【 結果① 発酵乳摂取による花粉症自覚症状に与える影響について

【 結果① 発酵乳 摂取による花粉症自 覚症状に与 える影響について 】
2006 年の花粉シーズンに、神奈川県に在住するスギ花粉症を自覚する被験者 を 2 つの群に分け、発酵 乳摂
取群(20 名)では LGG 乳酸菌と TMC0356 乳酸菌で調製した発酵乳(ヨーグルト)を、プラセボ群(18 名)には乳
酸で風味づけした凝固乳を 1 日 110g、10 週間摂取 していただきました。
その結 果、発 酵 乳 摂 取 群 では、プラセボ群と比 較して花 粉 症による鼻 づまりの自 覚 症 状を統 計 的 有 意 に改 善
する結果が得られました(図 1)(日本食品免疫 学会 第二回学 術大会 2006 年 10 月で発表)。
【 結果② 発酵乳 摂取による花粉症患 者の腸内 フローラに与える影響について 】
そこで今回は結果①の冷凍保存した糞便サンプルより、試験前(0 週目)と試験 後(10 週目)に花粉症患 者 (発
酵乳摂取 群 14 名、プラセボ群 11 名)の DNA を抽出 し、次世代シークエンサーを用いて、これまで培養法 では
検 出できなかった細 菌を含 む全ての腸内 細 菌を解 析 し、発 酵 乳 摂 取が花 粉 症 患 者の腸 内 細 菌の構 成に与え
る影響を詳細に検討しました。
腸 内 の多 様 性 (菌 の豊 富 さと均 等 度 を表 す指 標 :Shannon Index)を試 験 前 後 で比 較 した結 果 、プラセボ群 で
は差 は認 められませんでしたが、発 酵 乳 を摂 取 した群 では試 験 前 と比 べて試 験 後 に有 意 に増 加 しました
(図 2)。
さらに、腸 内 細 菌 の占 有 率 (腸 内 細 菌 全 体 のうち占 めている割 合 ) を見 てみると、発 酵 乳 を摂 取 すると乳 酸 や
酪 酸 を産 生 することが報 告 されている細 菌 属 が統 計 学 的 に有 意 に増 加 することがわか りました。「LGG 乳 酸
菌」「TMC0356 乳酸菌」(ともに Lactobacillus 属 )の摂取により、 Lactobacillus 属以外の腸内細 菌の占有 率に
も変化を与え、腸内フローラを変動させることが初めて明らかになりました。
これらのことから発酵乳を摂取することで、以下の 2 つのことが明らかになりました。
①アレルギーの一 つであるスギ花粉症患者の鼻づまり改善効果を示しました。
②腸内の細菌が多様化し、さらに乳酸や酪酸を産生する細菌が有意に増加しました。
「LGG 乳酸菌」と「TMC0356 乳酸菌」で調整した発酵 乳の摂取は花粉症患者の偏った腸内細 菌を多様化 させ、
腸 内 細 菌のバランスを改 善 し宿 主の免 疫 応 答を制 御 することで、花 粉 症の症 状を軽 減させている可 能 性が考
えられました。この仮 説を検 証するために、今 後はこれらの腸 内 細 菌が宿 主の免 疫 系にどのような影 響を与え
ているのか、また花 粉 症 改 善 作 用 にどのように関 わっているのか 詳 細 に検 討 していく必 要 があります。将 来 、
腸内細菌を一つの指標とした新しい花粉症予防・治療 方法に繋がる研究を進めてまいります。
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