Weekly Outlook

投資情報部
2016 年 3 月 10 日(木)
Weekly Outlook
週刊投資情報
CONTENTS
1. 日本株見通しとポイント~相場の地合いは着実に改善 ........................................2
2. 米国株見通しとポイント~金融政策が株価の方向性を左右 .................................3
3. 円相場見通しとポイント~リスク回避色が和らぐ中で上値の重いドル円 ................4
4. 国内経済動向~引き続き停滞色が強く 1-3 月もマイナス成長の可能性 ...............6
5. 新興国市場・経済動向 ........................................................................................8
6. 銘柄選別の原点に回帰した逆張り戦略~低 PER 銘柄 .....................................12
7. 米国先物~投機筋によるポジション動向 ...........................................................13
8. 商社セクターの見通し~年後半も堅調な推移~ ................................................14
9. 日本株と世界株~主要セクターのパフォーマンス比較 .......................................15
10. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 .......................................................16
11. 来週・再来週の主なスケジュール ......................................................................17
1
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
No.245
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
1.日本株見通しとポイント~相場の地合いは着実に改善
日本株担当: 横山 敦史
足元では、日米欧中央銀行の会合を控えていることやドル円の上値の重さなどが意識され、利益確定とみ
られる売りがやや優勢となっている。しかし、原油をはじめとした商品・資源価格全般に底打ちの兆しがみら
れ、相場の地合いは着実に改善しているとみられる。来週は日銀会合やFOMC、春闘の集中回答などが予
定されている。賃上げの動きが鈍ればむしろ逆に、政策期待が高まり始める可能性もあろう。
 中央銀行イベント控え、利益確定も
図表1. CRB指数とWTI原油先物価格の推移
先週末以降の日本株市場は、日経平均が3月1日か
ら4営業日で1,000円近く上昇した反動や、日米欧中央
銀行の会合を控えて、利益確定売りが優勢となる相場
展開であった。また、4日に発表された2月分米雇用統
計の結果が良好だったにもかかわらず、ドル円の上値
が重かったことも相場の重石となった。
220
(pt)
(ドル/バレル) 60
200
50
CRB指数(左軸)
180
40
160
 相場の地合いは着実に改善
140
WTI原油先物価格(右軸)
足元の日本株市場は、上値は重いものの下値を
次々と切り下げるような展開にはなっていない。2月中旬
以降、原油をはじめとした商品・資源価格全般に底打ち
の兆しが見え始めたことから、世界的な景気減速懸念
は後退しつつあり、株式相場の下支え要因となっている
(図表1)。今晩のECB(欧州中央銀行)理事会や、来週
の日銀会合、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果
次第ではあるものの、株式市場の地合いそのものは着
実に改善しているとみられる。
120
15/10
15/11
16/1
20
16/3
(年/月)
16/2
出所:QUICKよりSMBC日興証券作成
図表2. 日銀によるJ-REIT買入れ累計額と指数の推移
3,500
(億円)
3,000
(pt) 2,500
東証REIT指数(右軸)
2,000
2,500
 来週の注目イベント
2,000
1,500
1,500
1,000
1,000
今晩のECB理事会後、追加緩和を受けて円高が進
行するのではないかという懸念から、14~15日に開催さ
れる日銀の会合でさらなる追加緩和を予想する声があ
る。しかし、マイナス金利の導入が実体経済に及ぼす影
響の見極めには一定の時間がかかるとみられる。また、
通貨安競争ともみなされるような追加緩和は国際的な
観点から見ても、そう簡単には打ち出せまい。仮に動き
があったとしても、ETFやJ-REITなどリスク資産の割合を
増やすといった、「質的」な変更に留まろう(図表2)。
日銀によるJ-REIT
買入れ累計額(左軸)
500
0
10/10
11/10
12/10
13/10
14/10
500
0
15/10(年/月)
出所:日本銀行、QUICKよりSMBC日興証券作成
図表3. 主な労働組合によるベア要求の水準
国内経済に目を向けると、16日は春季労使交渉(春
闘)の集中回答日となっている。今回は、外部環境の不
透明感や物価の低迷などから、昨年よりもベア要求水
準を低く設定する労働組合が比較的多い(図表3)。最
終的な着地点も昨年よりも低くなるとみられ、市場では
景気の好循環入りを確実なものとするため財政政策な
どに対する期待の声が高まり始める可能性があろう。そ
うなれば、ゼネコン各社や個人消費関連銘柄などが物
色されることが想定される。今後の政策内容を巡る報道
に注目したい。
15年要求
16年要求
連合
ベア2%以上
ベア2%程度
金属労協(自動車、電機、基幹、電線等)
6000円以上
3000円以上
自動車総連(日産自動車等)
6000円以上
3000円以上
全トヨタ労連
6000円以上
3000円以上
電機連合
6000円以上
3000円以上
基幹労連(鉄鋼、造船重機、非鉄金属)
14、15年計7000円 16、17年計8000円
大手鉄鋼労連(新日鉄住金等)
14、15年計7000円 16、17年計8000円
ものづくり産業労働組合(中堅・中小企業)
9000円
出所: 日本経済新聞等各種報道よりSMBC日興証券作成
2
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
15/12
30
6000円
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
2.米国株見通しとポイント~金融政策が株価の方向性を左右
米国株担当: 河田 剛
3月3日以降の米国株は原油価格の上昇などから回復基調が続いた。今週から来週にかけて主要中央銀
行の金融政策を決定する会議が続く日程となっている。ECBが予想通り追加緩和を実施したとしても、その
内容が市場の失望を招くようだと、リスクオフ姿勢が強まり、米株も一時的に調整するとみられる。 また、
FOMCで利上げが見送りになれば戻りは早いものと考えられるが、割安感がなく、上値は限られよう。
 先週、今週のレビュー~回復基調が続く
数が堅調に拡大する一方で、物価上昇圧力は弱いとい
う、株式市場にとって都合のいい状況となっている。3月
15~16日開催予定のFOMC(連邦公開市場委員会)で
は、利上げは見送られるとの見方が市場の大勢となって
いるが、声明文と会合後のイエレンFRB議長の記者会
見で、見送りの理由をどのように説明するかがポイントと
なろう。
3月3日の米国株市場は、2月27日終了週の新規失
業保険申請件数が事前予想を上回ったことや、1月の
製造業受注が事前予想を下回ったこと、2月のISM非製
造業景況指数のうち、雇用が景気の分かれ目である50
を下回ったことなどから売りが先行したものの、終盤に
原油価格に買い戻しが入ったことなどから、ダウ工業株
指数(NYダウ)は前日比+44ドルとなった。4日は、2月の
雇用統計で時間当たり賃金が事前予想を下回り、利上
げ期待が後退したことや、原油価格の上昇などから、
NYダウは+62ドルとなった。週明け7日は、欧州株の下
落を背景に売りが先行したものの、原油価格が上昇し
たことや、鉄鉱石価格の大幅高から資源株が買われた
ことで、NYダウは+67ドルとなった。8日は、中国の2月の
貿易統計が低調だったことや、2月のNFIB(全米独立
事業連盟)中小企業楽観度指数が事前予想を下回っ
たこと、在庫増加懸念から原油価格が下落したことなど
で、NYダウは▲109ドルと反落した。9日は、1月の卸売
在庫が事前予想を上回ったことで、製造業の先行きに
対する不透明感が強まったものの、ガソリン在庫の減少
を背景に原油価格が大幅高となったことなどから、NY
ダウは+36ドルとなった。
 当面の見通し~金融政策が株価の方向性を左右
経済指標では15日発表予定の2月の小売売上高(事
前予想:前月比▲0.1%)などが注目される。10日(今夜)
にはECB(欧州中央銀行)理事会、14~15日には日銀
金融政策決定会合、15~16日にはFOMCと、主要中央
銀行の金融政策を決定する会議が続く日程となってい
る。ECBについては、ドラギ総裁が従来から追加緩和を
示唆しており、その具体的な内容に対する反応が目先
の米国株の動きに影響を与える可能性があろう。2015
年12月の理事会後のように市場の失望を招くようだと、
リスクオフ姿勢が強まり、米株も一時的に調整するとみら
れる。また、FOMCで利上げが見送りになれば戻りは早
い も の と 考 え られ る が 、 S&P500 の 12 ヵ月 先 予 想 PER
(IBES集計)が3月9日時点で16.1倍と割安感がないた
め、上値は限られよう。
 2月の雇用統計
事前予想は Bloomberg、2016 年 3 月 10 日 10 時時点のもの
3月4日に発表された2月の雇用統計では、非農業部
門雇用者数が前月比+24.2万人(事前予想:+19.5万人、
1月は+15.1万人→+17.2万人、12月は+26.2人→+27.1
万人に修正)、民間部門雇用者数が同+23.0万人(事前
予想:+19.0万人、1月は+15.8万人→+18.2万人、12月
は+25.1万人→+25.9万人に修正)と、事前予想を上回
った。12月分、1月分ともに上方修正となった。失業率は
1月4.9%→2月4.9%と横ばいだった。労働参加率が1月
62.7%→2月62.9%と上昇しており、失業率も実質的に
改善したと考えられる。FRB(連邦準備制度理事会)が
重視する全人口に占める雇用者数比率は1月59.6%→
2月59.8%と上昇した。27週以上の長期失業者は増加し、
経済的理由でのパートタイマーは横ばいだった。時間
当たり賃金は前月比▲0.1%と事前予想(+0.2%)を下回
った。各指標は強弱入り混じっているが、全体の雇用者
