アトサヌプリ及び恵山の噴火警戒レベルの 運用を開始します

報 道 発 表 資 料
平成 28 年3月8日
札幌管区気象台
平成 28 年3月 23 日 14 時から
アトサヌプリ及び恵山の噴火警戒レベルの
運用を開始します
気象庁は、噴火時などに危険な範囲や必要な防災対応を5段
階に区分した噴火警戒レベルの運用を進めています。
アトサヌプリ及び恵山では、地元自治体等との協議の結果、
平成 28 年3月 23 日 14 時より噴火警戒レベルの運用を開始し、
これを適用した噴火予報や噴火警報の発表を行うこととなりま
した。
なお、同日時の時点で、アトサヌプリ及び恵山の火山活動に
特段の変化がない場合は、
「噴火予報(噴火警戒レベル1、活火
山であることに留意)」を発表します。
<アトサヌプリ及び恵山の噴火警戒レベル ※札幌管区気象台ホームページ>
http://www.jma-net.go.jp/sapporo/oshirase/160323atosa_esan.pdf
北海道内の噴火警戒レベル運用火山は6火山から8火山になります
北海道内の噴火警戒レベルを運用している火山は、このたび、運用を開始する
アトサヌプリ及び恵山を含めて8火山※となります。
※ 平成 28 年3月 23 日 14 時時点での北海道内の噴火警戒レベル運用火山
・北海道内(8火山)
アトサヌプリ、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、
北海道駒ヶ岳、恵山
・北海道分を含め全国では 34 火山となります。
【本件問合せ先】
札幌管区気象台 火山監視・情報センター 火山防災官 千田 信篤
電話 011-611-2421(内線524)
アトサヌプリ の 噴火警戒レベル
ー火山災害から身を守るためにー
噴火警報等で発表する
噴火警戒レベル
●噴火警戒レベルとは、噴火時などに危険な範囲や必要な防災対応を、
レベル1から5の5段階に区分したものです。
●各レベルには、火山の周辺住民、観光客、登山者等のとるべき防災行
動が一目で分かるキーワードを設定しています(レベル5は「避難」、
レベル4は「避難準備」、レベル3は「入山規制」、レベル2は「火口
周辺規制」、レベル1は「活火山であることに留意」)。
●アトサヌプリの噴火警戒レベルは、噴火警報等でお伝えします。
アトサヌプリの噴火警戒レベルは、地元自治体等で構成するアトサヌプリ
火山防災協議会と調整して作成しました。各レベルにおける具体的な規制
範囲については、地域防災計画等で定められていますので、詳細について
は地元自治体にお問い合わせください。
■アトサヌプリ 噴火警戒レベルに対応した規制範囲
※マグマ噴火と水蒸気噴火で想定火口域や影響範囲が異なるため 2 種の地図を掲載しています。
水蒸気噴火
噴火警戒レベルに応じた防災対応
凡例
川湯温泉地域
居住地域
【マグマ噴火】
国道
レベル5(避難)
想定火口域から約6km 以内の住民避難
想定火口域から約 1.5km 以内の住民避難
線路
レベル4(避難準備)
想定火口域から約6km 以内の住民避難準備
マグマ噴火
硫黄山レストハウス
川湯駅前地域
391
アトサヌプリ
(硫黄山)
定
火)
噴
口
域( 水 蒸 気
火口
域 から約
k
0 .5
m
仁伏
川湯温泉地域
屈斜路湖
想
川湯温泉駅
想定
火
砂湯
391
火 口 域 か ら 約 1.5k
m
想定
想定
川湯駅前地域
口
火
域(
口
噴火警戒レベルに応じた防災対応
域
か
コタン
【水蒸気噴火】
レベル5(避難)
想定火口域から約 1.5km 以内の住民避難
レベル4(避難準備)
想定火口域から約 1.5km 以内の住民避難準備
レベル3(入山規制)
想定火口域から約 0.5km の立入規制等
レベル2(火口周辺規制)
想定火口域周辺への立入規制等
ら約
マグ
マ噴 火
)
摩周湖
1km
火
0
想定
池の湯
2km
1.5k m
美留和地域
屈斜路
243
想定火
口域
0
から
約
m
6k
2
4km
※この図は、国土地理院「地理院地図」を使用して作成しています。
問い合わせ先
札幌管区気象台 火山監視・情報センター
気象庁
Japan Meteorological Agency
TEL:011-611-2421 http://www.jma-net.go.jp/sapporo/
釧路地方気象台
TEL:0154-31-5110 http://www.jma-net.go.jp/kushiro/
アトサヌプリ火山防災協議会事務局:弟子屈町
TEL:015-482-2191 http://www.town.teshikaga.hokkaido.jp/
