2016 年 3 月 11 日 来店型保険ショップ市場に関する調査結果 2016 -保険業法改正対応の中、来店型保険ショップの市場規模、新規契約件数拡大続く【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内における来店型保険ショップ市場の調査を実施した。 1. 調査期間:2015 年 12 月~2016 年 2 月 2. 調査対象:来店型保険ショップ経営の乗合代理店、生命保険会社等 3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、ならびに電話・e-mail 等によるヒアリングを併用 <来店型保険ショップとは> 本調査における来店型保険ショップとは、複数の保険会社の保険商品を販売する乗合代理店とし、市場規模は同店 舗で販売される保険商品について、各事業者における会計(決算)年度の新契約年換算保険料ベースにて算出した。 【調査結果サマリー】 2015 年度の来店型保険ショップの市場規模(新契約年換算保険料)は 前年度比 15.9%増の 1,732 億円と拡大の見込み 2014 年度の来店型保険ショップの市場規模は新契約年換算保険料ベースで 1,495 億円、2015 年度は 前年度比で 15.9%増の 1,732 億円と拡大の見込みである。2016 年度には 1,991 億円と 2,000 億円規模 に達すると予測。法整備が進展するなか、生命保険会社、異業種からの参入が相次ぎ、消費者の保険 の見直しに加え新規加入意向も高まっている。 2015 年度の来店型保険ショップの新規契約件数は前年度比 14.4%増の 167 万件の見込み 来店型保険ショップの新規契約件数は 2014 年度で 146 万件、2015 年度は前年度比 14.4%増の 167 万件の見込みである。2016 年度には 192 万件と 200 万件規模に達すると予測。消費者への意向把握の 深堀から、世帯当たりの追加加入件数が増加、新たな潜在ニーズも顕在化している。 来店型保険ショップは今後も成長市場、金融機関としての体制整備を期待 法整備が進展するなか、販社としての乗合代理店は保険業界の一翼を担う存在たるべく、「金融機 関」としての意識づけと体制整備を進めている。 新規出店ペースなど少なからず影響を受けていたが、保険業法改正の対応に目途がついたことで、 今後の新規出店も期待される。来店型保険ショップの市場規模は現段階においてはまだ小規模ではあ るものの、依然拡大基調にあり、今後も成長市場であるとみる。 ◆ 資料体裁 資料名:「2016 年版 有力来店型保険ショップの実態と戦略」 発刊日:2016 年 3 月 7 日 体 裁:A4 判 164 頁 定 価:120,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 3 月 11 日 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況と予測 2015 年度の来店型保険ショップの市場規模は新契約年換算保険料ベースで 1,732 億円の見込み、 2016 年度には 1,991 億円と 2,000 億円規模に達すると予測する。 また、来店型保険ショップの新規契約件数は 2015 年度で 167 万件の見込み、2016 年度には 192 万件まで拡大すると予測する。 これまでも来店型保険ショップ市場への参入企業は、乗合代理店を本業とする企業の他、異業種か らの参入もあった。金融業では生命保険会社、クレジットカード会社、銀行、証券会社等で、また流通小 売業、製造業、鉄道、マスコミ(放送局、新聞社)、その他サービス業からも、それぞれ子会社や一事業領 域として参入している。 来店型保険ショップが注目を集めるようになってから、生命保険会社の中には、直営のショッ プを展開する動きもあった。更に、消費者における来店型保険ショップの利用ニーズの高まりを 受けて、来店型保険ショップの本格的な参入に弾みがついている。生命保険会社の中には、来店 型保険ショップの買収のほか、大手流通小売業との業務提携によって異業種参入を後押ししてい るところもある。こうした新規参入組の来店型保険ショップが一気に広がれば、今以上に競争は 激化する可能性もある。 消費者の認知度の高まりは、これまで中核を占めていたファミリー層以外にも、シングル層や 高齢者層などに顧客層の広がりを見せてきている。これまで加入していた生命保険の見直しのほ か、追加加入も増加している。更に、損害保険の新規加入も増えており、来店者の増加と共に市 場規模は依然として拡大している。 2. 業界動向 来店型保険ショップ業界は、保険業法改正という、これまで経験したことのない環境下にある。2012 年 6 月から始まった金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」から 4 年、2014 年 5 月の改正保険業法の公布から 2 年、2016 年 5 月に改正法が施行される。 来店型保険ショップのなかには、既に規程の整備は終わり、体制整備の見直しを繰り返しながら店舗 での実証・検証段階にある企業もある。 保険業法改正では保険募集の際に、消費者に対し意向把握義務および情報提供義務が求められて いるが、こうした対応の実証段階で新たな効果も表れている。その一例として、段階を踏んだ意向把握と 情報提供の実施により 1 顧客当たりに割く時間が増え、生産性が低下したかに見えたが、コミュニケーシ ョンの深化により顧客の潜在ニーズを顕在化させ、結果として世帯当たり契約件数の増加につながるケ ースもあった。 一方、システム構築等の諸々のコストを補うための資金調達を積極的に行ない、経営基盤の増強、財 務基盤の強化を図る動きもあった。 法整備が進展するなか、販社としての来店型保険ショップは保険業界の一翼を担う存在たるべく、「金 融機関」としての意識づけと体制整備を進めている。 参入企業のなかには、保険業法改正に伴う体制整備に係る実務やコスト負担、人材登用等に加え、 人口減少、少子高齢化という社会現象を背景に、事業の魅力が薄れ廃業する企業もあった。また、法人 向け事業に活路を見出す企業、自社経営から大手フランチャイザーの傘下に入る企業などが見受けら れ、事業・経営戦略に変化が表われている。 営業面に関しては、コスト負担の軽減や体制整備を優先していることから新規出店まで手が回らず、 従来に比して新規出店数に少なからず停滞がみられる。 しかし、更なる事業効率化を進めるため、商品の仕入れ先である提携保険会社数を絞り込み、営業力 を低下させるような動きは見られなかった。むしろ、通販保険への取組み、Web の活用(予約制導入、情 報発信等)、コールセンターによる電話営業で集客を強化するなどの施策で営業力を補完しているケー スもあった。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 3 月 11 日 図 1. 来店型保険ショップの新契約年換算保険料(市場規模)推移 (億円) 矢野経済研究所推計 注 1. 各事業者の会計(決算)年度における新契約年換算保険料ベース 注 2. (見)は見込値、(予)は予測値 図 2. 来店型保険ショップの新規契約件数推移 (万件) 矢野経済研究所推計 注 3. 各事業者の会計(決算)年度における新規契約件数ベース 注 4. (見)は見込値、(予)は予測値 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
© Copyright 2024 ExpyDoc