図表1. 非農業部門雇用者数(前月比)の推移
(千人)
600
非農業部門雇用者数
(前月比)
400
200
0
3ヵ月平均
-200
-400
11/4
11/10
12/4
12/10
13/4
13/10
14/4
出所: DatastreamよりSMBC日興証券作成
3
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
14/10
15/4
15/10 (年/月)
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
3.円相場見通しとポイント~リスク回避色が和らぐ中で上値の重いドル円
欧米・為替担当: 本間 英至
ドル円は、市場のリスク回避色が和らぎをみせる中にありながらも依然上値の重い展開が続いている。これ
まで大きく売られてきた通貨の買い戻し(ドル売り)圧力がドル円に影響している可能性などが考えられるが、
ドルの下値不安が和らぐためにも115円の回復が重要なポイントとなろう。本日以降予定される日米欧の金
融政策会合が来週にかけての注目イベントとなる。
 この1週間(3/3~)のレビュー
しかし、こうした環境の中でドル円は膠着。むしろ、ドル
売り円買いが優勢となる場面もみられている(図表2)。
ドル円は3日に113円台半ばでスタート後、日本株の
上昇を材料に114.27円まで買われる場面もあったが、
好悪入り交じりの米経済指標結果などを背景に4日にか
けて概ね113円台後半での小動きで推移した。しかし、
週明け後は内外株の下落などを受けてドル売り円買い
が優勢の展開。ドルはジリジリと水準を切り下げ、9日に
は112.23円まで一時下落した。その後、米金利の上昇
や内外株の反発を受け、足元で113円台半ば近辺まで
切り返している。豪ドル円は、原油価格や鉄鉱石価格の
上昇を材料に堅調に推移し、9日に85.23円まで上昇。
ユーロ円は前週末に125.59円まで買われたが、週明け
後はECB(欧州中央銀行)の追加緩和観測に上値を抑
えられる展開となっている。NZドル円は、10日にNZ中
銀の予想外の利下げ決定を受けて75.01円まで一時下
落した。(東京時間3/10正午時点)
ドル円膠着の背景は
この背景として、これまで大きく売られてきた通貨の買
い戻しが先行している可能性が挙げられる。図表3は、
ドルの実効為替が上昇ピッチを速めた2014年央から、ド
ル円が110.99円をつけた今年2月11日までの各通貨の
騰落率を横軸、その後の騰落率を縦軸にしたものだが、
ご覧の通り、ブラジルレアルなど大きく売られてきた通貨
が大幅に反発している一方で、円など2月11日にかけて
下落率が比較的小さかった通貨の反発力は弱いことが
示されている。
また、大幅下落してきた資源国通貨や新興国通貨の
対ドルでの買い戻し圧力(=ドル売り圧力)が強く、それ
がドル円に波及してドルの上値を抑制している可能性も
 ドル円相場の見通しと来週にかけての注目材料
図表1. 米失業率と雇用者数(前月比)の推移
米雇用統計で雇用市場の堅調推移を再確認
450
失業率(右軸)
非農業部門雇用者数(左軸)
400
4日に注目の2月米雇用統計が発表され、非農業部
門雇用者数は前月比+24.2万人と、市場予想(+19.5万
人、Bloomberg調査 )を上 回って2ヵ月ぶりに月 当たり
+20万人台の増加幅を回復、過去2ヵ月分も3万人上方
修正された(図表1)。失業率は4.9%と前月から横這い
ながらも、労働参加率が上昇する中で約8年ぶりの低水
準を維持。平均時給は前月比▲0.1%と予想外に減少
したものの、1月に+0.5%と上振れした反動が主因と推
測される。総じてみれば、米国の雇用市場は引き続き堅
調に推移していることが示された内容だったといえよう。
350
(%)
8.5
8.0
7.5
300
7.0
250
6.5
200
6.0
150
5.5
100
50
5.0
月当たり+20万人ライン(左軸)
0
12/1
13/1
14/1
4.5
15/1
16/1
(年/月)
出所:米労働省、DatastreamよりSMBC日興証券作成
図表2. ドル円と原油価格の推移
リスク回避姿勢が和らぐ中でドル円は上値の重い展開
米国では2月下旬以降、1月個人消費や2月ISM製造
業景況指数、上述の2月雇用統計など、市場予想を上
回る経済指標が相次いで発表され、米国景気に対する
過度な不安は後退しつつある。また、原油価格を筆頭
に商品市況が大きく反発。「恐怖心理指数」とも呼ばれ
るVIX指数も低下するなど、市場のリスク回避姿勢が和
らぎをみせている。こうした中、為替市場では、資源国
通貨や新興国通貨が対ドルで概ね堅調に推移している。
4
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(千人)
(ドル/バレル) 46
128 (円/ドル)
ドル円(左軸)
126
WTI原油先物価格(右軸)
42
124
122
38
120
34
118
116
30
114
26
112
110
22
15/12/1
15/12/22
16/1/12
16/2/2
16/2/23
(年/月/日)
出所:BloombergよりSMBC日興証券作成
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
利を下回る証券の購入を禁止)の見直しなどが検討さ
れる可能性があろう。さらには、資産購入期間の延長
(現状:少なくとも2017年3月まで)も選択肢として考えら
れる。
加えて、2月下旬のG20財務相・中央銀行総裁会議
後、ユーログループのダイセルブルーム議長が、日本の
金融政策が通貨切り下げ競争を招く可能性を懸念する
声があったと発言。これにより日銀はドラスティックな追
加緩和がし難くなったとの印象を引きずっている可能性
もありそうだ。もっとも、同議長は後に「誤った引用」と釈
明しており、こうした見方は時間とともに減少していくこと
が見込まれる。
ドル円の心理好転に向けて115円回復が待たれる
ただ、ドル円のチャートをみると、前週号でも重要なポ
イントとして指摘した115円台の回復が果たせていない
どころか、110.99円を付けた2月11日後の戻り高値であ
る114.87円にも届いていない。その為、ドルの上値の重
さが意識され、投機筋などはドル円のポジションを作る
際にドル買いではなくドル売りから入る姿勢、ドルの戻り
売り姿勢を続けている模様だ。投機筋のポジションをみ
ると、ドル売り円買いポジション(ネットベース)は約4年
ぶりの高水準を記録(図表4)。円買い残高だけをみると
1992年10月以降のデータで最高水準にまで積み上が
っている。通常、投機筋ポジションは逆張り指標として使
われるものであり、その意味では円買いポジションの解
消(ドル買い円売り)がいつ起きてもおかしくないのだが、
そうした動きは依然確認されないのが現状だ。
リスク回避モード後退の中、VIX指数や原油価格、日
米金利差などと比較してドル円の反発力の鈍さは違和
感が強く、いずれはドル高円安への動きが見込まれる。
ただ、チャート上の節目である115円台の回復がない中
では相場の地合いは悪く、短期的には下振れリスクをよ
り意識しておく必要がありそうだ。
図表3. 主な通貨の対ドル騰落率
10
ブラジルレアル
メキシコペソ
8
豪ドル
カナダドル
6
南アランド
シンガポールドル
4
スウェーデンクローナ
2
台湾ドル
韓国ウォン
ノルウェークローネ
0
円
NZドル
-2
ユーロ
-4
-50
-40
スイスフラン
デンマーククローネ
-30
-20
英ポンド
-10
0
2014/6/30~2016/2/11の騰落率(%)
出所:BloombergよりSMBC日興証券作成
来週にかけて日米欧で金融政策決定会合
図表4. 投機筋の円ポジションの推移
来週にかけては、日米欧で開催される金融政策決定
会合が注目イベントとなる。まずは本日(3/10)、ECB理
事会が行われる。市場は追加緩和の決定を確実視して
おり、焦点は緩和策の具体的な内容となる。各種報道
によると、既にマイナスにある中銀預金金利の引き下げ
がコンセンサス(0.1%pt引き下げて▲0.40%へ)。マイナ
ス金利に伴う銀行収益への懸念が取り沙汰されるリスク
を踏まえ、日銀と同様に階層構造方式を導入するとの
見方も聞かれる。また、資産購入額(現状:月当たり600
億ユーロ)の拡大を見込む向きも少なくない。この場合、
円滑な資産購入を実施すべく、資産購入対象の拡大
や購入債券の利回り下限(現状:利回りが中銀預金金
(千枚)
50
0
-50
-100
-150
投機筋の円ポジション
(円買い残-円売り残)
(1枚=1,250万円)
-200
92/10 95/10 98/10 01/10
04/10
07/10
出所:CFTC、BloombergよりSMBC日興証券作成
5
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
来週には、14~15日に日銀の金融政策決定会合、
15~16日にはFOMC(連邦公開市場委員会)が開催さ
れる。日銀に関しては、4月の会合で追加緩和の可能
性をみており、今回は据え置きが予想される。会合後の
記者会見における黒田総裁の発言内容が焦点となろう。
一 方 、 FOMC に つ い て も 政 策 変 更 は 見 込 ま れ ず 、
FOMC参加者の政策金利見通しが注目となる。前回12
月時点では年内4回の利上げが予想されていた。さす
がに今回下方修正されようが、イエレンFRB(連邦準備
制度理事会)議長の記者会見と合わせ、FRBの金融政
策姿勢が注目される。金融市場は現在、原油価格の反
発などを受けて落ち着きを取り戻しつつあるが、日米欧
がハト派的な金融政策姿勢で足並みを揃えれば、市場
の不安心理の更なる後退も期待されよう。また、米国で
は3月の各地区連銀製造業景況指数の他、2月の小売
売上高や住宅着工、鉱工業生産といったハードデータ
の発表が予定されている。
2016/2/11~2016/3/9 の騰落率(%)
考えられよう。だとすれば、資源国通貨などのポジション
の調整が一巡すれば、ドル高円安方向への水準修正
が期待される。
10/10
13/10
(年/月)
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
4.国内経済動向~引き続き停滞色が強く1-3月もマイナス成長の可能性
日本経済・金利担当: 野村 真司
10-12月の実質GDPは、小幅上方修正されたものの2四半期ぶりのマイナス成長で、国内経済は停滞して
いる。1-3月も停滞色に変化はなく、弊社では2四半期連続のマイナス成長を見込む。停滞は心理面での影
響が強く、当面も企業マインド、消費マインド共に浮揚させる材料には乏しい。市場には、日銀への追加緩
和期待と共に政府への政策(予算措置含みの景気対策)発動期待が高まりつつある。
 10-12月GDP2次速報:小幅ながら上方修正
図表1. 実質GDP項目別前期比・寄与度の推移
GDP2次速報によれば、10-12月の実質GDPは前期
