独立行政法人 国立病院機構東京医療センター遺伝子関連研究業務手順書 第1章 目的と適用範囲 (目的と適用範囲) 第1条 本手順書は、ヘルシンキ宣言を尊重し、また、国内の遺伝子関連研究の倫理指針 の趣旨にそって、国立病院機構東京医療センターにおける遺伝子関連研究の実施に必要 な手続きと運営に関する手順を定めるものである。ただし、当該手順書に規定されてい ない事項については、独立行政法人 国立病院機構東京医療センター臨床研究業務手順書 を参考とする。 2 製造(輸入)承認申請又は承認事項一部変更承認申請の際に提出すべき資料の収集の ために行う治験は、企業主導治験に係る標準業務手順書又は医師主導治験に係る標準業 務手順書を適用する。 第2章 院長の業務 (院長の責務) 第2条 院長は、実施を許可した遺伝子関連研究について、適正に実施されるよう必要な 監督を行うとともに、最終的な責任を負うものとする。 2 院長は、院内における遺伝子関連研究が、倫理的、法的又は社会的問題を引き起こす ことがないよう、研究者等に対し、遺伝子関連研究を実施するにあたり、被験者の人間 の尊厳及び人権を尊重し、個人情報を保護しなければならないことを周知徹底する。 3 院長は、いかなる遺伝子関連研究等も、院長の責任の下で計画され、実施されること 及び遺伝子関連研究に起因する被験者の健康被害等に対する補償その他の必要な措置を 講じる。 4 院長は、必要に応じ、院内において遺伝子関連研究が指針に適合して実施されている か否かについて、自ら点検及び評価を行う。 5 院長は、倫理委員会が行う調査に協力しなければならない 6 院長は、院内において指針に適合して遺伝子関連研究が実施されているか否かについ て、厚生労働大臣が実施する実地又は書面による調査に協力する 7 院長は、遺伝子関連研究の実施に携わる関係者に、被験者の生命、健康及び人権を尊 重して遺伝子関連研究を実施することを周知徹底しなければならない。 8 院長は、遺伝子関連研究の実施の適正性若しくは遺伝子関連研究結果の信頼を損なう 事実若しくは情報又は損なうおそれのある情報について報告を受けた場合には、速やか に必要な措置を講じなければならない。 9 院長は、モニタリング及び監査の実施に協力するとともに、当該実施に必要な措置を 講じなければならない。 10 院長は、その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務 に従事しなくなった後も、同様とする。 11 院長は、遺伝子関連研究に関する業務の一部を委託する場合には、委託を受けた者 が遵守すべき事項について、文書による契約を締結するとともに、委託を受けた者に対 する必要かつ適切な監督を行わなければならない。 12 院長は、遺伝子関連研究に関する倫理並びに遺伝子関連研究の実施に必要な知識及 び技術に関する教育・研修を当院の研究者等が受けることを確保するための措置を講じ なければならない。また、自らもこれらの教育・研修を受けなければならない。 13 院長は、当院の情報等について、可能な限り長期間保管し、遺伝子治療等臨床研究 であって介入を行うものを実施する場合には、少なくとも、当該研究の終了について報 告された日から10年を経過した日までの期間、適切に保管されるよう必要な監督を行 わなければならない。また、連結可能匿名化された情報について、当該研究機関が対応 表を保有する場合には、対応表の保管についても同様とする。 14 院長は、人体から取得された試料及び情報等を廃棄する場合には、匿名化されるよ う必要な監督を行わなければならない。 (遺伝子関連研究の申請等) 第3条 院長は、研究責任者に倫理委員会規程第 16 条に規定されている倫理委員会の審査 に必要な資料を事務局に提出させる。 (遺伝子関連研究実施の了承等) 第4条 院長は、研究責任者に対して遺伝子関連研究の実施を了承する前に、研究計画書 等の審査の対象となる文書を倫理委員会に提出し、遺伝子関連研究の実施について倫理 委員会の意見を求める。なお 2 院長は、倫理委員会が遺伝子関連研究の実施を承認する決定を下し、又は研究計画書、 同意文書及びその他の説明文書並びにその他の手順について何らかの修正を条件に遺伝 子関連研究の実施を承認する決定を下し、倫理委員会審査結果通知書により通知してき た場合、これに基づく院長の指示及び決定を、倫理委員会審査結果通知書(別紙8又は 別紙10)に記名捺印し、研究責任者に通知する。 