内容 - ゆずりは明石

ゆずりは明石
2 月例会
2015年3月25日
終活への道
~遺言書、エンディングノートの作成について~
2 月 12 日(木)開催の例会には、
行政書士の米田和広さん(兵庫ライ
フ・エンディング協会
なごみ代表
理事)をお迎えして、表題の内容を
講演していただきました。財産の多
少に関係なく、なぜ遺言書があるほ
うがよいのかということを、大変わ
かりやすく説明していただき、ずい
ぶん参考になりました。1 時間の講
演後は、参加者 27 人を 4 グループに分けて、米田さん他 3 人の行政書士さん(碩希美子さん、田
中千世さん、大崎恵美子さん)がそれぞれグループに入って助言していただきました。終活に向け
て日頃感じていること、疑問に感じていることなど小グループで濃密な話し合いができたのでは
ないかと思います。
この時配布された「遺言・相続資料」
「エンディング・ノート」は大変わかりやすいもので、各
資料の残部がありますので、必要な方は事務局までお申し出ください。(文責
草野郁子)
● 終活について
~米田行政書士の講演を聞いて~
伊東 八郎
ある。元にかかるのに数年かかった。人間の本
終活とは、①お金、物 ②医療介護
③葬儀・
レベルの介護を望むか、葬儀は従来型かハヤリ
④死後のこと を考えていくことで、①は
の家族葬タイプにするか、正常な判断と予見が
遺言書に、②~④はエンディングノートに夫々
出来る今こそエンディングノートに②~④の
書き残すことである。講師は実体験として、末
項目を記録しなくてはと痛感した。
墓
性はかくもいやらしいものか痛感した。また認
知症などで寝たきりになれば、誰に何処でどの
期がんの母を 3 年弱一人での看病は壮絶な戦
後半は 4 グループに分かれて講演内容につ
いだった。その体験に基づいた内容には大きな
き各自意見を出すフリートークをした。何れも
説得力を感じた。特に遺産相続には公正証書遺
公正証書遺言の重要性とエンディングノート
言があれば醜い骨肉の争いまで発展すること
の作成を再認識した内容だった。
はないことを再確認できた。私も 10 年前叔母
この度の講演は、全ての人が最後はおひとり
急死の相続(預金のみ)で、遺言書がなく、分
さまになるのだから悔いのない人生を完結す
割協議となり何十年も会っていない親族等も
るにも大変有意義な内容だったし、今後も 1~
含め、僅かな額にも拘らず揉めに揉めた経験が
2 回継続したいものである。
2
ゆずりは明石
******
家族会を開催しました
2015年3月25日
******
一年ぶりになる家族会を、2 月 15 日(日)
新薬が次々
明石公園サービスセンター西館で開催しまし
に出ている
た。参加者は 26 人です。当日は「家族として
のでひょっ
思うこと」のテーマで、米田和広さん(下記
としたら・・・
に記事掲載)、友国仁男さん(会報 48 号「妻
という淡い
を看取って」掲載)
、松原幸一さん(会報 52
期待も持ち
号「生かされている事への感謝」掲載)の体
ながら、手術
験をお聞きしました。3 人の発表はそれぞれ
と10回以
感動を呼ぶもので、涙ながらの発表に思わず
上の入院治
もらい泣きしてしまうほどでした。その後参
療を行いました。しかし病状は好転することな
加者全員の紹介を兼ねて質疑応答や感想を述
く時間だけがむなしく過ぎていきました。最後
べ合ったりして、有意義な時間を分かち合い
は母の強い希望で自宅に戻り、住み慣れた自室、
ました。
見慣れた景色の中で穏やかに旅立つことがで
(草野郁子)
きました。良いこと悪いこと色々ありましたが、
結果としては無理して自宅に連れ戻して良か
* 母親を自宅で看取って
米田
ったと思っています。家に戻った時のあの母の
和広
安堵した嬉しそうな表情は忘れられません。私
この3月29日で、
も休職して母の看病介護をした甲斐がありま
母が自宅で他界して
した。
ちょうど2年になり
2010 年 8 月家族旅行
出雲日御碕灯台にて
病気治療をしていた2年9ヵ月の間、私たち
ます(享年67歳)。
は親身になってくださる看護師さんや、同じ病