比▲0.3%(同年率▲1.1%)となり、1次速報の同▲0.4%
(同年率▲1.4%)から小幅上方修正されたものの、2四
半期ぶりのマイナス成長は変わらず(図表1)。小幅上方
修 正 の主 因 は設 備 投 資 と在 庫 投 資 。設 備 投 資 は同
+1.4%から+1.5%と、法人企業統計でサービス業等の投
資が活発だったことが反映され、小幅上方修正された。
また、在庫投資では原材料や仕掛品の在庫が速報値
で仮置きしていた数値を上回ったことから寄与度が▲
0.1%ptから▲0.0%ptへと小幅上方修正。一方、個人消
費、公共投資は下方修正されており、2次速報でも国内
景気は停滞という評価に変わりはない。
(前期比、寄与度、%)
4
2.7
1.3
2
1.4
1.1
1.5
0.2 0.9
1.0 0.7
0.5
0.5
1.1
0.3
0
-0.1
-0.5
-0.1
-0.4 -0.5
-0.6
-2
-0.6
-0.4
-0.3
-2.0
住宅投資
民間在庫品増加
設備投資
実質GDP
-4
-6
公的需要
外需
個人消費
-2.0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年/四半期)
出所: 内閣府「国民経済計算」よりSMBC日興証券作成
図表2. 実質GDP前期比 需要項目別寄与度
1-3月も国内経済の停滞色に変化はなく、弊社では2
四半期連続のマイナス成長を見込む。足元の国内景気
の停滞は心理面での影響が強い。原油価格の底入れ
期待等で、年初来の金融市場混乱はソフトランディング
に向かいつつある。しかし、現時点でドル円が110円台
前半、日経平均で16,000円台と市場の円高・株安懸念
が完全に払拭されたとは言えない。また、後述するよう
に3月16日は2016年春闘の集中回答日。3年連続のベ
ア(ベースアップ)は期待できるものの、前年水準は下回
る公算が大きい。企業マインド、消費マインド共に浮揚
させる材料には乏しい。そうした中、市場では日銀に対
する追加緩和期待と共に、政府への政策発動期待が
高まりつつある。2016年度予算が成立した直後の4月1
日には3月の日銀短観が発表される。企業の景況感悪
化が鮮明となれば5月の伊勢志摩サミット、7月の参院選、
来春の消費再増税を控え、補正予算を含む景気対策
の議論が本格化しよう。折しも5月上中旬にかけては「ニ
ッポン一億総活躍プラン」等をとりまとめるタイミング。そ
の一部を取り込んだ景気対策策定は企業マインド、消
費マインドに一定の浮揚効果を与えよう。
(%pt)
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
-0.1
-0.2
-0.3
-0.4
-0.5
個
人
消
費
2次速報
住
宅
投
資
設
備
投
資
在
庫
投
資
政
府
消
費
輸
出
公
共
投
資
輸
入
注:2015年10-12月実質GDP前期比に対する需要項目別寄与度
出所: 内閣府「国民経済計算」よりSMBC日興証券作成
図表3. 雇用者所得の推移
(前年同月比、寄与度、%)
6
3.9
4
3.6
2.5
2
0
-2
 1月毎月勤労統計:実質賃金は3ヵ月ぶりの上昇
-4
賃金の動向を示す1月の毎月勤労統計(速報、事業
所規模5人以上)によれば、従業員1人当たり平均の現
金給与総額は前年同月比+0.4%と0.0%が2ヵ月続いた
後、3ヵ月ぶりのプラスとなった。背景の1つとして基本給
-6
-8
特別給与(賞与)
所定外給与(残業代)
所定内給与
常用雇用指数
雇用者所得(=雇用指数×給・賞与計)
(注)事業所規模5人以上
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
出所: 厚生労働省「毎月勤労統計」よりSMBC日興証券作成
6
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
1次速報
-0.6
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
や家族手当にあたる所定内給与が底堅く推移している
ことが挙げられる。伸び率は同+0.1%と2014年、2015年
と2年連続のベア効果から昨年3月以降11ヵ月連続の増
加を記録した。また、賞与等の特別給与が同+7.1%と3
ヵ月ぶりの増加に転じたことも現金給与総額押し上げに
大いに貢献した。以上から、賃金は引き続き緩やかに
改善しているとの評価が妥当であろう。現金給与総額か
ら物価変動の影響を除いた実質賃金指数は同+0.4%と
3ヵ月ぶりのプラスに転じている。
ポイントの45.7と3ヵ月連続で低下している。なお、日銀
が導入したマイナス金利政策については「地方銀行に
とって最悪である。この政策が資金需要の増加につな
がるとは全く思えない。これは景気に悪い影響を与える
と思う」(金融業)、「日銀のマイナス金利の反響は大きく、
住宅メーカーの景気は好調である。企業への貸付も緩
和されて良いムードになりそうである」(税理士)と業界に
よって評価が割れた。
常用雇用(一般労働者+パートタイム労働者)は、同
+2.1%と引き続き堅調な伸びを維持し、名目雇用者所
得も同+2.5%と7ヵ月連続のプラス(図表3)。足元の雇
用・所得環境の改善、マイルドな物価動向を勘案すれ
ば、名実共に雇用者所得の改善が見込まれ、個人消
費の下支えに寄与しよう。
なお、3月16日に大手企業の集中回答を迎える2016
年春闘は、ベアが2015年対比で伸びが鈍化する公算
が大きい。主要労組のベア要求水準は軒並み2015年
要求の半分程度となっているほか、大手金融機関では
ベア要求を見送る動きが相次いでいる。因みに、連合
によれば、2016年春闘の賃上げ要求額(2月29日現在)
は平均9,444円と、前年(10,887円)より1,443円低下した。
引き上げ率は平均3.27%で、定期昇給分の2%程度を
差し引くと1.27%となり、「2%程度」をベア要求基準とし
た連合の方針を下回っている。
また、2月の消費者態度指数(一般世帯・季節調整値、
調査基準日:2月15日)も年初来の金融市場の混乱等
が影響し40.1と前月比2.4ポイント低下(図表4)。2ヵ月連
続の悪化で、低下幅は2013年10月(3.7ポイント低下)以
来となる大幅なもので、過去平均(1982年6月~2016年2
月)の42.1も大きく下回った。内訳項目の「暮らし向き」、
「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時
判断」の4指標すべてが低下(昨年9月以来)。内閣府は
消費者心理の基調判断を「足踏みがみられる」とし、前
月の「持ち直しのテンポが緩やかになっている」から下
方修正した。下方修正は2ヵ月連続。
図表4. 景気ウォッチャーと消費者態度指数の推移
(DI)
60
55
50
45
 2月消費マインド:低調で基調判断を下方修正
40
35
2月の景気ウォッチャー調査(調査期間2月25~29日)
では、足元の景況感を示す現状判断DIが前月比▲2.0
ポイントの44.6と2ヵ月連続で低下、横ばいを示す50を7
ヵ月連続で下回った(図表4)。家計関連、企業関連、雇
用関連すべてで悪化した(2ヵ月連続、図表5)。家計関
連では年初からの株安が消費マインドの悪化につなが
り、飲食関連中心に低下(2ヵ月連続)。企業関連では
製造業、非製造業共に低下した(2ヵ月連続)。また雇用
関連も2ヵ月連続で低下したものの、50超は14ヵ月連続
でキープしている。季節調整値も前月比▲3.9ポイントの
44.6と2ヵ月連続の低下。内閣府は基調判断を「弱さが
みられる」とし、前月までの「緩やかな回復基調が続いて
いる」から下方修正した(2014年11月以来)。
30
25
景気ウォッチャー調査:先行き判断DI
消費者態度指数(訪問留置法による)
15
消費者態度指数(郵送法による)
(シャドウ部分は景気後退期)
10
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
出所: 内閣府「景気ウォッチャー調査」、
「消費動向調査」よりSMBC日興証券作成
図表5. 景気の現状判断DI・個別項目の推移
年
月
2015
8
2016
1
10
11
12
49.3
47.5
48.2
46.1
48.7
46.6
44.6
(▲2.0)
家計動向関連
48.8
47.0
48.1
44.4
47.7
45.6
43.2
(▲2.4)
小売関連
48.1
45.7
47.0
41.4
45.1
45.1
42.8
(▲2.3)
飲食関連
47.0
43.8
46.2
44.6
52.9
45.0
41.3
(▲3.7)
サービス関連
50.8
50.5
50.6
49.2
51.1
46.9
44.3
(▲2.6)
住宅関連
47.3
45.4
48.7
49.1
49.7
45.6
43.8
(▲1.8)
企業動向関連
48.3
46.9
47.4
47.8
48.9
45.9
45.8
(▲0.1)
製造業
46.4
45.1
47.2
47.9
46.0
45.2
45.1
(▲0.1)
非製造業
50.0
48.5
47.3
47.4
51.2
46.6
46.4
(▲0.2)
55.2
52.7
51.1
54.0
55.1
54.8
51.6
(▲3.2)
雇用関連
2
出所: 内閣府「景気ウォッチャー調査」よりSMBC日興証券作成
7
(前月差)
9
合計
2~3ヵ月先の景気に対する先行き判断DIも、前月比
▲1.3ポイントの48.2と3ヵ月ぶりの低下、節目の50を7ヵ
月連続で下回った。先行きについては春物商戦やロー
ン金利低下への期待等があるものの、引き続き世界経
済の先行き不透明感や変動の激しい金融市場の動向
への警戒感が上回った。季節調整値では前月比▲3.7
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
景気ウォッチャー調査:現状判断DI
20
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
5.新興国市場・経済動向
新興国担当: 山本 正樹 / 白岩 千幸 / 武田 泰典 / 前田 佑太
新興国株式市場は引き続き原油等の商品市況上昇を背景に概ね堅調な地合いが継続したが、ECB理事
会等のイベントを前にやや一服感も窺える展開。新興国通貨の対ドル相場も概ね同様となった。これから来
週にかけては、日米欧の金融政策決定が立て続けに予定されており、新興国市場もこれらに左右される展
開が予想されるが、足元のリスク選好の流れが一変するリスクは低いとみている。
 最近の新興国市場の動向
新興国株式市場は、引き続き原油等の商品市況上
昇を背景とするリスク選好の流れにサポートされ、概ね
堅調な地合いが継続した。もっとも、2月以来の急ピッチ
な上昇もあり、ECB(欧州中央銀行)理事会(10日)等の
イベントを前にやや一服感も窺える展開となった。直近1
週間の株価騰落率(図表1、9日時点)では、ブラジル株
(+8.4%)が大幅高。月初来騰落率でも+13.7%と上昇が