3 院長は、倫理委員会が遺伝子関連研究の実施を却下する決定を下し、その旨を通知し てきた場合は、遺伝子関連研究の実施を了承することはできない。院長は、遺伝子関連 研究の実施を了承できない旨の院長の決定を、倫理委員会審査結果通知書(別紙8)に 記名捺印し、研究責任者に通知する。 4 院長は、研究責任者から、遺伝子治療等臨床研究の実施の許可を求められたときは倫 理委員会及び厚生労働大臣に意見を求め、その意見を尊重し、当該許可又は不許可、そ の他研究に関し必要な措置について決定しなければならない。なお、他の研究機関と共 同して実施する遺伝子治療等臨床研究について厚生労働大臣に意見を求める場合には、 一括して意見を求めることができる。 5 院長は、研究責任者をはじめとする研究者等から研究の継続に影響を与えると考えら れる事実又は情報について報告を受けた場合には、必要に応じて倫理委員会に意見を求 め、その意見を尊重するとともに、必要に応じて速やかに、研究の停止、原因の究明等、 適切な対応をとる。 6 院長は、国立病院機構本部が課題の選定及び研究費の支出を行う遺伝子関連研究等に 関すること、その他必要があると認められる場合において、国立病院機構臨床研究中央 倫理審査委員会に調査審議を依頼することができる。なお、国立病院機構臨床研究中央 倫理審査委員会に調査審議を依頼し、同委員会が遺伝子関連研究の実施を承認する決定 を下した場合、院内での実施にあたり、速やかに院長が設置した委員会に報告する。 (遺伝子関連研究の継続) 第5条 院長は、実施中の遺伝子関連研究において少なくとも年1回(年度末)、研究責 任者に研究経過報告書(別紙13) を提出させ、その写を倫理委員会に提出し、遺伝子 関連研究の継続の適否について倫理委員会の意見を求める。また、ヒトゲノム・遺伝子 解析研究においては、外部の有識者による定期的な実地調査を少なくとも年 1 回実施す る等、実施状況を把握する。 2 院長は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針第2の4(4) 、遺伝子治療等 臨床研究に関する指針第2章の第16の3の規定により通知を受けたとき、その他院長 が必要と認めたときは遺伝子関連研究の継続の適否について委員会の意見を求める。 3 院長は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究においては、倫理委員会に外部の有識者による 実地調査結果を提出し、研究の継続の適否について委員会の意見を求める。 4 院長は、研究責任者から、遺伝子治療等臨床研究の重大な変更の許可を求められたと きは倫理委員会及び厚生労働大臣に、その他の当該遺伝子治療等臨床研究の変更の許可 を求められたときは倫理審査委員会に意見を求め、その意見を尊重し、当該許可又は不 許可その他研究に関し必要な措置について決定しなければならない。なお、他の研究機 関と共同して実施する遺伝子治療等臨床研究について厚生労働大臣に意見を求める場合 には、一括して意見を求めることができる。 5 院長は、これに基づく院長の指示及び決定を、倫理委員会審査結果通知書(別紙8)に 記名捺印し、研究責任者に通知する。 6 院長は、倫理委員会が実施中の遺伝子関連研究の継続審査等において、倫理委員会が 既に承認した事項の取消し (遺伝子関連研究の中止又は中断を含む) の決定を下し、そ の旨を通知してきた場合は、これに基づく院長の指示・決定を、倫理委員会審査結果通 知書(別紙8)に記名捺印し、研究責任者に通知する。 (研究計画書の変更への対応) 第6条 院長は、遺伝子関連研究期間中、倫理委員会の審査対象となる文書が追加・更新 又は改訂された場合は、研究責任者から、それらの該当文書のすべてを速やかに提出さ せる。 2 院長は、研究責任者より前項のとおり提出があった場合には、遺伝子関連研究の継続 の適否について、倫理委員会の意見を求める。これに基づく院長の指示及び決定を倫理 委員会審査結果通知書(別紙8)に記名捺印し、研究責任者に通知する。 (指針及び研究計画書からの逸脱への対応) 第7条 重大な研究計画書からの逸脱、情報やデータ等のねつ造・改ざん、重大な有害事 象の発生等により被験者への負担並びに予測されるリスク及び利益の総合的評価の変更、 不適切なインフォームド・コンセントの手続き、個人情報等の漏えい等があった場合に は、倫理委員会に意見を求め、必要に応じて速やかに研究の停止、原因の究明等、適切 な対応をとらなければならない。 