母が腎臓がんの告知
気を持つ多くの方々に出会えたことで、他人の
を受けたのが5年近
心の痛みなどがわかるようになり、また人に対
く前、そして他界し
して優しくなれるようになったと感じていま
てから2年も経った
す。病気をする前と後とでは、母も私も変わり
とは思えず、あの壮
ました。病気で失ったものは多いけれど、得た
絶な病気との闘いの
ものも本当にたくさんありました。これまでほ
日々がついこの間の
とんどすることのなかった家族旅行も何度か
ことのようでもあり、それでいて遠い昔のこと
することもできましたし。
のようでもあり、命日を近く迎えるにあたり
色々なことが思い出されます。
母は、視覚障害者の方のための朗読ボランテ
ィア活動を長年しており、また4人の親の介護
5年近く前に血尿が出たのを機に病院を受
もこなしてきました。こうしたことから、
「いつ
診したことでがんが見つかりましたが、その時
もお世話をする側にいたのに、自分が世話をし
の衝撃は、本人はもちろん、私たち家族にも相
てもらう側になってしまった」「今までできた
当なものでした。遠隔転移がありましたので治
ことができなくなってしまった、本当に申し訳
らないかもしれない。いやしかし今は効果的な
ない」などといつも私や看護師さんに言って情
3
ゆずりは明石
2015年3月25日
けながっておりました。しかし人は皆歳を取り、 つらい。母の看病介護を通じてそう実感しまし
または病気になり、最期は誰かのお世話になる
た。この病気とひとりで闘うのは無理です。
「ゆ
ものです。苦しい時、困った時はお互い様。遠
ずりは明石」のような場所で、多くの仲間と語
慮せずに誰かに相談し、助けを請えばよいと思
らい、笑い、時には旅行して、
「良い時間、楽し
います。
い時間」を過ごす方が増えることを切に願って
通常、がんという病気とは数年、数十年の長
おります。
い闘いとなります。身体もつらいが心はもっと
骨盤体操の効果
佐藤
眞澄
3 月 10 日(火)サロン「明石楽しもう会」は、
れからは、寝る前の 30 分間教えていただいた
内海正弘講師から「ゴムバンドを使ったゆがみ
体操、ストレッチ、そして自分でこれはいいと
解消ストレッチ」を教えていただきました。前
思ったことを続けています。現在も月一度位は
日の気象予報では明石にも雪が降るとか、確か
軽いふくらはぎのこむら返りが起こりますが、
に朝は冷え込んで、はたして何人の方が参加し
次の日も痛くて困ることはありません。今回、
てくださるかと心配していましたが、会員 8 名、 教えていただいたストレッチで仰向けに寝て
非会員 5 名の計 13 名でした。内海講師のよく
片足を立て、その上にもう一方の足を乗せてふ
通る元気な声を聞きながら、まずは下半身から
くらはぎを上下に、そして外側と内側も動かす、
ほぐし始めました。足首廻し、腰廻し、片足で
これは手で揉むより楽で効果があると思って
立ってのバランス、その場での足踏み等、次は
寝る前の体操に加えました。
上半身、腕振り、肩廻し、次第に汗が出てきま
した。
それぞれに体力気力に差はあると思います
が、まずは自分なりに感じながら体を動かすこ
二年程前の夏に私は冷房で身体が冷えきり、 とが大切であり、焦らず効果があると信じて今
夜中にふくらはぎの激しい「こむら返り」を体
日もまた体を動かしながら暮らしています。も
験し、その痛さに泣いた私は少しでも自分の身
うすぐ春です、冬の間に硬くなってしまった筋
体を改善したいと、会う人毎に何かよい治療法
肉ほぐしを始めませんか。
はないかと聞
いたり、参考に
なる本を読ん
だりしました。
結果、自分で体
を動かしてそ
の日その日を
無事に暮らす
しかないと自
覚するように
なりました。そ
4
ゆずりは明石
2015年3月25日
がんサロン支援塾
〜島根がんサロンそのパワーと秘訣「11 位 1 体から学ぶものとは」〜
芦田晶子
寒さが緩みかけた 2 月 21 日〜22 日、東京以
県下各がんサロン活動報告(各5分)
コーヒー
西の都府県から 41 名の参加者、約 20 名のス