目立っている。主要輸出品目である鉄鉱石等の価格上
昇に加え、ルセフ大統領に対する弾劾が成立するとの
期待も買い材料となった。ルセフ大統領の後ろ盾でもあ
るルラ前大統領が捜査当局から事情聴取を受けた(4日)
ことなどを背景に政権への逆風は一段と強まっている。
ロシア株(+2.7%)は原油価格の反発等を背景に2月半
ば以降、上昇基調が続いている。
為替市場でも、新興国通貨の対ドル相場は概ね堅調
となったが、株式市場と同様に上昇には一服感も窺える
動きとなった。対円では上下に振れる展開。直近1週間
の対円騰落率(図表1、9日時点)では、ブラジル株と同
様にブラジルレアル(+5.5%)も大幅高となった他、原油
価格の反発等からロシアルーブル(+3.2%)も堅調となっ
た。南アフリカランド(+2.1%)は、10-12月の経常収支赤
字が予想以上に拡大したこと(後述)を受け、売りが先
行する場面もみられたが、商品市況の上昇を背景に概
ね堅調な展開となった。(前田)
図表1. 主な新興国市場の動向
直近値
騰 落 率 (% )
3月 9日
2016年 初 来 2015年 年 間 過 去 1週 間 過 去 30日 間 過 去 90日 間 過 去 1年 間
株価指数
中国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南アフリカ
ブラジル
メキシコ
為替
上海総合指数
香港ハンセン指数
SENSEX30種指数
韓国総合指数
ジャカルタ総合指数
SET指数
FBM KLCI総合指数
フィリピン総合指数
MICEX指数
イスタンブール100種指数
JSE全株指数
ボベスパ指数
ボルサ指数
2,862.55
19,996.26
24,793.96
1,952.95
4,811.04
1,390.66
1,686.35
6,948.18
1,883.00
78,738.19
51,484.46
48,665.09
44,492.50
▲19.1
▲8.8
▲5.1
▲0.4
4.7
8.0
▲0.4
▲0.1
6.9
9.8
1.6
12.3
3.5
9.4
▲7.2
▲5.0
2.4
▲12.1
▲14.0
▲3.9
▲3.9
26.1
▲16.3
1.9
▲13.3
▲0.4
0.5
▲0.0
2.3
0.3
▲0.5
1.9
▲0.3
1.0
2.7
2.5
1.0
8.4
▲0.3
3.6
3.7
2.1
1.8
0.3
6.4
1.4
2.7
8.0
9.4
4.2
19.9
4.0
▲17.2
▲7.9
▲1.8
0.0
7.7
7.2
2.3
1.9
8.7
8.8
5.1
6.6
4.8
▲12.9
▲16.3
▲13.6
▲1.6
▲11.9
▲9.2
▲5.8
▲11.2
13.1
1.0
▲1.2
0.8
3.5
▲6.4
▲7.2
▲8.3
▲1.3
▲3.7
▲2.8
▲6.5
▲3.2
▲4.8
▲4.1
1.3
▲8.7
▲4.0
▲4.2
▲6.6
▲9.7
▲8.3
▲18.0
▲4.0
▲20.1
▲19.7
▲24.9
▲32.6
▲13.8
▲0.3
0.4
1.2
0.9
0.6
▲0.8
▲0.7
3.2
1.0
2.1
5.5
0.2
▲1.5
▲1.1
▲2.6
1.1
▲1.5
▲3.3
▲2.1
7.3
▲0.3
3.7
3.6
2.8
▲8.2
▲7.4
▲9.1
▲1.1
▲4.7
▲4.6
▲6.8
▲9.7
▲5.7
▲5.2
▲3.6
▲9.8
▲10.4
▲12.6
▲12.8
▲6.9
▲13.3
▲17.3
▲12.8
▲18.1
▲14.6
▲23.9
▲21.2
▲17.7
※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高
中 国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南アフリカ
ブラジル
メキシコ
円/人民元
円/インドルピー
円/韓国ウォン(x100)
円/ルピア(x100)
円/バーツ
円/リンギ
円/フィリピンペソ
円/ルーブル
円/トルコリラ
円/ランド
円/レアル
円/メキシコペソ
17.32
1.68
9.37
0.86
3.21
27.23
2.40
1.59
39.18
7.44
30.75
6.38
注: 「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
8
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
 新興国市場関連トピック
インドネシア~2月末の外貨準備高は2ヵ月ぶりに増加
中国~全人代で政府は構造改革と成長戦略を強調
7日に発表された2月末の外貨準備高は1,045億ドル
(1月末:1,021億ドル)と2ヵ月ぶりに増加した。なお、2月
末の外貨準備高は、輸入額(16年1月までの月平均額)
の8.9ヵ月分、短期対外債務(15年12月末時点)の2.5倍
第13次5ヵ年計画期間の成長率目標は+6.5%以上と、
に相当し、それぞれ健全性の目安とされる3ヵ月分、1倍
2015年実績(+6.9%)や2016年目標(+6.5~7.0%)と横ば
を大幅に上回る水準となっている。
い圏の水準に設定された。こうした目標設定は当面の
外貨準備高は、米国の利上げ観測等に伴って通貨
景気下振れ懸念の後退につながる一方、潜在成長率
が年々低下する中、無理な景気押し上げが長期的に不 安圧力が高まる中、2015年2月末の1,155億ドルをピー
クに同年11月末の1,002億ドルまで減少が続いたものの、
良債権増加等につながるリスクもあろう。
足元では底打ちの動きとなっている。(山本)
一方、政府活動報告書では、2016年を「構造改革に
挑む年」と表現し、国有企業改革を含む構造改革への
図表3. インドネシアの外貨準備高
(億ドル)
強い意思が示された。また、第13次5ヵ年計画では18の
1,200
主要政策の多くを成長戦略が占め、高度な技術の習得
1,150
等により、成長を牽引する狙いが窺える。(白岩)
3月5日に全国人民代表大会(全人代)が開幕し、「政
府活動報告」等が発表され、2016年および第13次5ヵ年
計画(2016~2020年)の政策方針が示された。
1,100
中国~2月の外貨準備高は小幅な減少にとどまる
1,050
7日に発表された2月末の外貨準備高は前月末比▲
286億ドルの3兆2,023億ドルとなった。外貨準備高は昨
年11月から今年1月にかけて毎月872億~1,079億ドルの
大幅な減少が続いていたが、2月は減少額が小幅にと
どまった。米利上げ観測の後退により元安圧力が和らぎ、
ドル売り元買い介入が減少したとみられる。(白岩)
出所: CEIC、インドネシア銀行よりSMBC日興証券作成
中国~2月の輸出は前年比効果もあり、大幅に減少
トルコ~反政府系メディアの接収を決定
8日発表の2月貿易統計では、輸入の前年比マイナス
幅は縮小したものの(1月▲18.8%⇒2月▲13.8%)、輸
出はマイナス幅が拡大(1月▲11.2%⇒2月▲25.4%)、
主要輸出相手国/地域で軒並み悪化した。昨年2月に
輸出が+48.2%と大幅に増加した反動から前年比の伸
びが押し下げられたことが考えられる。(白岩)
イスタンブールの裁判所は4日、トルコ最大の発行部
数を有する日刊紙ザマンを政府の管理下に置くことを
決定した。ザマン紙はエルドアン大統領と対立する「ギ
ュレン派 (注) 」系のメディアとして知られている。これを受
け、同紙の支持者と治安当局との衝突が発生するととも
に、EUも報道の自由を懸念する声明を発表した。このよ
うな国内外からの批判にも関わらず、7日にも同じく「ギ
ュレン派」系とされる大手通信社ジハン通信に対し同様
の措置が決定され、政府に批判的なメディアの接収が
相次いでいる。
図表2. 中国の貿易統計
(前年比、%)
貿易収支(右軸)
70
(100万ドル)
70,000
60
60,000
50
50,000
輸出(左軸)
40
30,000
20
20,000
10
10,000
0
950
900
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
市場では、政情不安が再燃する可能性も意識されつ
つあり、このようなエルドアン大統領らの強権的なスタン
スが当面トルコリラの重石となるリスクも想定しておく必
要があろう。(前田)
40,000
30
1,000
0
-10
注:イスラム指導者ギュレン師を支持するグループ。2013 年 12
月~14 年 3 月に実施された閣僚子息やエルドアン首相(当
時)に対する汚職捜査を主導したとされており、それ以降、
エルドアン政権によるギュレン派への弾圧が強まっている。
-10,000
-20
-20,000
輸入(左軸)
-30
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
-30,000
15/7
16/1
(年/月)
出所: CEIC、通関統計等よりSMBC日興証券作成
9
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
南アフリカ~10-12月経常収支は予想以上に赤字拡大
図表5. ブラジルの実質GDP
8 日 に 発 表 され た 10-12 月 の 経 常 収 支 は GDP 比 ▲
5.1%と市場予想(Bloomberg、▲4.4%)及び7-9月(▲
4.3%)を大幅に上回る赤字となった。主要輸出品目で
ある鉱物資源等の価格下落を受け、輸出が前期比▲
2.1%と3四半期ぶりのマイナスとなったことが主因。経常
赤字は4-6月に▲3.1%まで縮小した後、2四半期連続で
拡大している。
(前期比、%)
2014年
1-3月
7-9月
10-12月
0.1
▲ 3.8
▲ 0.8
▲ 2.1
▲ 1.7
▲ 1.4
年率換算
-
-
▲ 3.2
▲ 8.2
▲ 6.7
▲ 5.7
2.1
1.8
4.7
▲ 3.6
▲ 3.0
2.9
▲ 0.9
▲ 6.2
▲ 1.6
▲ 3.5
▲ 1.9
▲ 1.4
0.4
▲ 2.7
▲ 1.0
▲ 1.1
▲ 1.1
▲ 1.4
個人消費
1.3
▲ 4.0
▲ 2.1
▲ 2.2
▲ 1.5
▲ 1.3
需 政府消費
要 固定資本形成
別 輸出
1.2
▲ 1.0
▲ 0.7
0.4
0.3
▲ 2.9
▲ 4.5
▲ 14.1
▲ 3.2
▲ 7.4
▲ 4.4
▲ 4.9
▲ 1.1
6.1
13.6
3.1
▲ 2.4
▲ 0.4
▲ 1.0
▲ 14.3
▲ 0.1
▲ 8.3
▲ 7.2
▲ 5.9
輸入
出所: CEIC、ブラジル地理統計院よりSMBC日興証券作成
ブラジル~2月の消費者物価は予想以上に鈍化
図表4. 南アフリカの経常収支
(億ランド)
第二次所得収支(左軸)
サービス収支(左軸)
経常収支(左軸)
4-6月
実質GDP
産 農林水産業
業 鉱工業など
別 サービス業
足元では商品市況の上昇を背景に通貨ランドは概ね
値を戻す展開となっているが、8日は経常赤字の予想外
の拡大を受けて売りが優勢となった。経常赤字拡大は
