2016年3月10日 (No.1,778) 〈マーケットレポートNo.4,705〉 「街角景気」、マインドは冷え込む(日本) 「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。 タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象 (ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された 指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。 現状判断DIは続落 7ヵ月連続で50を下回る、3項目すべてが下落 ■2016年2月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間2月25日~29日)は、「現状判断DI」が前月から 2.0ポイント下落の44.6ポイントと、7カ月連続で50を割り込みました。家計動向、企業動向、雇用関連の 3項目全てが低下しました。 ■街角の声には、「円高、株価の乱高下という今般の状況の中で物量の動きが悪く、特に工作機械など輸出 関連の荷動きが悪くなっている(北陸の輸送業)」、「2月に入り日経平均株価が大きく下落し、客の購買 意欲が明らかに低下している(中国の百貨店)」などの声も聞かれました。 先行き判断も低下 (ポイント) 60 【景気ウォッチャー調査】 3項目すべてが下落 ■2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は、前 月から1.3ポイント低下の48.2ポイントでした。家計、 企業、雇用の3項目とも低下しました。 ■街角の声には、「国内市場がいまいち元気がないうえ に、為替が円高に振れていることもあり、輸出における 悪影響が懸念される(北陸の繊維工業)」、「為替 相場や株安により、先行きに不安がある(南関東の 旅行代理店)」といった声もありました。 50 40 現状判断DI 先行き判断DI 30 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 (年/月) (注)データは2014年1月~2016年2月。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネ ジメント作成 株価下落、円高の影響が出る、マイナス金利の判断はまちまち ■金融市場の不安定を憂慮か ■マイナス金利の影響はまちまち 今回の調査では、円高、株価の下落など金融市場の 不安定な動きが企業や家計の行動を慎重にさせてい る側面がうかがわれました。また、寒暖の激しい気温が 季節商材の販売にマイナスとなった模様です。雇用に 関しては、関東圏では堅調なコメントが見られましたが、 地方では求人の軟化を指摘する声が散見されました。 マイナス金利については、住宅販売会社などで「若い 世代の顧客の動きが非常に良い」などポジティブな声 が聞かれた一方で、家電量販店などからは「マイナス 金利政策による景気の先行き不安から、消費の冷え 込みにつながる可能性がある」などの意見も見られ、 まちまちな影響が出ています。 2016年 3月 8日 日本の主要企業の業績見通し 2016年 2月16日 最近の指標から見る日本経済(2016年2月) ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘 するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、 今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾 者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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