸入規制の緩和・撤廃
上、農林水産行政に関する基本的な考え方を申し上げ 喧
ました。また、施策の展開に必要な法整備については、今
据えた農林水産業冷の復興に取り組みます。
きかけのほか、単なる復旧にとどまらない将来を見
へ 原
の 子
働
以
環
境
の
も、我が国の農林水産業と農山漁
下
で
をしっかりと次世代に継承できるよう、私が先頭に立ち、
た
な
国
際
後、御審議をよろしくお願いいたします。
村 新
産省を挙げて、 ﹁農政新時代﹂
諸課題に取り組んでまいります。
を切り拓き、全力で
員長をはじめ委員各位の一層の御指導・御鞭燵を
りますよう、お願い申し上げます。
17
農
林
水
賜 若
林
委