引き続き通貨ランドの重石になるとみている。(前田)
500
250
0
-250
-500
-750
-1,000
-1,250
-1,500
-1,750
-2,000
-2,250
-2,500
-2,750
-3,000
2015年
(%)
第一次所得収支(左軸)
貿易収支(左軸)
経常収支(GDP比、右軸)
9日に発表された2月拡大消費者物価指数(IPCA)は
前 年 比 +10.36% と 市 場 予 想 ( +10.44% ) 及 び 前 月
(+10.71%)を下回り、5ヵ月ぶりの鈍化となった。財政再
建策の一環として昨年1~3月に実施された増税や公共
料金引き上げによるインフレ押し上げ効果が剥落し、公
定価格(+17.2%→+14.9%)が大幅に低下したことが主
因。低調な内需や通貨安の一服も背景に引き続きイン
フレ圧力の低下が続こう。
2
1
0
-1
-2
-3
-4
-5
-6
-7
-8
-9
-10
-11
-12
ブラジル中銀は、インフレ・通貨安圧力を背景に不況
下の高金利政策を余儀なくされてきたが、今後は政策
転換の余地も生じてくるとみられ、市場でもポジティブに
受け止められよう。(前田)
12/1Q 12/3Q 13/1Q 13/3Q 14/1Q 14/3Q 15/1Q 15/3Q
(年/期)
出所: CEIC、南アフリカ準備銀行よりSMBC日興証券作成
図表6. ブラジルのIPCA、政策金利
ブラジル~4四半期連続のマイナス成長
3 日に発表された昨年 10-12 月の実質 GDP は前期
比▲1.4%と、市場予想の▲1.6%及び 7-9 月の▲1.7%を
やや上回ったものの、4 四半期連続のマイナス成長とな
った。2015 年通年では前年比▲3.8%と、09 年(▲0.1%)
以来 6 年ぶりのマイナス成長となった。需要項目別では、
固定資本形成(投資)が 10 四半期連続のマイナスとな
った。資源価格の下落を背景に大手資源会社が投資
を大幅に削減したことに加え、政治的な不透明感や国
営銀行の貸出抑制、利上げ等も投資の不振につながっ
たとみられる。個人消費も、政府の歳出削減や高インフ
レ等を背景に 4 四半期連続のマイナスとなっている。今
後も当面はマイナス成長が続くとみているが、政府の財
政再建が一定程度進展し、政治的な不透明感が後退
すれば、投資家・消費者心理の改善や通貨安定による
インフレ抑制等を背景に景気も回復に転じよう。(武田)
10
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
(%)
政策金利(SELICレート)
IPCA(前年比)
インフレターゲット(+4.5%±2%)
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
出所: CEIC、ブラジル地理統計院よりSMBC日興証券作成
16/1
(年/月)
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
 来週にかけてのスケジュールと見通し
これから来週にかけては、ECB(欧州中央銀行)理事
会(10日)、日銀金融政策決定会合(14~15日)、米国の
FOMC(連邦公開市場委員会)(15~16日)と、日米欧の
金融政策決定が短期間の間に立て続けに予定されて
いる。ECBでは追加緩和が有力視され、焦点はその内
容となっている。ECBの追加緩和の内容が市場から期
待外れと受け止められた昨年12月の二の舞となり、株式
や新興国通貨が売られるリスクも否定はできないだろう。
もっとも、足元の金融市場は昨年12月とは異なり、過大
な追加緩和期待に基づいたポジション構築の動きは窺
えない。ECB理事会後に足元のリスク選好の流れが一
変するリスクは低いとみている。日米の金融政策につい
ても同様だろう。
トルコでは、目立ったイベントは予定されておらず、外
部環境に大きく左右される相場展開が予想される。
南アフリカでは、17日に金融政策委員会が予定され
ている。南アフリカ準備銀行(中央銀行)は1月28日の前
回会合で大幅な利上げ(+0.50%pt)を決定し、その後、
商品市況の反発も加わり、通貨ランドは反発している。
食品価格の上昇も一服しており、前回会合時よりもイン
フレ懸念はやや低下しているとみられる。低迷が続く景
気への配慮もあり、今会合では連続利上げを回避し、
政策金利を据え置くと予想している。金利据え置きに対
する市場の影響も限定的となろう。
ブラジルでは、ルセフ大統領の後ろ盾でもあるルラ前
大統領が収賄等の容疑で捜査当局から事情聴取を受
ける(4日)など、政権への逆風が一段と強まっている。こ
れに対して、市場は大統領弾劾案(4~5月頃に下院採
決の見通し)成立の可能性が高まったとして、ポジティ
ブな反応を示しており、株価や通貨は戻りを試す展開
が続いている。13日には、全国で政府に対する抗議デ
モが計画されており、その動向次第では大統領の退陣
観測がさらに強まり、引き続き株価や通貨のサポート要
因となる可能性があろう。
これから来週にかけては、上述の通り、日米欧のイベ
ントが目白押しとなるだけに、新興国市場もこれらに左
右される展開が予想される。イベント通過後は各新興国
の個別の材料がよりクローズアップされてこよう。来週に
かけて、各主要新興国の注目ポイントは以下の通り。
中国では、12日に1-2月の主要経済統計が発表され
る。また、5日に開幕した全国人民代表大会(全人代)が
16日まで開催される。全人代では構造改革への取り組
みが強調されるとともに、これに伴う景気下振れ圧力を
緩和するための政策対応の意向も示された。こうした政
策期待を背景に、経済指標が予想を下回ったとしても、
株価急落の可能性は低いとみている。
(山本、白岩、武田、前田)
インドネシアでは、15日に2月貿易統計が発表される
ほか、17日には金融政策が決定される予定。インドネシ
ア銀行は1月、2月と2ヵ月連続で利下げを実施し、なお
追加利下げの可能性を模索しているとみられる。足元
のコア消費者物価(CPI)は安定しており、基調的なイン
フレ圧力は高まっていないものの、食品価格等がやや
上振れしているため、ひとまずは様子見に転じる可能性
もあろう。なお、アジア市場では17日は、FOMCの結果
判明後、最初の取引日に相当するため、国内要因より
もFOMCの結果がより市場へ影響を及ぼすとみている。
インドでは、11日に1月鉱工業生産、14日には2月消
費者物価指数(CPI)等の経済指標の発表が予定され
ている。市場では、2月29日に発表された政府予算案に
おいて予想に反して財政規律が維持されたことから、利
下げ観測が強まり、株高、通貨高要因となっている。4月
5日に予定される次回金融政策決定の判断材料となる
月次経済指標としてはこれらが最後となるため、その結
果が注目される。CPIが下振れた場合は一段と利下げ
11
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
観測が強まり、株高要因となろう。株価との連動性が高
くなっている通貨ルピーにもサポート要因となろう。
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
6.銘柄選別の原点に回帰した逆張り戦略~低PER銘柄
日本株担当: 西尾 浩一郎
TOPIXの予想EPSは、秋以降足踏み状態が続いており、この間株価水準が大きく切り下がったことでPER
は急低下した。足元の株価はやや持ち直しの動きがみられるものの業績面からみて依然割安で、不安心理
がさらに後退すれば見直し買い(PERの水準訂正)が入ろう。日銀による低金利政策下では利回り水準も重
視されると考えられることから、銘柄選別にあたっては配当利回りも考慮した低PER銘柄に注目する。
 業績面からみた有望銘柄を探る
は高まっている。また、政府は成長戦略を着実に実行し
TOPIXの予想EPSは順調に拡大していたが、秋以降、 ており、最高益更新が見込まれる好業績企業も少なくな
足踏み状態が続いている。この間、株価水準が大きく切 い。足元の株価はやや持ち直しの動きがみられるもの
り下がったことでPERは急低下した。2013年以降の予想 の業績面からみて依然割安で、不安心理がさらに後退
平均PERは約14倍で、足元の予想PERは概ね12倍台 すれば見直し買いが入ると考えられる。
で推移している(IBES12ヵ月先予想ベース)。この背景
日銀による低金利政策下では、投資家は利回り水準
は、中国など新興国懸念や円高、原油価格の動向など に目を光らせているとみられることも踏まえ、弊社では、
で株式市場に警戒感が高まり、許容されるPERが低下 銘柄選別にあたっては、PERに加えて配当利回りも魅
したためと考えられる。一般的に、PERは景気減速懸念 力的な水準にある銘柄を物色対象の中心に据えること
や円高などでリスクオフムードが高まった局面や企業の が有効な戦略であると考えている。図表1に挙げた銘柄
成長戦略を描きづらいとの見方が強まると低下し、懸念 は、株式市場で高まった警戒感から足元で予想PERが
要因の払拭あるいは悪材料出尽くしで先行きの見通し 著しく低下しているが、株式市場が落ち着きを取り戻す
が良好になるなどリスクオンムードが高まった局面や業 過程で、ディスカウントされたPERの水準訂正が進むと
績拡大期待が膨らむと上昇する。
期待される。製造業が多数を占めることから、海外発の
ニュースフローなどで株式市場が波乱含みの展開を余
儀なくされると手掛けにくい面はあるが、その先を見据
えた投資戦略として有望な銘柄と位置付けることが出来
よう。
16/3期第3四半期決算で製造業を中心に業績下方
修正が相次いだことから企業業績に対して不安が燻っ
ている。しかし、為替水準を例にとるとアベノミクス相場
が始まった当時と比較すると円安が定着し国際競争力
図表1. 過去水準の比較からみた低PER銘柄
株式
コード
3231
4183
4521
5012
5233
5334
6471
6473
6479
6701
7011
7012
7240
7272
8586
銘柄略称
野村不HD
三井化学
科研薬
東ゼネ石
太平洋セメ
特殊陶
日精工
ジェイテクト
ミネベア
NEC
三菱重
川 重
NOK
ヤマハ 発
日立キャピ
東証業種名
不動産業
化学
医薬品
石油・石炭製品
ガラス・土石製品
ガラス・土石製品
機械
機械
電気機器
電気機器
機械
輸送用機器
輸送用機器
輸送用機器
その他金融業
予想
決算期
2016/03
2016/03
2016/03
2016/12
2016/03
2016/03
2016/03
2016/03
2016/03
2016/03
2016/03
2016/03
2016/03
2016/12
2016/03
予想1株当
期間平均
3月9日
3月9日
予想配当 期間最大値 期間最小値
乖離率
PER(倍) PER(倍)
たり配当
利回り(%) PER(倍)
PER(倍)
(B)/(A)-1 終値(円)
(円)
(A)
(B)
55
2.62
22.08
8.06
13.91
9.34 -32.8% 2,100.0
8
2.22