2 院長は、当院において実施している又は過去に実施された遺伝子関連研究等について、 重大な指針違反があった場合、指針に適合していないことを知った場合には、速やかに 倫理委員会に意見を聞き、必要な対応をした上で、その対応状況・結果を厚生労働大臣 に報告し公表する。 (重篤な有害事象の発生への対応) 第8条 院長は、遺伝子治療等臨床研究に対して、研究責任者より院内において重篤な有 害事象発生の報告があった場合は、研究責任者が判定した当該研究との因果関係並びに 予測性を確認し、研究の継続の可否について、倫理委員会の意見を求める。これに基づ く院長の指示及び決定を、倫理委員会審査結果通知書(別紙8)に記名捺印し、研究責 任者に通知する。 2 院長は、遺伝子治療等臨床研究であって、介入を行うものの実施において、予測でき ない重篤な有害事象が発生し、当該研究との直接の因果関係が否定できない場合には、 当該有害事象が発生した研究機関の長は、速やかに、厚生労働大臣に報告するとともに、 第4条第4項の対応の状況・結果を速やかに厚生労働大臣に報告し、公表する。 (重大な安全性に関する情報の入手) 第9条 院長は、遺伝子治療等臨床研究を共同して行っている場合において、共同研究機 関の長より安全性情報等に関する報告書を入手した場合は、研究責任者に通知し、倫理 委員会に報告する。なお、被験者の安全又は当該研究の実施に影響を及ぼす可能性のあ る重大な情報には、以下のものが含まれる。 (1)他施設で発生した重篤で予測できない副作用 (2)重篤な副作用又は試験薬の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発 生傾向が添付文書等から予測できないもの (3)死亡又は死亡につながるおそれのある症例のうち、副作用によるもの又は試験薬の 使用による感染症によるもの (4)副作用又は試験薬の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向 が著しく変化したことを示す研究報告 (5)研究等の対象となる疾患に対し効能又は効果を有しないことを示す研究報告 (6)副作用又は感染症によりがんその他の重大な疾病、障害又は死亡が発生するおそれ があることを示す研究報告 (7)当該試験薬と同一成分を含む市販医薬品に係わる製造、輸入又は販売の中止、回収、 廃棄その他の保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施 (遺伝子関連研究の中止、中断及び終了) 第10条 院長は、研究責任者が遺伝子関連研究の中止又は中断(別紙14)を報告してき た場合は、倫理委員会に対し、速やかに、その旨を通知する。なお、通知の文書には、 中止又は中断についての詳細が説明されていなければならない。 2 院長は、研究責任者が遺伝子関連研究の終了(別紙12)を報告してきた場合は、倫理 委員会に対し、速やかにその旨を通知する。 第3章 倫理委員会 (倫理委員会及び倫理委員会事務局の設置) 第11条 院長は、遺伝子関連研究を行うことの適否その他の遺伝子関連研究に関する調 査審議を行わせるため、倫理委員会を設置する。 2 院長は、前項の倫理委員会の委員を指名し、当該倫理委員会と協議の上、倫理委員会 の運営の手続き及び記録の保存に関する規程を定める。なお、研究責任者から、当該倫 理委員会の規程及び委員名簿の提示を求められた場合には、これに応ずる。 3 院長は、倫理委員会に出席することはできるが、委員になること並びに審議及び採決 に参加することはできない。 4 院長は、倫理委員会の業務の円滑化を図るため、第1項により設置した倫理委員会の 運営に関する事務及び支援を行う者を指名し、倫理委員会事務局を設置する。 (国立病院機構臨床研究中央倫理審査委員会への依頼等) 第12条 院長は、国立病院機構臨床研究中央倫理審査委員会に審査を依頼する場合、同 委員会の求めに応じて関連する資料の提出等を行う。 2 院長は、第11条第4項及び第18条第1項に規定される倫理委員会事務局に国立病 院機構臨床研究中央倫理審査委員会の審査依頼等、当院の手続きに関わる事務業務を行 わせる。 