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 代表機関 一般社団法人
全国水産技術者協会
Fax.03-6459-1912
株式会社 シャトー海洋調査
Tel. 03-6459-1911
いであ株式会社
株式会社 日本海洋生物研究所
H21・22 年度凹凸覆砂区
H25・26 年度凹凸覆砂区
天然漁場
タイラギ着底状況調査位置
ありあけうみ通信
株式会社オオスミ
干潟縁辺
ー 有明海魚介類漁の再生を目指して ー
タイラギ着底状況調査の開始
干潟
今年度の調査経過報告
第8号
(2015.7.29)
六月十七日、十八日に目視によりタイラギの着底状況を調査しました。
. 5 個 体、
平成二十五・二十六年度覆砂区では最大で1 平方m 当たり1 7
. 5 個 体 確 認 さ れ ま し た。
平成二十一・二十二年度覆砂区では最大で0 7
干潟、干潟縁辺および天然漁場では確認されませんでした。
また、六月二十日に平成二十五・二十六年度覆砂区において採取した
. センチメートルでした。
分析用のタイラギ5個体の殻長は6.6∼10 2
今年度は六月から二月まで調査を実施する計画です。
調査状況
H25・26 年度凹凸覆砂区
で採取したタイラギ
( 殻長 6.6 ∼ 10.2cm)
タイラギ浮遊幼生調査の開始
覆砂漁場への来遊状況を確認するため、タイラギ浮遊幼生調査を
六月十日から開始しました。
六月十日、十九日、二十九日、七月七日に調査を行い、七月七日
の調査において覆砂漁場で1立方m 当たり0 5
. 5 ∼1 5
. 7 個体
︵殻
長0 1
. 4 ∼0 1
. 9 ミ リ メ ー ト ル︶
、諫早湾湾口部で0 ∼2 5
. 9個
体︵殻長0 1
. 4 ∼0 2
. 0 ミ リ メ ー ト ル︶が 確 認 さ れ ま し た。今 年
度は九月まで調査を実施する計画です。
H27.7.7 調査
St.3、殻長 0.19mm
タイラギ浮遊幼生調査地点
DO 計
クロロフィル・濁度計
連続観測機器設置高
海底直上:0.2m
連続観測機器の設置状況
タイラギ
干潟域のタイラギ
新規加入量
成熟・産卵による消耗
自然死亡
の増加
若齢化
生物機能
体力の低下
へい死の引き金となる現象
再生産機能
立ち枯れ死
ウィルス
DOの低下
身入りの
悪化
小型化
有明海におけるタイラギの立ち枯れへい死のメカニズム(仮説)
コラム
∼ タイラギのへい死原因にせまる
その① ∼
有明海のタイラギのへい死は、
西部海域では近年頻発する貧酸
素水塊が一因であることは明ら
か で す が、東 部 海 域 で は 底 層 の
貧酸素化など明らかな生息環境
の悪化がみられなくてもタイラ
ギ が へ い 死 し、そ の 原 因 が 明 ら
か に な っ て い ま せ ん。私 た ち の
グ ル ー プ で は、こ れ ま で の 調 査
結果から栄養 (
不
) 足により
タイラギの体力が低下している
ことが原因ではないかと考えて
い ま す。体 力 が 低 下 し た 状 態 で
高 水 温 に さ ら さ れ た り、成 熟・
産卵による消耗が加わることに
よ り、へ い 死 に 至 っ て い る の で
は な い か と い う 仮 説 で す。こ の
仮 説 を 検 証 す る た め、私 た ち の
グ ル ー プ で は、タ イ ラ ギ の の
種類や量が場所や季節でどう異
な り、タ イ ラ ギ の 栄 養 状 態 と ど
のような関係があるのかを現地
調査で明らかにしようとしてい
ます。
大型個体の減少
次号は、現地調査の実施状況や浮遊幼生調査、タイラギの生
息状況調査の結果︵速報︶を皆様に報告できる予定です。
漁 獲
干潟域における連続観測調査の開始
水位計
底質の浮泥化
硫化水素
継代効果
餌料環
環境の悪化
(餌料量の
の減少、
、質の低下)
)
産卵加入群の不安定化
小型個体が卓越
慢性的
疲弊
高水温
漁場環境の悪化
(浮泥の堆積、硫化
水素の発生など)
年齢構造
個体群機能
増重効果
タイラギが生息する場所の環境や の状況を把握するため、湾奥
部の干潟において水質の連続観測調査を七月二日から開始しまし
た。
干潟域に観測機器を設置し、水温、塩分、溶存酸素量 D(O 、)ク
ロロフィルおよび濁度を連続観測しています。今年度は、二月末ま
で観測機器を設置しタイラギの生息環境を観測する計画です。
今後は、覆砂区にも観測機器を設置する予定で、干潟域と沖合の
覆 砂 区 の 環 境 や の 状 態 を 比 較 し ま す。ま た、覆 砂 区、天 然 漁 場、
干潟域等でタイラギを採集し、タイラギの成長や栄養状態を分析し
ます。このように、生息場所の環境や の条件とタイラギの生理的
状態を比較検討することによりへい死の原因解明に向けて解析を行
います。
皆様も有明海やタイラギに関する情報があれば、随時、全国水産
技術者協会までご連絡ください。
水温・塩分計