26.58
9.07
17.43
9.46 -45.7%
361.0
146
2.02
26.73
10.87
16.40
11.02 -32.8% 7,240.0
38
4.26
29.45
8.84
19.08
9.58 -49.8%
891.0
6
2.31
22.92
6.51
13.84
8.09 -41.5%
260.0
42
2.04
18.18
9.15
14.69
9.05 -38.4% 2,062.0
34
3.30
19.70
7.26
13.59
8.53 -37.3% 1,029.0
42
2.70
18.76
8.40
13.96
9.53 -31.7% 1,558.0
20
2.17
18.53
5.21
13.56
7.59 -44.0%
920.0
6
2.23
20.77
7.80
14.49
9.11 -37.1%
269.0
12
2.84
27.17
6.96
16.05
9.04 -43.7%
422.9
12
3.65
17.99
6.66
13.77
8.96 -34.9%
329.0
50
2.69
16.38
6.26
12.36
8.03 -35.1% 1,856.0
70
3.87
14.85
5.69
10.89
7.26 -33.3% 1,807.0
84
3.31
16.77
7.42
12.27
8.27 -32.6% 2,535.0
注: TOPIX採用銘柄(金融除く)のうち、(1)2013年1月4日から2016年3月4日までの期間で、週次ベースの12ヵ月先予想PERを継続的にデータ取得可
能(ただし、期間中にPERが1度でも40倍を超えたものは除く)、(2)今期予想配当利回り(年率換算)が2.0%以上(配当予想に上限と下限がある場
合、下限で算出)、(3)時価総額が3,000億円以上、との条件を満たす銘柄のうち、乖離率のマイナス幅が大きい上位15社を証券コード順に並べた。
PERはIBES予想、配当は日経予想。スクリーニングに用いたデータは3月9日時点。
出所: Datastream、QUICKよりSMBC日興証券作成
12
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
7.米国先物~投機筋によるポジション動向
日本株担当: 母良田 剛
3月1日時点での米国先物取引による投機筋ポジションでは、円の対ドルでの持ち高は、買い越し幅が4週
連続で拡大し、2012年1月以来、約4年2ヵ月ぶりの高水準となった。また、原油先物の買い越し幅は2週連
続で拡大し、約3ヵ月半ぶりの高水準となり、金先物の買い越し幅は6週連続で拡大した。欧米株式市場で
は過去約1ヵ月間、貴金属・資源関連株の好調なパフォーマンスが続いている。
 円の買い越し幅は約4年2ヵ月ぶりの高水準
 原油の買い越しは約3ヵ月半ぶりの高水準
米商品先物取引委員会(CFTC)が3月4日に発表し
た建玉明細報告(3月1日集計分)によると、シカゴ・マー
カンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で投機筋(非
商業部門)による円の対ドルでの持ち高は、買い越し幅
が4週連続で拡大し、2012年1月以来、約4年2ヵ月ぶり
の高水準となった(図表1)。日銀によるマイナス金利導
入以降も、引き続き円の買い越しは続いている。4日に
発表された米2月雇用統計では、非農業部門雇用者数
が市場予想を上回る結果となったものの、ドル円相場に
は大きなインパクトとならなかった。10日のECB(欧州中
央銀行)理事会、来週に予定される日銀金融政策決定
会合やFOMC(連邦公開市場委員会)に注目したい。
一方で、ニューヨーク・マーカンタイル取引所
(NYMEX)で投機筋による原油先物の買い越し幅は2
週連続で拡大し、約3ヵ月半ぶりの高水準となった(図
表2)。OPEC(石油輸出国機構)加盟国と非加盟国が増
産凍結に向けて3月下旬にも会合を開くと報じられてお
り、価格安定への期待が高まっている。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)で投機筋による
金先物の買い越し幅は6週連続で拡大した(図表3)。買
い越し幅は2015年10月27日以来、およそ4ヵ月ぶりの大
きさとなった。金属価格については、金は約13ヵ月ぶり、
銅とニッケルは約4ヵ月ぶり、アルミニウムは約5ヵ月ぶり
の高値水準にある。欧米株式市場では過去約1ヵ月間、
貴金属・資源関連株の好調なパフォーマンスが続いて
いる。
またユーロの売り越し幅は8週ぶりに拡大した。
図表1. 円先物ポジション
図表2. WTI原油先物ポジション
(枚)
(円/ドル)
(枚)
70
50,000
80
円
買
い 0
超
90
買い残高ー売り残高
120
450,000
110
400,000
100
350,000
90
300,000
80
250,000
100
-50,000
(ドル/バレル)
500,000
70
200,000
60
買い残高 ― 売り残高
150,000
110
50
100,000
-100,000
円ポジション(左軸)
40
原油ポジション(左軸)
50,000
120
原油価格(右軸)
30
0
ドル円(右軸、逆目盛)
-150,000
20
130
2011/3 2011/9 2012/3 2012/9 2013/3 2013/9 2014/3 2014/9 2015/3 2015/9
(年/月)
(年/月)
図表3. 金先物ポジション
図表4. 銅先物ポジション
(枚)
(ドル/TOZ)
200,000
180,000
金ポジション(左軸)
(枚)
(ドル/ポンド)
1,700
20,000
360
1,600
10,000
1,500
0
1,400
-10,000
280
1,300
-20,000
260
1,200
-30,000
1,100
-40,000
1,000
-50,000
金価格(右軸)
340
160,000
320
140,000
120,000
300
買い残高ー売り残高
100,000
80,000
60,000
240
220
40,000
20,000
買い残高ー売り残高
2013/8
2014/2
2014/8
200
銅価格(右軸)
0
2013/2
銅ポジション(左軸)
2015/2
2015/8
2016/2
2013/3
(年/月)
出所: 図表1~4ともにCFTC(米商品先物取引委員会)、BloombergよりSMBC日興証券作成
13
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
180
2013/9
2014/3
2014/9
2015/3
2015/9
(年/月)
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
8.商社セクターの見通し~年後半も堅調な推移~
日本株担当: 石田 卓也
弊社では、商社セクターの業種格付けを「中立」としている。「強気」とするには材料不足だが、「弱気」とみて
いる投資家の株価評価の見直しで堅調展開を予想している。同セクターの株価は原油価格に連動する傾向
にあるが、原油価格下落局面であっても配当利回りの高さが下支え要因となる。原油価格上昇期待など同
セクターには追い風が吹いており、株価は堅調推移が持続するだろう。
 原油価格の上昇と配当利回りがカギ
図表2. 商社の株価は原油価格に連動しやすい
商社セクターの株価は例年、年前半高→年後半安と
なる傾向がある。これは、年前半は3月末の配当権利取
りや本決算への期待などで上昇するためだ。今年も日
本株市場は昨年比で水準を低下させる一方で、商社セ
クターは相対的に高い水準に位置する。ただ、今年は
過去の傾向と異なり、年後半にかけても堅調に推移す
ると考えられる。
400
株価
2005年1月第1週目
を100として指数化
350
WTI原油先物
300
250
200
その理由として、まず鉄鉱石や原料炭の価格が底打
ちから横ばい推移に近づきつつある中、年後半にかけ
て原油価格の緩やかな戻りが期待される点が挙げられ
る。商社セクターの株価は原油価格に連動する傾向が
ある(図表1)。主要産油国の生産調整に向けた動きな
どを材料に年後半に原油価格が回復すると、来期企業
業績の底打ち感から業績モメンタムの転換が見え、商
社株の上昇要因と捉えられるだろう。また、原油価格が
下落したとしても、配当利回りの高さが支えとなり、下値
が限定的になりやすいというディフェンシブ性も備えて
いる。日銀のマイナス金利政策の導入で高配当利回り
への注目が高まっていることも、商社セクターに追い風
となろう。さらに、PBRは1倍割れとバリュエーション面で
魅力であるなどの要因もあり、商社セクターの株価は堅
調推移の持続が期待される。
150
100
50
0
05
08
09
10
11
12
13
14
15
16 (年)
図表3. 配当利回りの高さが下値抵抗力に
350
(%)
0
株価(左軸)
株価は2005年1月第1
週目を100として指数化
配当利回り(右逆軸)
300
1
250
2
弊社ではカバレッジ銘柄のうち三菱商事(8058)をトッ
プピックとしている。また17/3期から始まる新規中期経営
計画で株主還元強化の可能性があり、17/3期の1株当
たり配当金は最低でも16/3期会社予想の50円から60円
に引き上げられると予想している。
200
3
150
4
100
図表1. 総合商社大手5社一覧
5
50
3月9日 予想配当 予想1株
PBR
利回り
終値
配当
(倍)
(%)
(円)
(円)
1,650 1430.0
3.50
50 0.90
投資 目標株価
評価
(円)
8001
伊藤忠
2
8002
丸 紅
2
599.7
3.50
21
0.69
8031
三井物
2
1,400 1429.0
4.48
64
0.67
8053
住友商
2
1,300 1202.0
4.16
50
0.62
8058
三菱商
1
2,300 2007.0
2.49
50
0.59
700
07
注: 株価は大手5社(伊藤忠、丸紅、三井物、住友商、三菱商)の株価を
単純平均した数字
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
 トップピックは三菱商事
コード 銘柄略称
06
0
05
07
08
09
10
11
12
13
14
15
6
16 (年)
注:株価と予想配当利回りは大手5社の単純平均。予想は今期日経予想
出所: QUICKよりSMBC日興証券作成
注: 予想は弊社2016年3月期予想。PBRは実績ベース
出所: QUICKなどよりSMBC日興証券作成
14
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
06
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
9.日本株と世界株~主要セクターのパフォーマンス比較
日本株担当: 母良田 剛
株価は個別要因で動くこともあれば、外部要因に左右されることも少なくない。海外売上高比率が高い場合