第4章 研究責任者の業務 (研究責任者の要件) 第13条 研究責任者は、以下の要件を満たさなくてはならない。 (1)研究責任者は、教育・訓練及び経験によって、遺伝子関連研究を適正に実施しうる 者でなければならない。 (2)研究責任者は、研究計画書、最新の製品情報及び試験薬の適切な使用法に十分精通 していなければならない。 (3)研究責任者は、遺伝子関連研究に関する指針を熟知し、これを遵守しなければなら ない。 (4)研究責任者は、規制当局及び第11条第1項により設置された倫理委員会の調査を 受け入れなければならない。 (研究責任者の責務) 第14条 研究責任者は次の事項を行う。 (1)倫理委員会が遺伝子関連研究の実施又は継続を承認し、又は何らかの修正を条件に 研究の実施又は継続を承認し、これに基づく院長の指示・決定が文書(別紙8又別紙 11)で通知された後に、その指示・決定に従って遺伝子関連研究を開始又は継続す ること。又は、倫理委員会が実施中の遺伝子関連研究に関して承認した事項を取消し (遺伝子関連研究の中止又は中断を含む)、これに基づく院長の指示、決定が文書で 通知(別紙10)された場合には、その指示、決定に従うこと。 (2)実施中の遺伝子関連研究において少なくとも年1回(年度末)、又は倫理委員会の求 めに応じてそれ以上の頻度で、院長に研究経過報告書(別紙13)を提出すること。 (3) 遺伝子治療等臨床研究実施中に重篤な有害事象が発生した場合は、重篤で予測でき ない副作用を特定した上で速やかに院長に報告するとともに、研究の継続の適否につ いて院長の指示及び決定を受けること。 また、他の共同研究機関の研究責任者に対しても報告すること。 (4) 遺伝子関連研究終了後、速やかに院長に研究終了報告書(別紙12)を提出するこ と。なお、遺伝子関連研究が中止又は中断された場合においては研究中止中断報告書 (別紙14)を提出すること。 (5) 匿名化されていない試料・情報を原則として外部の機関に提供してはならない。た だし、提供者又は代諾者等が匿名化を行わずに外部の機関へ提供することに同意し、 かつ、倫理委員会の承認を受け、院長が許可した研究計画書において認められている 場合には、匿名化されていない試料・情報を外部の機関へ提供することができる。 (6) ヒトゲノム・遺伝子解析研究の業務の一部を委託する場合において、試料・情報を 受託者に提供する際は、原則として試料・情報を匿名化しなければならない。ただし、 提供者又は代諾者等が同意し、かつ、倫理委員会の承認を受け、院長が許可した研究 計画書において認められている場合には、匿名化せずに試料・情報を提供することが できる。 (7) ヒトゲノム・遺伝子解析研究の進捗状況及びその結果を定期的に提供者等の求めに 応じて説明し、又は公表しなければならない。ただし、提供者等の人権の保障や知的 財産権の保護に必要な部分については、この限りでない。 (8) 遺伝子治療等臨床研究の終了後直ちに次の事項を記載した総括報告書を作成し、速 やかに院長(総括責任者を置く場合にあっては、研究機関の長及び総括責任者。 )に報 告しなければならない。 (被験者の同意の取得) 第15条 研究責任者又は研究者は、被験者が遺伝子関連研究に参加する前に、被験者に 対して同意文書及びその他の説明文書を渡して十分に説明し、遺伝子関連研究への参加 について自由意思による同意を文書により得る。 2 研究責任者、研究者、遺伝子関連研究への参加又は遺伝子関連研究への参加の継続に 関し、被験者に強制したり又は不当な影響を及ぼしてはならない。 3 遺伝子関連研究に継続して参加するか否かについての被験者の意思に影響を与える可 能性のある情報が得られた場合には、研究責任者又は研究者は、当該情報を速やかに被 験者に伝え、遺伝子関連研究に継続して参加するか否かについて被験者の意思を確認し なければならない。この場合、当該情報が被験者に伝えられたことを文書に記録しなけ ればならない。 4 遺伝子解析研究においては、提供者に対して、事前に、その研究の意義、目的、方 法、予測される結果、提供者が被るおそれのある不利益、遺伝情報の開示の方針、試 料・情報の保存及び使用方法、将来的に他の研究に利用される可能性及びその場合の手 続等について十分な説明を行った上で、自由意思に基づく文書による同意を受けて、試 料・情報の提供を受けなければならない。ただし、人の生命又は身体の保護のために、 緊急に個人情報又は試料・情報の提供を受ける必要がある場合は、インフォームド・コ ンセントを受けることを要しない。 (被験者に対する医療) 第16条 研究責任者は、遺伝子関連研究に関連する医療上の全ての判断に責任を負う。 2 院長及び研究責任者は、被験者の遺伝子関連研究参加期間中及びその後を通じ、遺伝 子関連研究に関連した臨床上問題となる全ての有害事象に対して、十分な医療が被験者 に提供されることを保証する。また、臨床責任者又は研究者は、有害事象に対する医療 が必要となったことを知った場合には、被験者にその旨を伝えなければならない。 (遺伝情報の開示) 第17条 研究責任者は、個々の提供者の遺伝情報が明らかとなるヒトゲノム・遺伝子解 析研究に関して、提供者が自らの遺伝情報の開示を希望している場合には、原則として 開示しなければならない。ただし、遺伝情報を提供することにより、提供者若しくは第 三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれ又は当該研究を行う機関の研 究業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがあり、かつ、開示しないことについ て提供者のインフォームド・コンセントを受けている場合には、その全部又は一部を開 示しないことができる。なお、開示しない場合には、当該提供者に遺伝情報を開示しな い理由を説明しなければならない。 2 研究責任者は、遺伝情報を開示する場合には、当該遺伝情報が提供者の健康状態等を 評価するための情報としての精度や確実性を有しているか等についても可能な範囲で説 明に努めることとし、提供者や血縁者の誤解を招くことがないように努めることとする。 3 研究責任者は、単一遺伝子疾患等(関連遺伝子が明確な多因子疾患を含む。 )に関する 遺伝情報を開示しようとする場合には、医学的又は精神的な影響等を十分考慮し、診療 を担当する医師との緊密な連携の下に開示するほか、必要に応じ、遺伝カウンセリング の機会を提供しなければならない。 (遺伝カウンセリング) 第18条 ヒトゲノム・遺伝子解析研究における遺伝カウンセリングは、対話を通じて、 提供者及びその家族又は血縁者に正確な情報を提供し、疑問に適切に答え、その者の遺 伝性疾患等に関する理解を深め、ヒトゲノム・遺伝子解析研究や遺伝性疾患等をめぐる 不安又は悩みに応えることによって、今後の生活に向けて自らの意思で選択し、行動で きるよう支援し、又は援助することを目的とする。 (厚生労働大臣への報告等) 第19条 院長は、遺伝子治療等臨床研究の進捗状況及び研究結果について、研究責任者 又は倫理委員会から報告又は意見を受け、必要に応じ、研究責任者に対しその留意事項、 改善事項等に関して指示を与えるとともに厚生労働大臣に対し報告を行わなければなら ない。 2 院長は、研究責任者から受理した総括報告書の写しを速やかに厚生労働大臣に提出しな ければならない。 3 院長は、遺伝子治療等臨床研究の継続に影響を与えると考えられる事実又は情報につい て、速やかに厚生労働大臣に報告しなければならない。 4 院長は、当院が実施している又は過去に実施した遺伝子治療等臨床研究について、関連 指針に適合していないことを知った場合には、速やかに倫理委員会の意見を聴き、必要な 対応を行うとともに、不適合の程度が重大な場合であるときは、その対応の状況・結果を 厚生労働大臣に報告し、公表しなければならない。 (事務局・相談窓口の設置及び業務) 第20条 院長は、遺伝子関連研究の実施に関する事務及び支援並びに倫理委員会の庶務 を行う者を指定し、事務局を設ける。 2 事務局は、事務部管理課及び治験管理室に設置する。また、事務局は研究相談窓口を 兼ねるものとする。 第6章 記録の保存 (遺伝子関連研究等に係る文書又は記録の保存責任者) 第21条 文書・記録ごとに定める保存責任者は次のとおりとする。 (1)診療録、検査データ、同意文書等:研究責任者 (2)倫理委員会(国立病院機構臨床研究中央倫理審査委員会を含む)に関する文書等:事 務局 2 試料・情報の保存期間が過ぎた場合には、提供者又は代諾者等の同意事項を遵守し、 匿名化して廃棄しなければならない。 附 則 (施行期日) この手順書は、平成 27 年 9 月7日から施行する。
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