「若手社会人によるエネルギーワークショップ」結果概要(速報版)

日本原子力産業協会
「若手社会人によるエネルギーワークショップ」結果概要(速報版)
1.日
時:平成 28 年1月 28 日(木)09:00~18:30
2.会
場:東京大学駒場Iキャンパス 21KOMCEE 理想の教育棟
3.実施体制:(主催)日本原子力産業協会
(企画・監修)柳下 正治氏(上智大学客員教授)
専 門 家:木村 浩 NPO 法人パブリック・アウトリーチ
山下 紀明 認定 NPO 法人環境エネルギー政策研究所
エネルギーシミュレーションモデル開発:
公益財団法人 地球環境戦略研究機関
4.参 加 者:17社 34名(男性31名:女性3名)
参加企業:IHI、海外電力調査会、鹿島建設、千代田テクノル、
原子力安全技術センター、原子力安全推進協会、清水建設、原子力環境整備促進・
資金管理センター、ディー・クルー・テクノロジーズ、東芝、富山薬品工業、
日本製鋼所、日立GEニュークリア・エナジー、日立造船、三菱重工業、三菱商事、
三菱商事パワーシステムズ
5.概要
(2)専門家との QA(10:00~12:15)
・参加者より「経済発展に発電力を増やさずに対応することは可能か」、
「異なる意見の人とのコ
ミュニケーションをどう取るのか」等の質問があった。
・専門家より「デカップリング(例:GDP 成長と GDP 当たりの一次エネルギー消費の低減)」を政
策目標として適用している国もある」、「自分も変化する可能性があると思って対応することが
大切」
「一つ上のレベルで共有できる目的をもって議論することも有用」
「価値観
を変えることは難しいが納得できる解を得てほしい」等の解説を行った。
(3)ディスカッション「自ら考える未来の社会像とエネルギー選択」
➢同じ価値観の人との議論と低炭素ナビによるシミュレーション(13:00~15:50)
・グループごとに将来の社会像、電源構成の他に譲れない大切なこと、負
ってもよいと考える不利益・リスクについて議論。それぞれの考え方を
シミュレーションを利用して定量化し、専門家から見落とした観点等
の指摘を受けて再検討を行い議論を深めた。
➢異なる価値観に身を置いての議論(15:50~16:45)
・グループ編成を変えたうえで、グループ内で 2 つに分かれて異なる立場
から議論を行い、相互に入れ替わることで自らを考えの異なる立場に置いた議論にチャレンジ
した。価値観が異なる立場で物事を考え議論することで更なる気づきを促す契機とした。
➢元のグループに戻っての対話、発表(16:50~18:15)
(1)目的:次世代エネルギーWSの枠組みを活用しながら、対象層の拡大を狙って開催。次代を担
・WS 全体を通じて得た気づきを振り返り、最初の案からの考え方の変化、
う若者層が将来望む社会を想定し、実現するためにはどのような電源構成であるべきか、同じ
そこに至った理由や視点は何か等についても整理のうえ発表を行った。
視点を持つ仲間との議論とともに、異なる立場に立って考える経験を経た上で、自分ごととし
(4)講評(18:15~18:30)
て深く考えコミットメントがある結論を出す。また、異業種交流の場としての有効性も併せ持
◎木村氏:一日を通じてしっかりとした議論ができていたが、もっとエネ
つことを目指した。
ルギー需要側の視点での議論があっても良かったのではないか。
(2)評価:現実的な視点だけでなく、理想(再生可能エネルギー100%社会)を追い求めてみる発
次は想定した 2050 年にどうやって行き着くのか、プロセスを考えて欲しい。シンパ
想で議論を展開するグループが見られ、それと相対する価値観との議論を全員で体感するなど、
シーに止まらずエンパシーを持って異価値観の人とのコミュニケーションに取り組
幅広い気づきにつながる試行だった。また、シミュレーションによる結果に対し、専門家のコ
んでもらいたい。
メントを加えることでその数字の意味を理解することにつながり、より充実した議論を経て自
◎山下氏:非常に面白い WS だった。状況は常に変わるので、企業としても人としても変化する
らにコミットメントのある結論を持ち帰ることができたものと思われる。今回はJAIF会員企
ことを恐れずに進んでいただきたい。今の判断が全てではなく、常に最新の状況、情
業・団体のみの参加だったことから原子力関係者が多くなったが、次回以降は対象を広げてい
報を知って学ぶことの大切さを忘れないで欲しい。
くとともに、今回の経験を踏まえ上記目的に加え、企業ニーズに合う「人材育成」などの視点
◎柳下氏:自分達で考えて、今まで思いつかなかった、今までなかった軸であえて考え直すこと
を持って改善に取り組むこととしたい。
ができたのではないか。今日の結果がさらに先につながると良いと思っている。
6.詳細スケジュール
(1)専門家からのレクチャー(9:40~10:00)
・木村氏は資料に基づき「日本のエネルギー政策の経緯」
「それぞれのエネルギーの特徴と課題」について説明。
・山下氏は再生可能エネルギー利用を中心に、エネルギーと
生活、地域との関係の重要性、再生エネ産業の将来像に
ついて説明。
参考:事後アンケート調査結果(抜粋)<n=34>
<WSに参加してエネルギー選択に関する意見・考え>
大いに変
わった
15%
あまり変わ
らなかった
20%
やや変わっ
た
65%
<WSに参加した感想>
無回答
3%
まあまあ良
かった
50%
大変良
かった
47%