や、株価を形成する要素が似ている場合には、日本株は海外株と類似した動きをするケースが多い。
TOPIX33業種の主要セクターについて、海外株との動きを比較した。過去数ヵ月、世界的な景気減速懸念
を背景に日本株、世界株ともにディフェンシブ系セクターが好調に推移していることがうかがえる。
図表1. 日本株と世界株:主なセクターのパフォーマンス比較 (1年)
【自動車・自動車部品】
【ハイテク】
110
115
105
110
105
100
100
95
95
90
90
85
85
80
80
MSCI ワールド自動車・部品
TOPIX輸送用機器
75
75
70
2015/3
MSCI ワールド 情報技術
TOPIX電気機器
70
2015/5
2015/7
2015/9
2015/11
2016/1
65
2015/3
(年/月)
日本株、世界株とも原油価格と逆相関。足元は円高基調
を反映して、日本株が若干出遅れ。
2015/5
2015/7
2015/9
2015/11
2016/1
(年/月)
スマホの生産調整や中国懸念などを嫌気して軟調。日本
株にはスマホの部品関連が少なくない。円高も影響。
【通信】
【銀行】
125
120
MSCI ワールド 電気通信サービス
TOPIX情報・通信業
120
110
115
100
110
90
105
80
100
MSCI ワールド 銀行
70
95
90
2015/3
2015/5
2015/7
2015/9
2015/11
2016/1
60
2015/3
(年/月)
通信は世界的に高配当利回り株が多く、低金利環境の下
では堅調なパフォーマンス。
TOPIX銀行業
2015/5
2015/7
2015/9
2015/11
2016/1 (年/月)
世界的な金利低下、および利上げの先送りは業績悪化に
つながるため、世界株、日本株ともに年初から急落。
【医薬品】
【食品・たばこ】
120
115
110
MSCIワールド食品・飲料・タバコ
TOPIX食料品
115
105
110
100
105
95
90
85
2015/3
MSCIワールド医薬品バイオテク
TOPIX医薬品
2015/5
2015/7
2015/9
100
2015/11
2016/1
95
2015/3
(年/月)
世界株(特に米国株)は大統領選後の医療保険改革への
不透明感から足元は軟調だが、日本株はしっかり。
2015/7
2015/9
2015/11
2016/1 (年/月)
ディフェンシブの代表的なセクターである食品・たばこは
日本株、世界株ともに底堅い動きが続いている。
注:いずれも始点を100とする。
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
15
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015/5
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
10.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
日本株担当: 溝渕 彩乃
日経平均は、先週1,000円近く上昇した反動や円高の進行などにより下落傾向。10日にECB理事会を控え
ていることもあり、上値を追うような積極的な買いは見られなかった。しかし、日経平均の25日移動平均乖離
率は今年初めて6日連続プラスとなった。一方、日本10年物国債利回りは大幅低下し、8日には一時▲
0.1%となり、過去最低を更新した。来週は日銀会合やFOMCが予定されており、様子見姿勢が継続しよう。
図表1. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
【国内主要株価指数】
110
105
100
95
90
85
80
75
70
65
60
【東証REIT指数と日本10年物国債利回り】
(pt)
1,950
(150日前を100として指数化)
(%)
1,900
0.6
日本10年物国債利回り(右軸)
1,850
日経平均
日経JASDAQ指数
7/29
8/28
9/27
東証マザーズ指数
2015年
0.4
1,750
0.3
1,700
0.2
1,650
0.1
1,600
0
1,550
1/25
【日経平均と25日移動平均・乖離率】
日経平均株価(左軸)
22,000
-0.1
東証REIT指数(左軸)
2/24(月/日)
7/29
2016年
(円)
0.5
1,800
1,500
10/27 11/26 12/26
10
20,000
(円)
20
15
25日移動平均(左軸)
8/28
9/27 10/27 11/26 12/26 1/25
2015年
(%)
-0.2
2/24(月/日)
2016年
【日経平均と100日移動平均・乖離率】
(%)
日経平均株価(左軸)
22,000
0
-5
16,000
25日移動平均乖離率
(右軸)
14,000
10
20,000
5
7/29
8/28
9/27 10/27 11/26 12/26 1/25
2015年
(円)
-5
-10
16,000
100日移動平均乖離率
(右軸)
14,000
2/24 (月/日)
7/29
2016年
8/28
9/27 10/27 11/26 12/26 1/25
2015年
【日経平均と東証一部25日騰落レシオ】
日経平均株価(左軸)
東証一部25日騰落レシオ(右軸)
22,000
0
18,000
-10
-15
(円)
-20
2/24(月/日)
【日経平均 ストキャスティクス(9日)】
300
日経平均株価(左軸)
%D(右軸)
Slow %D(右軸)
22,000
250
250
20,000
200
18,000
16,000
-15
2016年
300
20,000
(%)
150
120%ライン
14,000
2015年
8/28
150
(%)
16,000
100
80%ライン
50
20%ライン
12,000
7/29
200
18,000
100 14,000
70%ライン
9/27 10/27 11/26 12/26 1/25
2016年
20
15
100日移動平均(左軸)
5
18,000
0.7
50
12,000
2/24 (月/日)
7/29
2015年
8/28
9/27 10/27 11/26 12/26 1/25
2016年
0
2/24 (月/日)
注: データは2016年3月9日まで
出所: 各図表ともQUICKよりSMBC日興証券作成
テクニカル指標の見方
 騰落レシオ(25 日):過去 25 日間の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の割合。一般的に、120%以上で買
われ過ぎを、70%以下で売られ過ぎを表す。
 ストキャスティクス(9 日):直近の終値が過去のレンジで相対的にどのレベルに位置するのかを見るための指標。
%D=(直近終値と直近 9 日間の安値の乖離の 3 日移動平均)÷(直近 9 日間の高値と安値の乖離の 3 日移動平均)
Slow%D は%D の 3 日移動平均。一般的に%D が 80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎを表す。
16
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
11.来週・再来週の主なスケジュール
<来週のスケジュール>
発表日
国・ 地域
米国
メキシコ
日本
-
-
-
日本
3月 14日 (月 )
ユーロ圏
インド
日本
3月 15日 (火 )
米国
インドネシア
日本
米国
3月 16日 (水 )
英国
ロシア
-
日本
米国
3月 17日 (木 )
ユーロ圏
英国
豪州
NZ
インドネシア
南ア
日本
3月 18日 (金 )
市場予想 前月・ 前期・ 前年
1月
-
1月
2月
2月
-
-
-
2月
2月
2月
3月
2月
-
2月
-
-
2月
2月
2月
2月
2月
2月
-
11-1月
2月
2月
-
-
2月
2月
2月
2月
3月
-
1月
2月
-
2月
2月
10-12月期
-
-
2月
-
3月
-
機械受注( 船舶・ 電力除く 民需、 前月比)
日銀金融政策決定会合( ~1 5 日)
鉱工業生産(前月比)
消費者物価指数(前年比)
卸売物価指数(前年比)
黒田日銀総裁が記者会見
FOMC( 連邦公開市場委員会、 ~ 16日)
【米大統領選】フロリダ州やイリノイ州などで予備選・党員集会
生産者物価指数(前月比)
小売売上高( 前月比)
小売売上高( 除自動車、 前月比)
ニュ ーヨーク連銀製造業景況指数
貿易収支
春季労使交渉(春闘)集中回答日
JNTO訪日外客数
イエ レンFRB( 連邦準備制度理事会) 議長が記者会見
FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨(1月26~27日開催分)
消費者物価指数(除食品&エネルギー、前年比)
住宅着工許可件数(年率換算)
住宅着工件数(年率換算)
住宅着工許可件数( 前月比)
住宅着工件数( 前月比)
鉱工業生産指数( 前月比)
政策金利
ILO失業率
失業保険申請件数
鉱工業生産(前年比、発表日未定、~17日)
国際金融経済分析会合(初会合)
黒田日銀総裁が決済システムフォーラムで挨拶
貿易収支( 季調済)
輸入( 前年比)
輸出( 前年比)
貿易収支
フィラデルフィア 連銀製造業景況指数
EU首脳会議(ブリュッセル、~18日)
貿易収支(季調済)
消費者物価指数(前年比、確報、前回値は速報値)
政策金利
新規雇用者数(前月比)
失業率
実質GDP(前期比)
政策金利
政策金利
全国百貨店売上高(前年比)
日銀金融政策決定会合議事要旨(1月28~29日分)
ミシ ガン大学消費者信頼感指数( 速報)
政策金利
2.1%
-
-
5.51%
▲0.22%
-
-
-
-
▲0.1%
▲0.2%
▲10.00
-
-
-
-
-
2.2%
120.3万戸
113.9万戸
0.1%
3.6%
▲0.1%
0.25~ 0.50%
-
-
▲2.1%
-
-
2,935億 円
▲16.1%
▲3.3%
3,830億 円
▲1.2
-
-
-
0.50%
-
-
-
-
6.75%
-
-
92.2
-
4.2%
-
▲1.0%
5.69%
▲0.90%
-
-
-
▲0.5%
0.2%
0.1%
▲16.64
0.51億ドル
-
185.2万人
-
-
2.2%
120.2万戸
109.9万戸
0.0%
▲3.8%
0.9%
0.25~ 0.50%
5.1%
▲14,800人
▲2.7%
-
-
1,194億 円
▲17.8%
▲12.9%
▲6,488億 円
▲2.8
-
210億ユーロ
▲0.2%
0.50%
▲7,500人
6.0%
0.9%
7.00%
6.75%
▲1.9%
-
91.7
3.75%
-
-
-
-
3月 19日 (土 )
3月 20日 (日 )
第88回選抜高校野球大会(甲子園球場、~31日)
原油生産に関するOPECと非加盟国会合(~4月1日?)