平成28年3月運用開始
アトサヌプリの噴火警戒レベル
対象 レベル
種別 名称 範囲 (キーワード)
火山活動の状況
住民等の行動及び登山
者 ・ 入山者等への対応
想定される現象等
【マグマ噴火】
5 (避難)
居住地域に重大な
被害を及ぼす噴火
が発生、あるいは
切迫している状態
にある。
危険な居住地域から
の避難等が必要。
過去事例
約 6000 年前の噴火(リシリの形成)
約 1500 年前の噴火(硫黄山の形成)
【水蒸気噴火】
●小規模な噴火が発生し、大きな噴石が火口か
ら 1.5km 程度まで飛散。
過去事例
数百年前の噴火(熊落し火口の形成)
4
居住地域及びそれより火口側
(避難準備)
噴火警報 (
居住地域) 又は噴火警報
特 別 警 報
3
(入山規制)
居住地域に重大な
被害を及ぼす噴火
が発生すると予想
される(可能性が
高まっている)。
警戒が必要な居住地
域での避難準備、
避難行動要支援者の
避難等が必要。
●有感地震の多発や顕著な地殻変動等により、
居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生す
る可能性が高まっている。
過去事例
なし
●ごく小規模な噴火が発生し、大きな噴石がア
トサヌプリ(硫黄山)火口から500m程度まで
飛散。
居住地域の近くま 住民は通常の生活。
で重大な影響を及 (今後の火山活動の
過去事例
ぼす(この範囲に 推移に注意)
なし
入った場合は生命
避難行動要支援者の
に危険が及ぶ)噴
避難準備等が必要。 ●地震活動や熱活動の高まり等により、アトサ
火が発生、あるい
ヌプリ(硫黄山)火口でごく小規模な噴火の
は発生すると予想 入山規制等、危険な
発生が予想される。
される。
地域への立入規制等。
過去事例
なし
2
火口から居住地域近くまで
火口内等
噴火予報
予 報
(活火山である
1
ことに留意)
(火口周辺規制)
火口周辺
噴火警報 (
火口周辺) 又は火口周辺警報
警 報
※
※
※
※
●ベースサージや火砕流の発生など、居住地域
に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは
そのような噴火の発生が切迫している。
火口周辺に影響を 住民は通常の生活。
及ぼす(この範囲 (今後の火山活動の
に入った場合は生 推移に注意)
命に危険が及ぶ)
噴火が発生すると 火口周辺への立入規
制等。
予想される。
●地震活動や熱活動の高まり等により、アトサ
ヌプリ(硫黄山)火口周辺に影響を及ぼす噴
火の発生が予想される。
火山活動は静穏。
火山活動の状態に
よって、火口内で
火山灰の噴出等が
見られる(この範
囲に入った場合は
生命に危険が及ぶ
)。
●火山活動は静穏。
住民は通常の生活。
過去事例
なし
●山体深部へのマグマ供給を示す地殻変動
過去事例
状況に応じて想定火
1994 年 3 月~ 10 月の地震増加及び同時期の地殻変動
口域への立入規制等。
マグマ噴火の想定火口はアトサヌプリ(硫黄山)及びマクワンチサップ周辺を想定している。
水蒸気噴火の想定火口はアトサヌプリ(硫黄山)を想定している。
ここでいう「大きな噴石」とは、上空の風の影響を受けずに弾道を描いて飛散する直径約 50cm 以上のものとする。
中規模以上の噴火に伴って火砕流(若しくは火砕サージ)が発生した場合には、アトサヌプリ(硫黄山)やマクワンチサップ
から 6km 以内の範囲が影響する可能性がある。
※ ベースサージとは、マグマと地下水が接触した場合に発生する横なぐりの火山灰や火山れきを含む爆風を言う。
気象庁
Japan Meteorological Agency
平成 28 年 3 月
恵山 の 噴火警戒レベル
ー火山災害から身を守るためにー
噴火警報等で発表する
噴火警戒レベル
●噴火警戒レベルとは、噴火時などに危険な範囲や必要な防災対応を、
レベル1から5の5段階に区分したものです。
●各レベルには、火山の周辺住民、観光客、登山者等のとるべき防災行
動が一目で分かるキーワードを設定しています(レベル5は「避難」、
レベル4は「避難準備」、レベル3は「入山規制」、レベル2は「火口
周辺規制」、レベル1は「活火山であることに留意」)。
●恵山の噴火警戒レベルは、噴火警報等でお伝えします。
恵山の噴火警戒レベルは、地元自治体等と調整して設定しました。
各レベルにおける具体的な規制範囲については、地域防災計画等で定められて
いますので、詳細については函館市にお問い合わせください。
凡例
居住地域
レベル5(5-1,5-2,5-3) 発表時の噴
石・火山泥流に警戒が必要な範囲
レベル5(5-3) 発表時の火砕流等に