ブレイクを挟み他県のサロン活動報告(各 10
タッフのもと益田市において開催されたがん
分)
サロン支援塾に参加させて頂きました。
「ゆずりは明石がんサロン」の成り立ちがパワ
参加者全員一人 1 分間の自己紹介。大半がこれ
ーポイントを使って紹介されました。がんサロ
からがんサロンを立ち上げるという若い医療
ンに関わらせて頂いて日の浅い私までもがち
関係者の方々でした。
ょっぴり誇らしく思いました。
講演1
益田保健所長村下
伯氏「島根流が
んサロンの特徴」
ゆずりは明石事務局の草野郁子さんから
ランチョンセミナー
「がんサロンの意義
〜地域を動かす新たな時代へ〜」講師は読売新
益田がんケアサロン代表納賀良一
聞社記者の本田麻由美氏。ご自身も 34 歳で乳
氏「がんサロンの軌跡」 口角泡を飛ばすがご
がんを発症、同紙朝刊に 6 年間連載された「が
とく益田がんサロンの歩みが語られました。
んと私」著者。受賞作も多く厚労省の医療、が
現代表の納賀氏は 2004 年からのご自身の厳し
んに関わる多部署の委員を歴任中。医療政策に
いがん闘病体験から患者の立場で日本のがん
於ける患者(支援団体)の役割を熱く語られまし
医療の向上に向けて行政、メディアを味方に大
た。食べるのを忘れるほどでした。
講義1
最後は 3 時間に及ぶグループワーク
いに発信、牽引されています。
がん
懇親会の後「石見神楽鑑賞」
、地元の皆様が伝統
サロンの活性化について話し合いました。各グ
芸能継承に懸命に取り組んでいました。
ループ代表による発表の場には行政、市役所、
保健所の代表が質問者として向かい合い、迫真
2日目
8:30〜16:00 まで講演、講義、島根
のやり取りに大いに盛り上がりました。
5
ゆずりは明石
テーマの「十一位一体」とは患者、行政、医療
2015年3月25日
じた二日間でした。
現場の三位一体に県議会、メディア、産業界を
もう一泊して津和野観光をしました。山上の
追加した六位一体。さらに島根県は大学、建築
津和野城跡の石垣、町なかを流れる津和野川、
学、宗教学、人生学、終末期医療を追加して「十
兵庫の竹田城跡にとても似ていると思いまし
一位一体」と呼んでいます。それらの取り組み
た。文豪、森鴎外の旧居、菩提寺、お墓。日本
の中で特に印象深かったのは行政、メディアと
五大稲荷の一つ、赤い鳥居を連ねた太鼓谷稲成
の関わり方と看護学生の実習カリキュラムに
神社。キリシタン迫害の歴史、乙女峠。
サロン見学、レポート提出が組み込まれていた
ことでした。
「支援塾」と呼ぶ名に相応しいきめ
鯉の泳ぐ殿町。景観もさることながら道行く老
細かい指導がなされ、益田がんサロンの皆様の
若男女の皆さん全員が挨拶して下さる心温ま
老年パワーと参加者の多くの若いパワーを感
る小京都を楽しみました。
この一年を振り返って
「蛍の光」の歌は、日本では卒
業式や閉店、学校の下校時のチ
大西
忍
せんでしたが声を聞き、手を握り合い懐かし
く温かいものを感じました。
ャイム等、分かれの曲として使われますが、
●第 22 回 日本ホスピス・在宅ケア研究
会全国大会 in 神戸
原曲の国スコットランドでは民謡であり、愛
する人との再会をお祝いする時に歌われてい
るそうです。
7 月 12〜13 日に神戸での日ホス全国大会開
ゆずりは明石も 3 月をもって今年度が終
催 5 回目が実施されました。私は 2010 年 7 月
了、平成 27 年度へと活動をバトンタッチしま
鳥取市での開催を皮切りに沖縄 北海道 長
す。私も一身上の都合で5年間の運営委員を
崎市での大会に参加させていただきました。
卒業させていただきたく、この一年心に残る
とても勉強になりました。それ以上に会場内
イベント 3 つを振り返ってみました。
の熱気、参加者との出会い、当番県の方々の
熱いオモテナシに感謝、癒され 勇気付けら
●リレー・フォー・ライフ・ジャパン
2014 神戸
れて来ました。今回の会場は神戸市ポートピ
アホテルでしたのでボランテア参加に登録し
6 月 7〜8 日、神戸震災復興記念公園「みな
ました。2 日間だけでしたが正直なところ疲
