ヘイトスピーチ対策について法整備を含む強化策を求める意見

ヘイトスピーチ対策について法整備を含む強化策を求める意見書
近年、一部の国や民族あるいは特定の国籍の外国人を排斥する差別的言動(ヘイトスピ
ーチ)が全国各地で発生し社会的関心を集めている。
平成 26 年7月、国際連合自由権規約人権委員会は、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関
する国際条約(人権差別撤廃条約)上の人種差別に該当する差別的言動の広がりに懸念を
示し、締結国である日本に対してこのような差別的言動に対処する措置をとるべきとの勧
告をした。
さらに、国際連合人権差別撤廃委員会も日本に対し、法による規制を行うなどのヘイト
スピーチへの適切な対処に取り組むことを強く求める勧告を行っている。
最近では、京都地方裁判所及び大阪高等裁判所において行われた、特定の民族・国籍の
外国人に対する発言に関係する事件について違法性を認めた判決を最高裁判所が認める決
定を下している。
ヘイトスピーチについては、社会の平穏を乱し、人間の尊厳を侵す行為として、それを
規制する法整備がなされている国もある。2020 年には、東京オリンピック・パラリンピッ
ク競技大会が開催されるが、ヘイトスピーチを放置することは国際社会における我が国へ
の信頼を失うことにもなりかねない。
湖南市では、全ての人の人権を尊重し心のかよいあうまちの実現を願って平成 17 年に湖
南市人権尊重都市宣言を行っているところであり、国及び政府においては、ヘイトスピー
チは重大な反社会的行為であるとの認識のもと、差別を煽動するヘイトスピーチを禁止す
る法律を制定するよう強く求める。
以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出する。
平成 28 年3月8日
湖南市議会議長
松 原 栄 樹
(宛先)
衆議院・参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、総務大臣