警戒が必要な範囲
想定火口
噴石の飛散範囲(レベル2)
噴石の飛散範囲(レベル5)
火山泥流の影響範囲(レベル5)
火砕流の到達範囲(レベル5(5-3))
登山道(レベル2以上で規制)
道道、主な市道
国道
278
Y 火口
X 火口
0
1
2km
この図は、国土地理院「地理院地図」を使用して作成しています。
問い合わせ先
札幌管区気象台 火山監視・情報センター
気象庁
Japan Meteorological Agency
TEL:011-611-2421 http://www.jma-net.go.jp/sapporo/
函館地方気象台
TEL:0138-46-2212 http://www.jma-net.go.jp/hakodate-c/
恵山火山防災協議会事務局:函館市
TEL:0138-21-3111 http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/
平成28年3月運用開始
恵山の噴火警戒レベル
対象 レベル
種別 名称 範囲 (キーワード)
住民等の行動及び登山
者 ・ 入山者等への対応
想定される現象等
【5-3】
●火砕流が居住地域まで到達し、重大な被害を
及ぼす噴火が発生、あるいは切迫。
5 (避難)
過去事例
約 8000 年前、約 5000 年前、約 2500 年前の噴火
居住地域に重大な
危険な居住地域から
被害を及ぼす噴火
の避難等が必要。
が発生、あるいは
(必要に応じて対象
切迫している状態
地域や避難方法等を
にある。
判断)
【5-2】
●有感地震の多発や顕著な地殻変動等により、
居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生す
る可能性が高まっている。
過去事例
なし
【5-1】
●小規模な噴火が発生し、大きな噴石が火口か
ら1km程度まで飛散。火山泥流の発生。
過去事例
約 3000 年前、1846 年、1874 年の噴火
4
居住地域及びそれより火口側
(避難準備)
噴火警報 (
居住地域) 又は噴火警報
特 別 警 報
居住地域に重大な
被害を及ぼす噴火
が発生すると予想
される(可能性が
高まっている)。
警戒が必要な居住地
域での避難準備、
要配慮者の避難等が
必要。
3
(入山規制)
火口から居住地域近くまで
居住地域の近くま 住民は通常の生活。
で重大な影響を及 (今後の火山活動の
ぼす(この範囲に 推移に注意)
入った場合は生命
要配慮者の避難準備
に危険が及ぶ)噴
等が必要。
火が発生、あるい
は発生すると予想 入山規制等、危険な
される。
地域への立入規制等。
2
火口内等
噴火予報
予 報
(活火山である
1
ことに留意)
(火口周辺規制)
火口周辺
噴火警報 (
火口周辺) 又は火口周辺警報
警 報
※
※
※
※
火山活動の状況
火口周辺に影響を
及ぼす(この範囲 住民は通常の生活。
に入った場合は生 (今後の火山活動の
命に危険が及ぶ) 推移に注意)
噴火が発生、ある 火口周辺への立入規
いは発生すると予 制等。
想される。
●有感地震の発生や熱活動の活発化等により、
居住地域の一部に重大な被害を及ぼす噴火が
発生すると予想される。
過去事例
なし
【レベル3の発表について】
レベル3は、火山活動が高まっていく段階では
使用せず、レベル4・5から下げる段階で状況
に応じて発表する。
●想定される現象はレベル2と同程度。
過去事例
なし
●ごく小規模な水蒸気噴火が発生し、大きな噴
石が X 火口、Y 火口(小地獄、大地獄)から
500m程度まで飛散。
過去事例
なし
●地震活動や熱活動の高まり等により、X火口、
Y火口(小地獄、大地獄)でごく小規模な水
蒸気噴火の発生が予想される。
過去事例
なし
火山活動は静穏。
火山活動の状態に
よって、火口内で
火山灰の噴出等が
見られる(この範
囲に入った場合は
生命に危険が及ぶ
)。
●火山活動は静穏。
住民は通常の生活。
状況に応じて火口内
への立入規制等。
火口とは、Ⅹ火口(小地獄)及びY火口(大地獄)と限定がない場合、全ての想定火口(8つ)とする。
火山泥流とは、火口から熱水が直接流出するものとする(X火口及びY火口からの泥流による影響は少ないと判断し含めない)。
火砕流(若しくは火砕サージ)が発生した場合には、椴法華地区全域と恵山地区の一部(御崎町・恵山町・柏野町・古武井町の一部)
にかけて影響する可能性がある。
大きな噴石とは、上空の風の影響を受けずに弾道を描いて飛散する直径約 50cm 以上のものとする。
気象庁
Japan Meteorological Agency
平成 28 年 3 月