注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2016年3月10日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります
出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成
17
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
<再来週のスケジュール>
発表日
国・ 地域
日本
3月 21日 (月 )
米国
ロシア
日本
3月 22日 (火 )
米国
独
3月 23日 (水 )
英国
米国
タイ
フィリピン
南ア
米国
3月 24日 (木 )
ユーロ圏
NZ
トルコ
日本
3月 25日 (金 )
米国
マレーシア
ベトナム
3月 26日 (土 )
日本
台湾
3月 27日 (日 )
日本
-
市場予想 前月・ 前期・ 前年
-
2月
-
2月
2月
2月
-
1月
3月
3月
2月
2月
-
-
2月
2月
2月
3月
3月
2月
-
2月
3月
-
10-12月期
2月
1-3月期
-
-
-
-
-
-
東京市場休場(春分の日の振替休日)
中古住宅販売件数( 前月比)
オバマ米大統領がキューバ訪問(~22日)
実質小売売上高(前年比)
全国スーパー売上高(前年比)
全国コンビニエンスストア売上高(前年比)
【米大統領選】アリゾナ州などで予備選・党員集会
FHFA住宅価格指数(前月比)
IFO景 況 指 数
ZEW景気期待指数
消費者物価指数(前年比)
新築住宅販売件数( 前月比)
政策金利
政策金利
消費者物価指数(前年比)
耐久財受注( 前月比)
耐久財受注( 除輸送用機器、 前月比)
サービス業PMI(速報)
製造業PMI(速報)
貿易収支
政策金利
全国消費者物価指数( 生鮮食品除く、 前年比)
都区部消費者物価指数(生鮮食品除く、前年比)
米国市場休場(聖金曜日)
実質GDP( 前期比年率、 確報、 前回値は改定値)
消費者物価指数(前年比)
実質GDP(前年比、発表日未定、~31日)
北海道新幹線開業
おおさか維新の会党大会(大阪市)
国民党主席選挙
熊本県知事選投開票
民主・維新新党結党大会
欧州各国が夏時間入り
-
-
-
▲4.8%
-
-
-
-
-
-
-
-
1.50%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
0.4%
-
▲7.3%
2.3%
1.0%
-
0.4%
105.7
1.0
0.3%
▲9.2%
1.50%
4.00%
6.2%
4.7%
1.7%
53.3
51.2
0.08億NZドル
7.50%
0.0%
▲0.1%
-
1.0%
3.5%
6.7%
-
-
-
-
-
-
注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2016年3月10日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります
出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成
18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
投資情報部作成最新レポートのご紹介
【定期発行レポート】
日次
週次
月次
Daily Outlook(日刊投資情報)
Weekly Outlook(週刊投資情報)
月刊投資情報(株式・為替・金利の見通し)
@ Wall Street
投資部門別売買動向(現物・先物)
日本株投資戦略(月刊プレゼン資料)
主要通貨デイリー
来週・再来週の注目スケジュール
米国株式投資ガイド
新興国通貨デイリー
米国 ETF テクニカル週報
日興ストラテジー・セレクション(注目銘柄リスト)
Global Market Review
米国主要企業決算発表スケジュール
投資初心者向け資料
向こう 3 ヵ月の注目スケジュール
Japan Market Review
主要新興国データ集
【随時発行レポート】
<Spot Report >
2016/03/10
NZ 金融政策
海外景気の見通し悪化から予想外の利下げ
2016/03/07
中国株式
指導者層の構造改革意欲を好感し当面は上昇か
2016/03/04
ブラジル経済
大統領弾劾への期待から株式・通貨ともに大幅続伸
2016/03/02
豪経済
景気の好悪要因の綱引きが続く
2016/03/02
日本株式
リスクオフの巻き戻しで大幅続伸
2016/03/02
インド
政府予算案を受けて株式、通貨は買い戻しの動きへ
2016/03/01
中国株式
G20 の人民元安容認で景気と株価底割れの可能性が後退か
2016/02/25
中国株式
2016 年は改革の年。本土市場は高ボラティリティな展開が続こう
2016/02/25
ブラジル経済
レアルはなお下振れリスクがあり、買い場はもう少し先
2016/02/25
南アフリカ
2016 年度予算案~市場は失望も、財政再建姿勢が示される
2016/02/25
豪ドル
上昇タイミング後ずれの可能性
2016/02/24
トルコ
金融政策と足元のシリア情勢について
<カントリー・レポート>
2016/01/18
2015/10/19
南アフリカ共和国概観
インド概観
<注目の投資テーマ&業界ナビ>
2016/03/04
3 月の株主優待銘柄のご紹介(データ更新版)
2016/02/29
注目の投資テーマ ~2016 年 3 月~
<プレゼン資料ほか>
2016/03/07
マイナス金利下での投資戦略
2016/03/07
コーポレートガバナンス・コードの威力(更新版) ~相次ぐ自社株買いに注目~
2016/03/02
投資環境と株式市況の見通し(日本株中心)
2016/03/01
海外・個人投資家・事業法人売買動向
2016/03/01
日銀の金融緩和策(ETF・REIT)
2016/03/01
日経平均株価・ドル円の推移と主な出来事
2016/02/25
米国ストラテジー・セレクション『ロウズ・カンパニーズ』
2016/02/24
米国ストラテジー・セレクション『ホーム・デポ』
* 上記レポートをご希望の方は、最寄りの支店までお問い合わせください。
19
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
弊社株式調査部 業種格付けについて
業種格付けの定義は、以下の通りで、対象期間は今後 6~12 ヵ月です。日本については市場平均は東証株価
指数(TOPIX)を基準としています。
強気:弊社のアナリストが予想する担当業種のカバレッジ・ユニバースの投資リターンが、市場平均を上回る
と判断する場合。
中立:弊社のアナリストが予想する担当業種のカバレッジ・ユニバースの投資リターンが、市場平均と同程度
と判断する場合。
弱気:弊社のアナリストが予想する担当業種のカバレッジ・ユニバースの投資リターンが、市場平均を下回る
と判断する場合。
弊社株式調査部 投資評価について
投資評価の定義は、以下の通りで、対象期間は今後 6~12 ヵ月です。
1(アウトパフォーム):弊社のアナリストが予想する個別銘柄の投資リターンが、担当業種のカバレッジ・ユニ
バースの投資リターンの中央値を上回ると判断する場合。
2(中立):弊社のアナリストが予想する個別銘柄の投資リターンが、担当業種のカバレッジ・ユニバースの投
資リターンの中央値と同程度と判断する場合。
3(アンダーパフォーム):弊 社のアナリストが予 想する個 別 銘 柄の投 資 リターンが、担 当 業 種のカバレッジ・
ユニバースの投資リターンの中央値を下回ると判断する場合。
NR:投資評価を実施しない場合。
RS:一時的に投資評価を停止する場合。
また、本調査レポートの業種分類において、中小型株・成長株に分類された銘柄の投資評価の定義は、以
下の通りで、対象期間は今後 6~12 ヵ月です。市場平均は東証株価指数(TOPIX)を基準としています。
A(アウトパフォーム):弊社のアナリストが予想する個別銘柄の投資リターンが、市場平均を上回ると判断
する場合。
B(中立):弊社のアナリストが予想する個別銘柄の投資リターンが、市場平均と同程度と判断する場合。
C(アンダーパフォーム):弊社のアナリストが予想 する個別銘柄の投資リターンが、市場平均を下 回 ると
判断する場合。
NR:投資評価を実施しない場合。
RS:一時的に投資評価を停止する場合。
弊社株式調査部 目標株価について
目標株価は、弊社のアナリストが今後 6~12 ヵ月の期間に達すると予想している株価水準です。
20
2016 年 3 月 10 日(木) 投資情報部
Weekly Outlook No.245
本資料について
【免責事項】
本資料は証券その他の投資対象の売買の勧誘ではなく、SMBC日興証券株式会社(以下「弊社」といいます)が投資情報の提供を目
的に作成したものです。本資料は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手した情報に基づいて作成していますが、これらの情報
が完全、正確であるとの保証はいたしかねます。情報が不完全または要約されている場合もあります。本資料に記載する価格、数値等
は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。かかる価格、数値等は予告なしに変更する
ことがありますので、予めご了承くださいますようお願いいたします。本資料は将来の結果をお約束するものでもありませんし、本資料に
ある情報をいかなる目的で使用される場合におきましても、お客様の判断と責任において使用されるものであり、本資料にある情報の
使用による結果について、弊社及び弊社の関連会社が責任を負うものではありません。本資料は、本資料を受領される特定のお客様
の財務状況、ニーズ又は投資目的を考慮して作成されているものではありません。本資料はお客様に対して税金・法律・投資上のアド
バイスを提供する目的で作成されたものではありません。投資に関する最終決定は、契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目
論見書、お客様向け資料等をよくお読みになり、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
本資料は、弊社又は弊社の関連会社から配布しています。本資料に含まれる情報は、提供されましたお客様限りでご使用ください。本
資料は弊社の著作物です。本資料のいかなる部分についても電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製
または転送等を行わないようにお願いいたします。本資料に関するお問い合わせは、弊社の営業担当者までお願いいたします。
本資料に記載された会社名、商品名またはサービス名等は、弊社または各社の商標または登録商標です。
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手数料等について
弊社がご案内する商品等へのご投資には、各商品等に所定の手数料等をご負担いただく場合があります。例えば、店舗における国内
の金融商品取引所に上場する株式等(売買単位未満株式を除く。)の場合は約定代金に対して最大 1.242%(ただし、最低手数料 5,400
円)の委託手数料をお支払いいただきます。投資信託の場合は銘柄ごとに設定された各種手数料等(直接的費用として、最大 4.32%の
申込手数料、最大 4.5%の換金手数料又は信託財産留保額、間接的費用として、最大年率 5.61%の信託報酬(又は運用管理費用)及
びその他の費用等)をお支払いいただきます。債券、株式等を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお
支払いいただきます(債券の場合、購入対価に別途、経過利息をお支払いいただく場合があります。)。また、外貨建ての商品の場合、
円貨と外貨を交換、又は異なる外貨間での交換をする際には外国為替市場の動向に応じて弊社が決定した為替レートによるものとしま
す。上記手数料等のうち、消費税が課せられるものについては、消費税分を含む料率又は金額を記載しております。
リスク等について
各商品等には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等及び有価証券の発行者等の信用状況(財
務・経営状況を含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、又は元
本を超過する損失を生ずるおそれ(元本超過損リスク)があります。
なお、信用取引又はデリバティブ取引等(以下「デリバティブ取引等」といいます。)を行う場合は、デリバティブ取引等の額が当該デリバ
ティブ取引等についてお客様の差入れた委託保証金又は証拠金の額(以下「委託保証金等の額」といいます。)を上回る場合があると共
に、対象となる有価証券の価格又は指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等の額を上回るおそれ(元本超過
損リスク)があります。
また、店頭デリバティブ取引については、弊社が表示する金融商品の売付けの価格と買付けの価格に差がある場合があります。
上記の手数料等及びリスク等は商品毎に異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料等をよ
くお読みください。なお、目論見書等のお問い合わせは弊社各部店までお願いいたします。
商 号 等 SMBC日興証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2251 号
加入協会 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商
品取引業協会
(2015/04/09 版)
21