との森公園」で、神戸で初めて開催されたリ
れました。会運営に関わった方々のご苦労は
レー・フォー・ライフに、会員 11 名と共に私
如何ばかりかと思う時、筆舌に尽くし難いも
も参加しました。私は公園内に白線で引かれ
のがあります。感謝の一言有るのみです。そ
たトラックを横断幕を持って歩くだけでした
して 2 ヶ月後に実行委員長の黒田裕子さんの
が、偶然にも現役時代の後輩数人に出会うこ
訃報に接し、全く信じ難く残念でなりません
とができました。ゆっくり話す時間はありま
でした。ご冥福をお祈りするばかりです。
6
ゆずりは明石
●ゆずりは明石 10 周年記念講演会
2015年3月25日
の中で「死後の世界」について瀬戸内寂聴さ
11 月 15 日、明石市生涯学習センター子午
んと対談をした時、寂聴さんが「あの世とは
線ホールで上野千鶴子先生を講師に、「がん
親戚縁者や親しかった故人がすでに居る処で
のおひとりさまでも最後まで在宅で」という
はないの」と最近言えるようになったという
テーマで、とても素晴らしい講演会が実施さ
下りを聞いた時、ああ私も丁度 8 ヶ月前、突
れました。参加者 252 名の皆さんからも、と
然身体の中から突き上げて来るような感覚が
てもよかった、参考になるお話でした、とい
あって、「26 歳で逝った兄が 53 歳と 84 歳の
うような声を頂いております。ほぼ1年前か
兄がそして父が、母が眠っている処」という
ら3回の実行委員会を開催、また毎月の運営
思いを持った経験があったので、偶然の一致
委員会でもほとんど議題に上がり検討してき
に驚くやら一寸嬉しいような感想をもちまし
ました。私の個人的な感想で上野先生の講話
た。
お 知 ら せ
●お花見
日時
4 月 10 日(金)11:30~15:00
集合
11:30 明石公園入口「時打ち太鼓」の前
参加費
1000 円(お弁当、お茶代)
申込み
4 月 6 日までに、事務局まで申し込んでください。
℡&Fax:078-911-6761(草野)
★ 雨天決行です。11 時現在で雨の場合は、明石公園サービスセンター西館
2 階会議室までお越しください。
★ お弁当が不要な方は、申し込みの折その旨お知らせください。
●サロン「明石楽しもう会」
日時
5 月 14 日(木)10:00~12:00
場所
明石市立保健センター3 階 運動指導室
講師
藤原寿乃さん(予防医学指導士)
★ 運動しやすい服装でお越し下さい。水分補給のための
お茶などもご持参ください。
7
ゆずりは明石
●がん療養相談「あじさい会」主催
がんの再発・転移への対応
2015年3月25日
講演会
~脳転移の場合~
日時
4 月 25 日(土)14:30~16:30
場所
中ノ門
シャポービル 4 階
姫路市白銀町 36-1
(2 階:だいとうクリニック)
講師
東
靖人先生(姫路中央病院付属クリニック所長・神経内科医長)
赤松 悟先生(姫路中央病院ガンマ―ナイフセンター長・脳神経外科福医長)
参加費
無料
申込み
不要
当日会場に直接お越しください。
●リレー・フォー・ライフ・ジャパン 2015 神戸
日時
6 月 13 日(土)14 時
~14 日(日)12 時
場所
みなとのもり公園
主催
リレー・フォー・ライフ・ジャパン神戸実行委員会
(公財)日本対がん協会
★ 詳細は 5 月末発行の会報でお知らせします。
6 月 13 日を今から予定に入れておいてください。
「ゆずりは明石」の横断幕を持って一団となって歩きましょう!
大勢の方のご参加をお待ちしています。
●ご寄附
ありがとうございました
内田千津代様
荒木とみ子様
編集後記:3 月 11 日 東日本大震災から4年が経過、復興はまだ道なかばのようです。NHK 朝
ドラ「マッサン」も終了しました。この BGM につかわれていたスコットランド民謡「広い河の
岸辺」には、どんな絶望の中にいても前に立ち向かって行こう。それでも僕らは小舟を探す・・
と歌詞は続くそうです。被災地の皆さんには今こそこの小舟が必要な時ではないでしょうか。
鎮魂と祈りの一日でした。(大西 忍)
8