2016 年 3 月 民主党 代表 岡田 克也 日 様 国際公務労連加盟組合日本協議会(PSI-JC) 議長 川本 淳 男女平等社会の実現に向けた要請書 日ごろから男女平等の実現に向け、精力的に取り組まれている貴職に対し、 心より敬意を表します。 2016 年 3・8 国際女性デーに際し、PSI(国際公務労連)加盟組合日本協議会 (自治労、国公連合、全水道、ヘルスケア労協、全消協)は、全世界の女性労 働者、労働組合や NGO、国際機関等と連携し、ジェンダー平等の実現と、その 基盤となる公共サービスの拡充をめざし、国内外でのキャンペーンに取り組ん でいます。 日本は、世界経済フォーラム「ジェンダーギャップ指数(2015)」で、対象 145 カ国中 101 位と昨年よりランクを上げたものの、国際社会におけるジェン ダー平等達成度で大きく出遅れています。女性の持てる能力を十分に活用し、 社会参加と方針決定機関への参画を進めることは、女性の尊厳と自己実現にと どまらず、日本の経済社会の発展にとっても重要なファクターであり、とりわ け公務における女性の登用が求められています。 また、公務部門においても非正規化が進み、官製ワーキングプアといわれる 層が増大していますが、その多くは保育や福祉施設、給食職場などで働く女性 であり、これらはジェンダー格差と言っても過言ではありません。OECD の 2015 年レポートでは、男女間賃金格差が日本は 26.6%と韓国に次いで高く、ま た、日本男性の長時間労働の割合はフランスに比べ 2 倍、ドイツに比べ 3 倍の 状態になっています。家事等に費やす時間は日本の女性が 1 日 242 分、男性が 1 日 68 分となっており、OECD 加盟国の中で、韓国についで低いレベルとなっ ています。 昨年 8 月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」が成立し、 国および地方公共団体や 301 人以上の企業においてポジティブ・アクションに 関する計画策定が義務付けられたことは一定の評価ができますが、賃金格差の 是正や非正規労働者の処遇改善に資する内容が明記されておらず、働く女性の 正規と非正規の二極化が懸念されます。 PSI 加盟組合日本協議会は、日本におけるジェンダー平等およびディーセン トワークの達成に向け、関連する法制度や社会経済の環境整備が重要との立場 から、国内法の整備と国際条約の批准および実効性ある施策実施が喫緊の課題 と考えています。日本における法制度や政策は、アジア近隣諸国への影響も大 きく、国際社会の一員としても積極的に男女平等に取り組んでいただきますよ う、下記のとおり要請いたします。 記 1.男女平等に関する ILO 未批准条約の早期批准について (1) 妊産婦保護及び哺育にかかる国内法を整備し、ILO183 号条約(母性保護条 約)を早期に批准すること。 (2) 国内法を整備し ILO111 号条約(雇用及び職業についての差別待遇の禁止) の早期批准を図ること。 (3) 昨年施行された改正パートタイム法では、公正な待遇の確保や納得性を高め るための措置等が講じられたが、通常の労働者との比較範囲等において不十分 な制度となっている。国内法の整備をさらに行い、ILO175 号条約(パートタイ ム労働条約)の早期批准を図ること。 2.国内法の整備について (1) ILO100 号条約(同一価値労働同一報酬条約)の趣旨に沿って、①「同一価 値労働同一報酬原則」を明記した国内法を整備すること。②「女子差別撤廃委 員会」の 2013 年 9 月の勧告に基づき、日本政府が昨年行った「報告」は、委員 会の勧告を満たすものとなっていない。とりわけ、 「女子差別撤廃委員会」から、 再三にわたり改善が求められてきた選択的夫婦別姓については、現代社会の多 様性を踏まえたものとなっていない。すみやかに所要の法改正・整備を行うこ と。 (2) 現在、 「202030」をめざして「女性の職業生活における活躍促進法」などの 取り組みを強化していると承知しているが、国の政策・方針決定への女性の参 画・拡大をさらに推し進めるとともに、地方公共団体における取り組みの支援・ 協力要請を行うこと。 (3) ILO156 号条約(家族的責任を有する労働者条約)に沿い、男性労働者も家 族責任の担い手であることを踏まえた政策を推進することや、非正規労働者も 対象となる条件整備を進め、ワークライフバランスの実効性を確保すること。 3.ILO 条約勧告適用専門家委員会報告への対応について (1) 条約勧告適用専門家委員会の指摘、「男女同一価値労働同一報酬原則を規定 するための法改正の措置を取るよう求める」に対する政府見解は、必ずしも十 分なものとなっていないことから、早急に所要の法改正・整備を行うこと。 (2) 男女間、雇用形態間および職業間の賃金格差是正に向け、ILO100 号条約に 即した同一価値労働同一報酬原則に基づいた職務評価手法の研究開発をすすめ、 実用化を図ること。 以上 2016 年 3 月●日 ILO 活動推進議員連盟事務局長 参議院議員 石 橋 通 宏 様 国際公務労連加盟組合日本協議会(PSI-JC) 議長 川本 淳 男女平等社会の実現に向けた要請書 日ごろから男女平等の実現に向け、精力的に取り組まれている貴職に対し、 心より敬意を表します。 2016 年 3・8 国際女性デーに際し、PSI(国際公務労連)加盟組合日本協議会 (自治労、国公連合、全水道、ヘルスケア労協、全消協)は、全世界の女性労 働者、労働組合や NGO、国際機関等と連携し、ジェンダー平等の実現と、その 基盤となる公共サービスの拡充をめざし、国内外でのキャンペーンに取り組ん でいます。 日本は、世界経済フォーラム「ジェンダーギャップ指数(2015)」で、対象 145 カ国中 101 位と昨年よりランクを上げたものの、国際社会におけるジェン ダー平等達成度で大きく出遅れています。女性の持てる能力を十分に活用し、 社会参加と方針決定機関への参画を進めることは、女性の尊厳と自己実現にと どまらず、日本の経済社会の発展にとっても重要なファクターであり、とりわ け公務における女性の登用が求められています。 また、公務部門においても非正規化が進み、官製ワーキングプアといわれる 層が増大していますが、その多くは保育や福祉施設、給食職場などで働く女性 であり、これらはジェンダー格差と言っても過言ではありません。OECD の 2015 年レポートでは、男女間賃金格差が日本は 26.6%と韓国に次いで高く、ま た、日本男性の長時間労働の割合はフランスに比べ 2 倍、ドイツに比べ 3 倍の 状態になっています。家事等に費やす時間は日本の女性が 1 日 242 分、男性が 1 日 68 分となっており、OECD 加盟国の中で、韓国についで低いレベルとなっ ています。 昨年 8 月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」が成立し、 国および地方公共団体や 301 人以上の企業においてポジティブ・アクションに 関する計画策定が義務付けられたことは一定の評価ができますが、賃金格差の 是正や非正規労働者の処遇改善に資する内容が明記されておらず、働く女性の 正規と非正規の二極化が懸念されます。 PSI 加盟組合日本協議会は、日本におけるジェンダー平等およびディーセン トワークの達成に向け、関連する法制度や社会経済の環境整備が重要との立場 から、国内法の整備と国際条約の批准および実効性ある施策実施が喫緊の課題 と考えています。日本における法制度や政策は、アジア近隣諸国への影響も大 きく、国際社会の一員としても積極的に男女平等に取り組んでいただきますよ う、下記のとおり要請いたします。 記 1.男女平等に関する ILO 未批准条約の早期批准について (1) 妊産婦保護及び哺育にかかる国内法を整備し、ILO183 号条約(母性保護条 約)を早期に批准すること。 (2) 国内法を整備し ILO111 号条約(雇用及び職業についての差別待遇の禁止) の早期批准を図ること。 (3) 昨年施行された改正パートタイム法では、公正な待遇の確保や納得性を高め るための措置等が講じられたが、通常の労働者との比較範囲等において不十分 な制度となっている。国内法の整備をさらに行い、ILO175 号条約(パートタイ ム労働条約)の早期批准を図ること。 2.ILO 条約勧告適用専門家委員会報告への対応について 2008 年に条約勧告適用専門家委員会から、また、2011 年には総会の基準適用 委員会からも指摘があった①改正短時間労働者法、②間接差別、③コース別雇 用管理制度、④客観的職務評価、⑤労働監督等に対して、政府は 2013 年年次報 告で見解を公表したが、指摘に対して必ずしも十分なものとはなっていない。 早急に所要の法改正・整備を行うこと。 3.UN CEDAW(国連「女子差別撤廃委員会」)への対応について 「女子差別撤廃委員会」の 2013 年 9 月の勧告に基づき、日本政府が昨年行っ た「報告」は、委員会の勧告を満たすものとなっていない。とりわけ、 「女子差 別撤廃委員会」から、再三にわたり改善が求められてきた選択的夫婦別姓につ いては、現代社会の多様性を踏まえたものとなっていない。すみやかに所要の 法改正・整備を行うこと。 以上
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